『木根さんの1人でキネマ』第5巻の感想です。
・24本目 マイ・フェア・レディvsベスト・キッド
子供のころの木根さんは、近所のレンタルビデオ店によく出入りしていた。しかし、そこは店長の大鳥さんの意向により『マイ・フェア・レディ』や『ローマの休日』など、往年の名作を中心に取り扱っているのだった。当時からハリウッド大作やアクション好きだった木根さんとの意見の対立は避けられず、そこに大鳥さんの友人でもある木根母も参戦し、三つ巴の争いに発展してしまう。後半で現在も営業されていることが描かれているけど、こういう名画中心の個人経営店が存続しているのは、ちょっとした奇跡だと思う。
・25本目 レオンとディレクターズ・カット版
部下の古谷君たちが、ハラスメント講習を受けることに。なぜそうなったのか?と木根課長が問いただす。タイトルにある劇場公開版、ディレクターズ・カット版、そしてテレビ放送版まで出てくると、もうややこしすぎる。そこにデジタルリマスターとか、吹替が○○とか加えていくと、もう数限りなくなっちゃうんだろうな。深く考えないのが吉か。今回で、工藤ちゃんと古谷が同期というのが判明したけど、もっと早い段階で他の社員の名前とか上下関係を明らかにしておいたほうが良かった気がする。あと『ツッコミ妖精 サトー』は、なぜリアル頭身で出現したのか?
・26本目 卒業
『花嫁を結婚式の最中に花婿から奪い去る』シーンでおなじみの映画『卒業』。しかし、実際は佐藤さんが思い浮かべていたものとは違う内容だった。パロディが繰り返されるうちに、本当の意味とは違ってくるっていうのはよくあることだよな。珍しく木根さんが映画の背景を冷静に説明したのに、佐藤さんは『嫌いのツボ』に入っており全く聞く耳を持たない状態に。キョーコらを巻き込み事態が悪化したことを受けて、木根さんも対処せざるを得なくなる。ネットに思いの丈をぶつけさせ、自己反省に持っていくという作戦は見事だったが、そこからの卒業パロディオチが良く分からなかった。
・27本目 「007」シリーズ
007のブルーレイ24枚組を買った木根さん。このタイミングでフォロワーから『何代目のボンドが一番好きか?』という難題を投げかけられる。しかし木根さんは年間ベスト10や人生で一番面白かった映画など『ベストを選べない女』だった。全シリーズを見直して、ベスト・ボンドを決めようとするのだが……。ベタにショーン・コネリーか、子供のころに観たロジャー・ムーア(年齢バレの危険があるが)にしとけばよかったのに。あと、007シリーズの説明を受けての佐藤さんの「『水戸黄門』みたいだね」という意見が的確すぎる。
・28本目Part.1 バーフバリ 伝説誕生
2017~18年にかけて話題になった『バーフバリ』。キョーコらは全員がドハマり状態だが、木根さんがまさかの未鑑賞だった。「3人で観た」という話を聞いてキレる木根さんにすぐ誤って、即許すコマのテンポ感が最高。木根さんは同じく未鑑賞の佐藤さんを仲間に引き入れようとするが……。1話完結映画紹介コメディなのに、まさかこんな伏線が仕込まれていたとは。「インドで観た。」って、バーフバリに関わらずパワーワードすぎる。
・28本目Part.2 バーフバリ 王の凱旋
勢い余って部屋を飛び出した木根さん。映画館やシアタールームなどを手当たり次第に回るものの、どこも満席だったりで観ることができない。そこでたどり着いたのは……。大鳥さんの名画屋のエピソードで始まった巻のクライマックスが、名画屋での母親からの言葉というのも、なかなか見事な構成。あと、オマケに登場するアフロ兄がセッちゃんの父親なんだよな。奥さんは、いったいどんな美人なのか? いつか登場していただきたい。
・特別編 アカデミー賞特集
アカデミー賞発表前に、Yahoo!ブックストアで公開された特別編。アカデミー賞の説明をしつつ、木根さんと佐藤さんがいつもの感じでやり取りをする。確かに、作品賞と監督賞の違いは分からない。
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