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晴耕雨マンガ

天国大魔境の小ネタ募集中/6月は、天国大魔境、ヴィンランド・サガ。

転がる姉弟 第4巻の感想








夏休みがはじまる! 『転がる姉弟』第4巻の感想です。





・18話 小旅行
4人で富良野(的な観光地)へドライブ。しかし光志郎にとっては、ラベンダー畑はまったく魅力的ではないのだった。そこから、ソフトクリームの乗ったメロンを食べて機嫌が直るのも面白いし、たまたま出会った老婦人のSNSを見たみなとの静かなリアクションも良い。特にそういったことは描かれていないけど、これから宇佐美家もこういう思い出を作っていくんだろうな。あと、交通量の少ない田舎道限定なんだろうけど、ペーパードライバー?のミツコさんに運転させるのは勇気があるな。

・19話 チャリ
自転車で遊んだ帰り道、光志郎は不審者に遭遇してしまう。そこをロボの兄・大河に助けられる。このことをみなとたちに報告するときといい、お礼にお菓子を持っていこうという発想といい、この回は光志郎が年相応な反応を見せている印象。特にグミを投げ捨てられたあとの言葉は、それがよく表れていたと思う。それから、ロボのお父さん。大河とロボ(と光志郎)であからさまに態度を変えているのは、教育的に良くないよなぁ~。大河もなにかキッカケがあれば更生できそうなきがするんだけど……。

・オマケ 給食
光志郎が、給食で天才的なアレンジを見せる。チョコレートが牛乳に溶けるかは心配なところだが、白身魚のフライをパンではさむのは美味しそう。

・20話 小学校
光志郎の通っている小学校でお祭りが開催される。同じ小学校出身のみなととユリが、遊びに行く。賽の河原システムの空き缶詰みなど、出し物を満喫していたのだが、些細なことから口げんかに発展してしまう……。ここからの仲直りの流れ、光志郎が壊れたみこしの修理をみなとに任せるところ、ユリの「のりがあまかったかー!」というセリフと、高評価ポイントしかない。72ページの腕を交差させたまま鳴子を鳴らす光志郎はLINEスタンプにしてほしいし、クラスメイトのくまちぃはカワイイ。

・オマケ なんかそういうアプリ
カメラを向けると、その人が似ている?動物の耳とかが表示されるというアプリで遊ぶみなとたち。こういうのの流行り廃り、むちゃくちゃ速くなっているんだろうな。

・21話 銭湯
久瀬たちと銭湯に来た光志郎。ここで水町の父親が初登場する。第9話で言及されていた通り、バッキバキのマッチョだし礼儀もキチンとしている。いったいどんな仕事をしているのか気になる。格闘家とかだろうか? オチは読めてしまうものの、それでもサラサラヘアの光志郎は面白い。っていうことは、いつもの髪型はただゴワゴワで逆立っているだけだったのか?

・22話 なつやすみ
『あしたから夏休み』という事実に浮かれまくる光志郎。その浮かれ具合は友彦さんにも伝播し、夜中にドーナツを買いに行く。ススキノの人混みを見た光志郎の「全員なつやすみかよ~」というセリフが最高。しかし、帰り道で異変が……。こういう感情を抱くってことは、もうすっかり新しい家に馴染んでいるってことなんだろうな。いつのまにか、みなとのことを「姉ちゃん」って呼んでいるし。あと、ショウタのロック画面に使っているみなとの写真が、18話で送った自撮りというのが細かい演出。







この巻も、安定した面白さ。もはや円熟期といった趣き。















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  1. 2022/10/01(土) 19:20:27|
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転がる姉弟 第3巻の感想




守りたい、この笑顔。『転がる姉弟』第3巻の感想です。









・13話 小3と高2
光志郎が下ネタラップを披露して男子の喝采と女子のひんしゅくを集めているころ、みなとには恋愛面で大きな進展が。もっとダラダラと「好きかも~ ちがうかな~」みたいな感じでやっていくと思っただけに、まさかの展開に意表を突かれてしまった。『交通量の少ない道路で信号待ちをしているとき』というのも、全然そんな予感がなくて驚いた。それにしても光志郎のラップは、チンとポンしか言っていないのに、語感が良くて面白すぎる。ラストでは、うかれたみなとも合流するし。

