邪魔するヤツは皆殺し! 悪役令嬢に成り上がれ! 『メガロザリア』第1巻の感想です。
・第1話 娼婦の母親に捨てられ、孤児院でも苛烈なイジメにあい、スリになったものの捕まって死刑を待つだけの身のロザリア。向かいの牢に入れられたメルディが『時を戻す』能力を持つ魔女だと知り、10年前に戻って自分をイジメていた相手に復讐を果たす。ここは、メルディの能力の制約の説明も兼ねているわけで『死んだ相手は時が戻っても死んだまま』というのはともかく『一度戻したところよりも前の時間には戻れない』というのが、今後のポイントになっていきそう。メルディは、ロザリアと出会う前にいつからいつまで時を戻したことがあるのか? それから幕間のページで、各話で犠牲になった人の肖像画が描かれるのは上手い演出。
・第2話 伯爵夫人の養女になったロザリアは、裕福な暮らしを満喫していた(メルディは侍女)。しかし、前の時間軸で義母が病死していたことを思い出し、不安に襲われるが……。しかし、今回ぶつかった侍女を殺したのにはドン引きしてしまった。前回は、まだスッキリとする部分もあったけど……。メルディの魔法を『人生のやり直し』ではなく『完全犯罪できる魔法』と認識するのもヤバいし、黒髪&黒ドレス(くわえてダガーを装備)で悪役令嬢としての装備が整った感じ。それから、1コマだけ描かれたメルディの母親(と思われる魔女)のことも気になる。
・第3話 肖像画を描いてもらうことになるロザリア。しかし、その画家が魔女の話をしたり、孤児院に取材に行ったという話を聞いたロザリアは……。多少、軽口が過ぎたとはいえ、今回は完全にロザリアの被害妄想が暴走した感じ。そのせいで大きなしっぺ返しを喰らうことにもなるし。今後も、このあたりのアンガーマネジメントをしっかりしていないと、悪役令嬢への道は遠そう。そして、アルバート王子の妃を目指すという最終目標も提示される。直前まで号泣していたのに、ラストのコマで「他の令嬢が死ねばいいのよ」と開き直れるロザリアの躁鬱具合がおそろしい。
・第4話 ロザリアは、ほかの王子の嫁候補であるミランダ嬢に会いに行く。もちろん、友好を深めるためではなく、ブッ殺すために。しかし、ミランダの兄が変態クズ野郎だったために、予想外のピンチに追い込まれることに。精神的には悪魔のような図太さは待っているが、ミランダはあくまでもか弱い女性。自分より強い存在を魔法を利用して排除しようと思っても、それは簡単ではないということか。あと細かいところとして、この作品に出てくるトイレが汚いボットン便所なのは、地味に高ポイントだと思う。衛生観念が中世。
・第5話 第1話と第4話のラスト、第3話の画家の話に出ていた、パメラが本格登場。考魔会という秘密結社に属する彼女は、見習いのエミリ、剣士のカティアと一緒に魔女がらみの事件を調査していた。そして、ミランダの不審死について調べようとする。この3人のキャラクターというか、やり取りのバランスが絶妙だと思う。ボケ、天然ボケ、ツッコミ(不憫)みたいな。そして、天才的な推理力を持つパメラは、ロザリアの周囲に魔女がいることを見抜いてしまう。このパメラたちの調査の手から逃れることができるか?というのが、今後の大きな課題ということか。
個人的には、パメラ組のほうに肩入れしてしまいそう。彼女たちのスピンオフとか読んでみたい。
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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック
2023/03/05(日) 13:41:17 |
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『Deadmeat Paradox』の感想です。スマホ限定のDモーニングに昨年の後半に連載されていました。
・第1話 弁護士ゴールド 『死後最大30日以内に復活する病気、もしくはその患者を“ゾンビ”と呼ぶ』という世界。ゾンビにも分け隔てなく接する弁護士のゴールドは、弟のシルバー(彼もゾンビ)との墓参りの最中に、墓の中で復活したリリーという女性と知り合う。名家の出の彼女は、両親がかけた莫大な保険金を受け取るはずだったが、支払いを渋った保険会社『ビッグベール』に殺されたということを語る。なんとか保険金を受け取れないかと考えるリリーだが、ゴールドが提案したのは……。『生き返ったゾンビが自分の死亡保険金を要求する』というあらすじの時点で、8割方面白いのが確定している。いきさつを語るなかで、リリーが眼球のない縫った目からも涙を流しているシーンが印象的。
