晴耕雨マンガ

4月は、六道の悪女たち、スピーシーズドメイン、ヴィンランド・サガ

ハナヨメ未満 第3巻の感想




『ハナヨメ未満』第3巻の感想です。



・第11話 アコ、再び島に行く
黒バラ食品が手掛ける『おかあさんの佃煮』を紹介するテレビ取材が、塩島にやって来る。浮かれ気味の島民たちだが、黒原主導によりあくまでも素朴さを強要され、佃煮にも“泣けるストーリー”が付加される。これを東京で見たアコは、お義母さんからのSOS電話もあり塩島に戻ることを決意する。ここではじめて靖が『おばけが見える』ことをカミングアウトするのだが、婚約者相手でも信じてもらえなかった……。おばけが見えること自体ではなく、そのことを信じてもらえないことが怖いという、靖の本心が分かったのが良かった。

・第12話 アコ、裏を取る
やっと対峙したと思ったものの、黒原は佃煮の契約書片手にヘリで高飛びしてしまう。翌日、アコは靖の言葉を確かめるために、塩島の心霊スポットをめぐる。鬱蒼とした森の描写は、これまでのウラモト作品にはない不気味さがあった。写真加工か墨絵の類か? でもこの話のハイライトは、まいちゃんの正々堂々とした告白からの、縁側でのアコとお義母さんとの会話かな、アコの「好きって…なんなんでしょうね」という疑問に対する「会いたいってことちゃうかな?」というシンプルな答えが、とても良い。

・第13話 アコ、反撃ののろしを上げよ
黒原は『島フェス』というイベントを開催し、そこで『おかあさんの佃煮』をダシにした自社商品を売りさばこうと画策する。そのことを知ったアコは抵抗を考え、そこにまさかの まいちゃんが手を貸すことに。靖との大事な思い出が記憶の中で美化されていたことを知り、踏ん切りをつけるシーンがちょっと切ない。98Pの「「まい」じゃないです「よね」です!」からのアコとの握手は『ついに強敵同士が手を組んだ!』という感じで、ちょっと燃える。あと、73Pを見るに、お義母さんこそが、この作品のヒロインだったのかなと思う。アコが主人公で、まいちゃんがライバル。靖が相手役なんだけど、ずっと東京にいるし。

・第14話 アコ、とっちめる
アコ&よねの最強コンビは、昔あったお祭りを復活させる形で、島フェスを乗っ取る計画を練る。祭り本番で多くの人を前に、本当の佃煮とニセモノの違いを明確にする、実に見事な作戦だった。黒原も、そこから意気消沈するでも逆切れするでもなく、最後まで金儲けのことをことを考えているのが、キャラがブレずに良かったと思う。そして、いよいよ島の祭り本番ッ!

・最終話 アコ、ハナヨメになる
まず、トビラ絵のアコがとても美しい。かなり気合を入れて描いたんだろうな。祭りは順調に盛り上がるが、住民たちにとってはあるイベントが足りないのだという。そこで、昔の記憶を頼りに山を登っていく。『塩島に幽霊があふれている』という靖のトラウマの原因に明確な答えを与え、なおかつ住民と先祖たちとの別れにつなげるという見事な構成。あと、やっぱりハイライトは靖のプロポーズ。見開きのアコの表情が幸せそうで、なんとも言えない。それから、送り火の描写も過去のウラモト作品にはない感じで、印象的だった。



158Pでお義母さんが「家も店も家族もどんどん変わって面白い」というようなことを言うけど、アコと靖の結婚も、その一部ってことなんだろうな。



この巻で、まいちゃんがやった仕事は……
テレビレポーター/スナック/企業スパイ/祭りの司会進行/ファッションデザイナー








スポンサーサイト

テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2017/03/10(金) 12:38:47|
  2. ウラモトユウコ
  3. | コメント:0

