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晴耕雨マンガ

天国大魔境の小ネタ募集中/9月は、木根さんの1人でキネマ。

木根さんの1人でキネマ 第4巻の感想




映画紹介マンガの第一人者『木根さんの1人でキネマ』第4巻の感想です。



・19本目 エクソシスト
お正月で、実家に帰省中の木根さん。そこで娘の(極度の)映画好きを案じる母親と、永年の恩讐を越えて対峙することに。まぁ、三十ウン歳を越えても映画ばかり観ている娘は、まさに悪魔にとり憑りつかれているようなモンだろうからな。見どころとしては、年月を経て魔窟化していく木根さんの部屋の様子×3が最高だった。特に中期は、チェーンソー(のオモチャ?)を買っていたり、連続殺人モノによく出てくる地図(付箋がベタベタ貼ってあったり、犯行現場をヒモで繋いでいるヤツ)が飾ってあったりと、ネタ度が濃すぎる。


・20本目 ◯◯の危機コメディ
佐藤さんが急にジムやカルチャースクールに通ったり、インドに自分探しに行ったり、金髪にして会社を辞めようとしたりする。心配になりながらも、映画によくある『中年の危機コメディ』を引き合いにだし、自分にできることは何もないと考える木根さんだったが……。44~45Pの涙を浮かべながらビンタする木根さんなど、女性版ブロマンス的な感じが良かった。この巻のハイライト。あと『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』って映画、コメディのくくりに入れてもいい内容のものだったのか。


・21本目 ダイ・ハード
仕事が終わって帰ろうというタイミングで、エレベーターに閉じ込められてしまった木根さん、佐藤さん、工藤ちゃんの3人。修理まで時間がかかるとのことだが、3人ともトイレに行きたくてしょうがないのだった。この話では木根さんが擬態中ということもあり、工藤ちゃんが説明役に回るのが新鮮だったし、ガマンの限界(色んな意味で)を迎えた木根さんの怒涛のカミングアウト?からの「イピカイエ 分かったか!!」への流れが素晴らしかった。しかし工藤ちゃんは、普通の?映画ファンとしての地位を確立したな。


・22本目 トイ・ストーリー
母親の強制執行によって、実家にあった映画グッズが現在の家に送りつけられることに。それを受けてDVDたちはご主人(木根さん)のところに行けることを喜ぶのだが……。後半の木根さんの語りは別に映画に限らず、本やゲームなんかを積んどく人にとっては耳の痛い内容かも。作中では『プライバシーに配慮』ということで、各DVDはイニシャル表記されているのだが、メインとなるR・B・Cが、なんの映画なのかが分からない。Rは色んなバージョンで出てて、BはDVDのみでボックスみたいな形。CのDVD版は、CDと同じサイズのパッケージだろ……? 


・23本目 ロッキー
楽しみにしていた映画を観るため、仕事を早く片付け体調を整えて、万全のコンディションで映画館に飛び込んだ木根さん。しかし、上映中にずっとガサガサという雑音がして内容に集中できないのだった。ロッキーを心の支えにガツンとクレームを言ってやろうとした木根さんだったが……。134~135Pの見開きは、セリフが書かれなかったことで「何を言ったんだろう?」と、いろいろと想像が働かされて良い演出だった。上映後のやり取りをふくめ、この巻のベストエピソードだと思う。


・番外編 40歳の童貞男
佐藤さんが主役の番外編。ほとんど映画を観ない佐藤さんだが、木根ライブラリの中で唯一気になる作品があった。それは『40歳の童貞男』。自身の男性観から逸脱したタイトルに興味がかき立てられるのだが、木根さんにバカにされることを警戒して踏ん切りがつかないのだった。途中のドタバタ具合、特に151Pの佐藤さんの惨状は笑えるものだったが、本家の映画もこんなテイストなのかな? あと、この話ではじめて佐藤さんの下の名前が香澄と判明。初登場してから約2年も名前が不明だったのか。















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  1. 2017/10/28(土) 11:15:36|
  2. 木根さんの1人でキネマ
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木根さんの1人でキネマ 第3巻の感想



