晴耕雨マンガ

10月は、トクサツガガガ、スピドメ、六道の悪女たち、少年ラケット。

今年の読み切り漫画まとめ 2013

○はじめに
さて、今年も残すところ1か月となり、さまざまなマンガ関係の賞が発表される季節になってきました。でも個人的に気になっていたのは、その選考対象がどれも『単行本』だということ。しかし、雑誌に掲載されたマンガがすべて単行本になるわけではありません。そこで、今年自分が読んだなかで面白かったと思う読み切り、および単行本化されていない短期連載作品をまとめてみたいと思います。

○週刊少年チャンピオン 短期連載
チャンピオンは、短期連載と読み切り部門に分けたいと思います。まず、今年度(2013年1号~52号)チャンピオンに掲載された短期連載作品は、全部で15本(前年度からのくり越しを含み、ブラックジャックREALは1本として計算)。個人的には蓮古田二郎の2本まるこみ天然小学校(20~24号掲載)と3年B組ジョースズキ(48号~50号掲載)が好みで、瞬間最大風速では髙橋良介/白銀ヴァンガード(前年度53号~4+5号掲載)の第2話(「糞山の暴君」「糞潰し(ゴクつぶし)」「育児用糞玉」「糞は糞(ダストトゥーダスト)」といった名ゼリフが続出した回)なんですが、新人まんが賞大賞受賞作が別チャンに掲載 → 週チャンで短期連載 → タップ!で連載とチャンピオン内の階段を一気に駆け上がった、たばよう/くろすぶりーど(8~11号掲載)が今年を代表する1作と言えると思います。遺伝子操作技術が発達した未来で、動物と人間の遺伝子が混ざっている少女たちのオムニバスストーリー。まず、この世界観の説明を1ページで簡単に済ませて(しかも科学者がノリで遺伝子をイジッて逮捕されるところまで)しまったり、自分が地上に出るために邪魔なアリを引きこもりの男に殺させるといった、独特の倫理観の軽さがクセになります。
たばよー
これは、現在タップ!で連載されている『宇宙怪人みずきちゃん』の1コマ

○週刊少年チャンピオン 読み切り
今年度、チャンピオンに掲載された読み切りは、別チャンやタップ!からの出張版、イベントのレポートマンガなどをのぞいて、作者24人の29本。ある程度キャリアのある作家よりも、福田やすひろ/総合格闘生花~フラワーアーツ~(2+3号掲載)、 れいか/地下通路の大冒険(6号掲載)、 荒達哉/PINCH SERVER(15号掲載)、 松本豊/告白ゲーム(34号掲載)といった、イキのいい新人の作品が印象に残っています。その中でイチバンだと思ったのは掛丸翔/少年ラケット(51号掲載)。最近の掲載でインパクトが残っているということを差し引いても、とても高いクオリティだったと思います。主人公がライバルとラリーしながら卓球の楽しさを思い出す流れが最高でした。
少年ラケット
トビラ絵から

○別冊チャンピオン
今年度、別チャンに掲載された読み切りは、作者12組の12本(パニックホラー3作のコラボは対象外)。たばよう/TOILETPEPARMAN(2月号掲載)など、新人まんが賞や、べっちゃんまんが賞の受賞作が多く掲載されたものの、週チャンとは逆に経験のある作家のほうがしっかりとしたストーリーを生み出していた印象です。特に猪原賽&横島一/ガンロック(11月号掲載)は、スチームパンクの世界観とあの名探偵コンビが見事にマッチしていて、続編を読んでみたいと思わせられました。あと気になるのは、最終回のときの『単行本発売決定』という発表以降、まったく情報がない阿部共実『ブラックギャラクシー6』がどういう扱いになっているのかということです。
ガンロック
作者のHPより

○アワーズ
今年度アワーズに掲載された読み切りは、作者2人で計7本(今市子の『夜と星のむこう』は休載の長い連載作品という扱い)。鈴木小波は、ほぼ2ヶ月に1回のペースでいわゆる『出落ちガール』シリーズを掲載。コンスタントに高内容の作品を発表してきました。が、ここでは現状アワーズ唯一の生え抜き新人、宇田整司を押したいと思います。特にタイラント(7月号掲載)は、独自のダークな世界観と激しいアクションがマッチしていて、しかも『妹の敵討ち』という意外なオチも用意されていて、このまま連載可能なクオリティだと思いました。
タイラント
タイラントのトビラ絵

○ハルタ
さすがというべきか、1~9号で掲載された読み切りは、44人の作者の58本。その半数以上が新人という驚くべき数字となっています。単行本になった(宮田紘次/ヨメがコレなもんで など)、なっているものの続き(森薫/シャーリー・メディスン など)を対象外としたなかで印象に残っているのは、単行本が発売されたら購入することが決定済みの二宮香乃/ロメ夫シリーズ(3号、7号掲載)や、デビュー作ながら完成度の高さを見せつけた畑田知里/反抗のメモリー(2号掲載)、シーサーや相撲取りといった変わり種を主人公に据えながらしっかりとヒーローを描いた設楽清人、といったところでしょうか。そして、もっともインパクトを残したのは、戎島実里/先住人。ある家族が引っ越してきた一軒家の天井裏に、不気味な『ナニか』が潜んでいたという、ガチホラー。ハッキリ言って、今年のベスト・エピソード・オブ・ザ・イヤーです。
先住人
作中の一場面から

○その他
定期的に購読している雑誌以外で気になった読み切りは、
・ヘソから蛇口が生えた少女のかなわぬ恋を描いた阿部洋一/金属のキミへ(ウルトラジャンプ3月号掲載)
・麻雀で作った借金のカタを、おっぱいの型を作って返す紙魚丸/多摩川バリスティックゼラチン(ウルトラジャンプ9月号掲載)
・完全なギャグキャラをヒーローとして活躍させるだけでなく、ナスカの地上絵に新解釈をもたらしたキン肉マン外伝・ベンキマン~失われたインカの記憶~/ゆでたまご(週プレNEWSで発表)
・読み切りではなく単行本描き下ろしなんですが、表題作や先行掲載作よりも読者をカオスの渦に叩き落としたデタジル人間カラメ/阿部共実(単行本『大好きが虫はタダシくんの』収録)
・ワンピースの穴埋めから、まさかの連載昇格そしてアニメ化決定というミラクルを起こした仲間りょう/磯部磯兵衛物語
・編集者が「立ち読みでもいいから」とツイートしたことでも話題になり、その後連載となった大今良時/聲の形といったところでしょうか。



来年も、こういうことができたらいいと思います。よろしくお願いします。







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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2013/12/01(日) 17:00:00|
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