先日、マンガ大賞2023が発表されたことで、主なマンガ関連の賞の受賞・候補作が出そろったことになります。
そこで、今回は『どの作品が多くの賞にランクインしたかをランキング』してみました。
対象は……
・次にくるマンガ大賞 2022(次に)
・夜ふかしマンガ大賞(夜ふかし)
・このマンガがすごい! 2023(すごい)
・THE BEST MANGA 2023 このマンガを読め!(読め)
・俺マン2022(俺マン) ※2
・全国書店員が選んだおすすめコミック2023(書店員)
・出版社コミック担当が選んだおすすめコミック!(コミ担) ※3
・全国書店員が選んだおすすめ少女コミック2022(少女)
・マンガ大賞 2023(大賞)
・ebookjapanマンガ大賞2023(ebj) ※4
・第13回ananマンガ大賞(anan) ※5
・ブロスコミックアワード2022(ブロス)
・年刊書店員すず木2023(すず木)
の13個です。
※1 基本的に、各ランキング50位までを対象とし、それ以下の順位で発表されている場合でも、ランク外という扱い。
※2 今年は公式に展開されなかったので、12月31日~1月9日までの期間で個人的に集計したものを参照します。
※3 Pick Upとして紹介されたものは、同率10位として扱います。
※4 トップ3以外で、書店員賞は5位。それ以外のノミネート作品は同率11位として扱います。
※5 大賞を1位、準大賞を同率5位として扱います。
10位 天幕のジャードゥーガル/トマトスープ/秋田書店/3+1 すごい1位 俺マン7位 大賞5位
読め11位 モンゴル帝国の捕虜となった女性が、持ち前の知識を生かして後宮で生き残ろうとする。すごいの1位をはじめ、平均順位の差で さよなら絵梨/藤本タツキ をかわしてのランクイン。
9位 うるわしの宵の月/やまもり三香/講談社/3+1 少女1位 ebj1位 anan準大賞
すごい11位 周囲から「王子」と呼ばれ人気のある女子が、同じく「王子」と呼ばれる男子と出会うところから始まるラブストーリー。anan、少女など、狙えるところで確実に高順位を射止めた。
8位 黄泉のツガイ/荒川弘/スクエアエニックス/3+2 すず木1位 俺マン3位 書店員2位
すごい15位 ebjノミネート 世俗から離れた暮らしをしている兄妹が、戦いの日々に巻き込まれる。作者11年ぶりのガンガン復帰作で、久しぶりのバトル・ファンタジー。ベテラン作家らしく、安定した面白さがある。
7位 クジマ歌えば家ほろろ/紺野アキラ/小学館/3+4 ブロス7位 書店員9位 ebj書店員賞
次に18位 すごい13位 すず木45位 俺マン27位 人の言葉を話す謎の鳥?との奇妙な同居生活。既存の概念を打ち壊すクジマのキャラがクセになる。上位進出は少ないものの、様々な賞に顔を出し、見事にランクインした。
6位 光が死んだ夏/モクモクれん/KADOKAWA/3+4 すごい1位 ブロス5位 書店員5位
次に11位 俺マン38位 大賞11位 ebjノミネート ある山間の集落に暮らす少年は、親友がいつのまにか『ナニか』にすり替わっていたことに気づいてしまう……。ここまでは下位ランクイン数で順位が決まった。大賞が11位でなければ……。
5位 これ描いて死ね/とよ田みのる/小学館/4+1 すごい6位 読め10位 俺マン1位 大賞1位
次に16位 離島に住む女子高生たちが、青春のすべてをマンガ制作にぶつける。もともと強いマンガ愛を持っている作者が、そのすべてをぶつけている。番外編的な元漫画家の先生のエピソードも泣ける。
4位 正反対な君と僕/阿賀沢紅茶/集英社/5+3 次に2位 すごい9位 anan準大賞 俺マン3位 大賞3位
