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晴耕雨マンガ

天国大魔境の小ネタ募集中/1月は、六道の悪女たち。

今年の読み切り漫画まとめ 2019

◯はじめに
今年も残り1ヶ月を切り、さまざまなマンガ関係の賞が発表される季節になってきました。でも個人的に気になるのは、その選考対象がどれも『単行本』だということ。雑誌に掲載されたりWebで発表されたマンガが、すべて単行本化されるわけではありません。そこで、昨年12月から今年11月までで自分が読んで面白かったと思う読み切り、および単行本化されていない短期連載作品をまとめてみたいと思います。

○週刊少年チャンピオン 短期連載
今年、掲載された短期連載は8本。単行本化したTVアニメ創作秘話~手塚治虫とアニメを作った若者たち~/宮﨑克・野上武志(8~15号掲載)などを除いたなかだと、個人的には
熊を殴りに行く/ノーザンアッパー(44~46号掲載)を推したいと思います。
熊を殴りに行く/ノーザンアッパー
自分に勝ったチャンピオンを襲った熊を倒せば、自分のほうが強いことになるんじゃね?という単純な発想から、本当に体を鍛えて北海道に熊を殴りに行く。話が単純明快だし、熊の後もトドやオオカミと対決する熱さと勢いがあった。再登場していただきたいところ。

○週刊少年チャンピオン 読み切り
今年掲載された読み切りは、作者27人で42本。単行本からの再録であるREVENGE TOKYO/板垣恵介(13、16、20、26、30号掲載)や、創刊50周年記念リバイバル読み切り作品 (6~43号掲載)を除いた中で良かったのは
また姫がさらわれた/吉田達弥(9号掲載)
何度も魔王にさらわれてしまうので、すっかりモンスターたちと意気投合してしまったお姫様が、敵地での暮らしを満喫してしまう。
ローンウルフ/奥嶋ひろまさ(26号掲載)
車イスのおじいちゃんと、その孫が大金を持っていることを知ったヤクザが仕掛けてくる。しかし、この2人が……。孫のほうは予想できたが、祖父のほうもとは……。介護版の子連れ狼。
ナミダドライブ/掛丸翔(33号掲載)
卓球の試合で高校生相手に苦戦を強いられる小学生選手。あることでスイッチが入る。泣き虫+小学生+卓球は、日本人が刷り込まれている黄金の方程式。
イシュメリウム/荒井俊太郎(48号掲載)
連続不審死の原因は、見ると感動のあまり『自殺してしまう花』。全体的に淡々と進むだけに、花が描かれたページのインパクトが強い。
異世界セールスマン世渡さん/吉谷光平(49号掲載)
魔王に様々な商品をプレゼンすることで、進軍を食い止める世渡さんの見事なセールストーク。話の構成レベルがとても高い。
といったところ。ベストは、
鮫神鉄拳ジャッポ/綿貫琢己(29号掲載)です。
鮫神鉄拳ジャッポ/綿貫琢己
治安が最悪で銃の使用が当たり前の国。主人公のジャッポは尊敬する父親の言葉を守り、銃に頼らない強い男になろうとしていた。絵や話の構成などは、かなりの高レベル。テーマを『対銃』に絞ったのも、功を奏していると思う。
あと、今年のチャンピオンのハイライトは、ジュニオール/灰谷音屋のトリックFK。MVPは、もういっぽん!/村岡ユウの南雲安奈。流行語大賞は「幸せ行きの最終列車」(山口貴由 13号のインタビューにて)。ベスト表紙賞は43号(電子版)です。
ジュニオール FK(11号)南雲安奈MVPシャイ表紙

◯アフタヌーン
アフタヌーン本誌、およびモアイとコミックDAYSにアフタヌーンレーベルとして公開された読み切り(ほとんどが四季賞入賞作品)を合計48本読みました。出張版のキョムノヒガン/オズノらいおん(4月号掲載)や機械仕掛けのジュブナイル/久慈進之介(5月号掲載)などを除いた中で良かったのは
マイシー・マイサマー/水戸市子(good!アフタヌーン18年12月号掲載、モアイ2/22公開)
実在の詩人・イェイツをモチーフに、アイルランドに伝わる妖精伝説を繊細に描く。はじめは、いわゆる『ひと夏の経験』的なものかと思ったが、ラスト数ページでガラッと状況が一変するのが見事。構成が上手い。
こっちむいて!ポニーテール/真木しう(good!アフタヌーン2月号掲載、モアイ3/29公開)
子供のころのある事件で髪型を変えてしまった女の子に、ポニーテールに戻してもらおうと主人公が奮闘?する。『ポニーテール部』とか全体的にはバカバカしい空気感なのに、しっかりと青春要素もある。
すいか/森とんかつ(good!アフタヌーン7月号掲載、モアイ6/7公開)
新任の教師が、学校の百七不思議のひとつであるスイカという少女に翻弄される。ギャグとホラーが融合しているのだが、そのときの『HEY!』みたいなアオリ?が面白い。コメディ枠として最高。
鉄紺の春/竜丸(コミックDAYS 8/16更新)
死んでしまった友人の持ち物から新品のコンドームを発見した友人2人が、彼が好きだった女子をレイプすることで弔いにしようと考える。全体的に青春期のやり場のないリビドーがあふれている。
Letter/近藤汐音(コミックDAYS 11/1更新)
妖精などを見ることはできても、サンタは見たことのない少女。そこで手紙を使って正体を探ろうとする。世界観というか作品の空気感が素晴らしい。作者はこれで19歳とは。驚き。
各期の四季大賞受賞作が良いのはもちろんなんですが、個人的には
ナミダノアイランド/芥川ミサヲ(モアイ3/15更新)をベストに推したいと思います。
ナミダノアイランド/芥川ミサヲ
環境悪化によって月軌道上で人類が暮らしている世界。それでも地球の海に強いあこがれを抱く主人公。しかし、仕事やプライベートで上手くいかず……。体内世界に舞台が移ってからは、鯨が飛び出す見開きなど、見ごたえのあるシーンばっかり。絵も良いし、新しい一歩を踏み出すシメも素晴らしい。

