晴耕雨マンガ

12月は、六道の悪女たち、ジョジョリオン、ゴールデンカムイ。

ヴィンランド・サガ 第15巻の感想


ヴィンランド・サガ(15) (アフタヌーンKC)ヴィンランド・サガ(15) (アフタヌーンKC)
(2014/10/23)
幸村 誠

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ヴィンランド・サガの最新刊が発売されました。もう、だいたい半年の間隔で発売されるペースで落ち着いた様子。表紙に描かれているのは、帯で『ヒロイン』と明記されている新キャラのグズリーズです。


・第101話 繋がれたアジサシ①
前巻ラストで詐欺と間違われたり、強烈なアッパーカットを喰らったりしたので出来なかった、姉弟の会話。頭の形を覚えていたということは、幼いころもトルフィンの髪はユルヴァが切っていたということか。そして、ぼっちゃん刈りにされヒゲを剃られたトルフィンは、この16年にあった出来事を家族に聞かせヴィンランド開拓の意志を伝える。そのためには資金が必要だが、アイスランドでそれができるのは第4話に登場した“鉄鎖”のハーフダンしかいない。

・第102話 繋がれたアジサシ②
ハーフダンの農場に来たトルフィンたちは、そこでレイフの義理の妹でありハーフダンの息子のシグルド(通称シグやん)の妻になる予定のグズリーズと出会う。メタルギアソリッドのようにタルの中に隠れて移動したり、いきなり“女の命”の髪の毛を切り落としたり、かなりブッ飛んだキャラという印象。

・第103話 繋がれたアジサシ③
凍った桟橋で転んで頭を打って気絶してしまったグズリーズ。船に運び込むその様子は、まるで人さらいのよう。目撃したシグやんも、当然そう考えた。未来の妻を救うために父親譲りの鉄鎖を振るうのも無理はないか。ただ、実力的にはトルフィンのほうが上。ハーフダンの介入もあり事態は収束する。ただ、ハーフダン家は、代々『鉄鎖術』を学ばなければならない掟でもあるのか?

・第104話 繋がれたアジサシ④
ハーフダンは、農場に金を貸す → 返済ができなかったら土地を接収する → そこの住人は小作人に。というやりかたで、規模の拡大を計ってきた。現代的な感覚ではそれほど悪どいというわけではないが(まぁ「誇りを奪って丸裸にするのが楽しみ」って言っているから性格は悪いんだけど)、当時の感覚やアイスランド人の気質からすると、受け入れにくい物だったのだろう。なんとなく、この話だけギョロ目が大人っぽく描かれていると思う。

・第105話 繋がれたアジサシ⑤
トルフィンとハーフダンの1対1の交渉。ハーフダンは担保と同額までなら出資できると提案するが、奴隷から解放されたばかりのトルフィンは一文無し。なにも差し出すものがない。言われるがまま靴をなめようとするトルフィンに一瞬、恐怖(?)を感じるハーフダンが良かった。カゴから出されたアジサシが、今後の展開を象徴しているのか? そして、シグやんの結婚式出席と引き換えに『イッカクの角24本』をゲットする。

・第106話 繋がれたアジサシ⑥
幼い日にレイフから聞いた『広い世界』の話。そのことからグズリーズは女らしく家を守ることではなく、船に乗って海に出ることを望むようになっていた。なので、花嫁修業にも身が入らない。でも、いいお妾さんがいるようなので、今後どういう展開になってもシグやんの将来は安心かな。そして、レイフはイッカクの角をギリシアのミクラガルド(現イスタンブール)で売りさばくことができれば、同等の重さの金に換えることができるという。一行は、かなりキツイ旅路になることを覚悟の上でギリシア行きを決意する。

・第107話 繋がれたアジサシ⑦
船乗りへの思いを断ち切ったグズリーズは、シグやんとの婚礼の儀式を済ませる。が、いざ初夜というところで無意識に体が拒絶。シグやんの足にナイフを突き立ててしまう。グズリーズが『ヒロイン』ということは、トルフィンたちの船に同乗することになるんだろうけど、そすするとハーフダン家とレイフ家、トルフィン家の関係が最悪なものになってしまう。そのあたりをどうやって解決するんだろうか? 