・第2話 灰色分子 ゴールドらは、前王室医師長のドクター・ダミーを訪ねることに。この話では、ゾンビが暴走状態になるカデバという症状や列車に専用車両が設けられていたり、日常生活でゾンビが被る苦労を紹介している。シルバーが同世代の子にからかわれてりといったあたりの差別うんぬんは、現代社会にも通ずるところか。59ページでゴールドが語っている「白か黒か 敵か味方か」という話も興味深い。サブタイトルの灰色分子というのは、人間とゾンビのどちらの考え方にも属していないゴールドのことなのか。
・第3話 3人用チェス もともと変わり者として有名で、現在は酒浸りのドクター・ダミー。死亡診断書を書いてほしいというゴールドの依頼も無下に断られてしまう。ダミーは、口出しのペストマスク(という呼び方でいいのか?)をつけていて素顔は見えず。髪は長いけど一人称は俺だし、体型的にも男か女か分かりづらい。ゴールドたちはホテルに戻り、夜に眠る必要のないゾンビのシルバーとリリーが語らう。ここのシルバーの心情を吐露する言葉が良い。見た目は子供だけど精神年齢的には17歳なので、常日頃から兄に対していろいろと考えるところがあったんだろうな。
・第4話 助手 工場で爆発事故が発生。近くにあるダミーの病院に多くの患者が運び込まれるが、アルコール依存症なのでまとまな治療ができず……。というところで、シルバーが助手に名乗りを上げる。ここの手術シーン、シルバーの得意技術とはいえ傷口の消毒などをせずにいきなり縫合しているような描写なのが、個人的にはちょっと残念だった。そして、ダミーが語る過去エピソード。ある意味美談ではあるんだけど、医者にとっては悪夢でしかないよな。そりゃ、酒にも逃げたくなるか。この一件を受けて、ドクター・ダミーは協力してくれることに。
・第5話 秒読み まずトビラで、開胸され空っぽの身体の中身を披露しているリリーのインパクトが強すぎる。ダミーの検死によって、リリーの死亡が確認される。でも、いくら銃創があるとはいえ、心臓を捨てることはなかったのでは? そして、帰り道。リリーに言われてシルバーの欲しがる『3人用チェス』(なんでこれが第3話のサブタイトルになっているのか?)を買ってあげるという流れがとても良い。124ページのうれしそうに跳ねまわるところや、最後のページの駆け寄るシーンなど、シルバーの可愛らしさが存分に発揮されている。
・第6話 切り札 ビッグベール側の弁護士・アンジェロが、裁判長や陪審員たちに裏工作を働く。全体的な構成上仕方ないのかもしれないが、登場するのが遅くて悪役としてヘイトを溜める期間が足りなかった感じ。あと、裁判長のお尻に噛み跡があるという伏線の忍ばせ方が上手すぎる。そしてゴールドは、リリーに「この裁判を通じて望むもの」を聞く。リリーの過去エピソードやそれを受けてゴールドが語ったことなどが、この作品を通じて作者が言いたかったことかな。ただ、それが実現するのは……。
・第7話 決戦 いよいよ裁判が開廷。リリーの死亡を立証し死亡保険を受け取ろうとするゴールドに対し、アンジェロは抱き込んだ医師会により生存していると反論する。さらにリリーにカデバ症状が出るような策略も……。この騒ぎを聞きつけ、記者たちが雪崩れ込んでくるシーンは、この作品のハイライトか。アンジェロの「これでは誰がゾンビで誰が人間なのか」というセリフには、いろいろと深い意味も隠されていそう。そして、こんな状況になっても落ち着き払った態度を見せるゴールドの真の狙いは……。
・第8話 Money for Deadmeat ここでアンジェロが、ゴールドの真の狙いに気づく。そもそもこういった法廷物で、あえて敗訴を狙っていくという構成が予想外すぎて、まんまとやられてしまった。ただ、ラストで使われる「裁判で勝つだけが勝利ではない」という言葉は第1話でも言っているので、ゴールドの信念みたいなものには、わずかな揺らぎもなかったんだろうな。ビッグベール側はともかく、リリー、シルバー、ゴールドが幸せな余生を送ったであろうことがわかるのも良かった。