○ハルタ
今年ハルタ、ハルタオルタに掲載された読み切りは作者61人の75本という驚異的な数字に。そこから、事実上の不定期連載であるつきたて!餅小町/佐藤春美(60~61、63~65、67~68号掲載)や単行本に収録された太陽をおみやげに/鶴淵けんじ(66号掲載)などを除いた中で良かったものは
山田運送株式会社/渋谷圭一郎(60号掲載)
友達と長年続けてきたクリスマスパーティーに、ある種のむなしさを感じていた泉は、帰り道に不審人物を目撃したことから、ある仕事を手伝うことになる。泉の考え方が段々と変わっていき、トビラとラストのページで表情がガラッと変わっているのが良い。
リトル・ホテリエ/荒木美咲(61号掲載)
小学生ながらホテルの支配人も務める天堂のぞみ。バリバリと仕事をこなす一方、友達との関係に悩んだりもする。設定も面白いし、のぞみやベルマンの樋口をはじめとする従業員のキャラも面白い。
タートルネック先生と/高江洲弥(62号掲載)
先生に10年越しに好意を伝え続けるハルコ。彼が抱える事情を知っても、その気持ちは変わらないのだった。タートルネックを着続けていた理由よりも、娘のアキラを交えての3人の関係性の描かれ方が上手い。
まつ毛のない人魚/須川佳(63号掲載)
娘にせがまれ、水族館に人魚を観に行った母親。美人ばかりを集めたマーメイドショーの歪さに強烈な違和感を覚える。そして、若いころに見た荒々しい野生の人魚との対比のシーンがとても印象的。いろいろと現代社会への皮肉も込められている。
秘密の花園/百名哲・冨明仁(64号掲載)
漫画家仲間に誘われて、はじめておっぱいパブに来た富野。そこで接客についた女の子がDVを受けているということから、助けようとするのだが……。両先生の持ち味が化学反応を起こしていて、抜群に面白かった。特に冨先生の描く百野が、そのまますぎて凄かった。
琥珀の鳥の夢/丸山薫(ハルタオルタ掲載)
表向きは優秀な教育者の義父から虐待を受けていたジャイルズは、琥珀の中に閉じ込められていたハーピー(?)にエーレと名前をつけて、心の拠り所としていた。見開きの美麗さや寓話的なオチのつけ方など、さすがの実力という感じ。
夢見の沙汰も君次第/夏田祐美(69号掲載)
夢の中で出会ったミラは、夢の中の物しか食べることができない。朱太郎は、その手伝いをすることに。飛び降りるシーンが、前半と後半で2人の表情が違っていたり、ミラが水面に映った太陽を食べるところなど、印象的なシーンが多かった。
といったところ。ハルタのベスト、および読み切り・オブ・ザ・イヤーは
愛の焦土/吉田真百合(ハルタオルタ掲載)です。
愛の焦土/吉田真百合
地球侵略真っ最中の父親から、ゴッホの『ひまわり』をお土産として受け取った兄は、すっかり魅入られてしまう。心配した弟は、実際に地球のヒマワリ畑に行くことを提案する。本物のヒマワリに囲まれた絵画の『ひまわり』という見開きから、まさか一気にダークな方向に転調してしまうとは。インパクト大の内容。

○ジャンプ系
今年はジャンプ系の作品も多く読んだので、かんたんにまとめたいと思います。
魔法少女れおの性活/高山としのり(ジャンプ+1/4公開)
悪と戦う魔法少女のサポート妖精が、な夜なセックスするし、複雑な四角関係を抱えている。そもそも、興奮すると体から出るジュエルは何のメタファーなのか? キメ所の絵も良いし、ヒロインが終始ツッコミ役に回っているのも面白い。
友達の友達は友達じゃない/さざなみ游(ウルトラジャンプ4月号掲載)
転校先で生徒会長と仲良くなった主人公。しかし、その親友からは露骨に嫌悪感をぶつけられてしまう。女3人のビミョーな距離感。それから、タイトルの本当の意味が分かるラストが素晴らしい。
山田キキ一発/龍幸伸(ジャンプ+4/27公開)
国から怪獣退治を任されている女子高生。戦闘スーツを忘れたために制服姿で戦うことになり、下着が見えそうになることと好きな男子への気持ちで上手く戦うことができない。絵が良いし、バトルの躍動感もある。。
color/峰浪りょう(ヤングジャンプ38号掲載)
恋愛に興味を持てない無性愛者の主人公。仕事もうまくいかず孤独を感じていたときに、小学校の頃の親友から連絡がくる。性の不安定さや社会との距離感に悩みながらも、最後は安住の地を得られたようでなにより。現代的なジェンダー感。
イン・ザ・グラウンド/竜丸(ヤングジャンプ50号掲載)
思春期ゆえの不安定さから下着ドロを働いてしまった少年。被害女性の弟(無職)との交流から、なんとか心のバランスを取ろうとする。難しいテーマながらも、キチンとエンタメしている。
といったところが印象に残っています。ベストは
リインカーネーション/鳴名ガオ(ジャンプSQ RISE 2019 SUMMER掲載)です。
主人公は転校早々、幽霊少女に気に入られることに。無理してクラスになじもうとする様子と、自然に幽霊と話す様子の対比が良かった。そして全てが明らかになったあとの、2人きりの映画館でのやり取りが最高。続編として、シレっと映画紹介コメディが始まっても驚かない。
リインカーネーション/鳴名ガオ

