晴耕雨マンガ

5月は、六道の悪女たち、少年ラケット。

ゴールデンカムイ 第5巻の感想




祝『このマンガがすごい! 2016』オトコ編第2位獲得! ゴールデンカムイ第5巻の感想です。表紙は、猟師の魂を勃起させた谷垣。二瓶(&リュウ)も裏表紙にいます。



・第39話 ニシン漁と殺人鬼
白石は、土方らに「杉元は自分の子分で、刺青人皮は一枚も持っていない」とハッタリをかます。何とか危機を脱することができたが、現在は辺見の入れ墨を『お使い』に行っているという状況だけに、戻った時にはどう説明するつもりなのか? そして、海に落ちたところを助けられた辺見は、杉元に同じ“殺人者”としてのニオイを感じ、その覚悟を聞いたことで自らを殺してほしいと考えるように。エライ奴に目をつけられた恰好。あとは、12ページで辺見が見せる『殺しの日常感』がたまらない。それから、今回登場した『ニシン漬け』は、リスやカワウソと違ってお店でも購入可能なので、味が想像しやすく食べたくなった。あと杉元は、番屋で寝られることになったとして、アシパさんを日雇い漁夫たちと雑魚寝させるつもりだったのか?

・第40話 ニシン御殿
まず、トビラでお茶碗を差し出すアシパさんの袖口に、ご飯粒がついているのを見逃してはいけない。アシパさんが入った便所には、前話で殺した男の死体が。自分の正体がバレることをおそれた辺見は、杉元をニシン漁の親方の住む豪邸に連れて行くが、そこには第七師団の姿が……。それまではごく普通に接していたのに、白石が「そいつが辺見和雄だぞッ!!」と教えた瞬間に即殺しにかかる杉元の切り替えの速さは異常。辺見自体はすでに手負いだし、自分の死に様に興味が向いているので、倒すこと自体は難しくないはず。ただ、その後どうやって第七師団をやりすごすのか?

・第41話 煌めく
砂浜で、愛の告白じみたセリフを言いながら、杉元の銃剣が辺見を貫くが、そこをまさかのレプンカムイ(シャチ)が急襲。辺見の身体を奪ってしまう。アシパさんの素早い機転と、素っ裸で海に飛び込んだ(局所は白石アイコンがしっかりとガード)杉元の勇気で、辺見の身体を回収しつつ第七師団から逃げることに成功する。ただ、この一連の流れは土方にも目撃されてしまった様子。白石は最終的にどういう身の振り方をするのか? あと、この巻の内表紙にも採用された、ヤンジャン掲載時のカラートビラはアール・デコ調(?)で、センスがほとばしっていて、最高。 

・第42話 レプンカムイ
ひさしぶりの料理回。辺見を襲い、アシパさんたちが逃走に利用したシャチを食べる。白石の発案で竜田揚げにするが、はじめは「人を殺した悪い神だから」と抵抗していたアシパさんが、杉元の言葉でコロッと態度を変えモリモリと食べる流れが素晴らしかった。さらに、シャチの背筋でアシパさんの弓の強化をはかる様子。どれだけ威力が増すか楽しみ。そして、第七師団から姿を消した2人の兵士が、アシパさんのコタンに姿を現す。第5話で腕を折られた尾形百之助と第18話で兄弟を殺された二階堂浩平は、ともに杉元に恨みを持っている。杖をつきながらも動けるようになった谷垣含め、コタンに血しぶきが舞うか。

・第43話 シンナキサラ
前話からオソマが連呼している「シンナキサラ」は、アイヌ語で『変な耳』という意味。つまり、アイヌではない和人がいるということ。尾形と浩平は谷垣に揺さぶりをかけ、不穏な空気を漂わせながらも村を去ったかに思われたが、遠距離射撃をしてくる。90ページのアイヌ模様のバンダナをしめた谷垣の姿は、まるで覚悟を決めた戦士のようでカッコ良かった。しかし、序盤で杉元と接触した第七師団の兵士たちが、反鶴見派だったというのは意外だった。そして、辺見と出会ったのとは別のニシン小屋に宿を取った杉元達の前に、地元老人に変装した土方が現れる。アシパさんと同じ色の目を持った知り合いとは……。