ハナヨメ未満 第2巻の感想




『ハナヨメ未満』第2巻の感想です。


・第6話 アコ、ノリにノる
島おこしのためのグルメコンテストが、アコ主催で開かれる。まいちゃんの『ハワイアンパンケーキ』をはじめ様々な料理が出品されるが、島に関係なかったり力が入りすぎているものばかりだった。そこに靖の母親が出品したのは、普通の『海苔の佃煮』。島民にはいわくつきの一品だが、一口食べたアコにとっては塩島の魅力がつまった逸品だった。アコの料理漫画風リアクション → 靖の切ない思い出 → 実は泣き落としという、テンションの上下動の激しさも良かった。そして、パッケージを工夫し『おかあさんの佃煮』として商品化に着手。少しずつだが注文が入り、上手く事が運ぶのかと思われたが……。

・第7話 アコ、気づかない
夏休みがスタート! 観光シーズン到来ということで万全の準備でお出迎えをしようとするアコたちだが、島を訪れる観光客は数えるほどしかいないのだった。くわえて佃煮もクレームや返品が相次ぎ(原因は、まいちゃんがオマケとして入れたチョコがほとんど)、島民たちの士気は一気に下がり、アコも周囲に負担をかけていたことに気づく。靖もお盆の帰省を決意するが、運悪く台風にぶつかり交通網がマヒ。さらにメールの返信を間違えて塩島HPのほうに送ってしまったり、ちょっとしたスレ違いが重なり2人の仲が険悪になってしまう……。冒頭で、靖がアコを好きになる経緯が明らかになったのが良かった。

・第8話 アコ、孤立する
アコは、1人でも島おこし活動を頑張ろうとするものの、あきらめ気味の島民たちはのんびりモードに。まいちゃんとアコそれぞれの不満が爆発し、激しい言い合いに。校長先生が「これまでも観光に力を入れていなかったわけではない」と語る話の内容が、なんだか切ない。しかし、ふらりと現れた観光客の夫婦が、そんな不穏な空気を一変させる。この夫婦からの口コミ、そしてその場の思いつきで誕生した?ゆるキャラ『きまいちゃん』が、塩島観光の突破口になるのか? そして、アコは掲示板の匿名さんに、まいちゃんは靖に電話で報告することで、ちょっとした四角関係になるというオチが面白い。

・第9話 アコ、恋をする
夏休みが終わり、塩島は通常営業に。佃煮などのお土産品も、観光案内所から撤去されてしまうことに。ひさしぶりに島を巡ったアコが、ダメなところを見てもなお、塩島のことを素敵と感じる流れが良かった。そして『バーバーさかい』に集まった奥様方との会話の中で、自分が靖のことを好きだということに気づき、一時的な帰京を決意する。第1話で結婚を決めるまでのシーンが、ものすごくスピーディーで事務的だったので、120~121Pの見開きのアコは初めて恋する顔が描かれたということかな。そして、フェリーに乗るときに、謎のビジネスマンとすれ違う。この男の正体は……?

・第10話 アコ、すれ違う
塩島にやって来た謎のビジネスマン・黒原は、巧みなセールストークで校長先生、島のご婦人たちばかりか、靖の姉のひとり翠まで虜にしてしまう。黒原は、単に佃煮販売の利権を手にしようという考えではないだろうし、いったい何を企んでいるのか? いっぽう東京に戻ったアコは、靖との結婚式の打ち合わせの最中でも、塩島のことが頭から離れない。そのせいで靖とケンカになってしまい、結婚を取りやめる言葉を口にしてしまう。島でイチバン商売っ気がありながら、黒原に相手にされていないっぽいまいちゃんが、やっぱりキーパーソンになるのかな。



巻末の予告を見ると、次巻で完結なのかな? 黒原の企みを暴き、靖と無事に結婚、塩島観光を軌道に乗せるって、けっこうやることが多そうだけど、大丈夫なのか?


