晴耕雨マンガ

5月は、六道の悪女たち、少年ラケット。

Across the Manga Awards その② ワン・アンド・オンリー

先日、第2回 次に来るマンガ大賞と、全国書店員が選んだおすすめコミック 2016が発表され、残すは3月末のマンガ大賞を残すのみとなりました。そこで、今回は『あるランキングでは上位に入っているのに、他ではランク外の作品』 = ワン・アンド・オンリーな作品をまとめてみました。


・コミックナタリー大賞 2015 14位
RiN/ハロルド作石/月刊少年マガジン


ラーメン大好き小泉さん/鳴見なる/まんがライフSTORIA



・2015 エンタミクス コレ読んで!漫画ランキング 7位
この音とまれ!/アミュー/ジャンプSQ



・このマンガがすごい! 2016 オトコ編 18位
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション/あさのいにお/週刊ビッグコミックスピリッツ



・このマンガがすごい! 2016 オンナ編 6位
逢沢りく/ほしよりこ/別冊文芸春秋



・このマンガを読め! 2016 4位
鼻紙写楽/一ノ関圭/ビッグコミック1



・俺マン 2015 12位
メイドインアビス/つくしあきひと/コミックガンマ


・第2回 次に来るマンガ大賞 11位
クズの本懐/横槍メンゴ/月刊ビッグガンガン



・全国書店員が選んだおすすめコミック 2016 14位
雪花の虎/東村アキコ/ヒバナ





ハロルド作石、浅野いにお、ほしよりこ、東村アキコなど、すでに実績のある作家の作品に、根強いファンが投票した結果、ワン・アンド・オンリー現象が起こったのではないかと思われます(まぁ、鼻紙写楽は事情が違うでしょうけど)。あとクズの本懐が、次に来るマンガ大賞で2年連続11位という、ブレイクするんだかしないんだか分からない状態になっているのが、ちょっと面白い。








  1. 2016/02/07(日) 13:41:58|
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Across the Manga Awards その① Webマンガ答えあわせ

先日、マンガ大賞2016のノミネートが発表されたことで、主なマンガ関連の賞の受賞・候補作が出そろったことになります。
このブログでは、昨年11月に『今年のマンガ関連の賞にランクインしてきそうなWebマンガ 2015』という記事で、ランクインしそうなWebマンガを予想していました。今回は、その答えあわせをしたいと思います。
対象は…
コミックナタリー大賞 2015(コミナタ) エンタミクス コレ読んで!漫画ランキング(エンタ) このマンガがすごい! 2016(すごい) このマンガを読め! 2016(読め) 俺マン2015(俺マン) 第2回 次にくるマンガ大賞(次に) マンガ大賞 2016(大賞)
の7つです。
※基本的に、各ランキング50位までを対象とし、それ以下の順位で発表されている場合でも、ランク外という扱いにしたいと思います。


1:淡島百景/志村貴子
・すごいオンナ編17位 ・俺マン49位 (文化庁メディア芸術祭 優秀賞)


2:アンゴルモア~元寇合戦記~/たかぎ七彦
・コミナタ26位 ・すごいオトコ編14位


3:臆病の穴/史群アル仙
・すごいオトコ編43位


4:おしえて!ギャル子ちゃん/鈴木健也
・コミナタ35位


5:女の友情と筋肉/KANA
・コミナタ14位 ・エンタ32位 ・すごいオンナ編8位


6:学校へ行けない僕と9人の先生/棚園正一
なし


7:かふん昔ばなし/かふん
なし


8:くも漫。/中川学
・すごいオトコ編37位 ・読め45位


9:恋と嘘/ムサヲ
・コミナタ14位


10:つまさきおとしと私/ツナミノユウ
なし


11:とんかつDJアゲ太郎/小山ゆうじろう&イーピャオ
・すごいオトコ編28位 ・大賞ノミネート


12:ニューヨークで考え中/近藤聡乃
・コミナタ35位 すごいオンナ編28位 読め12位


13:ビーンク&ロサ/模造クリスタル
なし


14:マドンナはガラスケースの中/スガワラエスコ
なし


15:ラーメン食いてえぇ!/林明輝
・読め33位

選んだ15タイトルのうち、2/3が何らかの形でランクインしましたが、7アワードでランクイン&ノミネートしたWebマンガ、延べ52作品のうち、当てることができたのが18作品(約35%)では、成功とは言えないか。 っていうか、次にくるマンガ大賞は、Webマンガ部門が別にあるのに、1本もかすっていない時点で……。