・義父の息子 第75回ちばてつや賞一般部門大賞受賞作で、2019年のモーニング32号に掲載された作品。電子版のみに収録されています。大学受験直前で交通事故に遭った主人公は、その轢き逃げ犯の息子として生まれ変わる。恨みを晴らすため子供ながらに復讐を考えるのだが……。シンプルに絵が上手いし、辛く当たってきた実の親と貧しいながら愛情を注いでくれた轢き逃げ犯の対比、冒頭のキモ男が実は……という構成も見事。転生×タイプリープという手アカのついてそうな題材でも、ここまでのことを描くことができるのか。
義父の息子から今作と、順調にステップアップしていると思う。次回作に期待したいです。
テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック
2021/01/27(水) 18:42:02 |
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パンを愛し、パンに愛された漫画家。コモンオム先生初の短編集『あるはずさ、胸の奥に、心のパンが。』の感想です。🍞
・有頭パン 人間の母親とパンの父親の間に産まれたカナタは、頭がパンで身体が人間のハーフだった。必死に勉強をしてきたものの、周囲には上手く馴染むことができず。しかし、頭も人間の弟・ユウトは何もしなくても顔立ちがいいので周りからチヤホヤされて……。終始、パンが生きていることパン人間がいることが当たり前という価値観に微塵の揺らぎもないのことに感心せざるを得ない。特に父親の働く様子(カフェでサンドイッチを提供するために身体をスライスされる)を見た子供の質問に答えるシーンが秀逸すぎる。あと、終盤に登場した女医は、ラストでなにしたり顔をしているんだ。
・なれそめパン 前話に登場した父親パンと、人間の母親の馴れ初めを描いた話。片方がパンだということを除けば、90年代のトレンディドラマのような至極まっとうなラブストーリーを展開していると思う。キメのページで背景に花が散りばめられているのも、少女漫画っぽくて良い演出。あと父親はプロポーズするためにパンマイスターという資格を取ろうとするのだが、これって『すごいパン』のためのものじゃなくて『パンに詳しい人』に与えられるものなんじゃないの? それからオマケページの母親、シベリアにシベリア(お菓子)は売っていないと思う。
・パンのいる家族の風景 捨てられていたパン(バゲット風)を拾い、ペットにした家族(全員人間)。父親のために新聞を持ってきたり、母親が怖がるゴキブリを刺し殺したり、あっというまに欠かせない家族の一員になる。そして、全員で山へハイキングに行き雨宿りに入った洞窟に閉じ込められたときにも、パンが自身を犠牲にして家族を救う。この話が、作者のパンに対する異様な執着が最も強く描かれていると思う。76ページの「パン ごはんだよっ」「ナーン」のコマの、カオス具合がワケが分からなくて最高。あと、洞窟のシーンの影の描き方が独特だと思う。
・クロワッサンインザスカイ ユキコは、夢の中で空に浮かぶクロワッサンを食べてしまう。すると、世界から月が消えてしまった。クロワッサンが重要なモチーフになっているものの、パン濃度は低く普通のファンタジーとして楽しめる内容。月の復活を手伝うユウコは見た目もキャラもいいので、他の作品などで再登場していただきたいところ。あと、車のドアに『ンパうゆうょり』とプリントされているのが、細かい演出。
・パン派 身体からパンが出てくる特異体質のマリは、評判のだし巻き卵を作る与瀬に、自分のパンを使ってサンドイッチを作ってもらうことを頼む。あとがきエッセイによると、はじめて描き上げた作品なのでやや荒い部分が目立つものの、122~123ページの下段や、132ページの中段、141ページなど、独特な表現が目を引く。こういうのは、どこからの影響なんだろうか? そして、終盤では急にマリアの受胎告知がモチーフになるのだが、そもそもパンを生み出す設定があるので、なかなかに混乱する。
・エッセイ パン漫画はこうして焼き上がった コモンオム先生が、パン漫画家にっなたいきさつを紹介。そのタイミングで「漫画を描こう!」となるのもなかなかレアなことだと思うし、その結果出来上がってきたのがこういうテイストだというのは、それこそ天文学的な奇跡の産物だと思う。