読め48位 すず木21位 書店員12位 ギャルだけど周囲の空気を読んでしまう女子と、物静かだけど自分の意見をしっかりと言うことのできる男子のラブコメ。コミュニケーションの取り方など、現代的な感覚の描き方が新鮮。ananにジャンプ作品が入るとは。
3位 タコピーの原罪/タイザン5/集英社/6 すごい3位 読め9位 すず木2位 ブロス3位 俺マン5位 大賞10位
ハッピーを広めるため地球に降り立ったタコピー。イジメられているしずかちゃんと出会い助けようとするのだが……。連載当時から大きな話題を集めた2022年を代表する一作。ただ、3月と早い時期に完結してしまったのがマイナスに働いたか。
2位 あかね噺/末永裕樹 馬上鷹将/集英社/6+1
次に3位 すごい4位 すず木6位 俺マン8位 書店員3位 大賞2位
読め48位 父親の想いを受け継ぎ、女子高生が落語の世界に挑戦。『真打』を目指す! 1位獲得はなかったものの、手堅くトップ圏内のランクインを重ねた。次世代ジャンプを引っ張っていく存在となるか。
1位 スーパーの裏でヤニ吸うふたり/地主/スクエアエニックス/6+2 次に1位 すごい7位 すず木7位 書店員4位 コミ担1位 大賞8位
俺マン14位 ebjノミネート 仕事に疲れたサラリーマン佐々木の唯一の癒しは、スーパーのレジ係の山田さんの接客だった。そして、田山という女性と一緒にタバコを吸うようにもなり……。次に、コミ担の1位など満遍なくランクイン。ジャンプ勢とのデッドヒートを制し見事に1位に輝いた。
10位以下では、
日本三國/松木いっか と
薫る花は凛と咲く/三香見サカ が下位ランクインが多く隠れ人気作といった感じだったと思います。しかし、講談社作品がここまで伸びないとは予想外でした。
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2023/03/28(火) 19:00:00 |
ランキングのランキング
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先日、マンガ大賞2022の結果が発表され、2021年を対象にした漫画賞が出そろったことになります。そこで、今回は『どの作品が多くの賞にランクインしたかをランキング』してみました。
対象は……
・次にくるマンガ大賞 2021(次に)
・このマンガがすごい! 2022(すごい)
・THE BEST MANGA 2022 このマンガを読め!(読め)
・俺マン2021(俺マン)
・全国書店員が選んだおすすめコミック2022(書店員)
・出版社コミック担当が選んだおすすめコミック(コミ担)
・マンガ大賞 2022(大賞)
・ebookjapanマンガ大賞2022(ebj)
・第12回ananマンガ大賞(anan)
・ブロスコミックアワード2021(ブロス)
の10個です。
1:10位以内にランクインした賞の数
2:↑が同じ場合は、10位以下にランキングされた賞の数が多い方が上位
3:それも同じ場合は、1でランクインした順位の平均が低い方が上位
というレギュレーションでやっていきたいと思います。
※ebjは、上位3作品以外はすべて同率11位、ananは大賞が1位、準大賞が同率5位という扱いです。
10位 東京ヒゴロ/松本大洋/小学館/3+1 すごい5位 読め1位 ブロス2位
俺マン15位 大手出版社を早期退職した編集者の男。いったい、マンガに対してどんな思いを抱くのか? 【推しの子】/赤坂アカ 横槍メンゴ、ブランクスペース/熊倉献とランクイン数で並んだものの、平均順位の差でかわして10位にすべりこみ。