・ヲタクに恋は難しい/ふじた
・コミナタ14位 ・エンタ11位 ・すごいオンナ編1位 ・俺マン49位


・塩田先生と雨井ちゃん/なかとかくみこ
・コミナタ35位 ・エンタ19位 ・すごいオンナ編4位 ・俺マン38位


・ODETTE/日当貼
・エンタ22位 すごいオンナ編6位 ・俺マン41位

あたりの女性向けの作品を外したのが痛かった印象。というか、全般的にランクインしたWebマンガは、女性向けが多かったように思います。あと

・魔法使いの嫁/ヤマザキコレ
・エンタ26位 ・すごいオトコ編16位 ・俺マン49位


・ワンパンマン/ONE&村田雄介
・エンタ21位 ・すごい23位

あたりは、webマンガという認識がなかったのも失敗の原因のひとつかな。

来月以降も、複数のマンガアワードを横断した企画記事をチョコチョコ書きたいと思います。よろしくお願いします。






  1. 2016/01/19(火) 21:34:45|
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今年の読みきり漫画まとめ 2015

○はじめに
さて、今年も残すところ1か月となり、さまざまなマンガ関係の賞が発表される季節になってきました。でも個人的に気になるのは、その選考対象がどれも『単行本』だということ。雑誌に掲載されたりWebで発表されたマンガがすべて単行本化されるわけではありません。そこで、昨年12月から今年11月までで自分が読んで面白かったと思う読み切り、および単行本化されていない短期連載作品をまとめてみたいと思います。

○週刊少年チャンピオン 短期連載
今年度、出張版や単行本化したものを除いて、チャンピオンに掲載された短期連載は9本。その中で印象に残っているのは、はらまき/小川真孝(9号~16号掲載)  私のお兄ちゃんはサイボーグです。/福地カミオ(18号~27号掲載)  蠢くニャグラゾテプ/猫黒ノミコ(20号~25号掲載)といったところ。個人的に一番良かったのは
私を食卓に連れてって/しまだ(10号~17号掲載)です。
私を食卓に連れてって/しまだ
殺人的に料理が下手なヒロインを中心としたコメディ。投げやりとも思えるようなテンションの高さを維持しながらも、最終回ではタイトルの意味を回収するという、構成の妙も見せてくれました。作者の再登場に期待したいです。

○チャンピオン 読み切り
出張版や特別編7本を除いて掲載された読み切りは、作者12人の14本(昨年度から19本減)。新人まんが賞出身の中村勇志の2本ひざまずけ豚野郎(4+5号掲載) REIKA(27号掲載)、独特な絵柄のこーへーの2本黒緋(6号掲載) 夢を犯せ旅人(16号掲載)、ギャグも絵もエッジが効いてる大改造!サイボーグバレンタイン/山本アヒル(31号掲載)、順調に成長を続けているこむぎけーしょん/福地カミオ(43号掲載)、主人公とヒロインの性別的な関係が二転三転するガール・バーサス・ガール!/アサダニッキ(50号掲載)あたりが面白かったです。ベストは
ヒヨコ爆弾/サブ(10号掲載)です。
ヒヨコ爆弾/サブ
幼いころから秘めてきた恋心が、多数の『ヒヨコ爆弾』によって暴かれそうになってしまうが……。絵の上手さは相変わらずだし、テンポも話の構成も無駄がない。もう一度連載のチャンスをつかんでほしい。
あと、今年度のチャンピオンのMVPは、吸血鬼すぐ死ぬ/盆ノ木至に登場する、世界一かわいいアルマジロのジョンだと思います。
ジョン

