晴耕雨マンガ

9月は、映像研には手を出すな!、 ジョジョリオン。

ジョジョメノン と 岸辺露伴は動かない

JOJOmenon (集英社ムック)JOJOmenon (集英社ムック)
(2012/10/05)
荒木飛呂彦

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ジョジョの奇妙な冒険連載記念ムック本『JOJOmenon』が発売されています。

○PART1 HIROHIKO ARAKI
前半は、荒木先生ご自身に注目された内容になっています。

・HIROHIKO ARAKI MEETS クリント・イーストウッド
巻頭を飾るとともに、この本を代表するといっても過言ではない豪華な内容。荒木先生がロサンゼルスにおもむき、映画監督で俳優のクリント・イーストウッド氏と出会います。荒木少年が、父親に連れられて観に行った映画『続 夕陽のガンマン』。そこに登場するイーストウッドの気品ある立ち姿が、承太郎のルーツになっていることから企画されたこの対談。荒木先生が終始ファン目線で質問しているのが面白かったです。特に印象的だったのが荒木先生が立ち姿をほめたことに対し、イーストウッド氏が
「そいうことは知りたくないね(笑)。自分で分析しちゃいけないんだよ。そうじゃなくて、外を見ているべきなんだ。(中略)自分のことは見ない。自意識過剰になるだけだ。」
と答えているのが印象的でした。そして、表紙のイラストを額装したものを贈られたイーストウッド氏が承太郎と同じポーズをとっている1ページが、この本のハイライトと言えるでしょう。ただ、指さしポーズをしているだけなのにオーラがビンビンに感じられます。

・「ジョジョは第4部で終わっていたかもしれない」
史上最長インタビューで語るジョジョの25年。時系列順にふり返る形になっています。気になった部分を箇条書きにしていくと…
連載前 → 最初にできたキャラクターがディオ。ジョナサンの名前の由来がファミレスからというのは間違い。実際に打合せしていたのは『デニーズ』。
第1部 → ジョジョのテーマである『人間賛歌』は、単行本カバー折り返し部分のコメントを書くときの思いつき。
第2部 → エンジンが本格的にかかってきた。気持ちがはやって、早く第3部に行きたくてしかたがなかった。
第3部 → 担当編集に「もう波紋は古い」と言われて考えたのがスタンド。ジャンプは19ページの掲載なのに、ネームを考えるときは常に21ページ。いつも2ページ削る作業をしていた。
第4部 → 重ちーは大好き。すべてのシリーズを通して一番好きなキャラクター。第1~3部はひとつの流れがあって、そこからゆるやかにつながって広がっていったのが第4部。初期の構想から考えると、『ジョジョ』は第4部で終わっていたといえるのかもしれない。
第5部 → エピローグは『ジョジョ』の25年間の歴史の中でも最も印象的なエピソードかもしれない。『ジョジョ』シリーズの神髄が、あそこには表れていると思う。
第6部 → 年齢的にも少年誌で描くのも終わりだと思った。『こち亀』の秋本先生以外はみんな若いマンガ家ばかりなので昔から浮いている感じはあった。
第7部 → 荒野とか草原をずーっと描いていると、精神的にくる。本当に疲れた。早く日本に帰りてぇと思った。
第8部 → 家系図が重要になってくる。家系図を眺めているだけで一晩中ご飯が食べられるくらい面白くなるんじゃないか(笑)
これから → モチはモチ屋じゃないけど、荒木飛呂彦はずっと『ジョジョ』でいんですよ。もう『ジョジョ』しか描かないし、『ジョジョ』しか描けない。

・荒木飛呂彦 ニューヨークへ行く
グッチのクリエイティブ・ディレクターであるフリーダ・ジャンニーニ女史と再会。2013の新作を紹介してもらい、フィレンツェで開かれる『荒木飛呂彦展』のイメージイラストにつながっていきます。それから、ニューヨークの名所探訪。ジョジョの名シーンと重ね合わせて紹介していきます。やっぱりメインは、SBRのゴール地点だったトリニティ教会でしょうか。この地下には、あの遺体が…。

・山口晃・荒木飛呂彦 筆とペンのはなし。
荒木先生と画家の山口晃氏の対談。ジョジョリオンになってハッチング(斜線で影を表現する技法)が多用されていることとか、カラーの色使いがフラットになっていることなど、鋭い指摘をされているのが面白かったです。

・マンガ家の仕事場
荒木先生のアトリエ訪問。三菱の鉛筆を使っているとか、消しゴムはやっぱりMONOなんだとか、細かいところに興奮してしまいます。書棚のなかに多数ある資料のなかで『巫女さん作法入門』っていう本があるけど、これはどのエピソードで使ったんだろう? あとドラゴンボールが全巻そろっているのが、ちょっと意外でした。