この巻で、まいちゃんがやった仕事は……
観光案内所の受付/スナック/民宿のおかみさん
 







テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2016/07/09(土) 17:05:17|
  2. ウラモトユウコ
  3. | コメント:0

ハナヨメ未満 第1巻の感想



ウラモトユウコ最新作『ハナヨメ未満』第1巻の感想です。講談社のハツキスに14年11月号から連載されていました。試し読みはコチラから。→ ハナヨメ未満試し読み

・第1話 アコ、島に行く
もともと合理的な性格だった木村アコは、後輩に誘われたお見合いパーティーで、最初にペアになった男性・笠井靖と意気投合し、婚約する。しかし、母親と来ていたブライダルフェア会場で靖の父親が死亡したという報せを聞き、仕事で東京を離れられない靖に代わり葬式に出席するために、彼の故郷である瀬戸内海に浮かぶ塩島に行くことになる。島の住民の感覚に戸惑いながらも、なんとか葬式を乗り切ったアコだが、靖の母親と3人の姉は何か企んでいる様子……。作者は、前作『椿荘101号室』のときもそうだったけど、基本設定を説明し、そこから話を展開させるための舞台を整えるスピード感が素晴らしいと思う。

・第2話 アコ、島から帰れない
アコは、帰りのフェリーが出るまで靖の姉のひとり、三女・翠の案内で島を観光することに。生前の笠井父が営んでいた理髪店『バーバーかさい』とか、今後登場する場所の紹介といった感じ。ただ、この段階から港の観光案内所や、島の畑、自分が経営するスナックなど様々なポイントに出没する畠山米(まいちゃん)が、いい味を出しまくっている。そして、二女・杏の子供たちの口から、自分が『靖を島に帰って来させ、バーバーさかいを継がせるための人質』だと聞かされる。義母の一粒の涙(目薬)に心打たれたアコは、その作戦に協力することに。

・第3話 アコ、対決の予感
急遽、島に1週間滞在することになったので着る服に困ったアコは、同い年でサイズも同じなまいちゃんから服を借りることに。しかし、そこでまいちゃんの『靖との幼なじみアピール攻撃』や『私はあなたの知らない彼を知っている攻撃』を受けることに。ここで勃発したライバル関係は、後日開催される運動会で決着をつけることになる。この話で初めて靖の顔が明らかになり、職業が女性誌で相談コーナーを持つほど人気の心理学者だと明らかになる。だから、多忙で島に帰って来られないのかと思いきや、そうでもない様子。彼のデスクの引き出しの中に隠されていたのは……。

・第4話 アコ、走る
塩島大運動会が開幕。いちおうライバルが激闘 → 数々の競技を乗り越え和解という流れなのだが、まいちゃんのアコをディスる実況の歯切れの良さ、二人三脚でもつれ合った姿が昭和テイスト濃すぎな校長&教頭、仮装パレードでウェディングドレス姿を披露するまいちゃん、なぜか出場する競技でハンディを課されるアコのリアクションと、コメディテイストの強い内容。しかし、靖が観に来てくれなかったことから(「行けたら行く」を信じてはいけない)、アコの不満が爆発。「靖が迎えにくるまで東京に帰らない」と宣言してしまう。

・第5話 アコ、始動する
アコが、島での仕事を本格的に始動させる。本職がWebデザイナーなので、塩島の魅力を外に向けて発信していくことを考える。その事務所に『バーバーかさい』を選ぶ決め手となる、窓から見える瀬戸内海の風景描写が良かった。いっぽう、死んでしまった笠井父の回想により、靖が『幽霊が見える人』だということが明らかになる(父親の幽霊は靖のところに居候)。これは子供のころからで、幽霊から逃げるために靖は島を離れ、東京に来たとのこと。これだと、いくらアコが頑張ったところで、靖が幽霊への恐怖心を克服しないとどうしようもない問題に思える。カギを握るのは、事情を知っているまいちゃんと、靖のイスの下に隠された鍵なのかな。


この巻で、まいちゃんがやった仕事は……
観光案内所の受付/農業/スナック/学校の用務員/看護師/不動産代行業








テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/09/11(金) 10:27:19|
  2. ウラモトユウコ
  3. | コメント:0