トルフィンたちは、北海 → バルト海 → ロシアの河を渡って黒海を抜けて、ミクラガルドを目指す航路を設定しているけど、このころはジブラルタル海峡は発見されていないということなのかな。



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  1. 2014/10/25(土) 16:01:32|
  2. 幸村誠/ヴィンランド・サガ
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ヴィンランド・サガ 第14巻の感想


ヴィンランド・サガ(14) (アフタヌーンKC)ヴィンランド・サガ(14) (アフタヌーンKC)
(2014/02/21)
幸村 誠

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前巻からわずか7ヶ月のインターバル(他のマンガでは普通)で発売された『ヴィンランド・サガ』第14巻の感想です。表紙の夕陽に染まるトルフィンが、やけに男っぽいです。


・第94話 降伏勧告
なんか、前巻で奴隷編終了だと思っていたけど、まだ戦争は終わっていなかった。大打撃を被り、クヌート側から降伏勧告を受けるケティル家。その返答を決めるのは、トールギルではなく“当主代行”のオルマル。「だまって嗤われる勇気がなかった……!!」と、涙と鼻水を垂らす顔が良かった。第11巻のころの、戦士に憧れて調子に乗っていた時とは別人のよう。彼もまた、戦いの怖さ愚かさを知ったということか。

・第95話 忘れ物
トルフィンは、大旦那やパテールさんに受けた恩を返さずに去るのは良くないと思い、クヌートと和平交渉しようと考える。自分の名前や経歴を正直に伝えたものの、もちろん信じてもらえない。そこでトルフィンは『100発殴られるのに耐えたら、クヌートに会うことができる』という賭けを提案する。ガンジーも真っ青の無抵抗主義だな。

・第96話 無敵
上手く芯を外しているとはいえ、殴り役ドロットの拳(ときにはヒザも)を浴び続けるトルフィン。32発目で吹っ飛ばされ、蛇が介入しようとするものの、結局100発耐え抜くことに成功する。別人のように腫れ上がった顔で「オレに敵なんかいない」と言いきるのが素晴らしい。あと「親玉のふたりで将棋(ネフアタル)でもやって白黒つけりゃいいだろうが」というセリフは、現実でもそうだと思う。相撲でも可。

・第97話 叛逆の帝王
トルフィンとクヌートが久々の対面(第54話以来43話ぶり。作中時間だと、1014年2月以来4年8ヶ月ぶり)。農場からの撤退か降伏かというところから、話はクヌートが理想とする『楽土』へとシフトしていく。大きな力を統べて、神が定めた条理に逆らうことで楽園を作ろうとするクヌート。破壊者である『ヴァイキングを救う』という考えは、確かになかった。でも、波を止めようとするシーンは、トルフィンとエイナルの「……」というフキダシもあいまって、ちょっとシュール。

・第98話 ふたつの楽土
近衛兵に包囲させ自分の力を示そうとするクヌートに、トルフィンがだした返答は「逃げる」。言葉だけが武器だったトルフィンに毒気を抜かれて、美少女時代のような笑顔を見せたクヌートが印象的だった。すべての敵を叩き潰そうとするクヌートに対し、トルフィンはすべての争いを遠ざけようとする。やりかたは正反対だが、2人の考えている『楽土』と『平和の国』は、そう違わないモノだと思った。

・第99話 船出
奴隷編のエピローグ。一晩経って風船のようにふくらんだトルフィンの顔が、完全にギャグ。そして、トルフィンたちはヴィンランドに向かう前にアイスランドに里帰りすることに。別れ際に、蛇の本名が『ロアルド』ということが明らかになるが、特にモデルとなる人物はいない様子。この後は、いち農民として暮らしたということか。