○その他
そのほかに、定期購読している以外の媒体で気になった読み切りは
おナスにのって/岩田ユキ(漫画アクション 2018年24号掲載)
生まれる前に死に地獄で18年過ごした主人公が、お盆に母親のところに帰れることに。現在の母親の生活ぶりや、なぜ堕ろさなければならなかったのか?といったことが明らかになり、全体的に切ない空気に包まれている。「もしも……」のページと、お供のナスの健気ぶりも良い。
いとしくておいしい/鯨庭(トーチweb 1/18公開)
龍神に生贄に捧げられる少女。しかし食べられるわけではなく、1年限定で龍神の世話をすることに。少女はその期間で龍神に惹かれ心を通わせていく。終盤での双方の気持ちの揺れ動き方が凄まじかった。躍動感のある龍の描写も見事。
俺とわたし、そしてあなた/高田ローズ(ハツキス7号掲載、コミックDAYS2/16公開)
元から女性に嫌悪感を持っていた主人公が、病気にかかり完全に女性の身体に。新スタートを切ろうとしたときに、男の親友や告白してきた女子と再会し、いろいろと心が揺れ動く。気持ちの変化が繊細に描かれている。
さがしてよ/トウテムポール(モーニング15号掲載)
ひさしぶりに同窓会に出た主人公。小学校のころ憧れに近い感情を持っていた友人の消息がつかめなくなっていたことを知る。彼の行方を追う過程で、それまで知らなかった様々な側面が知れるのもいいし、全体的な淡々とした語り口も良い。
五月に隕石、六月には京都/安彦晴(ビッグコミックスペリオール9号掲載)
クラスの人気女子3人を眺め、漫画にして楽しんでいた底辺男子3人組。しかし、そのうちの1人はガチで恋をしていた。絵に若干のクセはあるものの、話の構成、修学旅行の班決めで勇気を振り絞る様子が良かった。唯一彼らの趣味を知っているメガネ女子が、実はいちばんイイ女だと思う。
Player/田沼早和(モアイ5/28公開)
第1回e-cup準大賞。幽霊と陰口される少女が、ある少女と出会う。ある程度正体は読めてしまうが、もうちょっと「2人でいるんだけど……」的なシーンが欲しかった。でも、青春の瑞々しさはあった。
moon light for/幌山あき(ヤングマガジン28号掲載、コミックdays6/10公開 )
第80回ちばてつや賞 ヤング部門大賞。結婚相手の連れ子との距離感に悩む主人公。その子が真面目に習っていたピアノを突然辞めたいという。気持ちを打ち明けるシーンがとても切ない。「もうパパはいないのに どうして私は下手くそなピアノ弾いているんだろう」なんて、泣きたくなる。
義父の息子/金賢智(モーニング32号掲載)
第75回ちばてつや賞 一般部門大賞。大学受験直前で轢き逃げに遭った主人公は、その轢き逃げ犯の息子として生まれ変わる。恨みを晴らすため子供ながらに復讐を考えるのだが……。絵が抜群にうまいし冒頭のキモ男が実は……という構成も見事。転生×タイプリープという手あかのついてそうな題材でも、ここまで描くことができるとは。
つばめティップオフ/ワタヌキヒロヤ(コミックメテオ8/14公開)
長身女子の後輩と、低身長先輩のバスケもの。話の空気感や2人の距離感が良い。バスケ描写も、ターンひとつに絞っていて読みやすくなっている。先月から連載がスタート。
察せませんズ/路田行(くらげバンチ9/6公開)
彼氏から別れ話を切り出された彼女。いろいろとネガティブな思考が駆け巡るが、踏ん切りをつけるために、思い切って理由を聞くことに。絵の雰囲気も語りのテンポというかノリが軽快で素晴らしい。
美術室の化物/やまのべ(サンデーうぇぶり 10/21公開)
幼いころから絵を描いてきたが、親からのプレッシャーにより、賞を獲るための技術ばかりを磨いてきた主人公。高校で自由に絵を描いている天才と出会い、いろいろと衝撃を受ける。天才のほうがケガした利き腕を使わずに描いた絵のところだけカラーになる演出が良い。
エンペラマンさつがいけいかく/梶川岳・福山暁(ゼノン編集部 11/8公開)
親から虐待を受け世界の破滅を願う2人の少女が、怪獣を倒すヒーローを負けさせる計画を練る。絵が抜群にうまいし、話の運び方も、2人の考え方が180度変わるラストも見事。




