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ハルタ vol.42 の感想

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ハルタ第42号の感想です。






・表紙&カバー・ストーリー
比嘉史果先生が担当。『好きな人のことを思って飛ばすと気持ちを伝えてくれる』という水月草と、少女の話。花(?)の部分がクラゲのようになっていて、とてもファンタジー感がある。

・丁寧に恋して/サワミソノ
新連載。日本の高校に通う台湾人の丁寧(デインニン)。家が貧しいので、修学旅行(行先は台湾)に参加することはあきらめていた。そのことを知ったクラスメイトの永松は、極秘にお金を用意し丁寧も修学旅行に参加できるようにする。ここまでだと、普通に長松と丁寧の甘酸っぱい青春ラブストーリーになりそうなのだが、永松が用意したお金が3万円足りなかったことに気づいた担任の豊田先生が、事情を中途半端に丁寧に明かす。これは、変わった形の三角関係になりそう。毎号連載。

・北北西に曇と往け/入江亜季
第11話。ジャックの判断で、三知嵩と引き離されてしまった慧は不機嫌に。しかし、ジャックの友人・エイナルの家でたくさんの羊料理を堪能し、機嫌を直す。今回は、羊を中心としたアイスランドのウンチク回といったところ。

・ダンジョン飯/九井諒子
第32話。今回は、あの何回も死ぬ新人パーティーメインの話。地下4階で死んだあと、タンスさんに蘇生される。地上に戻ろうとしたところで、謎の霧に包まれ魚人の群れに囲まれる。こうやってみると、少なくとも褐色トールマンのカブルーは、それなりのレベルがあるんだな。オチのつけ方含め、迷宮のもうひとつの側面を見た感じ。

・ニコラのおゆるり魔界紀行/宮永麻也
新連載。33号に掲載された読み切りが、改題して連載スタート。人間(魔女)だけど魔界で生きるニコラと、行商している悪魔のサイモン。クリンブルクという大きな町に来たが、ニコラが人間とバレてしまい警備隊に追われることに。全体的な雰囲気もいいしニコラの能力の秘密もあり、今後面白くなっていきそう。もうちょっと、旅のメンバーが増えてもいいかも。隔号連載。

・巨人住まいのススメ/中西芙海
読み切り。動く巨人(ゴーレム?)を家代わりに使っている祖父から、譲り受けることになった孫のドロシー。1週間こもりっきりで趣味の絵に没頭していると、巨人のウォルターの外見に大きな変化が……。ドロシーの思い切った解決法も面白かったが、作品の世界観がとても良い。続編の登場に期待です。

・星明りグラフィクス/山本和音
第3話。課題のために、高級カメラが必要な吉持。写真科のバイトを手伝うことになるが……。今回は、バイトの概要を聞いた時のリアクションや、オチのつけ方含めコメディテイストが強かった。もうちょっとドロドロしてもいいのに。

・ヒナまつり/大武政夫
第64話。旦那も娘も外で働いて忙しいので、ひとり孤独な三嶋母。瞳は趣味としてネトゲを勧めるが、それにドハマリしてしまい家庭崩壊の危機に。三嶋父が仕組んだ家族再生ストーリー(茶番)も面白かったが、ヒナってギルマスやってオフ会も開いているのか。どこにそんなコミュ力が。

・忍ぶな!チヨちゃん/設楽清人
第2話。ワタル殿が、美人の花咲さんからお弁当を受け取っている現場を目撃してしまったチヨ代。自分も料理で対抗しようとする。典型的な消し炭ハンバーグが出来上がるが、分身してタネから空気を抜いたり火遁の術で焼いたり、料理過程が面白かった。

・まだ見ぬ春の迎えかた/井上きぬ
第2話。修ちゃんは留学中とのこと。そこで近況報告の写真を舞ちゃんに撮ってもらうことになるのだが、なぜか若妻の演技をすることに。トビラに『男子不在のラブウォーズ』とあるので、今後も修ちゃんは登場せず、つづみと舞ちゃんのやり取りのみが描かれていくのか。