○別冊チャンピオン
今年度掲載された読み切りは、作者19人の24本。魔女っ娘ならぬ魔道っ子のラブコメ蠱るもやくるコダマ/田中杜芝(2月号掲載) 妖怪が起こした事件の捜査、真相解明、バトルを描き切った妖怪事件/中斉翔(4月号掲載) 独特なクリーチャー描写が印象的なシックス・ナンセンス/田口翔太郎(6月号掲載) デビュー当時の『ジョジョっぽい』雰囲気から脱しつつある奇人ニズム/鈴木優太(10月号掲載) 妖怪と人間の混血が生み出すトラブルの解決ストーリーゴーストレイト/古川一(11月号掲載)あたりが良かったです。あとは、3本掲載された脇山樹人にも期待したいです。ベストは
コイバク/関哲朗(3月号掲載)。
コイバク/関哲朗
バクチ狂の父親の影響で、どんなことでもギャンブル的な考え方をするようになってしまった主人公が、好きな娘との会話もひとつの勝負に見立てていく。絵も上手いし、全体的に勢いもあった。再登場してほしいです。

○アワーズ
今年、アワーズに掲載された読み切りは10本。描いたのは、大石まさる、小野寺浩二、鈴木小波の3人で、4本は単行本発売に関する番外編的なモノなので、実質的には6本といったところ。個人的には、始末されそうになったヤクザの男が語る蜜蜂の秘密 シェヘラザード/小野寺浩二が一番面白かったが、来年からは雑誌単位でまとめるのはやめた方がいいのかも。

○ハルタ
20号から29号で掲載された読み切りは、作者23人の28本。連載化した まかろにスイッチ/川田大智などを抜かしたなかで印象に残っているのは、ホラーとエロスの高レベルの融合じっと/高江洲弥(22号掲載)。マーキング女子の大人の恋愛田辺さん/夏本満(23号掲載)。1本のAVにすべてを捧げた男の人生Tig****はWEB上から消えた/百名哲(24号掲載)。インドネシア人腐女子の日本満喫エピソードGOGOランさん/松本結樹(26号掲載)。映画の試写会に行くことで中学生少女がちょっと成長する試写会入門/梶谷志乃(26号掲載)あたりです。一番良かったのは
噂話/大槻一翔(20号掲載)です。
噂話/大槻一翔
周囲の何気ない会話を聞きもらさず、その他愛もない内容を主人公自らが確かめる。内容がポンポン移り変わる前半のテンポの良さと、主人公の行動が周囲から受け入れられない後半の対比も良かった。正直連載もいけるレベルだと思うんだけど、これ以降掲載がないのが気がかり。

○その他
定期的に購読している雑誌以外で気になった読み切りは、
ツイッターの文章を引用しながら、作者の女装趣味や政治的なポリシーを絡めつつ、1人でビルを建てる男の人生を描いたせかい!! ‐岡啓輔の200年‐/新井英樹(スペリオール4号掲載)
作者のF信者ぶりと絵柄の親和性の高さを見せつけた音速の箱/石黒正数(Fライフ3号掲載)
短編の名手が、飼い主に孤独死されたネコの辛く悲しい1年を描いた家猫ぶんちゃんの一年/真造圭伍(月刊!スピリッツ4月号掲載)
尻フェチ女子の恋愛の苦悩。オチのひと言が絶妙なけつろんラブハート/渋谷さえら(月刊!スピリッツ8月号掲載)
百合の園に咲いた大輪のプロレスの花。黒髪女子とレスラーたちのツープラトン攻撃聖ユリアン女学院卍固め/譲(月刊アフタヌーン11月号掲載)
壮大な勘違いからはじまった、ダンディな刑事のハードボイルド転職劇。会話のテンポがとても心地いい経堂龍之介の転職/秋谷弥潮(モーニング46号掲載)
といったところ。今年は、影踏み/豊田徹也(good!アフタヌーン1月号掲載 → 『蟲師 外譚集』に収録)や本日も反省中/くみちょう(月刊!スピリッツ7月号掲載 → 『アイドれ!グリーン♥ラプソディ』に改題して、やわらかスピリッツで連載)、終電ちゃん/藤本正二(モーニング32号掲載 → その後、月1連載化)など、いいと思った読み切りが、その後単行本に収録されたり、連載化したりといったことが多かった印象。
聖ユリアンヌ女学院卍固め/譲
聖ユリアン女学院卍固め

