晴耕雨マンガ

10月は、トクサツガガガ、スピドメ、六道の悪女たち、少年ラケット。

今年の読みきり漫画まとめ 2014

○はじめに
さて、今年も残すところ1か月となり、さまざまなマンガ関係の賞が発表される季節になってきました。でも個人的に気になるのは、その選考対象がどれも『単行本』だということ。雑誌に掲載されたりWebで発表されたマンガがすべて単行本になるわけではありません。そこで、今年自分が読んだなかで面白かったと思う読み切り、および単行本化されていない短期連載作品をまとめてみたいと思います。

○週刊少年チャンピオン 短期連載
今年度チャンピオンに掲載された短期連載(および単行本が発売されなかった連載)は、13本。その中から出張掲載(セトウツミ/此元和津也(31号~33号掲載)とベルリンは鐘/ニャロメロン(52号から掲載)、単行本化されているブラック・ジャック創作秘話/宮崎克&吉本浩二(27~28号掲載)を除いた中で良かったのは ムーメン 警視庁非科学捜査班事件ファイル/ルノアール兄弟(1~6号掲載) オーマガ町の怪/川地和樹(23号~28号掲載) 喧嘩村/滝口翔太(39号~46号掲載)といったろころ。個人的に一番面白かったのは
マリリーン大魔法研究所/盆ノ木至(36+37~39号掲載)です。
盆ノ木至/マリリーン大魔法研究所
全3回と短かったながらも、テンポのいいギャグのたたみ込みが印象に残っています。特に第2話に登場した月光院美麗子さんが、ブスすぎるあまりあらゆる事象を拒否し、ついにはブスの神というような概念的な存在になってしまうシーンは素晴らしかったです。

○週刊少年チャンピオン 読み切り
出張版やコラボもの15本を除いて掲載された読み切りは、作者25人の33本。短期連載もした作者の深夜の魔女/川地和樹(9号掲載) 吸血鬼よく死ぬ/盆ノ木至(41号掲載)や新人まんが賞受賞作から怒涛の5週連続掲載をした鈴木優太/ネイジィ・レター(43号掲載)ファッキン・ヒットマンベイビー(44号掲載)死ぬ運命の男(45号掲載)出っ歯の女の子(46号掲載)不死身症候群(47号掲載)、現役女子高生ながら3本掲載し可能性を感じさせた福地カミオ/猫と人とアレルギー(14号掲載)少女発明家の本音(19号掲載)ひよこ式ケイテイ(25号掲載)あたりが好印象でした。ベストなのは
最終兵器ロボ少女ちゃん/橋本健太郎(31号掲載)。
最終兵器ロボ少女ちゃん/橋本健太郎
さすが新人マンガ賞の大賞受賞作という内容で、16ページながら起承転結がしっかりしているし、描くべきことを描き切っていると思います。ツカミとオチが同じ「思てたんとちがうー!」でそろえられているのもイイ。
あと、今年度のチャンピオン全体の流行語大賞は「にゃあらー!」。MVPが桃ちゃんこと桃生理沙さんなのは、言うまでもないことだと思います。
にゃあらー!

○別冊チャンピオン
今年度掲載された読み切りは、14人の作者の計16本(5月号の『弱虫ペダル SPARE BIKE』は除く)。連載化した辻浦さんとチュパカブラ/櫻井あつひと(1月号掲載)とベスケ・デス・ケベス/ルノアール兄弟(5月号掲載)を除いたなかだと、武鯱と虎六~道場破りの破れ傘~/フクイタクミ(2月号掲載)、現実逃避な(非)日常/中村総一郎(4月号掲載)、マッシュアップ!!/米井さとし(6月号掲載)、うずたま/牛口良美(12月号掲載)あたりが好印象。ベストは
決闘決議/村咲雅秋(9月号掲載)です。
決闘決議/村咲雅秋
校内の揉め事すべてを決闘の結果で決めるという設定も面白いし、絵のレベルも高く即戦力だと思いました。ただ、なんとなく昨年にくらべると小粒感があったような。あと、3本掲載している西森茂政先生が、何らかの形で結果を見せてほしいところです。