といったところ。来年も、こういうことができたらいいと思います。よろしくお願いします








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  1. 2019/12/07(土) 15:00:00|
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今年のマンガ賞にランクインしてきそうなマンガ予想 2019

さて今年も残り1ヵ月半となり、様々な漫画関係の賞が発表される季節となりました。各所でランキング予想されると思いますが、このブログでもやってみようと思います。例年は20作品を選んでいましたが、今年は少し絞って15作品にしたいと思います。
※あくまでも『ランク入りしそう、評価されそう』という基準で選んだものですので、必ずしも全てを読んでいるわけではありません。ご了承ください。
タイトル/作者/出版社/単行本既刊数



◆ジャンプ系
SPY×FAMILY/遠藤達哉/集英社/2巻
スパイの父、娘はエスパーで、母が殺し屋。テンポよく展開されるアクションコメディで、すでに売り上げで30万部を突破。次に来るマンガ大賞でも1位を獲得している。今年の本命だと思う。
チェンソーマン/藤本タツキ/集英社/4巻
悪魔とひとつになって悪魔を倒すッ! 作者独特の世界観で描かれるダークファンタジー。前作『ファイアパンチ』も好評価を受けており、ジャンプ本誌から何かランクインするとすれば、これしかないかと。


◆前作が売れたよ系
潮が舞い子が舞い/阿部共実/秋田書店/1巻
作者ならではの言語センスが乱れ飛ぶ学園コメディ。『ちーちゃんはちょっと足りない』がこのマンガがすごい!2015で1位。『月曜日の友達』は俺マン2017で3位など。ただ、今回はコメディテイストが強いのでどうなるか。
僕らの色彩/田亀源五郎/双葉社/2巻
ゲイを隠して生きる男子高校生の繊細な日常。『弟の夫』はメディア芸術祭優秀賞やアイズナー賞などを受賞し、ドラマ化もされた。が、今回選んだ中では、いちばん自信がない。
水は海に向かって流れる/田島列島/講談社/1巻
高校進学を機にシェアハウスで暮らすことになる主人公。そこには父親のかつての浮気相手の娘がいた。マンガ大賞2015で2位などを獲得した『子供はわかってあげない』同様、人間関係の描き方が上手い。


◆ネットでバズり系
新しい上司はど天然/いちかわ暖/秋田書店/1巻
パワハラにあって転職した先の新しい上司はド天然でした。今年のWEBマンガ総選挙で1位を獲得。去年だと『極主夫道』『おじさまと猫』。ちょっと前だと『ヲタクに恋は難しい』みたいな路線に乗れるのではと。
王様ランキング/十日草輔/KADOKAWA/5巻
耳が聞こえず、話もできない王子が“カゲ”と出会ったところから始まる王道ファンタジー。昨年の夏にバズり、今年から単行本化がスタート。ただ、時間が経過し熱量が落ち着いてしまった感じもある。
僕の心のヤバイやつ/桜井のりお/秋田書店/2巻
陰キャ男子とカースト上位女子の恋愛未満のラブコメ。本編もさることながら、作者のツイッターで発表される番外エピソードが、確実に読者の心を破壊しにかかっている。週チャン連載中の『ロロッロ!』とのギャップも良い。


◆異世界系
異世界おじさん/殆ど死んでいる/KADOKAWA/3巻
異世界から17年ぶりに戻ってきたおじさんが、甥に冒険の思い出を聞かせる。SEGAのゲームネタや90年代と現代とのギャップなど濃いネタがくり出される。作者の同人時代の実績も踏まえて、推せるかと。
ライドンキング/馬場康誌/講談社/3巻
プーチン(に似た)大統領が、異世界転移。そこで持ち前の『騎乗欲』を満たすために冒険する。プーチンネタの出オチかと思いきや、しっかりと異世界ファンタジーしている。細かいプロレスネタも魅力。


◆恋愛系
あせとせっけん/山田金鉄/講談社/5巻
汗っかきの女性と匂いフェチの男性の恋愛ストーリー。スマホ配信限定のDモーニングから本誌へ移籍するなど、順調に評価を高めている。このまま賞レースでも一気に駆け上がりたいところ。
グッド・バイ・プロミネンス/ひの宙子/祥伝社/全1巻
男と女のみならず、様々な関係性を描いた恋愛オムニバス。様々な愛の形を描いており、現代の多様性的な感覚で支持されるのではないかと。短編集枠としても。


◆その他
咲宮センパイの弓日/天野茶玖/小学館/1巻
弓道部あこがれの先輩の裏の顔は、殺し屋だった……! 新人とは思えないほど、演出・構成が上手い。今回選出した作品の中では、いちばん知名度が低いと思うが、個人的には年間ベストと言っていいレベル。
スキップとローファー/高松美咲/講談社/2巻
北陸の田舎から東京の高校に進学してきた天然インフルエンサーが、知らず知らずのうちに周囲に好影響を与えていく。昨年猛威をふるったアフタヌーン勢に続けるか?
夢中さ、きみに。/和山やま/KADOKAWA//全1巻
同人誌やWebで好評だったものをまとめた短編集。独特な言葉選びのセンスや、テンポの良さでグイグイと引き込まれる。発売当初は品薄が続き『溶けるように売れる』と言われた。女性向けの本命作。