はたして、次回作はどんなパン漫画が焼き上がるのか? 楽しみに待ちたいと思います。
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2020/07/25(土) 12:27:41 |
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一端の子 の感想です。作者の深山はな先生は、これが初連載初単行本。帯には『持ち込み即、連載決定!!』『現役大学生の新鋭が放つ』という景気のいい言葉が並びますが、それに負けない高レベルのオムニバス作品集になっています。
・第1話 えがお クールビューティーの月子は、フワフワ系の友人えなの恋愛を応援することに。月子の本当の狙いが分かる26~27ページの見開きは、背筋がゾクッとする。他の話の登場人物たちが自分の置かれた境遇に悩んでいたり、自分の気持ちに正直に向き合っているのに対し、月子は欲望を満たすために動いていて、作中で最も“悪”の側の人間なのかもしれないと思った。
・第2話 CUT(E) 母親が美容師の美琴は、幼なじみの ゆず の髪を切ってあげていた。そこに、友達以上の並々ならぬ執着心を込めて……。ゆずに対しアプローチをかけてくる馬淵を上手くけん制できていたと思われたが、2人がつき合うことになってしまい、美琴の気持ちが暴走する。教室での別れのシーンと、時間が経過して美容室での再会のシーンのギャップが良かった。
・第3話 無題 大学のサークルの飲み会から抜け出した、おばぎ先輩についていこうとした代田。しかし、行き先がレズビアンバーと知り躊躇してしまう。仕切り直しでの代田からの相談と、それに対するおはぎ先輩の答え(85ページあたりから)は、この作品全体のテーマに対する答えのひとつかもしれない。それから、過去に告白してきた友人と、その恋人と飲むシーンで、卵焼きが2個残っているのが気になる。代田は、自分の分を食べなかった?
・第4話 と或る女たち まずトビラが、ミステリ漫画のよう。『この中に犯人がっ!』みたいな。そこで紹介されたJK4人が「セフレがほしい」という話題で盛り上がる。ここまでの3話は1対1だったのに対し、4人でとりとめもなく話している様子が楽しいし、なにかオチがつく前にコロコロと話題が移り変わっていくのも見ていて面白い。が、その空気感がラスト4ページでひっくり返される構成も見事。
・第5話 午後八時の生熟れ 初芽あきは、ふとしたことからクラスでイジメられている南と、夜の公園で語り合う時間を作るようになる。初芽自身は、友人の真柴に対する気持ちをまだ割り切れてはおらず、南のことも正面から受け止められたわけではないので、ラストでセリフがほぼ無くなり表情も沈んでしまうのが、なんとも切ない。そういうことに至った経緯が不明なだけに、モヤモヤが残る。
・第6話 あろえなあなた 第3話に登場した、おはぎ先輩こと萩元さんが高校生の時の話。美術部でゆる~く活動していたが、半強制定期に大会に参加することに。そのことを要求してきた阿炉江先輩のことをよく思っていなかったが、大会当日に意外な一面を垣間見ることになる。今回のことを踏まえて第3話で語っていることを読み直すと、いろいろと違う一面が見えてくる。
・第7話 防弾ガラス張り 彼女と上手くいかなくなっていた陽輔は、新しくバイトの同僚になった蓮水さん(第4話で名前だけ出ている)に猛アプローチをかける。ついに食事に誘うことに成功したが、その場所に彼女の姿も……。218ページの蓮水さんの「こんな間に合わせの戯言は鵜呑みにするのに わざわざ言葉にした事実は なんで伝わらないんだろうね」という言葉が、作品全体でいちばん印象に残っている。
・最終話 某日 第5話の初芽&真柴が再登場。高校受験を前にした不安を語る。2人で『楽しいこと』を言い合う流れが青春ドラマのようで素晴らしかっただけに、その後に初芽がした『発言』が、どんなものだったのか非常に気になるところ。それから、ファストフード店の隣の席に梨元&楓(第4話に登場)がいたり、各話の登場人物たちがカメオ出演していて、ラストにふさわしい賑やかさ。
・おまけマンガ 第6話で、阿炉江先輩の相手として登場した みちる が顔出しをする。こういう演出だと『次回作の主人公ですよ』みたいな感じだけど、どうなんだろう?
