ハルタ第60号の感想です。
・表紙とカバーストーリー
柴田康平先生が担当。喫煙女性と石炭ストーブという組み合わせ。配管が、ちょっとスチームパンクっぽい。
・煙と蜜/長蔵ヒロコ
第2話。お月見をする。十五夜の月に様々な呼び名があることから、姫子も自分のことを名前で呼んでもらおうと……。キュンキュンきますな。2019年ブレイクしろ。
・巨人暮らしのススメ/中西芙海
第2話。家であると同時に、歴史的に貴重な存在でもあるウォルターは、学者の研究対象にもなっている。ということで、調査にやって来たヤンをドロシーがもてなそうとする。顔面から煙が出ているウォルターが笑える。
・極東事変/大上亜久利
新連載。戦後間もない混乱期の日本。復員兵の近衛はトラブルに首を突っ込んだことから、GHQと731部隊に由来するユニット731のイザコザに巻き込まれることに。その成り行きから、731部隊で生物兵器の実験体だった砕花とコンビを組むことに。歳の差バディ物になっていくのか。隔号連載です。
・ヴラド・ドラクラ/大窪晶与
第11話。ストイカは窮地を脱したが、リナルトが内部に潜んでいた凶刃に倒れる。これでヴラドのスイッチが入ってしまうことに。一気に500人あまりを串刺し刑にする。この見開きの迫力が圧巻。『狼の口』でヴォルフラムもやられていたし、この時代のポピュラーな処刑法だったんだな。
・ダンジョン飯/九井諒子
第50話。前回足を踏み入れたチェンジリングの効果は……、あった! それぞれが別の種族となってしまう。意外と順調に進んだことからライオスはこのまま迷宮探索を続けることを提案するが、ガーゴイルの襲撃を受けたことで一気に問題点が噴出する。この話が8巻の1話目になるはず。トビラは1巻カバーのセルフパロだし、しばらくこの状態のままいくのかも。
・ニコラのおゆるり魔界紀行/宮永麻也
第12話。前回手に入れたブローチを手掛かりに、母アルマの行方を捜すニコラ。ある土産物店で情報を得るが、思い描いていた母親のイメージとは微妙に違うものだった。本当の情報をつかんでから、夜の底なし沼に向かうシーンが良い。どうして母親は魔界に来たのか?ってところか。
・モップゥ/庄司創
読み切り。AIを搭載した動物型執事アンドロイドが、一般家庭に普及している世界。最新機種のモップゥ(犬タイプ)は、女子中学生コユリの悩みを解決することになる。会話のノリはいいんだけど、コユリの悩み(中学デビュー失敗)とモップゥの解決法(盆踊りを覚える)が上手く消化できなかった。続編とかがあれば印象も変わるかも。
・はなやっこ/原鮎美
第5&6話。2本立て。1本目は通常のバイト風景。風宇が意外な才能を見せる。2本目は宝仙ハルカがひさしぶりに登場。フラワーアレンジメント展に誘い出し、知的に攻撃する。最近は染井さんの出番が多かったので、ひさしぶりに風宇がメインになった感じ。
・夕凪に舞え、僕のリボン/黒川裕美
第3話。思っていたよりも凜太郎の身体は固く、動きもドン臭かった。クラスメイト達の前での演技も、案の定失敗してしまうが……。半分意識を失った状態での演技を見るに、才能はあるんだな。262~263Pあたりは迫力があった。でも、家にリボンを持って帰ったら、父親に取り上げられると思う。
・鞄工房日記/間間戸淳
第3話。カバン用のミシンは、通常よりも大きな物。歩は上手く扱えず、試験に失敗。店を追い出されてしまう。そこからリノとパリの街をめぐることで、気持ちも吹っ切れた様子。でも辞書を介したコミュニケーションは、やっぱりまどろっこしいな。
・欅姉妹の四季/大槻一翔
第19話。温泉旅行に来た4姉妹。今回は、全編にわたって夜の露天風呂に入っている様子が描かれる。いずみは身体能力が高いだけでなく、夜目も効くのか。スペックが高いな。