スパイファミリー、僕ヤバ、夢中さ、きみに。というあたりが、本命だと思う。












  1. 2019/11/16(土) 19:00:00|
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どのマンガが多くの賞にランクインしたかのランキング 2019

先日、マンガ大賞2019の結果が発表され、2018年を対象にした漫画賞が出そろったことになります。そこで、今回は『どの作品が多くの賞にランクインしたかをランキング』してみました。
対象は今年から拡大して…
・次にくるマンガ大賞 2018(次に)
・このマンガがすごい! 2019(すごい)
・THE BEST MANGA 2019 このマンガを読め!(読め)
・俺マン2018(俺マン)
・全国書店員が選んだおすすめコミック2019(書店員)
・マンガ大賞 2019(大賞)
・第2回マンガ新聞大賞(新聞)
・第9回ananマンガ大賞(anan)
・ブロスコミックアワード2018(ブロス)
の9つでやっていきたいと思います。

1:10位以内にランクインした賞の数
2:↑が同じ場合は、10位以下にランキングされた賞の数が多い方が上位
3:それも同じ場合は、1でランクインした順位の平均が低い方が上位
というレギュレーションです。
※ブロスは大賞を1位、神9を2~10位にし、+α枠を11位という扱いに。ananは大賞を1位、準大賞を同率5位という扱いにしています。


第10位
呪術廻戦/芥見下々/集英社/3


次に6位 俺マン1位 書店員1位
呪いにまつわる世界を描くダークファンタジー。『彼方のアストラ』『おじさまと猫』『ルーザーズ~日本初の青年漫画誌の誕生~』の3作品とランクイン数で並ぶものの、平均順位の差で滑り込みで10位に。俺マンと書店員の2冠がモノを言った。

第9位
凪のお暇/コナリミサト/秋田書店/3+2


すごい3位 ブロス8位 大賞10位 読め13位 俺マン31位
空気を読むことに疲れたOLが人生をリセットする。2年連続マンガ大賞でトップ10入りと、高く評価されている。秋田書店の連続アニメ化の次の弾はこれじゃないの?(実写化のほうが向いているか)

第8位
金剛寺さんは面倒臭い/とよ田みのる/小学館/3+2


すごい2位 俺マン8位 大賞7位  読め13位 ブロス11位
カタブツ女子と鬼の男子による最前線のラブコメ! 作品全体の熱量がハンパない。ちなみに9~7位は平均順位の差でついた結果だが、これは本筋とは大きく関わりのないことである!

第7位
来世は他人がいい/小西明日翔/講談社/3+2


次に1位 すごい9位 新聞1位 読め33位 書店員11位
ヤクザの家に生まれた男女による仁義なき恋愛物。昨年猛威を振るったアフタヌーン勢の一角。2016年には『春の呪い』が当ランキングの8位を獲得。2作続けての高評価となった。

第6位
終末のワルキューレ/アジチカ・梅村真也・フクイタクミ/徳間書店/4


すごい5位 書店員5位 ブロス2位 新聞7位
世界中の神々vs偉人・武人の人類の存亡をかけた13vs13のタイマン勝負。心の中の小5魂が熱くなる。昨年までのレギュレーションだと、ブロスと新聞がなかったのでランク外だった。

第5位
違国日記/ヤマシタトモコ/祥伝社/4


すごい4位 読め5位 俺マン3位 大賞4位
両親を亡くした女子高生を叔母が引き取るところから始まる、歳の差同居ストーリー。『HER』『ドントクライ、ガール』『BUTTER!!!』などに続き、ヒットメーカーとしての力を見せつけた。

第4位
極主夫道/おおのこうすけ/新潮社/4+1


次に3位 すごい8位 書店員2位 ブロス3位 俺マン28位
最凶ヤクザが主夫に華麗な転身を果たす。様々な家事を極道のノリでこなしていく。ほかにPixivコミックランキングで総合1位を獲得。Web発作品としてはトップの成績を残した。

第3位
ブルーピリオド/山口つばさ/講談社/4+2


すごい4位 俺マン5位 新聞3位 大賞3位 次に15位 読め13位
リア充男子が藝大受験に挑む、熱血美術ストーリー。実際の美大生の絵を作中に取り入れたり、意欲的な画面作りが目を引く。最近、プライベートではご結婚をされたそうで、幸せ続きでなによりです。

第2位
メタモルフォーゼの縁側/鶴谷香央理/KADOKAWA/5+1


すごい1位 読め1位 俺マン2位 ブロス1位 大賞8位 次に18位
75歳の老婦人と10代の書店員がBLを通じて友情をはぐくむ。3つの賞で1位を獲得。俺マンでは僅差の2位とランキングを席巻し、文化庁メディア芸術祭の新人賞も獲得した。2018年を代表する一作。

第1位
ミステリと言う勿れ/田村由美/小学館/7


すごい2位 読め8位 俺マン9位 書店員9位 ブロス4位 新聞8位 大賞2位
天然パーマの大学生が飄々とした『語り』で謎を解いていく。1位になった賞はなく、トップ5に入ったのも3つだけ、それでも次に以外で10位以内に入り、幅広く支持された結果、見事トップに輝く。