・第44話 狙撃
まず、トビラ絵がカオスすぎる。自ら頭蓋骨を開けて脳みそを差し出すリスを、舌なめずりしながら待つアシパさん。って、どんなシチュエーションなんだ!? 本編では、土方が会話の中に新選組隊士の名前をチラつかせて杉元の様子を窺いつつ、白石に刺青人皮の複製を作ることを指示する。たしかにコレなら、危険を冒さずに刺青を集めることができる。ただ、白石が裏切らないという前提の話だけど。あと、ヨダレで袖を汚された土方が聞いた、アシパさんの和名(戸籍上の名前)が何なのかというのも気になるところ。そして、尾形に狙撃された谷垣は、煙幕を張り死角からの脱出をはかる。そのとき、オソマから手渡されたのは二瓶鉄造の銃。特殊な形状ため、弾はあらかじめ装填されていた一発のみ。狙撃の名手vsマタギという構図か。でも、尾形を倒せたとしても、残った浩平をケガをした足で相手するのは、キツそうだな。

・第45話 マタギの谷垣
雪山で、熊の足跡を利用しながら逃走する谷垣。それを追う尾形たちだが、浩平は雪山の過酷さに集中力を失い、気持ちも谷垣を始末することよりも、杉元に復讐するほうに傾いていく。冬眠開けのヒグマが鹿を土饅頭にしたものを罠に使って浩平をおびき出し、銃の発射場所から尾形の隠れている場所を割り出すという、谷垣の作戦が見事にハマる。雪山での足跡のウンチクといい、ヒグマの一撃で後頭部の皮膚を持ていかれる浩平といい、杉元一派がいないだけでここまでシリアスな展開も可能になるのか。「勃起!!」。

・第46話 刑罰
尾形と浩平は『造反組』として、鶴見中尉から動向を監視されていた。尾行役の三島は、谷垣に声をかけ事情を説明したところで、致命傷を逃れていた尾形の銃弾を受けて倒れる。そして追いついた第七師団も参入し、激しい銃撃戦に。共に激戦地から生還し、つい最近まで同じ釜の飯を食った相手を、こうも簡単に殺そうとできるものなのか? そして、こちらも一命を取り留めた浩平への拷問もエグイが、結果的に対杉元への強力な刺客が誕生したというところか。尾形も生きのび、谷垣も無事にコタンに戻る。この3人の動向が、今後にどういう影響を与えるのか? 谷垣は杉元派に合流して、尾形は孤独な復讐者という感じかな?

・第47話 イトウの花
まず、刺青人皮の現状確認。杉元一味の5枚は確定。第七師団と土方派には、確認できていないモノがある可能性が高いと推測を立てる。そして、第1巻のカバー下にも描かれている、着物などの材料に使われるオヒョウの樹皮をはがすことに。基本的にはアイヌウンチク回なのだが、木への捧げものが白石の飴、樹皮をはがす木の向こう側から顔をのぞかせる杉元&白石、フチ&オソマのモデルポージング、福寿草を愛でる杉元&白石、巨大イトウの恐怖を語るアシパさんと、妙なテンションのギャグが続いてクセになる。そして3人は、アシパの父の友人のキロランケと出会う。彼から網を借りてイトウを捕まえようとした白石が即桟橋から落下し、しかも巨大イトウ・イワンオンネチェカムイに食べられるという緊急事態になるが、これはキロランケがすぐに助けてくれた。さぁ、イトウを食べよう!

・第48話 キロランケ
前回ゲットした巨大イトウからは、皮を使って服や道具を作ることが出来るものの、杉元たちは刺身や塩焼きにしてヒンナする。そのなかで、キロランケが第七師団出身であることが明らかになるものの、鶴見中尉とは関係ない部隊とのこと。ここで日露戦争時の師団の編成も解説される。第13話で殺された和田大尉は、中隊の指揮者ということか。さらに、キロランケは村を訪ねてきた土方から、のっぺらぼうが「小樽にいる小蝶辺明日子」に金塊を託そうとしていたことを聞かされたという。小蝶辺明日子は、アシパさんの和名。つまり、のっぺらぼうが死んだと思われていたアシパさんのアチャ(父親)だということが判明する。ただ、アシパさんは自分の目で見るまで信じることができない様子。しかし、地の果てにある網走監獄に忍び込むことは不可能に近い。ここで活躍するのは……白石!?