『木根さんの1人でキネマ』第3巻の感想です。電子版で買ってみました。


・13本目 『ダークナイト』とアメコミヒーロー映画
映画『ダークナイト』にトラウマのある佐藤さんにとっては、アメコミ映画はどれも同じに見えてしまうものだった(全部バットマン)。木根さんは『初心者』だからとあしらうが、それが『相手を論破したいだけウーマン』という、おそろしい悪役を生み出してしまうことになるとは……。「アメコミ映画で描かれる正義とは何か?」というテーマに答えを見つけ出し、和解するときの荒いドットのアメコミ風の絵になる2ページが良かった。あと、各ジャンルの映画にも突っ込んではいけないお約束があるという説明の中で、何気にディスられているホークアイがカワイそう。


・14本目 ジョーズ
姪の星莉奈ちゃん(セッちゃん)をあずかることになった木根さん。佐藤さんや高校時代の友人3人も巻き込んで面倒を見ることに。遊園地の帰りにレンタルショップに立ち寄るが、そこでセッちゃんが選んだのは『ジョーズ』だった。5歳児に見せていい映画なのかどうか? 激論が交わされることになる。『ディープ・ブルー』が2種類あったりといった小ネタも豊富だが、この話の肝は『子供が映画から受ける影響について』だよな。あと、サメ映画が多いというネタもあったけど、他のマンガで『ヒレとキバでサメと認識できる』『歩かせる必要がない』と理由が説明されていたな。


・15本目 夏のホラー回/ホーム・インベージョンムービー
突然、何者かが家に侵入してくるホラー映画『ホーム・インベージョンムービー』を観た日の深夜、チャイムを鳴らす音がだんだんと近づいてくることに気づき目を覚ました木根さん。佐藤さんを起こし対応しようとするが、ことごとく『ホラー映画あるある』を踏襲してしまうことに。基本的には、木根さんが1人でパニクっているだけなのだが、63~64ページの見開きや、オチのつけかたにゾッとさせられる。海外ドラマを観ていても思うけど、アメリカの家ってすぐに家宅侵入されちゃう印象がある。ドアも木製で、すぐに蹴破られるし(偏見)。


・16本目 ファイト・クラブ
木根さんの部下、工藤ちゃんが(木根さんのものと知らずに)ブログ『1人でキネマ』を発見。そこから映画にハマっていき、映画部を発足させるにまでいたる。最初は、周囲の人間が映画の話をすることにホクホクの木根さんだったが、次第に工藤ちゃんが先鋭化していき他の社員から白い目で見られることに……。ブログ開設時の言葉が、今回の騒動を引き起こしたカルマ的な展開が良かったが、93ページで洗濯物をたたみながら佐藤さんが言ったひとことが解決につながる流れが、個人的なこの巻のハイライト。仮にドラマ化されたら、この話が最終回に相応しいと思う。


・17本目 新世紀エヴァンゲリオン
高校時代の友人でアニオタのキョーコさんと、飲み屋で口論になった木根さんは『新世紀エヴァンゲリオン』のテレビシリーズのDVDを借りることに。第壱話から第弐拾四話でドップリとハマっていく流れ。そこからの残り2話で終わっていない!とブチギレ、キョーコ宅に押しかけて『シト新生』を借りる → 終わっていない! の天丼展開、さらにエヴァならではの次回予告オチも最高だった。118ページでキョーコさんが語っているエヴァへの思いは、30~40代くらいの人は激しく共感できるはず。それにしても映画の『:||』は、いつ公開になるんですかね?


・18本目 スタウォーズ回エピソード5/3バカの逆襲
4本目に登場した、スターウォーズのことが好きなオッサン社員3人が再登場。『シリーズをどの順番に見るか問題』をぶり返す。これまで培ったスキルを使って、なんとか鎮火させようとする木根さんの努力もむなしく、オッサン社員たちはスターウォーズ上映会を開催する。木根さんが様子を見に行った141~142ページの見開きが切なすぎる。3人だけでお菓子や飲み物を用意したのかと思うと泣けてくる。それにしても、ジョージ・ルーカスですら被害を受けるって『スター・ウォーズ・ハラスメント』嫌すぎるだろ。スター・ウォーズの新作が公開されるたびに、このシリーズは続くんだろうな。





この巻では、お尻描写が激減。16本目で工藤ちゃんを叱るシーンくらい。














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  1. 2017/01/29(日) 07:36:42|
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木根さんの1人でキネマ 第2巻の感想