・第100話 帰郷
記念すべき100話目。ここから里帰り編がスタート。幼い日のトルフィンがトールズの船に忍び込んでアイスランドを飛び出したのが第9話(1002年)のことなので、91話ぶり(16年ぶり)の帰郷ということに(つまり、現在トルフィンは22歳)。なので、トルフィンの顔を覚えている住人は少なく、ユルヴァにも信じてもらえない。そんななかで母親だけが一目で分かったのが良かった。でも、ユルヴァがなんかたくましくなりすぎているような気がする。トルフィンも一撃で吹っ飛ばしているし。



ここからヴィンランド移住の賛同者を募るのかと思いきや、新たな障害が立ちはだかる様子です。










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  1. 2014/02/22(土) 20:25:49|
  2. 幸村誠/ヴィンランド・サガ
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ヴィンランド・サガ 第13巻の感想


ヴィンランド・サガ(13) (アフタヌーンKC)ヴィンランド・サガ(13) (アフタヌーンKC)
(2013/07/23)
幸村 誠

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ヴィンランド・サガ最新刊の感想です。奴隷編のクライマックスです。


・第87話 最初の手段
客人の砦に捕らえられたトルフィンとエイナル。そこで、トルフィンは『最後の手段』である暴力に訴えたことを悔いて、その反対である『最初の手段』とは何かということを考える。これはシンプルに『話し合う』とかいうことじゃないだろうし、ハッキリとした答えを持っている人も少なさそう。そして、レイフさんの船が農場に到着。戦争の準備を楽しんでいるトールギル、虚ろなケティル、イェリングに行く前とは打って変わって大人しくなってしまっているオルマルの対比が面白い。しかしトルフィンは、実力的に蛇じゃなきゃ取り押さえられないと思うけど、ガルザルも死んでしまったので大人しく捕まったということか。まだ奴隷の立場だし。

・第88話 罰
ガルザル事件のことを知ったケティルは、態度を豹変させる。あれほど心を寄せていたアルネイズにすら、生死の境をさまようほど激しい棒打ちを加える。『自分の物を奪うのは、誰であろうと(アルネイズですら)許さない』という考えに支配されて、9~10巻のころの人格者の面影が全くなくなってしまった。そして、クヌート軍に対抗する決心を固める。

・第89話 開戦前夜
ケティルは集まった戦力の士気を高めるものの、ほとんどが借金のある農民兵でクヌートが相手ということも知らなかった。このあたりで蛇は、もう勝敗の行方を察していたか。いっぽうトルフィンたちは気を失ったままのアルネイズを置いていくことはできず、様子を見ることに。しかし、トルフィンとレイフさんの再々会シーンは省略されてしまったけど、描かなくてよかったんだろうか?

・第90話 飯の代金
クヌートの軍勢が農場に到着。ケティルらに国外退去を勧告する。でも、相手が自分たちの半分以下の人数だと知ったケティル軍は戦う気満々。しかし、偵察していた蛇はその全てが近衛兵&ヨーム騎士団の精鋭部隊だと見抜く。そして、逃げ腰なキツネたちに『鉄拳ケティル』の秘密を聞かせる。まあ、噂に尾ひれがついているとは思っていたけど、ちょっと意外な真相だった。92Pの蛇の後ろに客人たちが続くコマは、ベタだけど燃える。

・第91話 ケティル農場の戦い
戦闘開始。圧倒的な力量差でクヌート軍がケティル軍をなで斬りにしていく。いっぽう、トールギルは単独行動(途中までオルマルも一緒だったけど)をとり、海を渡ってクヌートの背後に現れる。そして、このドサクサに農場を離れるトルフィンたち。そのとき、アルネイズさんが目を覚ます。