・14話 科学館
プラネタリウムに強い興味を持った光志郎が、ロボたちといっしょに科学館に行く。地下鉄でお婆さんには席を譲ったのに、科学館の場所を教えてくれた(ちょっと変な)人のことは、バカにして笑ってしまった。そのことをプラネタリウムを見ながら考える。まぁ、そのことに思いがいたっただけでも立派だと思う。この巻の2つの大きなトピックには関わっていないけど、個人的なベストエピソードとして挙げたいと思う。あと、科学館で出くわした みなととユリがおそろコーデしているのがカワイイ。

・15話 初デート
みなととショウタが初デート。おたる水族館に行く。しかし、ショウタは直前の練習試合で「フィジカル以外クソ雑魚」と言われたことが気になって、ちゃんと楽しむことができなかった……。このモヤモヤを打開するキッカケとなるノートを光志郎が拾うというのも面白いし(ショウタのことゴーレムって呼ぶのかよ)、その中身を見たみなとの「何を書いているか知ってるんだぞ」という笑顔(79ページ)も印象的。ショウタはスタバでサンドイッチを食べているけど、さすがにでかいおにぎりはなかったか。初デートは失敗だったかもしれないけど、これからの恋愛関係は上手くいきそう。

・16話 桜井
引っ越す前の友達・桜井(3話で名前だけ出ている)から手紙を受け取った光志郎。翌日、学校を抜け出し会いに行く。はじめは再会を喜び仲良く遊んでいたのだが……。これ、もろもろの描写を考えると、光志郎は札幌の北側に住んでいて桜井は札幌の南側に住んでいるっぽい。小学生にとってはとてつもなく遠く感じるんだろうけど、高校あたりで再会ということも十分に考えられるんだよな。あと、ロボがやせたように感じたんだけど、たぶん上着を着ていないでTシャツだけになったからだな。

・17話 迷子
桜井とケンカしたあと、光志郎は夜になっても家に帰らず。警察も出動する大ごとになってしまう。ユリやショウタも捜索を手伝い、久瀬も父親(候補)のマサトさんに車を出してもらう。マサトさん、2巻の感想のときに「ベースを弾いていそう」って書いたんだけど、本当に演奏シーンがでてくるとは。そして、みなとが行き倒れた光志郎を見つけたあとの2人の会話シーン。「生きていれば仲直りできる」っていうとありきたりな感じにも聞こえるけど、親を亡くしているってことを踏まえるとグッと意味合いが深くなってくると思う。
前話で拾ったホースが、キーアイテムになっているのも良かった。














このマンガがすごい!では16位にランクイン。文化庁メディア芸術祭では新人賞を受賞。飛躍が期待される1年になりそうです。













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  1. 2022/03/18(金) 17:50:27|
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転がる姉弟 第2巻の感想





走れ光志郎! 『転がる姉弟』第2巻の感想です。






・7話 じいちゃんちへ
もともとは4人で行く予定だったが友彦&ミツコさんが仕事のため、急遽みなと&光志郎の2人で作場側の祖父母に会いに行くことに。電車内では割と落ち着いたテンションで話が進んでいただけに、降りる駅なのに光志郎が寝ている → みなとが初めて名前を呼んで起こす → 迎えに来ていたおじいちゃんを見てテンションの上がる光志郎。という振り幅の大きい流れが最高だった。途中でみなとが光志郎の頭をバウンドさせるし。あと、2人が電車に乗ったのが札幌駅というのに驚いた。これ、北海道の話だったのか。ということは、そのうち雪まつりとかを観に行く話とかもあるんだろうか?