これまで、小樽近郊で活動してきた杉元たちだが、これで『網走』という旅の目的地が定められる。土方派、第七師団と争いながら、北海道横断をすることになる。



現状判明している刺青人皮は……

○杉元&アシリパ&白石 … 5枚(後藤・3話で捕まえたヤツ・白石・二瓶鉄造・辺見和雄)
○第七師団 … 1枚(33人殺しの津山)
○土方歳三 … 2枚。自分と、不敗の牛山。

といったところか。残り16人分。






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  1. 2015/12/21(月) 15:23:23|
  2. ゴールデンカムイ
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ゴールデンカムイ 第4巻の感想



極限・極北サバイバル『ゴールデンカムイ』第4巻の感想です。表紙は、第七師団を統べる鶴見中尉です。


・第28話 錯綜
杉元と二瓶の激しい戦い(と並行して、白石とリュウの死闘)が繰り広げられる。そこにアシパさんを人質に取った谷垣が現れたことで、戦況は一気に二瓶組に傾くかに思われたが、杉元&白石は縄で縛られた5コマ後であっさりと脱出して形勢を五分に戻す。白石は戦闘員にはならないけど、特技を生かして展開のスピードアップに役立っている。そして、アシパさんを連れた谷垣は、アイヌの鹿捕獲用の罠・アマッポを足に受けてしまう。アシパさんが治療するものの、トリカブトの毒の影響で戦線離脱。追いついた二瓶がアシパさんを連れ去り、それを杉元と白石、そしてレタが追うという構図に。

・第29話 老人と山
アシパさんを囮にした二瓶は、見晴らしのいい場所でレタを待ち受ける。その銃口がノド元を捕らえたときに、背後から茶色のもう一頭の狼が二瓶を襲う。まさかレタに“つがい”がいて、しかも4頭の子供までいたとは。しかし、二瓶は前作からの続投キャラなだけに、仲間にはならないとしてもこういう風に死んでしまうというのは意外だった。そして、杉元は二瓶の皮剥ぎシーンをアシパさんに見せないために、白石と先に行かせる。こういう心づかいが素晴らしい。ただ、元第七師団で足を負傷中のうえトリカブトの毒のダメージもある谷垣は、今後仲間になることはあるんだろうか? それから、リュウも。

・第30話 言い伝え
トビラのフチの笑顔に癒される(ヤンジャン掲載時は『HUCHI NO O・SU・SU・ME!!』というアオリもあった)。久しぶりの、アイヌウンチク回。白樺の樹液の効能などが説明される。谷垣を治療するためにコタンに戻ってきたアシパさんたちは、そこでフチの言い伝えを聞く。その内容はアイヌの隠し金塊に関するもので、囚人らが聞いていた量(20貫=75キロ)をはるかに上回る、2万貫=75トンもの重量であることが明らかに。これは、国を動かすのに十分な金額(現在の価値で8千億)で、それを土方と鶴見中尉も狙っていることが判明する。杉元に鍋にオソマをいれることを遠回しにうながすアシパさんも良かったが、フチに惚れられる→子熊に頭をかじられる、51ページの大きすぎるフキダシアイコン→56ページののけ反って柱に頭をぶつけるといった、白石のコメディ役としての力量が高すぎる。

・第31話 二〇三高地
鶴見中尉の二〇三高地での激闘ぶりが語られる。死闘から生き残ったものの、被害も大きかったので参謀長が帰国後に自害 → その責任は部下にあるものとされ、勲章も報奨金も無し → 陸軍内で第七師団が冷遇。という流れから、軍事政権を作り死んでいった戦友たちの家族を救うというのが、鶴見中尉が金塊を手に入れた後のビジョンであることが谷垣の口から明かされる。そして、刺青人皮が『地図』なのではないか?と杉元は考えるが、まだ枚数が少ないので結論は出せず。現在でいうところの後志、胆振地方が主な舞台なので、このあたりで大量の金塊を隠せそうな場所ってどこだろう?

・第32話 怪奇!謎の巨大鳥
狩猟ウンチク回。エサの鮭を食べに来たところを『カパチ』という鉤を使って捕まえるという、銃を使わない静かな方法でオオワシを狙う。『アン』という鷲猟用の小屋から顔を出した杉元が、オオワシを見つける見開きのカメラアングルが素晴らしい。そして、いつものように頭をかじられるだけの白石に対し、あっというまに「おらあ―っ」とオオワシの首を折ってしまってスゲーなと思っていたところでの、謎の巨鳥『フリ』に捕まり、ちょっと浮いてしまったアシパさんの無表情具合が何とも言えない。あと、ラストでオオワシの足をどこから食べていいか分からない杉元と爪が刺さってしまう白石の並びも味わい深い。

・第33話 呪的逃走
あくまでも情報収集のため、街に下りお高めの遊女に聞き込みをしようとした白石だが、そこで『不敗の牛山』と鉢合わせしてしまう。娼館の用心棒でも、雪の塊でも、突進する馬でも、追ってくる牛山の足を止めることはできない。そして白石は、偶然出くわした第七師団を牛山にぶつけようとする。しかし、牛山は足払いだけで馬を宙に舞わすとは、規格外すぎる。おそらく、純粋な身体能力だと作中最強クラスなんだろうな。なんか、アシパさんは触れられただけで遠くに飛ばされてしまいそう。現状の杉元一派に相手ができそうな人はいないし、そのうち対牛山のマッチョ系が仲間になるのかな?