9位 ダーウィン事変/うめざわしゅん/講談社/3+3 すごい10位 コミ担2位 大賞1位
読め16位 俺マン30位 ebj11位 人とチンパンジーの間に生まれた“ヒューマンジー”のチャーリー。彼のまわりで巻き起こる様々な出来事。差別、偏見など現代的なテーマを意欲的に取り扱っているし、第1話を非営利目的での再配布が可能にしたり、出版社側からのプッシュも熱い。
8位 トリリオンゲーム/稲垣理一郎 池上遼一/小学館/4+2 すごい8位 ブロス7位 俺マン8位 大賞6位
読め15位 ebj11位 1兆ドルを稼いですべてを手に入れろ! 人ったらしの陽キャとコンピューターマニアの陰キャが手を組み、ゼロから起業する。実績十分、大御所の2人がタッグを組み見事な化学反応を生み出している。
7位 怪獣8号/松本直也/集英社/5 次に1位 すごい3位 読め10位 書店員2位 ebj1位
怪獣退治を夢見た男が謎の生物に身体を侵食され、自らが怪獣化してしまうことに……。近年猛威を振るうジャンプ+勢の一角。内容のみならず、スマホで1ページずつ読むことを意識した構図などが話題となった。2年連続のランクイン。
6位 女の園の星/和山やま/祥伝社/5+1 次に4位 すごい5位 俺マン6位 書店員9位 大賞4位
読め14位 女子高を舞台にした、日常シュールコメディ。昨年の当ランキングでは3位を獲得。2年連続のランクインとなった。その人気が衰える気配はないので、今年もまた高評価が期待できると思う。
5位 ひらやすみ/真造圭伍/小学館/5+1 読め3位 ブロス1位 俺マン4位 コミ担6位 大賞3位
すごい26位 人柄の良さだけが取り柄の主人公が、仲良くなった近所のおばあちゃんからタダで一戸建ての平屋を譲り受けることに。上京してきた18歳のいとこと二人暮らしを始める。ゆったりとしたストーリー展開が心地よい。
4位 ルックバック/藤本タツキ/集英社/5+1 すごい1位 読め2位 ブロス10位 俺マン1位 大賞2位
ebj11位 マンガを描く女子2人が追いかけ続けた、それぞれの背中。ジャンプ+での読み切り発表時、そして単行本発売のタイミングでも大きな話題を呼んだ、2021を代表する一作。藤本先生個人としては、3年連続のランクイン。
3位 チ。‐地球の運動について‐/魚豊/小学館/6 次に10位 すごい2位 読め6位 俺マン4位 書店員5位 大賞5位
宗教的にタブーとされる地動説を信じ、命がけで研究する人間たちの情熱。昨年の当ランキングでは10位。そこからの大幅ジャンプアップとなった。連載は、まもなく完結となる予定。
2位 ダンダダン/龍幸伸/集英社/6+2 次に2位 すごい4位 俺マン6位 書店員1位 コミ担1位 大賞7位 読め19位
ebj11位 オカルト、SF、ラブコメ、アクション、なんでもござれのハイテンションごった煮ストーリー。書店員、コミ担のダブル優勝で堂々の2位という結果に。読め、ebjでも20位以内に入ったのも大きかった。
1位 海が走るエンドロール/たらちねジョン/秋田書店/8 すごい1位 読め9位 ブロス9位 anan5位 俺マン10位 コミ担4位 大賞9位 ebj3位
数十年ぶりに訪れた映画館で、人生を変える衝撃的な出会いが。65歳のおばあさんが、映画作りの一歩を踏み出す。書店員がランク外だったのは意外だったが、それ以外ではベスト10入り。見事に1位に輝いた。
10位以下では、三拍子の娘/町田メロメ と 虎鶫/ippatsu と 今夜すきやきだよ/谷口菜津子が下位ランクインが多く、隠れ注目作といった感じだったと思います。
2022/03/29(火) 19:00:00 |
ランキングのランキング