あとは
地獄楽/賀来ゆうじ/集英社

書店員4位 新聞4位 次に11位 すごい16位 俺マン41位

アクタージュ/マツキタツヤ・宇佐崎しろ/集英社

次に5位 書店員3位 すごい35位 俺マン12位

ここは今から倫理です。/雨瀬シオリ/集英社

次に7位 すごい12位 読め39位 俺マン22位

の3作品が、10位以下のランクインが多く『隠れ人気作』といった感じです。




ランキングを見て2018年は、女性作家が躍進したかなと思ったけど、過去のランキングを見ても大体男女比が半々だったので、そんなことはなかった。あと、講談社と小学館の2つをのぞいて、各出版社が1作ずつのランクインというのも、バランスが良くて興味深い。








  1. 2019/03/23(土) 17:28:00|
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今年のマンガ賞にランクインしてきそうなマンガ予想 2018 答えあわせ

先日、全国書店員が選んだおすすめコミック2019が発表されたことで、主なマンガ関連の賞の受賞・候補作が出そろったことになります。
このブログでは、昨年11月に『今年のマンガ賞にランクインしてきそうなマンガ予想』という記事で、ランクインしそうな作品を予想していました。今回は、その答えあわせをしたいと思います。今年から対象を拡大し
・次にくるマンガ大賞 2018(次に)
・このマンガがすごい! 2019(すごい)
・THE BEST MANGA 2019 このマンガを読め!(読め)
・俺マン2018(俺マン)
・全国書店員が選んだおすすめコミック2019(書店員)
・マンガ大賞 2019(大賞)
・第2回マンガ新聞大賞(新聞)
・第9回ananマンガ大賞(anan)
・ブロスコミックアワード2018(ブロス)
の9つでやっていきたいと思います。
※基本的に、各ランキング50位までを対象とし、それ以下の順位で発表されている場合でも、ランク外という扱いにしたいと思います。


☆違国日記/ヤマシタトモコ/祥伝社
すごい4位 俺マン4位 新聞5位 大賞ノミネート
☆えれほん/うめさわしゅん/幻冬舎
なし
☆夫のちんぽが入らない/こだま・ゴトウユキコ/講談社
なし
☆究極超人あ~る/ゆうきまさみ/小学館
なし
☆金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿/天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや・船津紳平/講談社
すごい31位



☆銀河の死なない子供たち/施川ユウキ/KADOKAWA
すごい16位 読め8位 俺マン12位
☆こぐまのケーキ屋さん/カメントツ/小学館
すごい40位
☆金剛寺さんは面倒臭い/とよ田みのる/小学館
すごい2位 読め13位 俺マン8位 ブロス+α枠 大賞ノミネート
☆鮫島、最後の十五日/佐藤タカヒロ/秋田書店
すごい31位
☆呪術廻戦/芥見下々/集英社
次に6位 俺マン1位 書店員1位



☆昭和天皇物語/半藤一利・永福一成・能條純一/小学館
すごい6位 読め33位
☆世界は寒い/高野雀/祥伝社
なし
☆それはただの先輩のチンコ/阿部洋一/太田出版
読め4位
☆ハコヅメ~交番女子の逆襲~/泰三子/講談社
読め18位
☆ひねもすのたり物語/ちばてつや/小学館
なし



☆邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん/服部昇大/ホーム社
すごい12位 俺マン48位
☆ボクらは魔法少年/福島鉄平/集英社
なし
☆ミステリと言う勿れ/田村由美/小学館
すごい2位 読め8位 俺マン9位 書店員9位 ブロス神9 新聞8位 大賞ノミネート
☆メタモルフォーゼの縁側/鶴谷香央理/KADOKAWA
次に18位 すごい1位 読め1位 俺マン2位 ブロス大賞 大賞ノミネート
☆来世は他人がいい/小西明日美/講談社
次に1位 すごい9位 読め33位 書店員11位 新聞1位




ランクイン数0の作品が6本もあり、伸びると思っていた金田一外伝やハコヅメが振るわないなど、成績としては昨年よりも悪い感じ。選ぶ作品数を絞ったほうが精度が上がる気もする。3月くらいには『どのマンガが、いかに多くの賞に高い順位で入ったのか?』というランキングをしたいと思います。













  1. 2019/02/02(土) 18:40:04|
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今年の読み切り漫画まとめ 2018

◯はじめに
今年も残り1ヶ月を切り、さまざまなマンガ関係の賞が発表される季節になってきました。でも個人的に気になるのは、その選考対象がどれも『単行本』だということ。雑誌に掲載されたりWebで発表されたマンガがすべて単行本化されるわけではありません。そこで、昨年12月から今年11月までで自分が読んで面白かったと思う読み切り、および単行本化されていない短期連載作品をまとめてみたいと思います。

○週刊少年チャンピオン 短期連載
今年、チャンピオンに掲載された短期連載作品は、僕の心のヤバイやつ/桜井のりお(15~18、53号掲載)  魔法少女サイト Sept/佐藤健太郎&宗我部としのり(17~19号掲載)  刃牙外伝 疵面/板垣恵介&山内雪奈生(20~24、36~37+38号掲載)  開田さんの怪談/木々津克久(19~27号、36~40号、47~49掲載)の全部で4本。単行本が発売した、これからされるものばかりという状況なので、ベストは選ばないでおきます。これは編集長交代による方針の変更なのかな。

