晴耕雨マンガ

7月は、六道の悪女たち、ジョジョリオン、スペシャル。

今年の読みきり漫画まとめ 2015

○はじめに
さて、今年も残すところ1か月となり、さまざまなマンガ関係の賞が発表される季節になってきました。でも個人的に気になるのは、その選考対象がどれも『単行本』だということ。雑誌に掲載されたりWebで発表されたマンガがすべて単行本化されるわけではありません。そこで、昨年12月から今年11月までで自分が読んで面白かったと思う読み切り、および単行本化されていない短期連載作品をまとめてみたいと思います。

○週刊少年チャンピオン 短期連載
今年度、出張版や単行本化したものを除いて、チャンピオンに掲載された短期連載は9本。その中で印象に残っているのは、はらまき/小川真孝(9号~16号掲載)  私のお兄ちゃんはサイボーグです。/福地カミオ(18号~27号掲載)  蠢くニャグラゾテプ/猫黒ノミコ(20号~25号掲載)といったところ。個人的に一番良かったのは
私を食卓に連れてって/しまだ(10号~17号掲載)です。
私を食卓に連れてって/しまだ
殺人的に料理が下手なヒロインを中心としたコメディ。投げやりとも思えるようなテンションの高さを維持しながらも、最終回ではタイトルの意味を回収するという、構成の妙も見せてくれました。作者の再登場に期待したいです。

○チャンピオン 読み切り
出張版や特別編7本を除いて掲載された読み切りは、作者12人の14本(昨年度から19本減)。新人まんが賞出身の中村勇志の2本ひざまずけ豚野郎(4+5号掲載) REIKA(27号掲載)、独特な絵柄のこーへーの2本黒緋(6号掲載) 夢を犯せ旅人(16号掲載)、ギャグも絵もエッジが効いてる大改造!サイボーグバレンタイン/山本アヒル(31号掲載)、順調に成長を続けているこむぎけーしょん/福地カミオ(43号掲載)、主人公とヒロインの性別的な関係が二転三転するガール・バーサス・ガール!/アサダニッキ(50号掲載)あたりが面白かったです。ベストは
ヒヨコ爆弾/サブ(10号掲載)です。
ヒヨコ爆弾/サブ
幼いころから秘めてきた恋心が、多数の『ヒヨコ爆弾』によって暴かれそうになってしまうが……。絵の上手さは相変わらずだし、テンポも話の構成も無駄がない。もう一度連載のチャンスをつかんでほしい。
あと、今年度のチャンピオンのMVPは、吸血鬼すぐ死ぬ/盆ノ木至に登場する、世界一かわいいアルマジロのジョンだと思います。
ジョン

○別冊チャンピオン
今年度掲載された読み切りは、作者19人の24本。魔女っ娘ならぬ魔道っ子のラブコメ蠱るもやくるコダマ/田中杜芝(2月号掲載) 妖怪が起こした事件の捜査、真相解明、バトルを描き切った妖怪事件/中斉翔(4月号掲載) 独特なクリーチャー描写が印象的なシックス・ナンセンス/田口翔太郎(6月号掲載) デビュー当時の『ジョジョっぽい』雰囲気から脱しつつある奇人ニズム/鈴木優太(10月号掲載) 妖怪と人間の混血が生み出すトラブルの解決ストーリーゴーストレイト/古川一(11月号掲載)あたりが良かったです。あとは、3本掲載された脇山樹人にも期待したいです。ベストは
コイバク/関哲朗(3月号掲載)。
コイバク/関哲朗
バクチ狂の父親の影響で、どんなことでもギャンブル的な考え方をするようになってしまった主人公が、好きな娘との会話もひとつの勝負に見立てていく。絵も上手いし、全体的に勢いもあった。再登場してほしいです。

○アワーズ
今年、アワーズに掲載された読み切りは10本。描いたのは、大石まさる、小野寺浩二、鈴木小波の3人で、4本は単行本発売に関する番外編的なモノなので、実質的には6本といったところ。個人的には、始末されそうになったヤクザの男が語る蜜蜂の秘密 シェヘラザード/小野寺浩二が一番面白かったが、来年からは雑誌単位でまとめるのはやめた方がいいのかも。