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先日、マンガ大賞2021の結果が発表され、2020年を対象にした漫画賞が出そろったことになります。そこで、今回は『どの作品が多くの賞にランクインしたかをランキング』してみました。
対象は…
・次にくるマンガ大賞 2020(次に)
・このマンガがすごい! 2021(すごい)
・THE BEST MANGA 2021 このマンガを読め!(読め)
・俺マン2020(俺マン)
・全国書店員が選んだおすすめコミック2021(書店員)
・マンガ大賞 2021(大賞)
・alu.jp #私の2020年マンガBEST5(アル)
・ebookjapanマンガ大賞2021(ebj)
・新刊マンガ大賞2021(新刊)
・第11回ananマンガ大賞(anan)
・ブロスコミックアワード2020(ブロス)
の11個です。
1:10位以内にランクインした賞の数
2:↑が同じ場合は、10位以下にランキングされた賞の数が多い方が上位
3:それも同じ場合は、1でランクインした順位の平均が低い方が上位
というレギュレーションでやっていきたいと思います。
※ebjは、上位3作品以外はすべて同率11位、ananは大賞が1位、準大賞が同率5位という扱いです。
10位 チ。‐地球の運動について‐/魚豊/小学館/3 俺マン6位 大賞2位 新刊3位
西暦15世紀のヨーロッパ。神童として周囲から期待される主人公が、ある異端思想に魅了される。『薔薇はシュラバで生まれる』『わたしの幸せな結婚』とランキング数で並ぶものの、平均順位の差で10位に滑り込んだ。今年も引き続きの高評価が期待できる。
9位 怪獣8号/松本直也/集英社/3+1 俺マン7位 大賞6位 新刊1位
アル11位 かつて怪獣討伐を夢見たアラサー男に訪れた予想だにできない出来事。連載開始時から大きな話題を呼び、閲覧数や単行本の売り上げで次々と新記録を叩き出した。“ネクスト鬼滅”の筆頭と言えるし、2021年の賞レースの大本命作品だと思う。
8位 水は海に向かって流れる/田島列島/講談社/4 すごい4位 読め2位 俺マン4位 大賞4位
何とも言えない複雑な関係性の男子高校生とOLが同じ下宿で暮らすことに。ほかにはダ・ヴィンチの『BOOK OF THE YEAR 2020』にも選ばれたり、マンガ好きのみならず幅広い層から高い評価を受けた。当ランキングでも昨年の4位に続いてのランクイン。
7位 九龍ジェネリックロマンス/眉月じゅん/集英社/4+1 すごい3位 俺マン10位 大賞9位 新刊5位
ebjノミネート 九龍城を舞台とした、大人の恋愛日常ストーリー。『恋は雨上がりのように』はダンジョン飯とゴールデンカムイと同時期だったし、ヒットする年に恵まれていない印象。平均順位の差で7位に。
6位 チェンソーマン/藤本タツキ/集英社/4+1 すごい1位 俺マン1位 ブロス2位 アル2位
読め16位 悪魔を喰らうダークファンタジー。銃の悪魔など終盤の怒涛の展開が大きな話題を集め、昨年とほぼ変わらない高評価を受けた。第2部の連載開始やアニメ化の決定など、今年も多くの注目を集めることになりそう。
5位 マイ・ブロークン・マリコ/平庫ワカ/KADOKAWA/5 すごい4位 読め3位 俺マン9位 ブロス1位 新刊9位
急死した友人の遺骨を奪い、あてのない逃避行へ。更新されるたびトレンドワード入りしたのが、2019年。単行本の発売が2020年1月。しかも1巻完結という、賞レース的には良くない条件が重なりながらも、この順位は立派の一言。
4位 カラオケ行こ!/和山やま/KADOKAWA/5+2 すごい5位 読め4位 俺マン8位 大賞3位 新刊6位