・山田運送株式会社/渋谷圭一郎
読み切り。友達と長年続けてきたクリスマスパーティーに、ある種のむなしさを感じていた泉。帰り道に不審人物を目撃したことから、ある仕事を手伝うことになる。泉の考え方が段々と変わっていき、トビラとラストのページで表情がガラッと変わっているのが良い。
・昴とスーさん/高橋那津子
第15話。鶴田がスーさんの野球チームの監督に正式就任して早々、全員のポジションを変えるという改革を断行する。当然チームメイトたちは反発を示すが、昴は……。ラストで犬を助けて表彰された姿が新聞に載ったけど、これがなにかの引き金になる気もする。
・青武高校あおぞら弓道部/嵐田佐和子
第14話。明神高校と練習試合をすることに。午前は女子の部。落というアンカー役を任されたいぶきは、プレッシャーもあり的に中てることができない。美空先生の話で立ち直る流れも良かったが、サポーターを外すシーンでワクワクするなんて、スタン・ハンセンかロック様以来じゃないか。
・北北西に曇と往け/入江亜季
第29話。フレイヤの乗っていた車を発見した慧は、そのままアークレイリへ。そのまま隠れ家を訪ね、フレイヤと出会う。三知嵩のことをひどく警戒しているフレイヤは、慧にも敵意を向ける。このまま大きく話が動いていくかな。
・ふしぎの国のバード/佐々大河
第27話。十文字編。旅の途中で和紙に興味を持ったバードさん。近くにいた紙漉き職人の仕事の様子を見学する。しっかりした取材したことを1本にまとめたという感じ。バードさんの見学中、伊藤がずっと老婆をおんぶしているのが、ちょっと面白い。
・山を渡る‐三多摩大岳部録‐/空木哲生
第7話。新人3人娘が、大山(神奈川)登山に挑戦。見事に登頂に成功するものの、大学の講義終わりという遅い時間から登り始めたので、すっかり日が暮れてしまい……。食料もライトもなし。なんとか自力で下山するのか、先輩たちが助けに来るのか?
・漲り!ファットマン/なかま亜咲
読み切り。カワイイけど胸がない彼女に、主人公は自分の脂肪を移す術を編み出す。しかし彼女はデブ専だったのでモメることに。作者特有のバカバカしさと勢いがある。オチの一言を言うための話だったんだな。
・ヒナまつり/大武政夫
第83話。ハルが改めてヒナに挑戦してくる。実は高度な超能力戦なのだが、やっていることが髪の毛の抜き合いなので、目撃した仁志は激しく混乱することに。たれた鼻血をペロッとなめるヒナがカッコいい。
・ミギとダリ/佐野菜見
第15話。高校の入学式。しかし瑛二が特進クラスなのに対し、秘鳥はバカばっかりのクラスに振り分けられてしまう。いい成績を収めればクラスを変われるらしいが……。正攻法に勉強するとも思えないので、2人がかりのカンニングか、別の手段をとるのか。
・ハクメイとミコチ/樫木祐人
第59話。たっぷり昼寝をしたせいで夜に眠れなくなってしまった2人。何気ない会話や間に流れる空気感が良かった。特に、寂しさに慣れる慣れないのところ。
・マーフィーの法則に関する考察/namo
読み切り。姿を消した恋人の甚一郎を追って、松山まで来た梢。甚一郎の考え方とかラストのゲームに関わってはくるものの、タイトルと内容がイマイチかみ合っていない気がする。記念硬貨の使い方とか、ちょっと惜しいと思う。
・レキヨミ/柴田康平
第7話。ヨミが好きな作家のR・カポネが登場。闇の森での冒険の様子が描かれる。自分の小説の中でのカッコいい姿とは違って、本人はポンコツキャラだった。カポネはヨミたちとは違う形のシッポが生えている。人種?の違いってことでいいのかな? あと、頭のは角ってこと?