○エピソード・オブ・ザ・イヤー
今年の個人的な最優秀エピソードは、読み切りではなく連載のほうから。
異種間ラブコメの圧倒的な主力であるドワーフ少女の土和さんが、その象徴であるヒゲを失いついでに自信もなくしてしまう
スピーシーズドメイン/野呂俊介 第16話イメチェンする土和さん(別冊少年チャンピオン2月号掲載・単行本3巻収録)と
マンガ史上もっともくだらないであろう能力を持つヒロインが、くだらない目的に真剣に取り組む。初の一般作品で異常なまでの完成度を発揮した
駄能力JK成毛川さん/菅森コウ 第1話(やわらかスピリッツで発表)
の同時受賞ということにしたいと思います。
スピドメの一場面
スピーシーズドメインの一場面


来年も、こういうことができたらいいと思います。よろしくお願いします。




テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/12/01(火) 10:00:00|
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今年のマンガ関連の賞にランクインしてきそうなWebマンガ 2015

さて、今年も2ヶ月を切り様々な漫画関係の賞が、発表される時期になってまいりました。各所でランキング予想されいると思いますが、このブログではちょっと狙いをしぼって『ランク入りしそうなWebマンガ』をまとめてみたいと思います。選んだのは15本。50音順に紹介したいと思います。
※あくまでも『ランク入りしそう、評価されそう』という基準で選んだものですので、必ずしも全ても読んでいるわけではありません。ご了承ください。
タイトル/作者/発表サイト/出版社/単行本既刊数



1:淡島百景/志村貴子/ぽこぽこ/太田出版/既刊1巻
2~6月にかけて8冊の単行本を発表するという、精力的な活動を見せたなかで評価を集めそうな一作。ある歌劇学校に通う女の子たちの百合オムニバスストーリーで、作者の過去作からのゲスト出演もあるとのこと。そのあたりもファンにとっては評価ポイントになるかも。


2:アンゴルモア~元寇合戦記~/たかぎ七彦/コミックウォーカー/KADOKAWA/既刊4巻
もともとは紙媒体での連載だったが、昨年夏からコミックウォーカーに移籍。戦国、幕末が多い時代劇で空白地帯とも言える鎌倉時代の元寇をテーマに選んだ意欲作。帯で幸村誠、安彦良和の推薦も受けたように、内容面の評価も高い一作。


3:臆病の穴/史群アル仙/championタップ!/秋田書店/既刊1巻
昭和テイスト丸出しの絵柄で描かれるオムニバス。硬軟取り混ぜたオチにドキドキヒヤヒヤさせられるが、それよりも作者が20代女性ということに驚かされる。なんで、こんな絵柄に……。ツイッター上で公開している『今日の漫画』も話題に。


4:おしえてギャル子ちゃん/鈴木健也/コミックウォーカー/KADOKAWA/既刊2巻
ギャル、オタク、お嬢様の3人を中心とした日常ショートストーリー。1話4ページなので、読みやすく止めやすいタイプ。ウェブ公開時、単行本収録時ともフルカラーなのだが、髪の色や服など青系の色が多く使われているのが特徴的。


5:女の友情と筋肉/KANA/ツイ4/星海社/既刊2巻
ツイッター上で毎日4コマ漫画を更新する『ツイ4』の荒ぶる切り込み隊長。巨漢女性3人の、マッチョでキュートなガールズライフを描く。近年の作品で言えば『坂本ですが?』とか『どげせん』みたいな感じで、上位ランクインもありうると思う。


6:学校へ行けない僕と9人の先生/棚園正一/WEBコミックアクション/双葉社/1巻完結
実際に、小学校から中学校にかけて不登校だった作者が、自身の体験をもとにつづった実話。そのなかで『9人の先生』との出会いと別れを通じて、成長していく様子が描かれている。エンタメ系の賞は分が悪いと思うけど、『このマンガを読め!』で評価されるのでは?


