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岸辺露伴は動かない の感想


岸辺露伴は動かない (ジャンプコミックス)岸辺露伴は動かない (ジャンプコミックス)
(2013/11/19)
荒木 飛呂彦

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『岸部露伴は動かない』が発売されました。
これまで、週刊少年ジャンプなど各誌で発表されてきた『ジョジョの奇妙な冒険』第4部の登場キャラクター・岸部露伴を主人公とした短編作品が、1冊にまとめられています。通常のジャンプコミックスと同じサイズですので、本棚でジョジョシリーズのとなりに並べても違和感はありません。

・世界観など
読み進めていくうちに気になるのは『これはジョジョ4部の世界なんだろうか? それとも8部の世界なんだろうか?』ということ。それぞれと繋がりがあるようなセリフがあったりキャラが登場しますが、基本的には関係のないパラレルワールドと考えるのがイイと思います。リーゼント頭の高校生が顔を見せないのが、その証拠かと。

・エピソード#16 懺悔室
初出が97年なので、今から16年前に発表された作品。99年に発売された『死刑執行中脱獄進行中』という短編集に収録されているので、これが2度目の単行本化ということに。そのときも、エピソードナンバーは16なので、このサブタイトルで間違いではありません。ある事情で『ピンクダークの少年』の連載を中断しなくてはならなくなった露伴が、取材旅行に訪れたヴェネツィアの教会でうっかり懺悔室の『神父が入る方』に入ってしまったことから、ある男の奇妙な体験を聞く。というもの。やる事は『ポップコーンを放り投げて3回連続で口でキャッチする』というだけなのに、かなり緊迫度の高い駆け引きを含んだバトルになっています。この話では『ヘブンズ・ドアー』は使わず、ただ話を聞くだけで終わります。タイトルの“動かない”というのは『露伴は主人公ではなく、物語のナビゲーターですよという意味』と『死刑執行中~』のあとがきに書かれているので、本来はこういうスタイルの連作を想定していたのかも。

・エピソード#02 六壁坂
初出は08年のジャンプSQ。単行本化よりも先に、トビラ絵がフィギュア化されたりペンになったりした作品。作者も『本当に不気味な話』とコメントに書いてあるように、この単行本のベストエピソードと言っていい高内容。妖怪伝説を取材中の露伴が、ある女性の記憶をヘブンズ・ドアーで読んで知った衝撃の事実。全ての世話を人間にさせ、責任も苦労も何も背負わず『死ぬ時』が幸福の絶頂というのは、得も言われぬ不気味さがあった。でも、露伴が冒頭で編集者に妖怪伝説の取材を続けるためリゾート計画を阻止するため、周りの山6つを買ったら価値が暴落して一文無しになった。というのを告白するインパクトも凄かった。

・エピソード#05 富豪村
12年10月の週刊少年ジャンプに掲載された作品。周囲とは道路一本もつながっていない豪邸ばかりが建つ小さな『村』。住んでいるのは会社の社長やCEOばかり。しかも、みな『25さい』のときにこの村の土地を買い、そこから出世していったという…。露伴は、この村の一員になることを望む女編集者についていくことに。そこでは、厳しい『マナー』の試験があった。ただ、今回は露伴が『動き』すぎていたかなぁという印象。案内の少年を本にしたり、最後にいっぱい食わせたりしないと村から出られないとは言え、もうちょっと傍観者然としてほしかった。いちばん勉強になったマナーは『ティーカップの取っ手に指を突っ込んではいけない』ということ。

・エピソード#06 密漁海岸
先月のジャンプに掲載された最新作。杜王町に住むイタリア人の料理人・トニオ・トラサルディーから、海岸へアワビの“密漁”に同行してほしいと頼まれる露伴。内容的には、2人が海に行って体にくっつくと強い重みを感じて海底に引きずり込まれるアワビと格闘する。というもの。大人の男2人がアワビを獲るだけでマンガとして成立しているのがスゴイと思う。あと、冒頭の露伴の目がドロドロに溶け(たように見え)るシーンは、トニオさんのスタンド『パール・ジャム』の説明が全くないので、ジョジョ第4部を読んだことのない人には、かなりホラーに映ると思う。

・岸部露伴 グッチへ行く
GUCCIのブランド創設90周年&荒木飛呂彦執筆30周年記念作品として、集英社のファッション誌SPURの11年10月号に別冊付録として発表されたものです。このときのSPURは増刷され、その年の雑誌大賞を受賞するほど話題を呼びました。当時はA4サイズオールカラーでしたが、今回はB6モノクロでの収録なので、正直見づらかったです。内容は、祖母の遺品であるグッチのバッグを修理してもらうためにフィレンツェにあるグッチの工房を露伴が訪れるというもの。ただマンガとしてみると、通訳の女性の着替えシーンに3ページ使っているのは、やっぱりおかしいと思う。


『懺悔室』と『密漁海岸』のあいだには、17年の隔たりがあるとはいえ絵柄の変化の違和感もなく、ストーリーのテイストにも統一感がありました。











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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2013/11/21(木) 12:20:08|
  2. 岸辺露伴など
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