・サーカスの娘オルガ/山本ルンルン
第15話。ユーリィは兵士として戦争に参加する。ルンルン作品初の戦場描写ということで、かなり重苦しい雰囲気。いっぽうレオとオルガは、計らずも反皇帝デモに参加することに。2人が再会するのは、いつになるのか。
・乙嫁語り/森薫
第51話(通算77話目)。パリヤさんが子猫を飼うことに。ヒモにじゃれつく様子やアミルさんの目に鷹を感じて怯えるところなど、すべての動作が可愛すぎる。ベスト猫マンガ・オブ・ザ・イヤー確定だろ。
・燕のはさみ/松本水星
第17話。病み上がりの身体を押して外出した創一郎は、燕と水島の姿を見て勘違い。再び熱を出してしまう。“最初の客”創一郎の再浮上は良いのだが、ちょっと遅れただけで「脳細胞が死んでいる」とまで言われる新太郎がかわいそう。それから燕も、海外修行の話を断っても良かったのかどうか。
・碧いホルスの瞳 -男装の女王の物語-/犬童千絵
第25話。南のプントとの交易のために、かつて使われていた運河の再利用を決めるシェプスト。その姿を見て、パネヘシも考え方を改めたかに思われたのだが……。ムト神殿完成の宴の中で、センムトに宣戦布告する。ちょっとした三角関係というわけか。
・アーサー/加藤清志
読み切り。森で暮らす狩人のアーサーは、かつて父親の指を切り落とした領主の娘を助けることに。この作者にしては少し大人しめの内容かと思われたけど、最後のシーンでテンションが一気に上がった感じ。襲ってくるアーサーを見つけた兵士の「夕日の方角だ!」が最高。後ろでも西でもなく。
・ゲームしたっていいじゃん/高橋拡那
第9話。もう、不定期連載として扱います。でも、今回はゲーム機を川に捨てる男子学生を描いた4Pショート。近藤遊花の…とアオリにあるけど、主人公が変わるオムニバスっぽくいくのかな?
・キツネと熊の王冠/中村哲也
第10話。いよいよゾマーフェスト(夏祭り)がスタート。マヤの店にも多くの人が足を運ぶ。次回が最終回とのことだけど、マヤ編が終わるだけなのか、シリーズそのものの最終回なのか?
・つきたて!餅小町/佐藤春美
読み切り。56号に続き、2度目の登場。餅女の望倖さんと結婚したものの、食品衛生に気を使い夜の営みをすることができない…というショートストーリー。もうちょっと長いページで見てみたい。
・東京城址女子高生/山田果苗
第10話。夏休みに合宿に行くため、バイトに精を出すあゆり。美音と亜子ちゃんは、菅原道真由来の場所を回って学力向上をお願いする。この2人だけでの探訪というのが新鮮で良かった。あゆり&亜子ちゃんだと解説役がいないから無理かな。そして、それぞれがお金か時間がない状態になってしまうが、ワンダーフォーゲル部の合宿に便乗することに。長野ということは、真田家ゆかりの城か。
・忍ぶな!チヨちゃん/設楽清人
第20話。遊園地デートを前にしての、サヨ代と灰の下準備。ダブルデート状態に持って行って、何を狙っているのか? あと何か気づいたっぽい猿谷兄も介入してきそう。それから、チヨ代のヘアピンは、手裏剣として機能すると思う。
・ダイオミード島へようこそ/浅井海奈
読み切り。入国審査をしている男の、特別な仕事。10Pと短いこともあるけど、ちょっと分かりにくい。空港の入国管理局なんだろうけど、審査待ちの人たちが外にいるようなのも気になる。
・バララッシュ/福島聡
第11話。完成した狼のシーンは、スタッフにも好評。これを描かせた不破監督に、山口は何を思ったのか? そして、なぜかアパートの隣の部屋に住んでいた漫画家の甲斐の原稿を手伝うことに。宇部は引っ越してしまうというし、山口はアニメとは別の道を歩むのかな?
・A子さんの恋人/近藤聡乃
第46話。A子がA君の髪を切りながらの会話。言いたいことはあるけど、全部言ってしまうと何かが崩れる。みたいな微妙なバランスのやり取りが良かった。髪を切った流れで事に及んでいたけど、すごくチクチクしそう。
・予告
合併号なので、次号は来年2月の発売。弓道部、ホルスの瞳、極東事変、スーさん、巨人暮らし、鞄工房、城址高生が掲載。石田裕揮、沼田仁、小林愛、富沢未知果、久慈光久、百名哲の読み切りが載ります。
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