・第34話 接触
土方一派は、小樽の街で爆破工作。銀行の壁に穴を開け、保護預品庫から土方の愛刀『和泉守兼定』を取り返す。ここで、鶴見中尉と土方が顔を合わせる。この金塊を求める二大派閥の激突は、今後あるのか? そして、今回の作戦を陽動する形になってしまった白石だが、独自の女郎ネットワークから刺青囚人の片っぽ靴下ちゃんをゲットすることに成功する。ひと仕事してきたというのに、アシパさんの対応が冷たすぎるし「はい アシリパさん」と答える杉元が素直すぎる。あと、この話に、いわゆる『刀剣女子』の方たちが素早く反応していたのが印象的でした。

・第35話 求愛
アシパさんとキツネの狩りをしていた杉元は、一生同じ相手と暮らすというエゾフクロウを見て、幼なじみの寅次と梅子のことを思い出す。145ページからの、梅子の妻としての覚悟がつまった言葉が素晴らしい。杉元が金塊を求める理由を再確認できるいいエピソードだっただけに、ラストでキツネ用の罠に捕まってしまった白石の台無し感がハンパない。

・第36話 役立たず
まず、トビラ絵から1ページ目のコンボが、従来のカワウソやリスのときの流れをなぞっていて、笑わずにはいられない。いつアシリパさんが白石に最後の一矢を託したというのか? その白石は、レタを使って刺青囚人を探そうとするが、アシパさんに断られてしまう。そこで、リュウで代用することに。タヌキ猟で自分より活躍したリュウに上下関係を教え込もうとする様子が良かった。そして、片っぽ靴下ちゃんの持ち主が不敗の牛山と判明。こういう、戦力に圧倒的な開きがあるマッチアップは、個人的にかなり好きな展開なので、できれば白石には頭や自分の特技を最大限に生かして、大番狂わせを演じてほしいところなのだが……。

・第37話 初春
白石が家を探っていることに感づいた牛山は、窓を突き破った勢いそのままに飛びつき逆十字を敢行し、白石の腕をへし折る。と思いきや、先に白石が腕の関節を自ら外して体勢を入れかえ五寸釘攻撃を狙う。というスピーディーな攻防。が、ここで土方が現れる……。いっぽう、ニシン漁でにぎわう港町の雇われ労働者の中に、刺青囚人であ“移動する殺人鬼”の辺見和雄が紛れ込んでいた。ウェービーモミアゲの無口男がソレと思わせておいての、予想外にモブっぽい顔立ちに意表を突かれた。しかし、新撰組に捕まった白石はなぜ無傷で帰ってきて、この情報を杉元達に伝えたのか? 裏切りか? なにか考えがあるのか?

・第38話 フンペ
辺見和雄を狙って海に出た杉元達は、そこでアチャポ(叔父さん。オソマのお父さん)と出会い、鯨(フンペ)漁を手伝うことに。その際、逃げた鯨が漁船にぶつかって、ひとりの漁師が海に落ちてしまう。杉元とアチャポが助け上げたこの男こそが、辺見和雄なワケだがどうなるか? そして、白石が杉元たちを裏切ったのか、土方たちにどれくらいの情報を流したのかということは不明のまま。ただ、194ページのセリフ全部にアイコンがついていることとか、海岸に到着したときに3人そろってジャンプしているコマ(ヤングジャンプ連載中のプリマックスの影響?)を見るに、信用していい気がするが……。



現状判明している刺青人皮は……

○杉元&アシパ&白石 … 4枚(後藤と3話で捕まえたヤツと白石と二瓶鉄造)
○第七師団 … 1枚(33人殺しの津山)
○土方歳三 … 2枚。自分と、不敗の牛山。
○辺見和雄 … 1枚。自分自身。


といったところか。残り16人分。








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  1. 2015/08/21(金) 15:36:09|
  2. ゴールデンカムイ
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ゴールデンカムイ 第3巻の感想


北の大地のサバイバル『ゴールデンカムイ』第3巻の感想です。
表紙は、生きていた新撰組・土方歳三です。

・第18話 救出作戦
アシパさん&レタwith白石という布陣で、杉元救出作戦が展開される。鉄格子のすき間から、白石が全身の関節を外しヒグマの油を塗ってヌッタァと入ってくる様子が、杉元の「妖怪?」という返しもふくめて何とも笑える。しかし、あくまで杉元のことを許せない双子兵士の片割れ・洋平がケリをつけにくる。杉元も反撃に出るものの、腹からは内臓が飛び出すほどのダメージを受けてしまう……。