・第92話 百数える間
奴隷編では強者として描かれていたキツネがビビり、アナグマが左手を失うほどの一方的な戦況。このあたりの様子は、序盤のヴァイキング時代のような激しさがある。そして、トールギルの奇襲にクヌートがピンチに陥るものの、ウルフがいち早く気づいて事なきを得る。ウルフが馬乗りになって首を絞め、トールギルが目を潰すという攻防は、某マンガで数回に渡って行われた「失神す!」「潰す!」の攻防を連想してしまった。あとは、逃げようとした奉公人の「“力は正義なり”だ 世界はアンタより強い奴のためにあるんだよケティルさん」というセリフが印象深い。

・第93話 戦士の誕生
戦闘は終結。トールギルに襲われたクヌートを守るために近衛兵たちが戻る間に、蛇はケティルを抱えて逃走。そして、意識を取り戻したアルネイズはトルフィンとエイナルに別れを告げ「なぜ… 私は… 生きなければならないの…?」と言う。このセリフに何も言葉を返すことのできないトルフィン。この答えを探すことが、今後の目標のひとつということになるか。トルフィンとエイナルはアルネイズを埋葬した後、ヴィンランドに争いのない平和の国を作る決心をする。互いに『兄弟』と呼び合うのが良かった。サブタイタイトルが『戦士の誕生』というのも、意味深。


しかし、国と言うからには2人では少なすぎるし、もちろん女性も必要になってくる。これから、ヴィンランドに行くための『メンバー集め』が始まるということか。というか、この戦闘の後始末も残っているだろうし、まだまだ先は長そう。




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  1. 2013/07/25(木) 13:59:57|
  2. 幸村誠/ヴィンランド・サガ
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ヴィンランド・サガ 第12巻の感想


ヴィンランド・サガ(12) (アフタヌーンKC)ヴィンランド・サガ(12) (アフタヌーンKC)
(2012/11/22)
幸村 誠

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ヴィンランド・サガの最新刊が発売されました。前巻で登場した謎の『逃亡奴隷』の話で構成されています。

・第79話 暗雲の先触れ
蛇の配下のキツネたちが、森の中で休んでいる不審な男 = 逃亡奴隷を発見。しかし、すぐに捕まえて褒美を山分けするべきか、応援を呼んで確実に捕まえるべきかで言い争いをしているうちに、目を覚ました逃亡奴隷に逆に襲われてしまいます。そして、大旦那の家の前を馬で逃げようとする逃亡奴隷を見たアルネイズさんは「ガルザル!!!!」と呼び、逃亡奴隷も「我が妻」と応えます。あと、大旦那に蛇が聖書を読み聞かせているのを盗み聞きしているトルフィンと、アルネイズさんの手があかぎれでボロボロなのが、細かいけどいいシーンだと思った。

・第80話 ガルザル来襲
逃亡奴隷 = ガルザル = アルネイズの夫。ガルザルは、アルネイズと息子のヒャルティと家に帰ろうと言いますが、大旦那の家にいた蛇に馬の首を切られ、右脇腹の傷口を狙い打ちされて捕えられてしまいます。アルネイズさんのために薪割り用のオノで助っ人に入ろうとするエイナルを止めるトルフィンが「お前に人が殺せるのか!?」と問いかけるのがイイ。 

・第81話 嵐
ガルザルが捕えられ、大旦那の家の中で奴隷の3人は重たい空気。何か行動を起こそうとするエイナルに対し、アルネイズはスウェーデンの村で暮らしていたときのことを語り、奴隷になった経緯とお腹の中にケティルの赤ちゃんがいることから、いまは『争いごと = 嵐』が過ぎるのを待つべきだと諭します。しかし、その言葉とは裏腹に、アルネイズは夜中に外へ出ていきます。