○週刊少年チャンピオン 読み切り
今年チャンピオンに掲載された読み切りは、作者22人で26本。別チャンで連載化した先生ー!〆切ですよ~/浜岡賢次(15号掲載)や、出張版のフルアヘッド!ココ ゼルヴァンス/米原秀幸(42号掲載)などを除いた中で良かったのは、過去に戻って完璧な人生をやり直す? それとも恋を取り戻す?ブンキテン/田中歩(2+3号掲載) 超高速で日本全国に荷物をお届け片瀬つむりの神速便/八音橋ナオキ(6号掲載) 生徒会長として絶大な信頼を集める主人公の真の目的とは!? 謀略のパンツァー/古田朋大(22+23号掲載)  攻撃できない空手少女が、トラウマの元となった相手と再会する少女ら、空が故/碓井春佳(32号掲載)  クラスメイトだけど主人とメイドの関係でもある2人を描いたオムニバスメイドでメイトのメイカさん/佐藤ショーキ(41号掲載) といったところ。ベストは
幼なじみは全知全能/山本アヒル(21号掲載)です。
幼なじみは全知全能/山本アヒル
ふとしたことから、全知全能の存在になってしまったヒロインが、幼なじみにあるひと言を言わせようと能力を遺憾なく発揮する。目標とやっていることのスケールのギャップが大きすぎて最高でした。
あと、今年のチャンピオンのハイライトは、やはりなんといっても鮫島、最後の十五日/佐藤タカヒロ ということになるでしょう。
鮫島

○別冊少年チャンピオン
今年別チャンに掲載された読み切りは、作者32人で46本。連載化したインコンプリート アニマルズ/平沢バレンティーノ(2、4、6月号掲載)以外で良かったのは、言い伝えや迷信を具現化できる能力を持つがゆえに他人と距離を取ってしまうが……ホシノナルカミ/古田朋大(2月号掲載) 謎の料理の魅力にとりつかれてしまった主人公、その秘密の作り方は?オルメヌール/中村ゆきひろ(5月号掲載)  侵略してきた宇宙人を鹵獲して兵器に改造。それが因果応報を生むことに星の兄弟/荒井俊太郎(8月号掲載)  極度の機械解体欲を持つ少年が、捨てられた冷蔵庫を修理して戦う機動家電レイゾウコ/佐藤周一郎(9月号掲載)  女子トイレの個室に隠れて「見つかるかも」という興奮を味わっているドMの末原くん。終始、異常性を見せつける内容僕と僕の女王様/大谷優(11月号掲載)といったところ。ベストは
My Sweet Boku Zukin/杉浦洸(4月号掲載)です。
My Sweet Boku Zukin/杉浦洸
空襲から逃げ惑う少年は、避難する人々の防空頭巾の様々な模様に注目していた。その中に大きな目玉模様の物を見つけ、自分の物にも目玉を描く。逃げる人々の塊を大蛇や首長竜に例えたり、全体に流れる独特の空気感が素晴らしい。

◯月スピ
今年は『月刊!スピリッツ』の読み切りもまとめたいと思います。掲載されたのは新人を中心に25本。熊本復興企画のレポート漫画であるおんな南阿蘇鉄道ひとり旅/YASCORN(5月号掲載)を除いた中で良かったのは、自分そっくりのゾンビに生活を代行させたら、そっちのほうが上手くいってしまい……不完全ゾンビ/山原中(5月号掲載) 終始淡々とした描写が続き、狂気性が満ちている誰にとってもどうでもいい人/石田和人(9月号掲載) 長渕みたいな男が、好きな娘のために演劇部で代役(お姫様)を演じるよせる男/大内優(11月号掲載) 盲目の美女と殺人鬼がひとつの部屋に。息詰まる攻防戦in the dark/二宮正明(1月号掲載)といったところ。ベストは
痴女の夜/矢寺圭太(3月号掲載)です。
痴女の夜/矢寺圭一
閉塞的な街に飽き飽きしていた3人組の前に、全裸でバイクに乗る痴女が出現。訳も分からず、チャリで追跡する。異様な疾走感と青春のリビドーにあふれていて、とても素晴らしい。

◯アフタヌーン
今年から『アフタヌーン』もまとめていきます。掲載されたのは作者12人の14本。コミックDAYSからの出張版である寄生獣リバーシ/太田モアレ(8月号掲載)とおみやげどうしよう?/西園フミコ(10,11月号掲載)とけもらいふ/雪本愁二(12月号掲載)を除いた中で良かったのは平凡なサラリーマンの藤ノ木と海外で危険な仕事に従事している赤岩。2人が不定期に電話でとりとめのない会話をするたったひとつのことしか知らない/本田(5月号掲載) 1年前に死んでしまった幼なじみの最期の願いを叶えるため、その弟とともに山に分け入っていく。自殺をするに至った事情や、熊の出る山にわざわざ入っていく理由など、話を展開させていくのが上手い蛇の山/窪田航(6月号掲載)といったところ。アフタヌーンのベストおよび
〇読み切り・オブ・ザ・イヤー
不朽のフェーネチカ/竹良実(7月号掲載)です。