7:かふん昔ばなし/かふん/コミックウォーカー/KADOKAWA/既刊1巻
自身のブログで発表 → コミックウォーカーに移籍した、エッセイ風ショートコメディ。オカーサンをはじめアクの強い周囲のキャラに、最弱主人公の かふん が振り回される。アゴが突き出たような顔の輪郭が印象的だが、他キャラや他作品では普通なので、何のこだわりがあるのか気になる。


8:くも漫。/中川学/トーチweb/リイド社/1巻完結
作者は、風俗店でプレイ中に『くも膜下出血』で倒れる。そこからの治療の苦労を退院まで描いた実録ストーリー。ちょっと毛色は違うけど『失踪日記』や『人間仮免中』が支持を集めたように、闘病モノとして評価を受けるのでは?


9:恋と嘘/ムサヲ/コミックボックス/講談社/既刊3巻
16歳になると政府が結婚相手を指名する = 恋愛する必要がない世の中で、主人公は政府から指名された子と、昔から好きだった子の間で揺れ動く。マンガボックスはスマホアプリだし青春・恋愛系なので、若い層からの支持を集めそう。


10:つまさきおとしと私/ツナミノユウ/ITAN×ねとらぼ/既刊1巻
クツのつまさきを切り落とす妖怪・つまさきおとしと、彼(?)に異常な愛情を示す咲の物語。ふつうは妖怪が少女につきまとうが、それが逆転しているというのが斬新。師匠筋にあたる石黒正数先生が言うところの『自分のマンガの何が面白いのか分からない状態』を抜けた感じがあるので、そろそろブレイクしてほしいところ。


11:とんかつDJアゲ太郎/小山 ゆうじろう&イーピャオ/ジャンプ+/既刊4巻
週刊少年ジャンプのウェブ版『ジャンプ+』を代表する一作。MEN'S NON-NOで番外編が連載され、すでにアニメ化も決定していることから、賞レースでも上位進出が予想される。そもそも「とんかつもフロアもアゲられる男になりたい!」というキャッチフレーズの時点で“勝ち”は決まっていた感じ。


12:ニューヨークで考え中/近藤聡乃/あき地/亜紀書房/既刊1巻
ニューヨーク在住の作者が、日々の出来事や感じたことをつづったショートエッセイ。製本技術にもこだわって作られているものの、ハルタで連載中の『A子さんの恋人』のほうが、多くの評価を集めそう。


13:ビーンク&ロサ/模造クリスタル/マトグロッソ/イースト・プレス/1巻完結
『金魚王国の崩壊』などでおなじみの作者の、はじめての商業作品。ボロボロのキャンピングカーに住むビーンクとロサの、ちょっと普通とは違う日常ストーリー。帯の「いらないですよ、普通の友達なんて」というコピーが、かなり印象的。


14:マドンナはガラスケースの中/スガワラエスコ/COMICリュエル/実業之日本社/既刊1巻
主人公は『爬虫類性愛者(オフィディシズム)』のペットショップ店員。そんな彼が初めて恋をした人間は、小学生だった。『マイナー趣味ウンチク』や『歳の差恋愛』は、最近の流行りの傾向を押さえていると思うが、どう判断されるか?


15:ラーメン食いてぇ!/林明輝/モアイ/講談社/上下巻完結
コミックプラスにて公開 → モアイにて再公開 → 反響の大きさから単行本化という、サクセスストーリーを歩んだ一作。ラーメン作り、ひいては食に対する真摯な姿勢が描かれている。同時収録されている読み切りも高いクオリティ。



最後に、来年クルかもしれないWebマンガを2作選んでみました。単行本化はまだまだだと思うので、ネタバレにご注意を。


・駄能力JK 成毛川さん/菅森コウ/やわらかスピリッツ/小学館/4話+オマケ10本
“謎の新人”菅森コウの初連載作。おそらく、漫画史上もっともくだらない能力を持ったヒロイン・成毛川さんの報われない奮闘を描く。「えっ、コレ、どうやって続くの!?」と思ってしまうほど、第1話の完成度が高すぎる。

・悟りパパ/澤江ポンプ/となりのヤングジャンプ/集英社/2話
脱サラして悟りを開いたパパ(姿も仏に)と、息子の梵くんのやり取りを中心としたコメディ。まだ2話しか公開されていないので、今後どう転ぶか分からないが、作者が過去に発表した『サイコンクエスト』などの読み切りを見るに、期待しても裏切られないと思う。