・第19話 駆ける
が、さすがは不死身の杉元。ケガは、洋平の腸を使った偽装だった。病院に運ばれるのを利用して、馬車を奪い逃走を図る。そのことにいち早く勘付いた鶴見中尉が自ら追跡に出る。馬をアシパさんに射抜かれ振り落とされながらも、すぐに雪上を全力疾走するスピード感がたまらない。そのときにアシパさんが放った矢が、真っ直ぐ『ヒュンッ』と飛ぶのではなく、しなりながら『ビョーン』という感じで飛んでいく描写が細かいと思う。そして、再会した杉元にアシパさんは、いきなりストゥ(制裁用の棒)をフルスイングする。乱用は、決して許されていない!

・第20話 喰い違い
脱出で活躍してくれた馬を、あっさりと食べることにする3人。2ページ目で撃ち殺し、7ページ目で鍋になっているという展開の速さが素晴らしい。そして、鍋にオソマ(味噌)が入っていることを知ってから実際に食べてみるまでの、アシパさんの一連の顔芸に笑いが止まらない。ただ、ここはアシパさんが『オソマを食べる』ということで、杉元に歩み寄ろうとするという、場面でもあるんだけど。あとは、腫れ防止に杉元の顔に貼られた馬肉を、立った2コマでレタが持って行ってしまうのも面白い。そして、土方は永倉新八と接触する。旧新撰組には、金塊以上の目的があるのか?
アシリパ 下半分
顔のパーツが下半分に集まっていて、ずっと笑っていられる。

・第21話 亡霊
死刑囚集団がメインの話。土方は渋川善次郎という元囚人(刺青ナシ)が率いる盗賊団を傘下に引き込もうとするものの、交渉にすらならず皆殺しにしてしまう。銃をクルクル回しながら弾を装填し撃つ土方が、カッコイイ。ただ気になるのは、のっぺら坊がアシパさんの名前を呼んでいたこと。実はアイヌなのか? しかし、当の本人は白石を『脱糞王』と呼ぶ始末。アイツ、作中でウンコしてないだろ。そして、それで通じてしまう杉元もたいがい。

・第22話 伝説の熊撃ち
ウンチクメインの話。トドマツの葉先やサルナシの蔓から水分を得る杉元。クヨイ(鹿の膀胱で作った水袋)を、口からはなそうとしないアシパさんの顔芸は相変わらず(前作『スピナマラダ!』のセルフパロにもなっている)だが、鹿に関するアイヌの逸話や、雪を直接食べると逆に体力を使ってしまうというのは勉強になった。そして、第11話でアシパさんがとどめを刺さなかった元マタギの兵士・谷垣(足は負傷中)は、熊撃ちの名手・二瓶鉄造に助けられていた。二瓶は、金塊ではなく白い狼=レタを狙っている。もちろん谷垣もレタへの復讐を考えていて、予想外の方向から敵が出現した感じ。
すごいちからだ
すごいちからだ!!

・第23話 猟師の魂
ヒグマの心臓と血の腸詰めを食べて、狼狩りの決意を確かめ合う2人。軍帽を捨て決意を示した谷垣もイイし、二瓶も「猟師の魂が勃起する!!」と名言を残す。いっぽう杉元&アシパさんは鹿を仕留めそこない、切り倒したトドマツの下で夜を明かすことに。この対比が、2組の猟師としての力量差ということなのか。ちなみに、トビラで二瓶が手足をバタバタさせているのは、天使のような雪跡を作る『スノーエンジェル』という遊びだそうです。

・第24話 生き抜いた価値
やっと鹿を仕留めた、アシパさんと杉元。ここまで傷を負わせたことを悔い、早くとどめを刺すことばかりを考えていた杉元だが、いざというときに引き鉄を引くことができなかった。鹿を解体しながら、命の繋がりを話すアシパさんの言葉に、杉元の表情が緩むのが良かった。次に同じような場面が来た時に、引き鉄が引けるか? そして、二瓶に「優秀な猟犬だ」と言われた5コマ後にオロオロしだして、最後には引きずられてしまうリュウがカワイイ。

・第25話 ユ
鹿を解体している最中にレタが何者かの接近を感じ取ったので、2人は持てるだけの肉を持って場所を離れる。そして、クチャ(仮小屋)で待っていた白石と一緒に鹿を食べることに。脳みそを食べさせられ、生の肺にかじりつく杉元を見て『あっ、こいつ人間として大事なものを失っちゃったな』という、白石の表情が最高。あと、白石の持ってきた酒を飲んだアシパさんの説教 → 泣き → 無表情で壁に突き刺さるという、テンションの変化についていけない。さらに、白石の得た情報で『悪夢の熊撃ち 二瓶鉄造』も刺青を持った囚人だということが明かされる。狼と刺青を賭けた戦いは、避けられない。