生前から聖人認定確実と噂されるマザー・ドロテア。その隠された顔を探ろうと、アレハンドロという記者が彼女の過去を探る。はじめは聖人になるためなら汚いことにも手を染めているのかと思われたが、取材を通して段々と時間をさかのぼっていき、ドロテアの真の考えが明らかになる過程が素晴らしかった。電子版で発売されているので、厳密に言えば対象外なのですが、特例を設けてでも評価したいほどの傑作です。
来年度からは、モアイで発表されているものも読んでいきたいと思います。

○ハルタ
今年、ハルタに掲載された読み切りは作者29人で53本。単行本化されているシャーリー・メディスン/森薫(52号掲載)や事実上の不定期連載であるゲームしたっていいじゃん/高橋拡那(51~54、56、58~59号掲載)などを除いた中で印象に残っているのは、魔女の呪いを解くために、自分の体の一部を差し出す王女。命そのものを犠牲にしたときに新たな呪いが発動するマリヤたちの祈り/後藤(50号掲載) 鬼の鬼ヶ島さんは、テスト勉強のし過ぎでうたた寝。角が机にブッ刺さってしまう。女性キャラの表情や体つきが良い君の前ではいつも赤鬼/仁科彰太朗(51号掲載)  肉体関係を持ったアシスタントが、そのことをマンガにしてしまう。作者特有のヒリヒリ感がほとばしるなれた手つきで ちゃんづけで/ゴトウユキコ(52号掲載)  復讐の鬼と化した忍びの激闘。でも、水遁の術ってそういう意味じゃなくない?忍びのエン/加藤清志(52号掲載)  鬼のお嫁さんの角にアレルギー反応を起こしてしまった旦那さん。体質改善に取り組むお嫁さんアレルギー/三輪皐月(56号掲載) といったところ。個人的には、ここ数年にくらべて当たりの読み切りが少なかった印象。その中で選ぶとすれば、期待を込めて
雲の子くららちゃん/紙島育(54、55号掲載)
雲の子くららちゃん/紙島育
をベストに推したいと思います。髪の毛が雲になっている、くららちゃん。感情や環境の変化で、その形状が様々に変化する。前作『メドゥーサ嬢ニューサイト』など、いいキャラを生み出しているので、次回作を楽しみに待ちたいと思います。

○その他
その他、定期購読している以外の媒体で気になった読み切りは、
I SPY/遠藤達哉(ジャンプSQ3月号掲載)
好きになった相手は凄腕のスパイ。マタギの祖父に育てられたJKが野生の勘で接触をはかろうとする。ギャグのはさみ方が小気味よく、とても面白い。さすがの腕前。
真夜中ワンダーさんぽ/鳶田ハジメ(コミックポラリス 3/15公開)
主人公と飼い犬だけに見える、影のような謎の生命体たち。その存在に戸惑いながらも、夜の街を歩く。雰囲気がとても良い。
マサラ追走曲/えすとえむ(モーニング15号掲載)
食をテーマにした連作のうちの一編。日印ハーフで苗字が王子なのに、カレーが嫌い!? かつての同調圧力への反発と、それが無意味な抵抗だったことに気づく流れがいい。
樫村一家の夜明け/岡村星&沙村広明(週刊漫画ゴラク5/11・18号掲載)
30歳引きこもりが意を決して部屋を出たら、父親がヤクザに襲われていた。結局、終盤の父親のガンアクションと解散宣言の勢いに全てを持っていかれる。
アリスと不思議な国のうさぎ/中野ユウスケ(ヤングジャンプ27号掲載)
日本では、道端にいる小さいウサギを捕まえて食べるのが当たり前。イギリスからの留学生アリスが、その謎の真実に巻き込まれてしまう。オチも不気味でよい。
Fool in the room/大槻順平(モーニング29号掲載)
引きこもりが外に出てみたら、学生時代に好きだった子が風俗で働いていることを知る。全編にわたってバカバカしい勢いがあって最高に熱量が高い。途中で一回、ショーシャンクの空になる。
BURN THE WITCH/久保帯人(週刊少年ジャンプ33号掲載)
ロンドンの闇に跋扈するドラゴンを退治しろ! 画力やキャラメイキング力の高さは流石。ラストで『BLEACH』とつながる演出も見事。
白ヒゲとボイン/板垣巴留(週刊漫画ゴラク 9/21号掲載)
作者初の人間漫画。サンタクロースが風俗嬢にプレゼントを渡す理由は? ストーリー構成力は相変わらずの高さ。たしかに、この内容は少年誌では描けない。
カッコヨリグレット/タカノンノ(くらげバンチ9/14公開)
小説を書いていたが、いまは地元で働き奨学金を返している女のところに、大学のころ憧れていた女が転がり込んでくる。青春は終わったかもしれないけど、夢をあきらめるにはまだ早い。夜の公園での女2人のやり取りが素晴らしい。
吐露/三卜和貴(ヤングマガジン42号掲載)
自分の吐しゃ物が、好きな娘の姿に。やりたい放題していたところ、本物のほうから告白を受ける。微妙な関係性を海に例えて見事に描いている。




来年も、こういうことができたらいいと思います。よろしくお願いします。











テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2018/12/02(日) 15:00:00|
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