・花園に幹が立つ/野澤佑季恵/KADOKAWA
共学化した名門女子高に入学した、唯一の男子生徒の悲喜こもごも。お嬢様学校の文化やしきたりに戸惑いつつも……という話運びは手堅く、次巻以降は恋愛方面が中心になっていきそう。源さんとのダンスのペア決めのシーンよりも、個人的には第2話のイマジナリー三枝のポイントが高かった。
・終戦後のスカーレット/八田羊/講談社
ガレキの残る東京で、使われることなく行方不明となった第3の原爆“スカーレット”を探す。主人公とガチムチ米兵との殴り合いはあったりするものの、まだまだアイドリングといったところ。もっと敵味方のキャラが出そろってからが本番となりそう。眼帯&三つ編み姿の辰見雪子は、ブレイクする可能性があると思う。
・エリオと電気人形/島崎無印 黒イ森/集英社
AIとの戦争後、電気を捨てて暮らす世界を、アンドロイドのアンジェと発電できる身体のエリオが旅をする。なんと言っても絵が美しく作品世界に引き込まれる。2人のかけ合いのテンポ感も良いし、エリオの体質の由来とか、開始時点でアンジェと2人で暮らしていた理由なんかも気になる。
・みちかとまり/田島列島/講談社
まりという女の子は、竹やぶに倒れている少女みちかを発見する。第1話から目玉を※※したり、これまでの列島作品にはないダークな展開に引きつけられる。第1話冒頭のカラーページで何を燃やしていたのか?っていうのが、今後の話のポイントとなるか。今作も話題となること間違いなしか。
・かさねと昴/山田金鉄/講談社
高身長女装男子と小柄でボーイッシュな女性のラブコメ。お互い、まだ「これは恋なのか?」というような状態なので、今後どういうふうに関係性が進展していくのか楽しみ。キッカケが「落ちてきた相手を受け止める」って書くとベタな感じだけど、こういう切り口もあるんだな。シロベルガンの頭の感触。
みどりの台所/秋ヨシカ/芳文社
動物の肉を吸収する植物によって、人間はおろか他の動物も死滅した?世界で、ある姉妹が通販サイトの巨大倉庫内でサバイバル生活を送る。肉を食べたい妹に、姉が様々な工夫を凝らしながら料理を作っていくのが面白い。過去パートも不穏な感じがあり、いろいろと謎が仕込まれていそう。
・みょーちゃん先生はかく語りき/鹿成トクサク 無敵ソーダ/講談社
保健の先生が生徒の悩みに体を張って応える。青*や乳*の大きさとか、それなりに際どいテーマを扱いながらも上手く直接的な描写を回避し、あまりエロく感じさせないバランス感覚が素晴らしいと思う。好きな話は、泣きながらドラムを叩く動画がミーム化し世界中でバズるやつ。
・ダイヤモンドの功罪/平井大橋/集英社
恵まれた体格、類まれな身体能力を持つ綾瀬川次郎。それゆえに周囲に馴染めず、才能の輝きに周囲の大人たちは目がくらんでしまう……。SNSで話題になっていることが納得の面白さ。上半期はもちろん、今年を代表する一作になることは間違いないと思う。次郎という名前なので、兄もいるのかというのも気になる。同じような身体能力なの?
・国産少女クラリス/yoruhashi/講談社
家電やインフラなど日常生活の多くの部分を担うAI少女のクラリスが、発達しすぎたがゆえに人類に反旗を翻す。飛行機の墜落シーンなど絵の迫力もスゴイ。現状、この危機的状況に立ち向かおうとしているのがハッカー少年1人だけなので、開発者の兄と手を組むのか、それとも幼馴染が助けてくれるのか気になる。
・スクールバック/小野寺こころ/小学館
親や先生は何もわかってくれない。友達にも話しにくい。でも用務員の伏見さんなら……。安易に問題を解決せず、ほどよい距離感で接して生徒たちの心を解きほぐしていく様子がとても良い。学校が舞台、1話完結、主人公のことを好きな男がいると、ドラマ化しやすい要素がそろっていると思う。
・極東キメラティカ/板橋大祐/集英社
他の生物を取り込み進化するキメラを狩ることを生業としているユーリ。彼女の前に、謎の人型キメラが現れ……。口絵なし、後書きなしで、持っている力をすべてページに込めてやるという気概が感じられる。「自分が思い描く快適な暮らしをする」という主人公のモチベーションも、今っぽくて良い。
・令和陰陽師/吉田博嗣/講談社
歴史のある陰陽師の家系の末裔ながら、まったく霊能力のない主人公が金にがめついリアリストな従者に逆らえず詐欺まがいの祈祷をする。単巻完結なので仕方がないが、もっと2~3話のようなタイプの話を読んでみたかった。光纏反応とか、もっと話を広げる構想もあったっぽいし。
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