・第26話 山の掟
まず、トビラでキメ顔をしているアシパさんだが、仮小屋に刺さったままだということを忘れてはならない。そして二瓶が刺青持ちだと知り信頼が揺らぐ谷垣だが、猟師としての覚悟を聞き行動を共にする決意を固める。しかし、たった2話前では「優秀な猟犬」と言われていたリュウが、この話では「駄犬」「湯たんぽ代わり」と呼ばれてしまっているのがカワイソウ。いっぽう白石の持ってきた情報から、二瓶らのターゲットがレタであるということを知ったアシパさんらは、自分たちから二瓶を倒しに行くことに。アシパさんがレタの身を案じているのとは対照的に、杉元が刺青人皮を手に入れられる可能性に反応しているのが良かった。杉元には、アシパさんには見せない裏の顔みたいなのがあるんだよな。

・第27話 殺しの匂い
まず、トビラで装備品が『飴』しかないことが暴露された白石が、悲しすぎる。歯のあいだにいろいろ仕込んでいたんじゃなかったのか。そして、ついに2組が激突。谷垣が置いた罠の飯盒に興味を持ったレタを狙う二瓶(木と同化しようとするが、勃起が止まらない)だが、アシパさんの介入によって銃弾を外してしまう。そして、背後を取った杉元と二瓶の戦いがはじまる。二瓶は前作にも同型のキャラが登場したので、なんとなく和解→仲間入りという路線を想定していただけに、指が飛び頭から血が流れるガチ戦闘になったのは意外だった。あと、回想シーンに出てきた二瓶の娘の異常なブサイクさと、その話に対する谷垣のリアクションの遅さが面白い。

・おまけ
アシパさんが悪夢にうなされる。夢の内容も大概だが、作者は白石のことを何だと思っているのか?


現状判明している刺青人皮は……

○杉元&アシパ&白石 … 3枚(最初のオッサンと3話で捕まえたヤツと白石)
○第七師団 … 1枚(鶴見中尉が自ら着用)
○土方歳三 … 2枚。自分と、不敗の牛山。
○二瓶鉄造 … 1枚。自分自身。

といったところか。残り17人分。






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  1. 2015/05/22(金) 05:38:08|
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ゴールデンカムイ 第2巻の感想


ゴールデンカムイ 2 (ヤングジャンプコミックス)ゴールデンカムイ 2 (ヤングジャンプコミックス)
(2015/02/19)
野田 サトル

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埋蔵金を巡る北の大地の生存競争『ゴールデンカムイ』第2巻の感想です。第1巻に続き、2か月連続の発売となります。


・第8話 逃走
まず、トビラ絵で一緒に戦ったように描かれているのに、最初のセリフが「ウサギを食べよう」なのと、アイヌに伝わるウサギの伝承を聞いた直後に目玉を食べさせられる杉元という、緩急のつけ方が凄まじい。さらに、チタタとキノコと行者にんにくの鍋に杉元が加えようとした味噌を見て、アシパさんが『オソマ(うんこ)』と勘違いするというダメ押しも。ところが、2人を追って第七師団の兵士4人が姿を現す。『樺太式スキー』を履いているので、機動力ではかなわない。

・第9話 窮鼠
二手に分かれて逃げる杉元達だが、アシリパさんはマタギ出身の兵士・谷垣に見つかってしまう。いっぽう杉元も、あっさりと追いつかれシラを切ろうとしても、見抜かれてしまう。しかも後方には、前話で見つけていたヒグマの巣穴が……。前門の第七師団、後門の熊。絶体絶命の状況。

・第10話 博打
なのに、トビラ絵で『少女はチタタに木屑が入ることを決して許さない…!!』とやってしまう、自由なテンション。しかも、ヤンジャン掲載時には『狩猟系女子のKO・DA・WA・RI』というアオリもあって、余計にシュールさが際立っていた。その分、本編は、かなりシリアス。杉元は第8話でのアシパさんの言葉を思い出し、巣穴に飛び込む。そこに向かって兵士が銃撃したのを受けてヒグマが飛び出し、あっという間に3人を殺してしまう。一撃が顔の皮がめくれたり、木の上に放り投げられたりと、グロさが際立つ。