・円城塔・荒木飛呂彦「スタンドは、書くことができない」
小説家の円城塔氏との対談。マンガ家と小説家の立場から、どんな本が好きかといったことから創作の悩みまで語られています。『時をかける少女』や『サザエさん』クラスのモノを書かないと母親に認めてもらえない。というあたりが面白かったです。あと荒木先生は「スタンドはマンガでしか描けないような気がしますね」と言ってますけど、何作もノベライズされてますけど…。

○岸辺露伴 グッチへ行く
『SPUR』2011年10月号に掲載されたものの再録です。

○PART2 STAND
後半は『ジョジョの奇妙な冒険』という作品自体に注目した内容です。

・よしもとばなな 小説「ヘブンズ・ドアー」
過去に暗い出来事を抱えながらも結婚を決めた女性が、父の友人のお通夜に参加するために幼き日をすごした『杜王町』を訪れる。この主人公の女性は現実世界にいながら、仙台を『杜王町』と言い換えているので、ちょっと混乱してしまった。あと、挿絵のコラージュがとても良かったです。

・「三角屋根の少女」
このムック本を編集しているのは、モード誌の『SPUR』。ということで、イタリアン・レストランで食事したりポストの前を犬を連れて歩いてみたり、第4部的なシチュエーションとファッションアイテムがコラボ。写真の雰囲気がかなり良いので、こういうイメージで名場面をつなぎ合わせた写真集みたいなものも面白いと思いました。

・「ジョジョ句会」開きました。
千野帽子(日曜文筆家)、長嶋有(作家)、柴崎友香(作家)、堀本裕樹(俳人)、米光一成(ゲームデザイナー)の5名によるジョジョをテーマにした句会の様子。個人的なベストは、
蛙が降るあいだ素数を数えている 
です。あと、下五に『だが断る』が来たときの破壊力の高さの件。

・あの街でJOJOを見たか?―『ジョジョ展inS市杜王町』リポート―
仙台で開催されたジョジョ展の様子を紹介した写真が盛りだくさん。各種イラストよりはブラフォードの剣とか弓と矢のような、この企画のために製作された立体物のほうが興味深かったです。あと、ビンの中にためられた使用済みのペン先が印象的。

・すぐわかる! 女子のためのジョジョ入門 集中講座
ストーリー紹介から、イケメン図鑑、、日常で使えるスタンドなど。ヘブンズ・ドアーで浮気を調べるとか、初心者の女子用の内容。個人的には、いらなかったかなという感じ。

・Wht's REMOTE ROMANCE?
ジョジョ展に現れる謎のスタンド『リモート・ロマンス』の紹介。Rのモチーフの使われ方とか、腕の部分がキーボードのようになっているとか、思いのほかカッコいいビジュアルです。

・付録のステッカー
ジョジョ展のイメージイラストやジョジョ特有の『ドドド』『ズキュウウゥン』『ドガパァーッ』などの擬音がステッカーとして封入されています。


・岸辺露伴は動かない エピソード5富豪村
10月6日発売の週刊少年ジャンプ45号に掲載された読み切り作品。『~動かない』シリーズは、3作目ということになります。周囲とは道路一本もつながっていない豪邸ばかりが建つ小さな『村』。住んでいるのは会社の社長やCEOばかり。しかも、みな『25さい』のときにこの村の土地を買い、そこから出世していったという…。露伴は、この村の一員になることを望む女編集者についていくことに。ただ、今回は露伴が『動き』すぎていたかなぁという印象。案内の少年を本にしたり、最後にいっぱい食わせたりしないと村から出られないとは言え、もうちょっと傍観者然としてほしかった。



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  1. 2012/10/09(火) 16:35:58|
  2. 岸辺露伴など
  3. | コメント:2

コメント

確かに『動かない』のくせに動きまくってましたね
少年誌向けにした、てことですかね
  1. 2012/11/26(月) 02:25:39 |
  2. URL |
  3. 名無しさん #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 確かに『動かない』のくせに動きまくってましたね
> 少年誌向けにした、てことですかね


週刊少年ジャンプには約8年ぶり(?)の登場でしたし、
本編の前にはジョジョの紹介記事もありましたし、
これまでとは若干、仕様を変えてきたということですかね。

コメントありがとうございました。




  1. 2012/11/26(月) 14:28:01 |
  2. URL |
  3. 管理人 #-
  4. [ 編集 ]

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