晴耕雨マンガ

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空が灰色だから 第3巻の感想

空が灰色だから 3 (少年チャンピオン・コミックス)空が灰色だから 3 (少年チャンピオン・コミックス)
(2012/10/05)
阿部 共実

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『空が灰色だから』の最新刊が発売されました。今回は水玉が水色なので、目に優しいですね。

・第25話 黴春
3人組グダグダトーク話の変則版。最初は、失恋した高2男子の寛太に対し友人の茶々と風馬が「きっぱり忘れるべき」「1回であきらめるべきではない」と違う意見を言ったところから、どんどん会話がすれ違っていき、最後には不思議な三すくみの関係が成立してしまう。この話では、なぜかキャラの首が長く描かれていて、7ページ1コマ目の風馬とか12ページ5コマ目の茶々とか、じっくり見ていると気持ちが不安定になる。

・第26話 世界は悪に満ちている
表紙を飾る『マジカルラブファイター アン』こと、杏奈(推定23才。無職)が主人公。子どものころにあこがれたアニメの主人公と自分を重ね合わせて『世界は悪に満ちている』と信じ、町内パトロールを行うが上手くいかない。25ページ中段で魔法少女の相棒キャラのぬいぐるみが消えたことで、杏奈の考え方が変わるという流れが良かった。あと、ネット上で見かけた意見として最後のカレー(世間)の中にパイナップル(異物=杏奈)が入っても美味しい。なので、杏奈も上手くやっていける。という解釈が、なるほどと思った。

・第27話 4年2組 熱血きらら先生
新人熱血女教師のきらら先生。担任しているクラスの中で内気で大人しい進のことを気にしたり、学校を休めば家に行って励ましたりする。が、それが全て進にとっては重荷になっていて、きらら先生に全くその自覚がないという後味の悪さ。「自然体でいて いいと思うの」「子供は元気が1番だからね」という、2つの言葉の矛盾にきらら先生自信が気づくことはあるのだろうか? あと、30ページ3コマ目にいる女の子は、真角さんにあいさつしていた娘か。

・第28話 歩く道
学校の仕組みに疑問を持って不登校になった高2男子の話。終始、学校や世間社会をバカにした発言をしているけど結局その道の先は、子どものころ乗り越えられなかった壁を越えた先と同じように『何もない』んだと思う。

・第29話 少女の異常な普通
友人2人のコロコロと変わる『普通』と『異常』にイライラする、主人公の大垣内(おおがいと)さん。たまった鬱憤を象徴する黒キャラが、なんかアメリカのアニメに出てきそうでかわいかった。ラストで -+■▼の目の形をした4人組が出てきて、友人2人を全否定してくれたのが良かった。あと、カバンに付けている変わったキャラのストラップを、前話の加藤さんもつけている(どちらも同じ高校)のが細かいと思った。

・第30話 選択する私と 選択しない私を選択する私と 選択する私と 選択しない私を選択しない私の選択
まぁ、サブタイトルの時点でタダ事じゃない感がビンビン漂ってくる。内容も、常に『人生の選択』を意識しながら生きている寺尾さんとつき合うことになった栄花の戸惑いが描かれている。ラストは前向きだが、そのうち『別れる選択』とか『ヨリを戻す選択』『二股をかける選択』とかしそうで、地味に怖い。

・第31話 嘘つき
夏休みに親戚の家に泊まりに来た中3女子の真子と、従弟で小4男子の響平が主人公。響平が嘘をついて真子を困らせる前半部分と、一夜明けて本当の気持ちを話して逆に真子を「嘘つき」と責める後半部分のテンションの落差がグッド。真子の顔が描かれていないラスト1ページのモノローグも、ちょっと考えさせられる感じなのがイイ。

・第32話 衝動でございます
周囲から「マジメ」と言われる委員長の円が、そんな自分変えようとアレコレと『不良』な行動をしてみるが…。この話は、主人公の円が第25話に1コマ登場していたり(鼻をケガしているので、この話の後の時期)、今後メインの話がある今崎&中浦コンビがいたり、踏切でバファローズの帽子を飛ばされた竜二君も、真角さんの話にチラリと登場しているし、他の話とのリンクが多い。それと、クリオネが見開きで飛び散るのが良かった。

・第33話 あの子の脳は あの子の眼球に僕が映った時に あの子の視神経に視覚情報の僕を通わせて ちゃんと視認しているのだろうか
これも、サブタイトルがただ事ではない系。クラスに馴染めない中3男子の橋野の、先走りすぎた自意識。あと1秒でも答えを遅らせることができたら、想い人の別府さんにドン引きされずにすんだものを。でも、最後に友人が言った質問内容で、他のクラスメイトから「ひでえー!!」「結構えぐい」というリアクションが返ってくるだろうか?

・第34話 スカートで隠した
スカートめくりから、変態・桑島が生まれる瞬間。ヒザ裏フェチだったら、まあ、なんとか犯罪にならないように需要は満たせそう。ヒロインの波岡さんは笑ったり泣いたり照れたり怒ったり、表情がコロコロ変わって見ていて楽しい。あと、桑島の友だちの男は2人の仲を取り持とうとしたのに、オマケ4コマで殴られていてかわいそう。

・第35話 別に大丈夫やけどな
親の都合で関東の中学に転校することになった木崎さん。しかしクラスに馴染めずに…。基本的には、親には明るく振る舞い、前向きに新しい土地での生活を楽しみ、友達も作ろうとしていただけに、学校で浮いてしまうのは見ていて辛かった。関西人だからと言って、みんなノリがいいわけではない。あと木崎さんは、第33話に1コマ登場している(電話した よっちゃんの隣に)。この中学に戻ったってことでいいのかな?

・第36話 ただ、ひとりでも仲間がほしい
空灰史上最大の破壊力を誇るエピソード。病的でグロい絵を描く来生さんに、同じような趣味の仲間ができたと思ったら、やっぱり意見が合わなかった。しかし、1人残った佐野さんに連れられて山小屋に行ってからの急展開ぶりがスゴイ。『電気が悪影響を及ぼしたら軸が傾く』『マゲラルタ洋館の改造使用人』『小テストで羽をちぎってる』とか、言っていることの意味が分かりそうで理解不能なのが、なんとも言えない不安な気持ちにさせられる。そして、佐野さんの真の姿のインパクト。巻のラストにコレを持ってくるか…。という感じ。

・空が灰色なので
今回は巻末ではなく、カバー下に掲載。来生さんの1年前の姿で、まだ第36話時点のような感じではないのが、初々しい。


この巻は、佐野さん。佐野さんにすべてを持っていかれた。




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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2012/10/07(日) 16:41:54|
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