・第11話 アイヌコタン
アシパさんのピンチを、レタが救う。圧倒的なアゴの力で、谷垣の足を噛み砕いてしまう。アシパさんにはゴロンと腹を見せるのに、杉元の声が聞こえた瞬間にビッシイイッとキメ顔になるレタの豹変ぶりが面白い。そして、前話で飛び込んだ巣穴で拾った小熊を、アシパさんのコタン(村)に届けることに。ただ、谷垣を生かしておいたことが、今後にどういう影響を及ぼすか……。

・第12話 カムイモシリ
アイヌウンチク回。アイヌ民族の風習や、小熊を神の国に返す儀式『イオマンテ』の説明が。なかでも、子供のころにはわざと汚い名前を付けて病魔が近づかないようにするというのが、勉強になった。アシパさんの幼名はエカシオトンプイ(意味:祖父の尻の穴)か。そして、アシパというのが『新年・未来』という意味だということも明かされる。いっぽう土方は、娼館で『不敗の牛山』という男を仲間に引き入れる。コイツももちろん、刺青を彫られている。

・第13話 憑き神
すでに第七師団を手中に収めている鶴見中尉は上官の和田を殺し、本格的に金塊探しに動き出す。砲弾を受け頭蓋骨の一部を吹っ飛ばされた鶴見中尉は、付けているプロテクターもあいまって、ダークヒーローのような雰囲気がある。サブタイトルの『憑き神』は、アイヌで信じられている守護霊のようなもの。フチ(祖母)に味噌を食べさせようとした杉元に、アシパさんはストゥ(制裁用の木の棒)を使おうとするが、乱用は許されていない!

・第14話 遠吠え
トビラ絵では共に死線を潜り抜けたように描かれながら、1ページ目で捌かれてしまうカワウソ。もう、読者的にも、このあたりでパターンはつかめた感じ。脳みそや目玉を生で食べなくて良かったと思っているところに、頭の丸かじりを勧められる杉元の戸惑い顔が良かった。そして、フチや村の子供たちに愛され、レタとの深い絆の話を聞かされた杉元は、これ以上アシパさんを危険な目に遭わさないために、単独で街に下りる。

・第15話 におい
杉元は情報を求めて娼館に立ち寄るが、逆に売られて第七師団に捕まってしまう。先制のドロップキックまでは良かったものの、多勢に無勢。あっというまに捕まってしまう。ハイライトの無い目で「殺そう殺そう」と言うのが、怖すぎる。いっぽう置いてけぼりにされたアシパさんは、ストゥでシメる気満々。しかし、乱用は決して許されていない。

・第16話 死神
鶴見中尉の尋問にしらばっくれようとする杉元だが、失敗。こういう口先のテクニックは苦手なのか、相手の方が一枚上なのか。ただ、団子の串が頬を貫通しても瞬き一つしないというのは、さすが。鶴見中尉率いる第七師団の目的が『北海道の支配』だと明らかになるが「戦場では英雄だったのに故郷へ帰れば放浪生活 何か報われたか? 失ったものの方が多くはないか?」というセリフには、杉元の心も少しは動いたんじゃないだろうか?

・第17話 追跡者
拷問を受ける杉元。団子の串も2本に増えている。双子の兵士・洋平・浩平にイスに縛りつけられながらの頭突きからのローリングアタックという、ジャッキー・チェン顔負けの動きを見せるが……。“最強の追跡者”レタの嗅覚によって、杉元の居場所を突き止めたかに思えたが、そこにいたのは脱獄王の白石だった(第7話で靴下を取り違えたため)。アシパさんの救出は間に合うのか!?


現状判明している刺青人皮は……

○杉元&アシリパ … 2枚(最初のオッサンと3話で捕まえたヤツ)
○第七師団 … 1枚(鶴見中尉の部屋に額装されている)
○土方歳三 … 2枚。自分と、不敗の牛山。
○白石由竹 … 1枚。自分自身。

といったところか。残り18人分。



ゴールデンカムイ 食べられる
このハッとした顔は、なんなんだ



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  1. 2015/02/21(土) 14:22:43|
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ゴールデンカムイ 第1巻の感想


ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)
(2015/01/19)
野田 サトル

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『ゴールデンカムイ』第1巻が発売されました。

アイヌ、日本兵、死刑囚、埋蔵金探し、サバイバルと、様々な要素がスピーディーに絡み合う内容になっています。


・第1話 不死身の杉元
日露戦争の激戦地・二〇三高地で首に銃弾を受けながらも生還した杉元佐一(通称・不死身の杉元)は、まとまったカネを手に入れるために北海道で砂金掘りをしていた。そんなときに、たまたま居合わせたオッサンからアイヌが軍資金として貯めた金塊(およそ8億円相当)と、その隠し場所を示す暗号が囚人に刺青として彫られていることを聞く。はじめは与太話だと思っていた杉元だったが、オッサンに寝込みを襲われたことから、この話に俄然興味を持つようになる。ここから、オッサンがクマに喰われ土饅頭にされているのを発見 → オッサン自身が刺青を彫られた囚人のひとり → アイヌ少女によって窮地を救われる → アイヌ少女の父親が金塊を奪われたアイヌのひとり → 刺青に隠された容赦ない仕組みが明らかになる。と、展開が一気に加速していく。主人公の杉元が、けっこうヒドイシチュエーションにあいながらも、それでも前向きな姿勢を崩さないのがイイ。

・第2話 ウェンカムイ
ウェンカムイとは、アイヌ語で『悪い神』という意味。オッサンを喰った、冬籠りに失敗したヒグマを迎え撃つことになる杉元とアイヌ少女。灯りを絶やさないようにしている準備中にヒグマの襲撃を受け、アイヌ少女のパートナーであるエゾオオカミ・レタの助けを受けながらの、息つく暇のない攻防がスゴイ。おそらく北海道内最強の生物であろうヒグマと、1、2話で連戦するという出し惜しみをしない姿勢が、物語の展開に心地よいスピード感を生み出してる。こうして杉元はカネのため、アイヌ少女・アシパは父親の仇のために『刺青人皮』を集めることに。

・第3話 罠
杉元とアシパさんは小樽で情報を集めつつ、さっそく刺青を彫られた脱獄囚を捕らえる。その罠が、冒頭でリスを捕まえるのに使ったのと同じ『くくり罠』だというのが、面白い。この話あたりから『アイヌうんちく』みたいな要素も増えてくる。

・第4話 のっぺら坊
前話で捕まえた男から、アイヌの金塊を奪い隠した、冷酷で凶暴で怪物のような囚人『のっぺら坊』の情報を聞いている時に、遠距離からの狙撃を受ける。ここからの行動に、杉元もアシパさんも一切の迷いなく行動しているのが素晴らしい。生木で煙幕を張り、仕掛けておいたくくり罠が功を奏し、一気に間合いを詰める。無駄のない展開。

・第5話 北鎮部隊
2人を襲ってきたのは、日露戦争の激戦地で勝利に貢献してきた、大日本帝国陸軍第七師団の尾形上等兵だった。前話の流れから、かなりの強敵感を漂わせていたものの杉元は、わずか8ページで撃退してしまう。残りページのほとんどは、リスをつみれ汁にして食べる描写にさかれる。これが、他のグルメ漫画にも引けを取らないほど美味しそうだし、リスの脳みそをイヤイヤ食べる杉元と、それを見るアシパさんの何とも言えない表情といった、ギャグ描写もキレている。あと、この話で出てくる『チタタ(我々が刻むもの という意味)』と『ヒンナ(食事に感謝する言葉)』は、この巻を代表するアイヌ語なので、覚えておきたいところ。

・第6話 迫害
ここで改めて、杉元がカネを稼がなければならない理由 = 幼なじみで互いに好きあっていたものの、別れざるを得なかった梅子の目の治療のため。ということが、描かれる。そして、2ページ目でサクッと2人目の囚人を捕まえたものの、その男は『脱獄王』の白石由竹だった。拘束を解いて逃げようとするが、追いかけてきた杉元ともども雪庇から落ちてしまう。

・第7話 脱獄王
杉元と白石は、川へ落下。しかも木が割れるほどの猛烈な寒波が襲ってきて、2人は凍死寸前に。ガチガチにふるえ思考能力が低下しながらも、協力して火をつけることに成功する。抱き合って喜んだ2コマ後に並んで体育座りしてる姿は、ちょっと笑える。そして白石から脱獄の先頭に立っていたのが、あの土方歳三(!)だということが語られる。これで、のっぺら坊・土方歳三・第七師団という3つの勢力が、刺青人皮を狙っているということが明らかになる。ちなみにアシパさんは1コマだけの登場で、ウサギを食べたがるだけです。


白石の説明によると、刺青を彫られた囚人は全部で24人。現状判明している刺青人皮は……

○杉元&アシパ … 2枚(最初のオッサンと3話で捕まえたヤツ)
○第七師団 … 1枚(鶴見中尉の部屋に額装されている)
○土方歳三 … 1枚。自分自身。
○白石由竹 … 1枚。自分自身。

といったところか。残り19人分。

第2巻は、来月発売されます。



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  1. 2015/01/21(水) 13:54:19|
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