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2019/12/20(金) 17:35:16 |
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暴力動物アナーキズム『ヤスミーン』。完結となる第3巻の感想です。表紙は、チーターさんです。
・第12話 妄走の美食家 トゥリブの案内で、キトのいる洞窟を目指すマルシアス。それを食い止めようと追走するマッド率いるチンパンジー族は、スピードではかなわない。唯一追いつける速さを持っているのはブエナだが、近づけば鋭い爪で追い払われてしまう。意を決したブエナは、正面からぶつかる体勢を取る。ブエナの勇気と、マルシアスの“足を止める”狙いが良かった。そして、バトラーと対峙するバッジオだが、サバンナと違い足場の悪いジャングルの中では、自慢の蹴りを当てることができない。そこに現れた白い悪魔が、戦いのアドバイスをする。
・第13話 本能よ駆けろ 四足歩行で逃げる、白い悪魔とバッジオ。バトラーに追いつかれそうになった時に、バッジオの蹴りが初めてヒットする。軸足が3本になったことで、蹴りの精度が安定。バックキックのラッシュで、バトラーを始末する。いっぽうマルシアスは、トゥリブを取り戻そうとチンパンジーたちを薙ぎ払いながら猛追する。マッドは、トゥリブを殺して口封じすることをブエナに迫るが……。そして、巣穴に到着した白い悪魔が目撃したものは、無数のチンパンジー族の死体と、王族の手に堕ちた我が子の姿だった……。
・第14話 白い暴動 対峙する白い悪魔とマルシアス。73Pからマルシアスが語る、キトを食べることへの偏愛と言える異様な執着 → 白い悪魔がムッサに孕まされ続けるイメージカットの流れが、最高に気持ち悪い。その反動で、狩りをするときはセーブしているスピードを解禁しての、白い悪魔の突撃シーンの爽快感が素晴らしかった。それからマルシアスは、タテガミを巧みに使った格闘術を披露するけど、これって幹部ライオンたちは全員扱えるものだったのかな?
・第15話 戦いの理由 坂道を転げ落ちるキトをめぐって、全力で駆け下りながらの白い悪魔とマルシアスの、二転三転する攻防が見ごたえ満点。バトラーも使った、木の枝を利用しての槍攻撃がなかなかに厄介。そして、白い悪魔は我が子を守るために、猛スピードのまま岩に激突してしまう。そのピンチに、追いついたバッジオ、マッド、ブエナが抵抗するものの、まったく歯が立たない。そこに、意を決して止めに入ったトゥリブも、あっさりとマルシアスのツメの餌食になってしまう……。
・第16話 呪われた運命 白い悪魔とマルシアスの、最終決戦。タテガミを使った投石攻撃や、ノド元への噛みつき攻撃など、このマンガならではの展開はあるものの、普通にバトルアクションとして見ても十分にレベルの高い攻防だと思う。それから、第13話で自分を殺さなかったトゥリブの疑問に対する、ブエナの返答が良かった。これが、このマンガのテーマのひとつだし、ブエナの大きなモチベーションだからな。
・最終話 命の意味は戦いの中に スクトゥの森に来る前、白い悪魔は王都に戻っていた。そのとき、ただ追い返した責任を取ってゾンに惨たらしい刑罰が執行される。そのとき、ズタボロになったマルシアスが帰還したことで、ゾンはブエナの活躍を知る。そして、白い悪魔の本名が『ヤスミーン・ラスタム・チーター』と明らかに。ブエナが、バッジオ、マッドとともに旅に出るというところで、終幕。途中、ボノボ族のムペンズイが語るシーンの背景に出てくる動物たちが、仲間に加わってどういう戦い方を見せるのか見てみたかった。キリン、ゾウ、サイ、カバなんかは戦力として計算できるし、ミーアキャットは見張り役として活躍しそう。でも、イボイノシシあたりはどんな役割だったのかな?
第1巻の熱量が凄まじかっただけに、早期の打ち切り終了は残念。次回作に期待したいです。
ヤスミーン 第1巻の感想 ヤスミーン 第2巻の感想
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2016/03/22(火) 09:54:37 |
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