  1. 2015/11/02(月) 20:59:51|
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今年の読みきり漫画まとめ 2014

○はじめに
さて、今年も残すところ1か月となり、さまざまなマンガ関係の賞が発表される季節になってきました。でも個人的に気になるのは、その選考対象がどれも『単行本』だということ。雑誌に掲載されたりWebで発表されたマンガがすべて単行本になるわけではありません。そこで、今年自分が読んだなかで面白かったと思う読み切り、および単行本化されていない短期連載作品をまとめてみたいと思います。

○週刊少年チャンピオン 短期連載
今年度チャンピオンに掲載された短期連載(および単行本が発売されなかった連載)は、13本。その中から出張掲載(セトウツミ/此元和津也(31号~33号掲載)とベルリンは鐘/ニャロメロン(52号から掲載)、単行本化されているブラック・ジャック創作秘話/宮崎克&吉本浩二(27~28号掲載)を除いた中で良かったのは ムーメン 警視庁非科学捜査班事件ファイル/ルノアール兄弟(1~6号掲載) オーマガ町の怪/川地和樹(23号~28号掲載) 喧嘩村/滝口翔太(39号~46号掲載)といったろころ。個人的に一番面白かったのは
マリリーン大魔法研究所/盆ノ木至(36+37~39号掲載)です。
盆ノ木至/マリリーン大魔法研究所
全3回と短かったながらも、テンポのいいギャグのたたみ込みが印象に残っています。特に第2話に登場した月光院美麗子さんが、ブスすぎるあまりあらゆる事象を拒否し、ついにはブスの神というような概念的な存在になってしまうシーンは素晴らしかったです。

○週刊少年チャンピオン 読み切り
出張版やコラボもの15本を除いて掲載された読み切りは、作者25人の33本。短期連載もした作者の深夜の魔女/川地和樹(9号掲載) 吸血鬼よく死ぬ/盆ノ木至(41号掲載)や新人まんが賞受賞作から怒涛の5週連続掲載をした鈴木優太/ネイジィ・レター(43号掲載)ファッキン・ヒットマンベイビー(44号掲載)死ぬ運命の男(45号掲載)出っ歯の女の子(46号掲載)不死身症候群(47号掲載)、現役女子高生ながら3本掲載し可能性を感じさせた福地カミオ/猫と人とアレルギー(14号掲載)少女発明家の本音(19号掲載)ひよこ式ケイテイ(25号掲載)あたりが好印象でした。ベストなのは
最終兵器ロボ少女ちゃん/橋本健太郎(31号掲載)。
最終兵器ロボ少女ちゃん/橋本健太郎
さすが新人マンガ賞の大賞受賞作という内容で、16ページながら起承転結がしっかりしているし、描くべきことを描き切っていると思います。ツカミとオチが同じ「思てたんとちがうー!」でそろえられているのもイイ。
あと、今年度のチャンピオン全体の流行語大賞は「にゃあらー!」。MVPが桃ちゃんこと桃生理沙さんなのは、言うまでもないことだと思います。
にゃあらー!

○別冊チャンピオン
今年度掲載された読み切りは、14人の作者の計16本(5月号の『弱虫ペダル SPARE BIKE』は除く)。連載化した辻浦さんとチュパカブラ/櫻井あつひと(1月号掲載)とベスケ・デス・ケベス/ルノアール兄弟(5月号掲載)を除いたなかだと、武鯱と虎六~道場破りの破れ傘~/フクイタクミ(2月号掲載)、現実逃避な(非)日常/中村総一郎(4月号掲載)、マッシュアップ!!/米井さとし(6月号掲載)、うずたま/牛口良美(12月号掲載)あたりが好印象。ベストは
決闘決議/村咲雅秋(9月号掲載)です。
決闘決議/村咲雅秋
校内の揉め事すべてを決闘の結果で決めるという設定も面白いし、絵のレベルも高く即戦力だと思いました。ただ、なんとなく昨年にくらべると小粒感があったような。あと、3本掲載している西森茂政先生が、何らかの形で結果を見せてほしいところです。