・第82話 縛め
アルネイズの行先は、用心棒たちのねぐら。蛇には拒否されるものの、なんとかガルザルと再会することに成功します。2人が言葉を交わす79Pからのやり取りは、この巻の個人的なハイライト。そして、ガルザルが隙をついて見張りの首を噛みちぎる。

・第83話 償い
蛇が陣地に戻ってくると、ガルザルに逃げられた後。合わせて5人の手下を殺されたとあって、怒りに火がつきます。そして、アルネイズのことが心配で眠れなかったエイナルとトルフィンの朝の会話。『戦争と奴隷』をこの世の中から無くすことはできないか?という話の流れから、レイフから子供のころに聞いた『ヴィンランド』の存在を思い出す流れが良かった。これで、ひとまずの目標は立ったわけだが、いまは争いごとの真っ最中。奴隷の身分から解放されたとしても、1人で行っては意味がない。まだまだ道のりは長く険しいということか。あと「今まで撒き散らして死と破壊を生と創造で少しでも補わくちゃ…」という、トルフィンのセリフが素晴らしいと思った。

・第84話 都合のいい夢
ガルザルが逃げたことを知ったエイナルたちは、大旦那の世話に戻っていたアルネイズを見つけて事情を聞きます。そして、エイナルは2人を農場から逃がす手伝いをすることを決意。トルフィンも同意。それにしても「親子3人(赤ちゃんの父親は違うけど)でやり直す」というのが『都合のいい夢』っていうのは、時代や奴隷っていう身分だとはいえ、やりきれないなと思った。

・第85話 対決
エイナルが囮になって用心棒たちを引き付けているうちに、大旦那の馬車に気を失っているガルザルを乗せて脱出しようとするトルフィン。しかし、その作戦をいちはやく見抜いた蛇だけが引き返してきます。対峙するトルフィンと蛇。アシェラッドの幻が現れて『戦うべきか非暴力の誓いを貫くべきか?』と問いかけてくるのが良かった。トルフィンの出した答えは戦うこと。

・第86話 帰れないふたり
トルフィンvs蛇。2人の実力は互角。それぞれが戦いの中で持つ感想が似ているのが面白かった。トルフィンがヴィンランドを目指すときは蛇にも一緒に行ってほしいが、難しいか。馬車の側を取った蛇は、すかさず剣を突き刺すものの、致命傷を負ったガルザルは最後の力を振り絞り蛇を絞め落とします。朦朧とした意識の中アルネイズと馬車を走らせますが、農場を出る前に絶命してしまいます。この後、アルネイズはもちろん、手助けをしたトルフィンたちもタダでは済まないはず。ただ、帰ってくるケティルたちもクヌートの軍勢に追われているというピンチな状況。次巻も、波乱が必至です。


この巻の主人公はアルネイズと言っていいでしょう。トルフィンをはじめ、アシェラッド、トルケル、クヌートと血なまぐさい男たちが暴れまわり、女性キャラは殺(ヤ)られるか犯(ヤ)られるかといったなかで、はじめてスポットライトの当たった女性キャラといえるかもしれません(ユルヴァがいるけど)。




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  1. 2012/11/24(土) 17:23:31|
  2. 幸村誠/ヴィンランド・サガ
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ヴィンランド・サガ 第11巻の感想

ヴィンランド・サガ(11) (アフタヌーンKC)ヴィンランド・サガ(11) (アフタヌーンKC)
(2012/01/23)
幸村 誠

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ほっこり農耕マンガ『ヴィンランド・サガ』の最新刊が発売されました。しかし、この巻では久しぶりに血みどろヴァイキング成分が濃いめとなっていて、表紙の黒衣を纏ったクヌートもそれを現しています。