アル20位 ebjノミネート もともとは同人誌だったものに加筆修正をくわえての単行本化。合唱部の男子中学生が、なぜかヤクザに歌を教えることに。友情以上恋愛未満の濃厚ブロマンスが話題を集めた。続編?の『ファミレス行こ!』がちゃんと連載されるのか気になるところ。
3位 女の園の星/和山やま/祥伝社/5+3 すごい1位 読め6位 俺マン3位 大賞7位 新刊4位
書店員12位 アル27位 ebjノミネート 女子高に勤める男性教師を主人公にした、日常コメディ。中毒性の高い内容、作者の初連載作品ということで、大きな注目を集めた。2年連続は他にもいるが、複数作品で同時にランクインするのは、はじめての快挙。
2位 【推しの子】/赤坂アカ・横槍メンゴ/集英社/6+1 俺マン10位 書店員4位 アル7位 大賞5位 ebj3位 新刊7位
すごい11位 産婦人科医が推しのアイドルの子供に転生!? 異色のサスペンス・ラブコメ。赤坂アカと横槍メンゴという組み合わせから予想されるテイストを裏切る展開に、グイグイと引き込まれる。書店員や大賞などを筆頭に、手堅くトップ10にランクインした。
1位 葬送のフリーレン/山田鐘人・アベツカサ/小学館/6+2 すごい2位 俺マン2位 書店員2位 大賞1位 ebj2位 新刊2位
読め34位 アル24位 魔王を倒し勇者が死んだ後の世界を描くファンタジー。エルフと人間とで、時間の流れの感じ方が違うということの描き方が抜群に上手い。5つの賞で2位となったが、マンガ大賞でついに1位を獲得した。
10位以下では、わたしの幸せな結婚/顎木あくみ・高坂りと・月岡月穂 ゆびさきと恋々/森下suu 後ハッピーマニア/安野モヨコ 消えた初恋/ひねくれ渡・アルコ など、女性向け作品の健闘が目立っていたと思います。
2021/03/17(水) 19:00:00 |
ランキングのランキング
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先日、マンガ大賞2020の結果が発表され、2019年を対象にした漫画賞が出そろったことになります。そこで、今回は『どの作品が多くの賞にランクインしたかをランキング』してみました。
対象は…
・次にくるマンガ大賞 2019(次に)
・このマンガがすごい! 2020(すごい)
・THE BEST MANGA 2020 このマンガを読め!(読め)
・俺マン2019(俺マン)
・全国書店員が選んだおすすめコミック2020(書店員)
・マンガ大賞 2020(大賞)
・第3回マンガ新聞大賞(新聞)
・第10回ananマンガ大賞(anan)
・ブロスコミックアワード2019(ブロス)
の9つです。
1:10位以内にランクインした賞の数
2:↑が同じ場合は、10位以下にランキングされた賞の数が多い方が上位
3:それも同じ場合は、1でランクインした順位の平均が低い方が上位
というレギュレーションです。
第10位 その着せ替え人形は恋をする/福田晋一/SQUARE ENIX/2+2 次に6位 書店員3位
すごい16位 俺マン21位 コスプレを通じてギャルと引っ込み思案男子が愛を育む青春ラブコメ。『異世界おじさん』『ライドンキング』『王様ランキング』の3作品とランクイン数で並んだものの、平均順位の差で滑り込みで10位に。書店員の3位が効いた形に。
第9位 裸一貫!つづ井さん/つづ井/文藝春秋社/3 すごい8位 ブロス2位 新聞1位
アラサー腐女子の日常エッセイ。個人的には、完全に予想外の方向からの躍進だった。ブロスと新聞で順位が良いということは、サブカル方面?からの支持がアツいということだろうか?