○アワーズ
今年度のアワーズで読み切りを発表したのは、鈴木小波先生と小野寺浩二先生だけ。(宇河弘樹先生の『おるたなしあたー』系は単行本化したので対象外)。デラさんのは穴埋め掲載という感じなので、ベストは選ばないでおきたいと思いますが、個人的には5月号に掲載された白雪姫と70人の小人/鈴木小波が、設定、勢いともに印象に残っています。

○ハルタ
昨年12月発売の10号から、今月発売された19号までのあいだで発表された読み切りは、作者27人の計37本(ヨメがコレなもんで。/宮田紘次とシャーリー・メディスン/森薫は単行本化されているので対象外)。
その中で好印象だったのは、押忍!武美ちゃん!!/犬童千絵(12号掲載) 忍者は職業でござるか?/安住だいち(12、13号掲載) けれどなお、物語は君を讃える/百名哲(16号掲載) まかろにスイッチ/川田大智(17、19号掲載) オリビアのいる世界/山本ルンルン(18号掲載) 鋼の少年、鉄の掟/西公平(18号掲載)といったところ。そしてベストだと思ったのは、
かいだんばなし/進美知子(18号掲載)です。
かいだんばなし/進美知子
クラスから浮いていて、幽霊のオッサン2人とばかり話している小橋ちゃんと、彼女と親しくなろうと近づいてくる花野さん。友だちになろうとしたのは卒業アルバムのためではなく、本当の理由が明らかになるシーンが良かったです。絵もうまいし、幽霊を見ることができるのが目ではなく手の能力というのが面白かった。
また、不定期掲載シリーズ物の中では、ふしぎの国のバード/佐々大河(12、16、18号掲載)が良かったです。バードさんのキャラも常に前向きで好感が持てるが、当時の日本の文化風習など勉強になることが多い。

○その他
ほかに定期的に購読している雑誌以外で良かったのは、
親友二人の関係の変化と『白雪姫』の演劇がリンクするさまが鬼気迫る白雪姫が微笑うたび/朝陽昇(コミックEDEN vol.1掲載)
コードの切れたコントローラーを持つ少年と、母親の再婚相手の対決の様子がRPG風に展開するサイコンクエスト/澤江ポンプ(@バンチ5月号掲載) こんなに切ない『かしこさが1あがった』はない。
壮大で美麗な図書館を舞台に、新人司書の活躍を描く圕の見習い司書/泉光(ジャンプスクエア5月号掲載)
宇宙開発研究の過程で生み出されたカエル少女の逃亡の様子を、作者特有の繊細な筆致で魅せるウムヴェルト/五十嵐大介(アフタヌーン6月号掲載)
目が大っきくなったり、ラッキースケベが頻発したり、常に集中線がつきまとったり。『マンガ病』にかかった女子学生たちを勢い全開で描いた空想少女/さと(もっと!vol.7掲載)
漫画的な『イライラマーク』が感情とリンクして体に現れるげきおこシュリケン/ユエミチタカ(マトグロッソおよび作者のPixivで発表)
エルトゥールル号遭難事件から始まり、イランイラク戦争を経て、東日本大震災まで紡がれてきた日本とトルコの絆の物語。Teşekkür ederim/石川雅之(モーニング21+22合併号掲載)
といったところでしょうか。Teşekkür ederimも十分にエピソード・オブ・ザ・イヤー級なのですが、ことしナンバーワンの読み切りは 
おっぱいありがとう/田島列島です。
おっぱいありがとう/田島列島
『大人の女性だけが、おっぱいを吸うことがない』という衝撃的な事実に気づいてしまった坂下さんが、同僚の宮本さんに頼んでおっぱいを吸わせてもらうという内容。「なんじゃそりゃ」というあらすじですが、ゆる~くストーリーを進行させながらしっかりとメッセージ性を隠し持っているところや、小ネタの使い方などは『子供はわかってくれない』で証明済み。個人的に、今年は田島列島の1年でした。

来年も、こういうことができたらいいと思います。よろしくお願いします。




テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/11/30(日) 17:00:00|
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