・ハクメイとミコチ/樫木祐人
第42話。屋上で焼いている貝を食べるため、積み木市場を上へ上へと進んでいくハクメイとミコチ。民家や店の中を通っていく迷路的な楽しさと、住民たちの気風が知れる面白い話だった。

・図書室の君/黒川裕美
読み切り。見た目も性格も男っぽいが、いつも図書室で小説を読んでいる山野さん。そんな彼女のことが気になる、図書委員の伊豆さん。山野さんはいつも裸足でいて、ラストで伊豆も裸足になるという演出が良い。レベルの高いガール・ミーツ・ガールだと思う。

・欅姉妹の四季/大槻一翔
新連載。趣味も性格もバラバラの四姉妹を中心にしたファミリーコメディ。今回は、読書好きの次女・朱美が本に集中できる環境を求めて、家の中をウロウロする。家族テーマの作品は、ハルタ的に鬼門のイメージがあるので、頑張っていただきたいところ。お隣さんがいい味を出しそう。毎号連載。

・A子さんの恋人/近藤聡乃
第30話。A子の家からの帰り道、U子を誘い食事に行くA太郎。しかし、運悪く帰り道をヒロ君に目撃されてしまい、二股しているのではと疑いをかけられる。その後、誤解が解ける流れから、秋田に転勤するヒロ君にU子もついていくことに。これは結婚ってことでいいのかな。こうなると、K子にもしっかりとした相手が欲しいところ。

・今日のちょーか!/戎島実里
第2話。今回は田んぼで釣ったカエルをエサに、大ナマズを釣り上げる。やっぱり潮香と先生の二人だけでは物足りないので、次回登場するであろう渚ちゃんが釣り部に参加してからが本番かな。

・公安部特異人種課56/菊池まりこ
第7話。『まったく同じDNAを持つ3本の右腕』が不法投棄されているという事件が発生。複製能力者の犯行と考え、現場に落ちていた免許書の持ち主の勤め先に行く。が、怪しいのは、その会社全体の様子。何か裏の仕事をしているのは間違いないか。事件を捜査する刑事ドラマ的な面白さがあった。

・B/W /渡邉紗代
第2話。高級ホテルにある闘蟋ラウンジに来た、バービーとセンセイ。そこで、連勝を重ねているジョイという男と出会う。はじめは傍観者を気取っていたバービーだが、ジョイのコオロギが弱り始めていると見るや、すぐさま勝負を挑みすべてを奪い取る。今回は身を滅ぼすほどの闘蟋の厳しさを描いたが、基本的に虫相撲になじみがないので「なにもそこまで…」という気持ちになる。

・織子とナッツン/原鮎美
エピローグ。大学の学園祭に来た九条君らの行動を観察していたハムハム。徹夜で完成させた漫画につけるタイトルは……。という話。単行本は4月に発売。

・ふしぎの国のバード/佐々大河
第17話。今回は、伊藤の過去編。プラントハンターのマリーズに就いていたときの、苦い経験を思い出す。同じ朝顔の奇品に対するリアクションの違いで、バードさんの良さを引き立たせる上手い構成。あと、バードさんにくっついているルースちゃんのオロオロ具合もカワイイ。

・ネコと鴎の王冠/中村哲也
第7話。麦芽工場での、ランチ。そこで出会った前経営者のマルティナさんから、ビール醸造家としての心構えのような話を聞く。玖郎の夢への第一歩という感じかな。

・ルドルフ・ターキー/長蔵ヒロコ
第43話。エグマリヌ過去編。幼いころギル・ゴートに拾われ、刺客としてルドルフの懐に潜入させられた経緯が明かされる。左目の傷も、この過程の中で負ったものだったのか。次回も過去編のようだけど、流れ的にはルドルフを撃てずに……という感じになるのかな。