・8話 じいちゃんち
作場のおじいちゃんは、いつもニコニコ。みなとと光志郎をあたたかく歓迎してくれる。「いつも何してんだ?」という疑問に「光志郎が来んのを待ってんだ」と答えたおじいちゃんが、デパートに買い物に行ったときに本当に待っている!(疲れて休んでいるだけ)と驚き、そこから「自分がこのまま帰ってしまったら……」という光志郎の行動につなげるのが見事だった。あと、作場祖母が「いい人と再婚できて、かわいい姉もできて、人生何が起きるか分からない」と言ったときのみなとの後ろ姿がちょっと気になる。「そうなったのは、私のお母さんが死んだからなんだけど」みたいなことが、ちょっと心に浮かんだのかもしれない。

・9話 父
光志郎の友人・久瀬が、新しい父親(候補)と顔合わせ。こういうときってガチガチ生真面目系か、生活力のない暴力系みたいなのがお約束だと思うんだけど、まさか長髪アゴヒゲ、インストバンドでベースを弾いているような外見で、SDGsに気を使った生活を送ってそうな人が登場するとは。こういう定番を外したようなキャラの配置も、この作品の魅力のひとつかもしれない。そして、仲間内で話題になった指パッチンを友彦さんに教わろうとする光志郎のパートも面白かった。ラストのみなとのツッコミも冴えているし。あとは、マッチョな水町の父親の登場も待たれるところ。

・10話 幼なじみ
田中ショウタが、母親と一緒にみなと母の仏前に手を合わせに来るという。田中のことが気になっているみなとは、ソワソワ。ちょっと気合を入れて準備をするが、リビングでは光志郎がパンツ一丁でくつろいているのだった。田中の相手をしつつ、光志郎に服を着させようとするが……というコメディ展開が面白かった。けっきょく田中と光志郎が2人で意気投合しちゃうし。田中、フルネームが田中将太ということは田中将大を意識しているんだろうし、リビングのドアやみなととの身長差を見るに190センチ以上あるだろうし、フィジカルモンスターすぎる。しかし宇佐美家、友彦さんは酒を飲みそうもないのになぜ中ジョッキを2つも常備しているのか?

・10.5話 昼休み
前話のことを友人たちに報告するみなと。この3人(ユリ、せりな、さや)をフィーチャーした話も読んでみたいところ。あと「今日も」って言われるってことは、田中はいつもあの大きさのおにぎりを食べているのか。成長期真っ盛りじゃないか。

・11話 ロボんち
カギを忘れた光志郎は、家に入れず。そこでロボの家にお邪魔することになる。早い時間からシュウマイを堪能したものの、洗い物がたまりゴミが片づけられていない家の中を見て、なにか思うところがあった様子。今までの自分の暮らしは恵まれていたんだなということを理解するだけでなく、そこから自分の部屋に貼ってある星をロボにプレゼントするという行動につなげたのが素晴らしかった。「潜水艦でも上にあがれば夜には星が見える!」というのは、光志郎の優しさがつまった最高のセリフ。この巻のハイライトと言って問題ないと思う。あと、ロボ兄は14歳だけど学校に行かずに働いている感じだよな……。

・12話 おじいちゃん
ある老人が、孤独をまぎらわせるために夜中に散歩していると職務質問を受け、交番に連行されてしまう。迎えに来たのは……。7~8話の作場祖父と性格などが正反対に描かれているし、光志郎にとっても何度も会っている祖父と「新しいじいちゃん」で対比させているのは、巻全体のパッケージングを考えても見事な構成だと思う。交番に来た光志郎が自分のことを「ジャスティス」と名乗ったり、翌日に再会したときの変顔とか、コメディ色が強いのも良かった。あと、ユリちゃんが146~147ページで2回「ゲラ」と笑っているのもツボ。森先生の描く笑顔は、本当に楽しそう。




この巻も、文句なしの面白さ。例えばみなととミツコさんとか、まだ描かれていない組み合わせもあるだけに、今後の展開も楽しみ。









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  1. 2021/08/17(火) 17:42:15|
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転がる姉弟 第1巻の感想