○アワーズ
今年度のアワーズで読み切りを発表したのは、鈴木小波先生と小野寺浩二先生だけ。(宇河弘樹先生の『おるたなしあたー』系は単行本化したので対象外)。デラさんのは穴埋め掲載という感じなので、ベストは選ばないでおきたいと思いますが、個人的には5月号に掲載された白雪姫と70人の小人/鈴木小波が、設定、勢いともに印象に残っています。

○ハルタ
昨年12月発売の10号から、今月発売された19号までのあいだで発表された読み切りは、作者27人の計37本(ヨメがコレなもんで。/宮田紘次とシャーリー・メディスン/森薫は単行本化されているので対象外)。
その中で好印象だったのは、押忍!武美ちゃん!!/犬童千絵(12号掲載) 忍者は職業でござるか?/安住だいち(12、13号掲載) けれどなお、物語は君を讃える/百名哲(16号掲載) まかろにスイッチ/川田大智(17、19号掲載) オリビアのいる世界/山本ルンルン(18号掲載) 鋼の少年、鉄の掟/西公平(18号掲載)といったところ。そしてベストだと思ったのは、
かいだんばなし/進美知子(18号掲載)です。
かいだんばなし/進美知子
クラスから浮いていて、幽霊のオッサン2人とばかり話している小橋ちゃんと、彼女と親しくなろうと近づいてくる花野さん。友だちになろうとしたのは卒業アルバムのためではなく、本当の理由が明らかになるシーンが良かったです。絵もうまいし、幽霊を見ることができるのが目ではなく手の能力というのが面白かった。
また、不定期掲載シリーズ物の中では、ふしぎの国のバード/佐々大河(12、16、18号掲載)が良かったです。バードさんのキャラも常に前向きで好感が持てるが、当時の日本の文化風習など勉強になることが多い。

○その他
ほかに定期的に購読している雑誌以外で良かったのは、
親友二人の関係の変化と『白雪姫』の演劇がリンクするさまが鬼気迫る白雪姫が微笑うたび/朝陽昇(コミックEDEN vol.1掲載)
コードの切れたコントローラーを持つ少年と、母親の再婚相手の対決の様子がRPG風に展開するサイコンクエスト/澤江ポンプ(@バンチ5月号掲載) こんなに切ない『かしこさが1あがった』はない。
壮大で美麗な図書館を舞台に、新人司書の活躍を描く圕の見習い司書/泉光(ジャンプスクエア5月号掲載)
宇宙開発研究の過程で生み出されたカエル少女の逃亡の様子を、作者特有の繊細な筆致で魅せるウムヴェルト/五十嵐大介(アフタヌーン6月号掲載)
目が大っきくなったり、ラッキースケベが頻発したり、常に集中線がつきまとったり。『マンガ病』にかかった女子学生たちを勢い全開で描いた空想少女/さと(もっと!vol.7掲載)
漫画的な『イライラマーク』が感情とリンクして体に現れるげきおこシュリケン/ユエミチタカ(マトグロッソおよび作者のPixivで発表)
エルトゥールル号遭難事件から始まり、イランイラク戦争を経て、東日本大震災まで紡がれてきた日本とトルコの絆の物語。Teşekkür ederim/石川雅之(モーニング21+22合併号掲載)
といったところでしょうか。Teşekkür ederimも十分にエピソード・オブ・ザ・イヤー級なのですが、ことしナンバーワンの読み切りは 
おっぱいありがとう/田島列島です。
おっぱいありがとう/田島列島
『大人の女性だけが、おっぱいを吸うことがない』という衝撃的な事実に気づいてしまった坂下さんが、同僚の宮本さんに頼んでおっぱいを吸わせてもらうという内容。「なんじゃそりゃ」というあらすじですが、ゆる~くストーリーを進行させながらしっかりとメッセージ性を隠し持っているところや、小ネタの使い方などは『子供はわかってくれない』で証明済み。個人的に、今年は田島列島の1年でした。

来年も、こういうことができたらいいと思います。よろしくお願いします。




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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/11/30(日) 17:00:00|
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