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晴耕雨マンガ

天国大魔境の小ネタ募集中/9月は、木根さんの1人でキネマ。

テラン 2021 SUMMER の感想




ハルタの新たな増刊誌。光り輝く『テラン』の感想です。




・表紙
あき先生が担当。なんといっても、キラキラした金箔加工のインパクトが強すぎる。裏表紙までつながっているデザインなので、これだけを額装して飾ってみたくなる。

・修理屋さんの朝/もりょ
巻頭フルカラー。ファンタジーと科学、魔法と機械が共存したような世界で修理屋を営む女性のモーニングルーティン。もうちょっと長いページで読みたくなる世界観。

・ファンタズム/三ッ葉稔
街に出現する悪霊退治をしているJK2人組。カラッと読みやすい絵だし、アクションの爽快感もある。ただ、もう少しストーリーに起伏が欲しかったのと、バトル担当の沙夜のスカートの短さとかが、なんとなく90年代っぽくて気になってしまった。

・日向インパクト/大島琳太郎
厳しい校則で生徒を徹底管理する学校。模範生だった日向は、発明品の暴走から不良生徒認定を受けてしまう。そんな彼女の前に、本物の不良と噂される藤岩が現れる。後半の校内での演奏シーン、それを聞いた生徒たちの外見が次々に変わっていく展開が素晴らしかった。

・全裸の夢と叶えるライン/樫木祐人
『湿原でピアノを弾く様子を全裸で見ていた』という夢の話をしたら、なぜか実現させることになってしまう。意味不明なことに全力を傾けるのも大学生っぽいし、実際に水上でキーボードを弾く姿の幻想っぽさと、それを見て小学生時代の想い出がオーバーラップするシーンが良かった。

・夜鷹心中/飴石
センターカラー。首斬り人の浅田が、深川へ切り取った小指を届ける。それを受け取った 粧い という遊女には、どこか見覚えがあった。特に後半の展開は鮮烈の一言。時代劇というのもあって、テラン全体の中でも強いインパクトを残したと思う。

・知らず知らずの姉妹/野澤佑季恵
大切なはずだったのに、どうしても思い出せない言葉。ソリの合わない作家の姉に聞いてみる。言葉探しのパートも面白かったし、正解を見つけてから姉妹の仲が修復される様子もよかった。2人が書いたメモを重ね合わせるコマが印象的。

・ふたりのチカラ/イヌヅカヒロ
傘を忘れた女性に、自分の傘を差しだす男性。自分は平気という理由は? 8ページと短いが、最後まで迷いなく突き進む確固たる信念がある。

・くちべにがしたい/三卜和貴
母親の口紅に興味のある凛ちゃん。こっそりと使ってみる。母親のマネをしたいのではなく……というのは早めに分かってしまうが、それでもラストの笑顔が楽しそうなのが良かったと思う。

・雨と遊園の街/岩宗治生
水たまりの向こう側にある遊園地。子供のころに何度も遊びに行ったが、いつしか夢と思ってしまうように。しかし、ある日、路地裏の喫茶店に入ったことから、再び遊園地に行くことになる。クライマックスシーンがカラーになり、しかも織り込みページという豪華さ。終わり方も含め、続編を読んでみたくなる。

・ゲッカビジンと月の光/楽弌思慕
人間の少女アイリーンは、エルフ(妖精サイズ)のビビアンに告白するが、見事に玉砕。しつこくつきまとっていたら、ある条件を提示される。ビビアンの過去の出来事に関するモヤモヤを、一途なアイリーンが突破する展開も良かったが、協力者のネコ耳少女の蘭ちゃんが気になった。

・せんぱいとサーフィンと私/波花
憧れの先輩に近づくため、サーフィンに挑戦する少女。基本的には百合なのだが、ほとんどがサーフィンのシーンで、特に2人一緒に波に乗った場面は達成感と爽快感があって良かった。

・弟なんていらない/洲澤麟太郎
ケンカしてしまったので「弟なんていらない!」と思った姉。すると、弟のいないパラレルワールドに迷い込んでしまう。ひとりっ子生活を満喫するが……。ラスト前の戻る戻らないの逡巡にもうちょっとボリュームを割いてほしかったところ。

・お兄ちゃんのバカ/天野実樹
家を出ることになった兄。引っ越し準備が進むが、妹は素っ気ない態度を崩さない。最後までツンを貫いたのが良かった。ここの弟 → 兄の掲載順は、意図的なものなんだろうか?

・黄金の秋/かわもとまい
捨て去られた中立地帯。瀕死の状態で発見された軍人を闇医者が勝手に治療する。ハルタで連載している『アンリの靴』とは違った、辛く重たい内容のストーリーに引き込まれた。それでも、ラストが前向きなものなので救われた感じ。

・はなぶさ/綿野マイコ
幼いころ死んでしまった弟の代わりとして生きてきた姉の お英。しかし、女性であることが周囲の知るところとなり、普通の女性として生きていくことになるのだが……。お英の戸惑い具合もいいのだが、なんといっても420ページからの見開き2連発が最高だった。新たな出発となる締めくくり方も良い。

・恋する彗星/浪川修作
巨大隕石が地球に衝突するという日。それでも、先輩(男)と後輩(女)は、汚い部屋でぷよぷよするのだった。つかず離れず、やっぱり最後に……という感じがもどかしかったが、先輩の恋心と隕石がリンクしていたってことでいいのかな?

・プリティ・エンカウンター/家路ゆこさ
奇妙な小型宇宙人と遭遇したOLの壇さん。チョコで手懐けるが、いろいろと大問題に発展してしまう。ギャグ担当だと思うのだが、いまいちキレがなかった印象。宇宙人の造形は悪くないと思うんだけど。

・八重樫さんへの駄菓子飯/佐久間葉
料理&節約が得意な高屋君が駄菓子大好きな八重樫さんに、駄菓子を使った料理を作ってあげることに。これ各メーカーに協力してもらって、ちゃんとレシピも考えたら正式連載もいける企画なのではないだろうか? ラストの恋愛未満感も良い。

・海の向こうの遠い国/松本水星
世界を飛び回っている妹からのハガキを読んで、どんな国なのかを想像する姉。作中に名前が出たラッカ羊、無茶苦茶カッコいい角じゃないか。

・ゼラニウムの庭/三星たま
演劇部で代々引き継がれる重要な役を任されることになった天竹さん。演技に悩んだまま寝てしまうと、後輩の葵君と立場が入れ替わっていた。演じるとはどういうことか?みたいなところは答えがないので難しかったが、552ページからの見開きは素晴らしかった。三星先生は、印象的な表情を描く。








全編読み切りで、読みごたえは抜群。ハルタが休みの月の発売なので、次は来年1月の予定です。














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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2021/07/17(土) 15:22:02|
  2. Fellows! Q/ハルタオルタ/テラン
  3. | コメント:0

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