○ハルタ
20号から29号で掲載された読み切りは、作者23人の28本。連載化した まかろにスイッチ/川田大智などを抜かしたなかで印象に残っているのは、ホラーとエロスの高レベルの融合じっと/高江洲弥(22号掲載)。マーキング女子の大人の恋愛田辺さん/夏本満(23号掲載)。1本のAVにすべてを捧げた男の人生Tig****はWEB上から消えた/百名哲(24号掲載)。インドネシア人腐女子の日本満喫エピソードGOGOランさん/松本結樹(26号掲載)。映画の試写会に行くことで中学生少女がちょっと成長する試写会入門/梶谷志乃(26号掲載)あたりです。一番良かったのは
噂話/大槻一翔(20号掲載)です。
噂話/大槻一翔
周囲の何気ない会話を聞きもらさず、その他愛もない内容を主人公自らが確かめる。内容がポンポン移り変わる前半のテンポの良さと、主人公の行動が周囲から受け入れられない後半の対比も良かった。正直連載もいけるレベルだと思うんだけど、これ以降掲載がないのが気がかり。

○その他
定期的に購読している雑誌以外で気になった読み切りは、
ツイッターの文章を引用しながら、作者の女装趣味や政治的なポリシーを絡めつつ、1人でビルを建てる男の人生を描いたせかい!! ‐岡啓輔の200年‐/新井英樹(スペリオール4号掲載)
作者のF信者ぶりと絵柄の親和性の高さを見せつけた音速の箱/石黒正数(Fライフ3号掲載)
短編の名手が、飼い主に孤独死されたネコの辛く悲しい1年を描いた家猫ぶんちゃんの一年/真造圭伍(月刊!スピリッツ4月号掲載)
尻フェチ女子の恋愛の苦悩。オチのひと言が絶妙なけつろんラブハート/渋谷さえら(月刊!スピリッツ8月号掲載)
百合の園に咲いた大輪のプロレスの花。黒髪女子とレスラーたちのツープラトン攻撃聖ユリアン女学院卍固め/譲(月刊アフタヌーン11月号掲載)
壮大な勘違いからはじまった、ダンディな刑事のハードボイルド転職劇。会話のテンポがとても心地いい経堂龍之介の転職/秋谷弥潮(モーニング46号掲載)
といったところ。今年は、影踏み/豊田徹也(good!アフタヌーン1月号掲載 → 『蟲師 外譚集』に収録)や本日も反省中/くみちょう(月刊!スピリッツ7月号掲載 → 『アイドれ!グリーン♥ラプソディ』に改題して、やわらかスピリッツで連載)、終電ちゃん/藤本正二(モーニング32号掲載 → その後、月1連載化)など、いいと思った読み切りが、その後単行本に収録されたり、連載化したりといったことが多かった印象。
聖ユリアンヌ女学院卍固め/譲
聖ユリアン女学院卍固め

○エピソード・オブ・ザ・イヤー
今年の個人的な最優秀エピソードは、読み切りではなく連載のほうから。
異種間ラブコメの圧倒的な主力であるドワーフ少女の土和さんが、その象徴であるヒゲを失いついでに自信もなくしてしまう
スピーシーズドメイン/野呂俊介 第16話イメチェンする土和さん(別冊少年チャンピオン2月号掲載・単行本3巻収録)と
マンガ史上もっともくだらないであろう能力を持つヒロインが、くだらない目的に真剣に取り組む。初の一般作品で異常なまでの完成度を発揮した
駄能力JK成毛川さん/菅森コウ 第1話(やわらかスピリッツで発表)
の同時受賞ということにしたいと思います。
スピドメの一場面
スピーシーズドメインの一場面


来年も、こういうことができたらいいと思います。よろしくお願いします。




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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/12/01(火) 10:00:00|
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