映画好き“ウザ”コメディ『木根さんの1人でキネマ』第2巻の感想です。


・7本目 ジブリ映画
木根さんの表(?)の顔は立派なビジネス・ウーマンであり、複数の部下を持つ課長。そんなカワイイ部下たちと行った飲みの席で『ジブリ映画』を観たことがないという事実が発覚してしまう。そこから佐藤さんも参戦し(前話のリベンジ)、ジブリ映画おすすめ地獄が開幕してしまう。それを静めるための“滅びの言葉”を口にする前の木根さんの「魂がハゲる」は、名言だと思う。あと、すでにジブリの制作部門が解散されていて、もうジブリ映画は作られないということを、どれくらいの人が知っているんだろう?

・8本目 ラブ・アクチュアリー
クリスマス回。ゾンビやアクション物だけでなく、実はロマコメも好きな木根さんと、元夫とのことをいろいろと思いだしダウナー気味の佐藤さんが『ラブ・アクチュアリー』を観る。2人の会話は主にアラサー女子の出会い・結婚うんぬんに割かれる。45ページの木根さんの「面倒くせぇえええええ」までの流れ、48ページの佐藤さんが語る『アラサーが陥りがちな穴』の話は、胸に刺さりまくって痛すぎる。あと、この巻でもケツメインのコマはあるんだけど、それに加えてこの話では脚が強調されているような……。


・9本目 洋画タレント吹き替え問題
アリス・ガードナーは、女優を夢見て田舎からハリウッドに。レッスン、バイト、オーディションの毎日に気持ちが折れかけていたころ、ついにひとつの役をつかむ。しかし、直後に悲劇が待っていた……。顔に大きな傷が残ってしまったアリスは、女優になることができずに荒れた生活を送っていたが、妹から渡されたぬいぐるみの中に隠されたメッセージを見つけ、再び夢に向かって歩き出す……。っていう映画の吹き替えをポンコツ新人タレントがやるということに、木根さんがブチギレる。『話題の超大作』と『声優初挑戦』は、ひとつの文の中に同居できないと早く気づいてほしい。

・10本目 タイタニック
木根さんが同窓会に参加する。高校時代の擬態は完璧なものではなく、思春期の自我が災いし『評価の高い映画を評価する私カッコイイ』という状態になってしまっていた。そのため、対外的には(本当は好きな)ハリウッド大作をディスるようになっており、隠れて観に行った『タイタニック』の劇場で、友人3人と鉢合わせしてしまう……。10年以上の時を経て真実を告白しあい、和解する流れは素晴らしいものの、友人3人の左手薬指にそれぞれ光る物があるということに気づくと、一気に切なさが逆転する。


・11本目 マッドマックス 怒りのデス・ロード
2015年。『マッドマック 怒りのデスロード』を観るためにくり返し劇場に足を運ぶ木根さんに、佐藤さんは呆れ顔。熱が冷めたと思ったころに届いたブルーレイを佐藤さんも観ることになるが、そこで見事にV8教に入信してしまう。128~129ページの見開きは、木根さんはもちろん、いつもは無表情だったり暗い表情が多い佐藤さんも笑顔なので、とても楽しい気持ちにさせられる。それから、特に内容の説明や感想がないにもかかわらず『映画ビリギャル』は、すごいディスられた感がある。


・12本目 ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
10本目で和解した友人3人、キョーコ、ネネ、トッシーを自宅に招待し、鍋パーティーすることになる。そこで木根さんは、主賓としてどんな映画を上映すればいいのか悩むが、皆そんなに興味はないのだった。それでも『ハングオーバー!』に上手く誘導してから『木根さんの みんなでキネマ』が開幕する流れは面白かったが、152~153ページの見開きの中で結婚未経験なのが木根さんだけというのが、なんとも……。あと、冒頭の死屍累々の見開きで、段ボールの中にクリーチャーが潜んでいるのがとても気になる。誰が持ち込んだんだ?



次巻、木根さんと佐藤さんのシビル・ウォーが幕を開ける……ッ!