・不死の猟犬/八十八良
第37話。『帯』は、不死の血が形を変えた物。なので、6本の帯を斬られ、奥の手を出した椿は瀕死の状態も同じことだった。雁金が勝利するものの、大きなダメージを負ってしまう。そこをUNDO職員に取り囲まれるが、このときの魚鷹の啖呵が最高だった。今号のMVP。

・夜の中へ/浅井海奈
読み切り。壁に囲われたスラムに住むサンカク。夜な夜な検問所を抜けて街に繰り出し、盗みを働いていた。そんななか、買収にも応じないカタブツ警官のメガネのことが気になり始める。正反対の性格と境遇の2人が理解しあう…という構図は分かるのだが、どうも乗りきれなかった。

・真昼の百鬼夜行/比嘉史果
第6話。風邪を引いてダウンする大学生のもとに白狐が現れ、かいがいしくお世話してくれる。いろいろと構ってあげるだけが、その人のためになるのではないという教訓が良かった。あと、キツネ枕とエプロンをつける白狐のコマが、お気に入り。

・落ちたら死亡ゲーム/山田果苗
読み切り。「白い線からはみ出したら死亡な~」的なゲームを、リアルな高さで行う。ビルの屋上や電線などを使ったアクロバットが良かった。欲を言えば、もっと浮遊感というか空を飛んでいるような表現が欲しかった。鉄コン筋クリートみたいなイメージで。

・ゲス、騎乗前/西公平
第20話。玉野ちゃんの彼女面が鬱陶しくなってきた牧は、だんだんと距離を取り別れる方向に持って行く。しかし、玉野ちゃんは予想以上にメンヘラだった。いつかマジで人を殺しそう。あと、牧は入院期間的に頭蓋骨を折ったんだろうけど、それで騎手を続けられるものなのか?

・モテ孝/緒方波子
第10話。お寺の断食体験に参加することにした波ちゃん。空腹のすえに、自分が他人を遠ざけ世間を疎んじてきた『鬼』だということを悟る。それから、断食仲間との別れ際に、自分の描いている漫画タイトルでウソをついてしまうのが流石。しっかりとオチをつけてくる。

・陸軍ナポリタン/百名哲
読み切り。モキュメンタリー第5弾。今回は『海軍カレー』に対抗して開発された『陸軍ナポリタン』誕生秘話。押し付けられた仕事から料理を生み出し、その後も何度も何度も挫折しながらもはい上がってくる芝村錬三郎の生きざまに拍手。本当は、横浜のホテルが起源とか、そんなのはどうでもいい。

・いつものおんなのこ/藤田弘明
読み切り。陸上の大会に出場するため、精一杯頑張っている高島さん。しかし、先輩から出場辞退するように強制される。この一部始終を見ていた存在が……。ハルタには時折、こういうガチホラーを描く新人が登場する。この路線のまま、突き進んでほしい。

・マシュマロメリケンサック/浜田咲良
第4話。2回戦。今度は、本格的なケンカかと思われたが、火野と薬島のどちらが戦うかでひと揉め。今回は、薬島の顔の描き方が変わったこともあり『無抵抗で暴力に対抗する』という、薬島のポリシーがハッキリしたのが印象的。

・ぽんたとそのた/中河星良
読み切り。40号に続き、2度目の登場。今回は、ぽんたを洗ったらめっちゃ小さくなったという、ペットあるある。2ページしかないのがもったいない。

・ふうらい姉妹/長崎ライチ
最終回。1ページに、主な登場キャラの立ち絵+4コマという構成。休載期間ふくめ、約8年の長期連載だったのか。お疲れ様でした。

・予告
次号は、弓道部、ホルスの瞳、スーさん、ストラヴァガンツァ、燕のはさみが掲載。高江洲弥の新連載が始まるほか、柴田康平と間間戸淳の読み切りも掲載。そして『乙嫁語り』がカムバックです。












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