ついに、ゾンビは学校に通い出した……!『小学生ゾンビ・ロメ夫』の感想です。作者の二宮香乃さんは、これが初単行本になります。
・第1話 転入ゾンビ・ロメ夫
転校してきた穣治ロメ夫は、リアルに体が腐っているゾンビだった。席が隣になった猿渡は、自分よりもノロマで頭が悪いヤツが来たと喜ぶが、ロメ夫は頭が良く芸術センスもあり周囲への気配りも完璧だった。この話が掲載されたフェローズ16D号は、2011年の5月発売。約4年半に渡るシリーズだったんだな。
・第2話 友達ゾンビ・ロメ夫
前話でロメ夫の苦手な給食を猿渡が食べてあげたことから、友情が生まれた2人。猿渡が投げたボールでロメ夫の首がちぎれ飛ぼうとも、猿渡が教えたザリガニ釣りのせいでロメ夫の両腕が切断されようとも、2人の友情は変わらない。この話から、Sっ気のある蟹江さんがヒロイン的なポジションに就くんだけど、逆に第1話でクラスのマドンナ的に描かれた、小鹿さんはモブ的なポジションを抜け出せなかった。
・第3話 お祭りゾンビ・ロメ夫
モノホンのゾンビという所に目を付けられて、縁日のお化け屋敷で脅かし役をやることになったロメ夫。はじめは怖い雰囲気にビビッていたものの、後半は腸を出したり上半身と下半身が真っ二つになったりの大活躍。あと、墓石に映画のタイトルが書かれているけど(CHINMOKU NO YOUSAIとか)、これは作者の趣味なのかな?
・第4話 秀才ゾンビ・ロメ夫
これまではクラス一の秀才(&ネクラ)の座をほしいままにしてきた闇谷君だが、ロメ夫の登場によってアイデンティティーを脅かされることに。決着をつけるために、猿渡主催でクイズ対決で決着をつけることになる。ロメ夫の頭の中の計算方法も面白かったが、猿渡が漁夫の利を得ようとする(失敗するが)構成も良かった。
・第5話 世話人ゾンビ・ロメ夫
ロメ夫がケガをした犬を拾う。お手をさせようとすれば腕をかじられ、頭をなでれば首筋を噛みちぎられたりしながらも、一生懸命に世話しようとする姿が痛々しすぎる。その分、はじめてロメ夫の手からおやつを食べたときの感動演出(4つの角度からお届け)が笑えるんだけど。しかし、犬の又三郎をもっとカワイク描けなかったものか? ブサイクすぎるだろ。
・第6話 絶叫ゾンビ・ロメ夫
雨の日に善意で傘を貸したことから、学校一のヤンキー・宇賀神さんに付け狙われることになったロメ夫。宇賀神さんの実際の言動とイメージ上のギャップの大きさが良かった。基本的にゾンビなので感情表現が乏しいロメ夫が、おびえたり威嚇したりしようとするのが見どころ。あとは、ロメ夫の見た走馬灯の過半数が、前回拾った又三郎だったこと。
・第7話 月光ゾンビ・ロメ夫
ピアノ教室に通っているロメ夫。しかし、その演奏に体がついていくことができず、肉が崩れ落ちてしまう。講師の菊吉さんはロメ夫のために、筋トレメニューを考案するものの、ゾンビに筋肉がつくわけもなく……。コンクール本番でボロボロの演奏をするものの、ステージマナーの項目だけに○がつけられるのが良かった。
・第8話 健やかゾンビ・ロメ夫
猿渡に風邪をうつされたロメ夫の体の中で、ゾンビウイルスと風邪ウイルスが死闘をくり広げる。自らの株を上げるため率先して世話係をする猿渡だが、痛恨のミスを犯してしまう。ロメ夫の身体が爆散するシーンは、この巻最高のグロさなのだが、その後のみんなで手慣れた感じで掃除をするのを見て、ロメ夫もクラスになじんだんだなとシミジミする。
- 関連記事
-
- 俺のプロレスネタ、誰も食いつかないんだが。 第2巻の感想
- 小学生ゾンビ・ロメ夫 の感想
- THE TOWN~復讐者~ 第1巻の感想
スポンサーサイト