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  1. 2016/07/01(金) 18:42:05|
  2. 木根さんの1人でキネマ
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木根さんの1人でキネマ 第1巻の感想




アラサー女子の映画ライフ『木根さんの1人でキネマ』の感想です。主に、ヤングアニマルDensiにて公開されたものが収録されています。


・1本目 ターミネーター3
この話のみヤングアニマル本誌に掲載された読み切りで、2本目以降のプロトタイプとなったエピソード。映画好きのアラサーOL木根真知子さんは、それまで敬遠していた『ターミネーター3』を観てみたところ、予想以上に面白かった。そのことをブログ&ツイッターにアップしたところ、返ってきた反応は「2のほうが面白いですよ」だった。そこから怒涛の反撃を始める木根さんだが、その騒々しさに隣人から壁ドン・床ドン・天井ドン攻撃を浴びることに。『世界の中心で~』じゃなくて『ヒューマン・キャッチャー』が観たかったりする、木根さんの偏屈な映画愛が爆発する15Pの独白のテンションの高さが素晴らしい。


・2本目 バッドボーイズ2バッド
土日で映画10本を観ようと考える木根さんの家に、同期の水城さん(あまり仲良くない)が訪ねてくる。話を聞くと、旦那の浮気現場を目撃し家を飛び出してきたものの、行くところがないのだという。旦那への未練が断ち切れずモヤモヤしている水城さんに、木根さんが薦める映画とは……? タイトルに『1人で』とありながら、いきなり同居人が登場するという展開に若干の違和感はぬぐえないが、まぁ一般人視点で疑問を提示する役割の必要性も分からなくはないので、致し方ないか。あと、オマケで『木根さんが所蔵しているDVDは背表紙が黒いのばかり』と明かされるが、この単行本の背表紙も黒いという……。


・3本目 インディー・ジョーンズ
会社の部下から飲みに誘われようとも、暴風雨によって交通網がマヒしていようとも、映画を観に行こうとする木根さんに対し「何でわざわざ映画館行くの?」と、佐藤(旧姓水城)さんから疑問が示される。『きのこの山vsたけのこの里』なみの難題に対し、木根さんはどう答えるのか? この話ぐらいから1話に1回、木根さんの尻が強調されるコマが描かれるようになるのだが、コレは作者の趣味なんだろうか?


・4本目 スター・ウォーズ
先日公開され、話題を呼んだ『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』。そのネタバレを阻止するためには、あらゆる行動を取ることをためらわない木根さん(この話が公開されたのは7月なので、映画公開は5か月以上先のこと)。しかし、会議中の上司と取引先の2人が、みなスター・ウォーズ好きだと発覚。新作について話し始めてしまう。木根さんがここから見せた、起死回生のネタバレ回避策とは……? 今回は、木根さんの作戦も見事だったし、佐藤さんによるオチのつけ方も上手いと思った。映画公開に合わせてヤングアニマルDensiで限定復活したし、この巻のベストエピソードか。


・5本目 ゾンビ映画
風邪で寝込むことになった木根さん。会社に行かなくてもいいので、ゾンビ映画をむさぼるように観る。それこそ、何かのウイルスに感染してしまったかのように……。この話は、単純に木根さんが語る『ゾンビ映画史』が面白くためになった。「『ゾンビ3』って『ゾンビ』の続編ちゃうやんけ」とあるので、軽く調べたら、『サンゲリア』が勝手に『ゾンビ2』を名乗り『ゾンビ3』は、これとも無関係。しかも『サンゲリア2』の原題も『ゾンビ3』で……と、ワケが分からない。


・6本目 バック・トゥ・ザ・フューチャー
佐藤さんが、新居を見つけ引っ越すことに。しかし、居候していた2ヶ月のあいだで、1本も映画を観なかったことに木根さんは納得がいかない。折しも2015年は『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』で描かれた、未来の年。なんとか名作を見せようとするものの……。険悪な空気が漂っていた2人の和解からオチへの流れも素晴らしかったが、途中の黒歴史パートで胸が痛くなる。特に126Pの中学時代の木根さんに投げかけられる言葉の数々は、トゲが鋭すぎる。あと、この回の尻パートでは、ついにズッコケた尻に喋らせるという暴挙に。



第2巻では、木根さんでも見たことのない映画があることが発覚。しかも、あの国民的アニメとは……。











テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/12/27(日) 12:09:51|
  2. 木根さんの1人でキネマ
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