・第72話 呪いの首
イングランド王となったクヌートがデンマークに帰還。その目的は、病床の兄ヘラルド王を見舞うこと。しかし、それもクヌートの謀略の一環だったというのが恐ろしい。改めて、初登場時の『姫』と呼ばれていたころの面影は全くなくなってしまったと感じさせられる。しかし、地元に戻ったというのにクヌートに心休まるときはない。侍女が持ってきた食べ物も毒を恐れて口にはしない。そんな孤独なクヌートの話し相手となるのが、自らが手を下したスヴェン王の首の幻影だというのが寂しいが、本人はそれも覚悟している様子。それと、この話は印刷のせいかもしれないが線が細くかすれたように見える。

・第73話 自由になったら
視点がケティルの農場に移り、トルフィンとエイナルの話に。2人は、森を開拓して奴隷から解放される目途も立った。第55話でエイナルとトルフィンが出会ってから3年の時間が経過している。40Pのトルフィンの笑顔が印象深い。そして、仕事中に大旦那様が倒れてしまう。が、なにもクワを振りかぶった体勢のまま倒れなくてもいいだろうに。

・第74話 逃亡奴隷
冒頭から赤ん坊が泣き叫び、切られた首が食事皿に乗っているというヴィンランド初期のような展開。主人を殺した逃亡奴隷の話がケティル農場の用心棒たちの耳にも届くが、この巻では以降ふれられない。オマケの4コマでは「伏線なので覚えてていただけたらと」と書かれている。コイツが、どういう形でトルフィンたちと関わることになるのかが気になる。それから、倒れた大旦那の世話をするためにアルネイズさんが遣わされるが、これはケティルが外出しているあいだ、残った奥さんがアルネイズさんを屋敷に入れないようにしているためなんじゃないかと思う。

・第75話 王と剣
フル装備のクヌートと側近のウルフの模擬戦。クヌートは、力は足りないながらも頭を使った戦い方をするようになっている。しかし、このウルフ。かなりクヌートに信頼されているし、ほかの戦士たちにも一目置かれているようだが、名前が北欧っぽくない。もともとは名前もない奴隷戦士だったが、力のみで成り上がったと想像してみる。いっぽうイェリングに到着したケティルだったが、すでにヘラルド王は息を引き取っていた。いっしょについてきたオルマルがもめ事を起こすが、その相手はレイフ・エイリクソン!

・第76話 オルマル晴れ舞台
前半のケティルとレイフのトルフィンに関する会話。実際、同じトルフィンのことについて話しているのだが、個人を断定するためのコレという決め手がないのがなんとももどかしい。何かわかりやすい目印になる身体的な特徴でもあればよかったのに。そして、ケティルはトールギルのツテを使ってクヌートと謁見することに。しかし、そこでオルマルがやらかしてしまう。王の前で剣を抜く無礼ぶり、そしてブタの丸焼きすら切ることのできない非力さ。戦士としては失格だが、逆にクヌートに目をつけられてしまうことに。しかし、この回のサブタイトル、どこが晴れ舞台なんだ。

・第77話 侮辱
『豚に完敗した男』オルマルに、不合格を通知するついでにからかいに来た戦士たち。オルマルは、また剣を抜くがやっぱり相手にならない。しかし、トールギルにハッパをかけられたのとウルフの部下の仕掛けで、オルマルが相手を殺してしまう。そこからは、トールギルが無双状態に。久々の、血しぶき飛び散り内臓や切られた体が乱れ飛ぶ描写が素晴らしかった。

・第78話 反逆罪
もともとオルマルを勝たせたのは、ケティルを捕まえてその農地を没収するため。トールギルは取り押さえに来た兵士たちをも切り倒し、クヌートの策略を聞き出す。そして、ケティル一家はレイフの助けを借りて逃げることに。クヌート一行もその後を追うという。これで、トルフィン、レイフ、クヌート、ケティル一家など主要キャラが一か所に集まることに。謎の逃亡奴隷もそこに現れるだろうし、早くも次巻の展開が気になります。

それにしても、トルケルはどこに行った?


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  1. 2012/01/24(火) 20:07:32|
  2. 幸村誠/ヴィンランド・サガ
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