第8位 違国日記/ヤマシタトモコ/祥伝社/3+1 すごい10位 俺マン10位 大賞10位
次に17位 両親を亡くした女子高生を叔母が引き取るところから始まる、歳の差同居ストーリー。3つの賞で10位に入るという粘り腰を見せた。昨年の5位に続き、2年連続のランクインを果たすという快挙。
第7位 スキップとローファー/高松美咲/講談社/3+1 すごい7位 俺マン3位 大賞3位
読め21位 田舎出身の天然インフルエンサーが巻き起こす、ハッピー学園ライフ。一昨年ごろからランキングでの強さを見せるアフタヌーン勢の、今年の急先鋒。個人的にはマンガ大賞を獲ると思っていたけど、3位に終わってしまった。
第6位 あせとせっけん/山田金鉄/講談社/3+2 次に9位 書店員6位 新聞2位
すごい17位 俺マン25位 汗っかきの女性と匂いフェチの男性の恋愛もの。スマホ配信限定のDモーニングから本誌へと栄転を果たした勢いそのままに、ランキングでも躍進。昨今の傾向から見て、ドラマ化しやすい題材だと思う。
第5位 僕の心のヤバいやつ/桜井のりお/秋田書店/3+3 次に5位 すごい3位 俺マン6位
読め37位 書店員13位 大賞11位 スクールカースト上位の女子と底辺陰キャ男子の、心をえぐるような恋愛未満のやりとり。作者のツイッター上で発表される番外編も破壊力が高く、ネット上のバズり具合、反響度ではトップだと思う。
第4位 水は海に向かって流れる/田島列島/講談社/4 すごい5位 読め2位 俺マン1位 大賞5位
複雑な事情を抱えた男子高生とOLが、同じ下宿で暮らすことに。セリフの言葉選びや、人間関係の微妙なバランスを描くのが上手い。俺マンでは、2作連続1位というのも素晴らしい成果。
第3位 夢中さ、きみに。/和山やま/KADOKAWA/5 すごい2位 読め1位 俺マン5位 ブロス1位 大賞7位
作者がネット上で発表していた作品をまとめた短編集。独特の会話センスとキャラ造型が好評を博し、書店では品切れ状態が続き『溶けるように売れる』と言われた。
第2位 チェンソーマン/藤本タツキ/集英社/6+1 次に2位 すごい4位 俺マン2位 書店員2位 新聞3位 大賞8位
読め12位 悪魔と一緒に悪魔を狩るダークファンタジー。ジャンプっぽくないグロさがウケたのか、前作の『ファイアパンチ』同様に高評価を受けた。ネットフリックスでアニメ化されそう。
第1位 SPY×FAMILY/遠藤達哉/集英社/8 次に1位 すごい1位 読め5位 俺マン4位 書店員1位 ブロス7位 新聞6位 大賞2位
それぞれに秘密を抱えた疑似家族を中心としたアクションコメディ。もともと対象外のanan以外の全てでトップテン入り。そのうち3つで1位を獲得し、ランキングを席巻した。2019年を代表する一作。
集英社・ジャンプ勢が、見事にワンツーフィニッシュを達成。講談社も強かったが、逆に小学館の不振が個人的には目をひいた。ポーの一族 ユニコーン/萩尾望都ぐらいしか目立った作品がなかった。
2020/03/20(金) 15:00:00 |
ランキングのランキング
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先日、マンガ大賞2019の結果が発表され、2018年を対象にした漫画賞が出そろったことになります。そこで、今回は『どの作品が多くの賞にランクインしたかをランキング』してみました。
対象は今年から拡大して…
・次にくるマンガ大賞 2018(次に)
・このマンガがすごい! 2019(すごい)
・THE BEST MANGA 2019 このマンガを読め!(読め)
・俺マン2018(俺マン)
・全国書店員が選んだおすすめコミック2019(書店員)
・マンガ大賞 2019(大賞)
・第2回マンガ新聞大賞(新聞)
・第9回ananマンガ大賞(anan)
・ブロスコミックアワード2018(ブロス)
の9つでやっていきたいと思います。
1:10位以内にランクインした賞の数
2:↑が同じ場合は、10位以下にランキングされた賞の数が多い方が上位
3:それも同じ場合は、1でランクインした順位の平均が低い方が上位
というレギュレーションです。
※ブロスは大賞を1位、神9を2~10位にし、+α枠を11位という扱いに。ananは大賞を1位、準大賞を同率5位という扱いにしています。 第10位 呪術廻戦/芥見下々/集英社/3 次に6位 俺マン1位 書店員1位
呪いにまつわる世界を描くダークファンタジー。『彼方のアストラ』『おじさまと猫』『ルーザーズ~日本初の青年漫画誌の誕生~』の3作品とランクイン数で並ぶものの、平均順位の差で滑り込みで10位に。俺マンと書店員の2冠がモノを言った。
第9位 凪のお暇/コナリミサト/秋田書店/3+2 すごい3位 ブロス8位 大賞10位
読め13位 俺マン31位 空気を読むことに疲れたOLが人生をリセットする。2年連続マンガ大賞でトップ10入りと、高く評価されている。秋田書店の連続アニメ化の次の弾はこれじゃないの?(実写化のほうが向いているか)
第8位 金剛寺さんは面倒臭い/とよ田みのる/小学館/3+2 すごい2位 俺マン8位 大賞7位
読め13位 ブロス11位 カタブツ女子と鬼の男子による最前線のラブコメ! 作品全体の熱量がハンパない。ちなみに9~7位は平均順位の差でついた結果だが、これは本筋とは大きく関わりのないことである!