『転がる姉弟』の感想です。







・1話 新しい姉弟
女子高校生の宇佐美みなとは、父親の再婚を機に新しい弟ができることに。勝手に理想の弟像をふくらませていたが、実際に顔を合わせた作場光志郎は想像とはちょっと違っていた。この光志郎のルックスというかキャラデザが素晴らしい。『ちびまる子ちゃん』の永沢君のようなタマネギ頭で、うつむいたときはガチャピンにソックリ。可愛さと面白さが上手く両立されていると思う。作品のアイコンになることは間違いないので、早急にLINEスタンプ化してほしい。あと、冒頭の仏前の母親に「自分のお母さんはお母さんだけ」と語りかける流れで、新しい母親のミツコさんの呼び方を考えるんだけど、有力候補であろう「ママ」を華麗にスルーしているのが面白い。

・2話 引っ越し
光志郎とミツコさんが引っ越してくる。光志郎はさっそくお風呂でオシッコしようとしたり、新しい自分の部屋に興奮したり“らしさ”を遺憾なく発揮する。しかし、真夜中に目を覚ましてしまい……。泣きながらみなとに言った言葉で、光志郎もまだまだ子供なんだなと感じられてジンとくる。また、家の中を歩き回るときの暗闇の描き方が印象的。スクリーントーンではなく斜線で表現されていて、まるで水の底にいるようにも見える。慣れない家にいるという、光志郎の不安感を現したものなのかな。

・3話 宝物
光志郎が『宝カーニバル』を開催。みなとと友人のユリ(ホントは課題を一緒にやるはずだった)が、どれが一番大事な物なのかを当てようとする。第1位のオチとか「桜井は物じゃねえ!」とか、この巻のなかではコメディテイストの強い内容。個人的には、第7位の『デケエネジ』が好き。本来は何に使うんだ?ってくらい太すぎる。あと『親の再婚にともない転校するので、春休みの宿題がない』って、8才の男の子にとっては、かなり無敵感のあるシチュエーションなんだろうな。

・4話 友だち
転校デビューに失敗してしまった光志郎。クラスで流行っているスライムの作り方をみなとに聞こうとする。ここで親ではなく、(立派じゃないやつと言っているとはいえ)みなとを選んだというのが、なんかエモい。親に電話番号が書かれたメモを持たされているんだな。それからネットで見た意見として、94ページ2コマ目のみなとの笑い方が、母親の遺影の写真とソックリというのに驚いた。これ、狙って描いているのだとしたら、相当の業前なのでは。そして、みなとの友達グループのキャピキャピ感がまぶしい。

・5話 家出
まず、前話で大流行だったスライムを禁止するポスターが廊下に貼られているのが細かい。小学校の流行なんて、そんなもんか。本筋は、クラスの中心的人物の久瀬の家出宣言。親友の水町と、光志郎、そして無口なロボ(本名・伊藤維一)の4人がつき合うことに。久瀬は野宿するという割にはアリを嫌がったり、コンビニでかなりの額の買い物をしようとしたり、家が裕福なのがうかがえるし、ロボが断片的に語った情報からも、彼の家庭環境の複雑さがうかがえる。でも、けっきょく久瀬が家に帰ることになったので、このあたりはあまり深堀されることはなかった。こういった描く描かないのバランス感覚も上手いと思う。

・6話 ショウちゃん
幼稚園のころよく遊んでいたショウちゃんと、同じクラスの田中ショウタが同一人物だということに、いまいち自信の持てないみなと。友人らはありきたりな名前から、別人ではないかと疑いをかける。そこで部活帰りに待ち伏せして真実を確かめようとする。ふつう主人公の想い人でサッカー部所属なら、王子様系テクニシャンが多いと思うけど、素人目に見ても「えぐい」と分かるほどのフィジカル系に設定するというのが斬新すぎる。ユニフォームを引っ張られつつ、2人を弾き飛ばしてヘディングシュートを決めるとか、スゴすぎるだろ。この恋愛ストーリー、どれだけ広がりを見せてくるんだろう? なんとなく光志郎の面倒は見てくれそう。





他人が家族になるという過程を、コメディを交えつつ丁寧に描いていて、とてもレベルが高い内容だと思います。今年を代表する一作になるかも。












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  1. 2021/01/30(土) 18:13:57|
  2. 転がる姉弟
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