![]() | Fellows!(Q) 2012-AUTUMN Q.E.D. (ビームコミックス) (2012/09/15) 樫木祐人、九井諒子 他 商品詳細を見る |
フェローズQの感想です。
・表紙/樫木祐人
表紙は、本誌で連載中の『こびと日和』。裏表紙では、これまでの登場キャラたちが集合していて、にぎやかな感じ。
・120Kgの純情/犬童千絵
読み切り。ケガをして入院することになったクソ真面目な純情ガテン男、同僚で元気のいいラテン女、ぽっちゃりナースの奇妙な三角関係。この人は、一時期とてもダークな内容の作品が多かったけど、こういう明るい路線に戻ってきてくれて良かったと思う。
・天女の羽衣/吉元ますめ
読み切り。久々のフェローズ復帰作。はじめは中国風のファンタジーかと思いきや、そこから羽衣を盗んで暴走した猿と天女に「やらせろ」と迫る煩悩まみれの僧侶の戦いになり、勝利した僧侶が悟りを開くという、テンションの上下動が激しい内容。なんか、上手くついていくことができなかった。
・風邪バケーション/吉田覚
読み切り。部屋の中心にベッドを置き、その周りに必要なものを全て配置、甘いものをたくさん食べたりお笑いのDVDを見たり、風邪を理由にダラダラとした生活をエンジョイする姉と、それに振り回される弟の話。普通とは逆に病気の状態を楽しみ、治ったらバッチリ切り替える姉の様子が良かった。
・犬谷家の人々/九井諒子
読み切り。ふらりと現れる探偵、秘密を隠そうとする謎の一族、そして起こる連続殺人…と、ミステリのフォーマットを逆手に取ったコメディテイストの強い一作。作者の懐の深さを改めて感じさせられた。10月に発売される単行本も楽しみ。
・乱と灰色の世界/入江亜季
番外編。乱と仁央ちゃんがお風呂に入るために、いっしょに大人に変身する。本編のほうが重い雰囲気になっているので、こういう単純な話はイイ。
・乙嫁語り/森薫
番外編。カルルクの母親サニラが熱を出してしまう。夫に汗を拭いてもらう様の、まぁエロいこと。あと、カルルクのときと同じようにオロオロするアミルさん、カワイイ。
・ストラヴァガンツァ/冨明仁
番外編。今回は、ドワーフの一団の話。ルックルをはじめとする純粋なドワーフは木の実やキノコを食べ、パッチンコで大キツネを撃退するのに対し、人間の血が混じっているというバリキンはオノを持ち肉を食べたがるというのが、イメージとは正反対のギャップで良かった。これは本誌で連載しているものと同じ世界観ということだが、内容もリンクしてくるんだろうか?
・ヨメがコレなもんで。/宮田紘次
久々の掲載で3本立て。1本目は擬態スーツのチャックが試着中の水着を挟んでしまう。2本目はダンナとペットの宇宙生物デラの意地の張り合い。3本目はヨメがお風呂に初挑戦する思い出話。やっぱり、面白いですね。
・色男は下着が嫌い/梶谷志乃
読み切り。超能力を使う刑事とフルフェイスのヘルメットを被ったスリとの、周囲を思いっきり巻き込みながらの追いかけっこ。要所要所での見せ方は上手いと思うけど、それがバラバラでひとつにまとまっていない印象。タイトルの意味もよく分からないし、終わり方も唐突すぎると思う。
・墨色プロジェクション/新居美智代
読み切り。リア先生シリーズ第3弾。リア先生が幼いころに食べたという『マッシュルームの形をした和菓子』の正体を探る。結果的に瞬の親戚の和菓子職人が謎を解いてくれるのだが、その人のリア先生に対するセクハラめいた行動と職人としての確かな腕前という二面性が、個人的には上手く消化しきれなかった。
・ハッピーアワー/真田順子
読み切り2本立て。1本目はフラれたばかりで合コンに参加する男が、2本目では無愛想な下着販売員の女性が、名前も分からない謎の女性とふれ合うことによって笑顔を取り戻す、という話。ただ、話の中心の女性が、あまりにも謎すぎるため、ちょっと置いてけぼりを食らったような感じ。
・薄玻璃の鏡/天野タカ
魔女マリーシリーズ。今回は、場末の娼婦の願いを叶えようとするが、それは謎の男『ST』の策略の一部だった。ハルニレが深手を負ったり、これまでとは違って一気に重たい雰囲気に。続きはフェローズ本誌で掲載されるそうです。
・吸血鬼は牙が命/長谷川舞里絵
読み切り。吸血鬼の女の子ズミューが虫歯になり歯医者に行くことに。待合室で盛大に吸血行為をしている割に、歯科衛生士たちが終始当たり前のようにスルーしていたり、なんかストーリーに入り込めなかった。
・グルタ島日記 東の森水道局/だいらくまさひこ
読み切り。フェローズで連載されていた『グルタ島日記』の番外編という感じ。複雑に絡み合った木の枝と葉の上に暮らす人たち。水も木が吸い上げるものを利用しているのだが、ある母娘が住む家では水が出なくなってしまった。修理に来たどこか頼りない男が突き止めた原因から母親の記憶がよみがえり、それが娘へと受け継がれていく流れが良かった。
・こびと日和/樫木祐人
Quietで掲載された『足下の歩き方』が特別再掲載。ハシラ部分では『こびと日和余話』と題して、2人が暮らす世界の豆知識を紹介してくれるのがありがたい。フェローズ側は、この作品をプッシュするつもりなんだというのが伝わってくる。
・ウルトラロングポスター/宇島葉
巻末特別付録。本誌帯裏で連載されている『巨大少女名鑑』の特別版として、長さ1メートルを越える大きなポスターが付いています。一度広げると、また折りたたむのが大変。
これで『フェローズQ』は終了。これまでの3号で得た“解”を、本来ならこの号から連載が予定されていた、吉田覚、梶谷志乃、真田順子あたりには、年10回発売になるフェローズ本誌で証明してほしいところです。
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