第7位 来世は他人がいい/小西明日翔/講談社/3+2 次に1位 すごい9位 新聞1位
読め33位 書店員11位 ヤクザの家に生まれた男女による仁義なき恋愛物。昨年猛威を振るったアフタヌーン勢の一角。2016年には『春の呪い』が当ランキングの8位を獲得。2作続けての高評価となった。
第6位 終末のワルキューレ/アジチカ・梅村真也・フクイタクミ/徳間書店/4 すごい5位 書店員5位 ブロス2位 新聞7位
世界中の神々vs偉人・武人の人類の存亡をかけた13vs13のタイマン勝負。心の中の小5魂が熱くなる。昨年までのレギュレーションだと、ブロスと新聞がなかったのでランク外だった。
第5位 違国日記/ヤマシタトモコ/祥伝社/4 すごい4位 読め5位 俺マン3位 大賞4位
両親を亡くした女子高生を叔母が引き取るところから始まる、歳の差同居ストーリー。『HER』『ドントクライ、ガール』『BUTTER!!!』などに続き、ヒットメーカーとしての力を見せつけた。
第4位 極主夫道/おおのこうすけ/新潮社/4+1 次に3位 すごい8位 書店員2位 ブロス3位
俺マン28位 最凶ヤクザが主夫に華麗な転身を果たす。様々な家事を極道のノリでこなしていく。ほかにPixivコミックランキングで総合1位を獲得。Web発作品としてはトップの成績を残した。
第3位 ブルーピリオド/山口つばさ/講談社/4+2 すごい4位 俺マン5位 新聞3位 大賞3位
次に15位 読め13位 リア充男子が藝大受験に挑む、熱血美術ストーリー。実際の美大生の絵を作中に取り入れたり、意欲的な画面作りが目を引く。最近、プライベートではご結婚をされたそうで、幸せ続きでなによりです。
第2位 メタモルフォーゼの縁側/鶴谷香央理/KADOKAWA/5+1 すごい1位 読め1位 俺マン2位 ブロス1位 大賞8位
次に18位 75歳の老婦人と10代の書店員がBLを通じて友情をはぐくむ。3つの賞で1位を獲得。俺マンでは僅差の2位とランキングを席巻し、文化庁メディア芸術祭の新人賞も獲得した。2018年を代表する一作。
第1位 ミステリと言う勿れ/田村由美/小学館/7 すごい2位 読め8位 俺マン9位 書店員9位 ブロス4位 新聞8位 大賞2位
天然パーマの大学生が飄々とした『語り』で謎を解いていく。1位になった賞はなく、トップ5に入ったのも3つだけ、それでも次に以外で10位以内に入り、幅広く支持された結果、見事トップに輝く。
あとは
地獄楽/賀来ゆうじ/集英社 書店員4位 新聞4位 次に11位 すごい16位 俺マン41位
アクタージュ/マツキタツヤ・宇佐崎しろ/集英社 次に5位 書店員3位 すごい35位 俺マン12位
ここは今から倫理です。/雨瀬シオリ/集英社 次に7位 すごい12位 読め39位 俺マン22位
の3作品が、10位以下のランクインが多く『隠れ人気作』といった感じです。
ランキングを見て2018年は、女性作家が躍進したかなと思ったけど、過去のランキングを見ても大体男女比が半々だったので、そんなことはなかった。あと、講談社と小学館の2つをのぞいて、各出版社が1作ずつのランクインというのも、バランスが良くて興味深い。
2019/03/23(土) 17:28:00 |
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