椿荘101号室 第3巻の感想



アパート群像コメディ『椿荘101号室』、完結となる第3巻の感想です。

・Number 19 帰ろう
2巻ラストで椿荘を飛び出した春子を見つけた椿くんは、餌づけ(ファミレス)することに成功する。それでも戻らないとダダをこねる春子だったが、誰かを捜して不安げに街を歩く権ちゃんを見つけて緊張が走る。食べ物でなぐさめてうんぬんの件は、自分で自分にすることはあるけど、春子はそういうことはしないのかな? それより先に周りがしてくれたということかな。

・Number 20 椿くんち
椿荘の大家 = 椿くんの祖母が倒れたということで、急いで駆けつける。翌日、春子は事情を聞こうと、勝手口越しに椿家の庭にいた女性に話しかける。はじめは生垣越しに頭だけ見えていたのが、移動することによって車イスに乗っていることが分かるという演出がナイス。あとは、春子がはじめて見た椿家を「病院みたいなにおいがする…」と感じたのも良かった。車イスや手すりとかがあるだけでなく、出入りする人間のにおいが染みついているみたいなことなんだろうな。

・Number 21 201 月見さん
新キャラ・占い師の月見さんが、椿荘の内覧に。その案内を春子が受け持つことに(物部さんからのバイト)。ここで田中家の女の子の名前が陽恋と書いて『はるこ』と読むことが明らかに(男の方は誉と書いて『たかし』)。プレオープンの月見さんに占ってもらった『周囲に翻弄されそうな星巡り… 変化を恐れずに前向きに』や、田中さんへの後押し(物理的)は、後半への伏線ということだったのか。

・Number 22 椿荘のガールズトーク
月見さんの椿荘への引っ越しを手伝う。その流れから、椿荘内のカッコいい男 → 私も恋愛したいと、椿荘女子たちがガールズトークを展開する。春子が24で、ミキちゃんが21くらいだから、鬼木さんと月見さんも同じくらいの年代かな。磯谷さんは引っ越しを手伝っていたけど、加納さんが全く登場しないということに、どんな意味があるのか? あと鬼木さんは、105を暗室として使っていたはずなのに、この巻では完全に住んじゃっているな。

・Number 23 元101 フランソワさん…!
春子の前に101に住んでいた、フランス人のフランソワさんがひさしぶりの来日。以前は小汚いバックパッカーだったが、現在はワイン農園を経営するビジネスマンになっていた。その姿を見た春子は、101も外の世界とつながっていると感じるということを夢に見る。春子が部屋の中にギュウギュウにつまっているコマとか、壁が手紙になって崩れていく描写が素晴らしかったと思う。あと、78P3コマ目で、フランソワを見る加納さんの視線が他の人に向けられるものとは違う気がするんだけど、どうなんだろう?

・Number 24 カラ館303号室 椿くんとミキちゃん
椿くん編前編。就職ガイダンス帰りでスーツ姿のミキちゃんに同窓会に誘われ、椿荘メンバーからはお守りを渡され、椿くんの感情が爆発してしまう。ここまでは『運の無いエリート』という印象だったけど、現役のときの大学入試をサボっていたり、自分の生き方みたいなものに漠然とした疑問を抱えていたんだな。あと、ミキちゃんはココにきてグッと魅力を高めてきた印象。初登場時は、チョイ役だと思ってゴメンナサイ。

・Number 25 ニュー100号室 椿くん
椿くん編後編。前話以降、気まずくなってミキちゃんと顔を合わせていない椿くん。体調の悪い大家さん(仮病)の叱責と、ミキちゃんの応援でいろいろと吹っ切れる。これまでになりたかった職業を全部声に出すコマが良かった。この話以降、椿くんの登場頻度はガクッと減るんだけど、逆にこれまであったトゲのようなものはなくなった印象。実質的には、この24~25話からは、最終章という感じなのかな。

・Number 26 わたしの大事なもの
椿荘が火事に!? それぞれがとっさに持ち出した、大事なものとは……? 加納さんの“人の形を保つのに必要”な美容液が、いちばん面白かった。オチで、亀井さんと鈴子ちゃんがつき合っていることが確定したけど、この2人の番外編みたいなものも読んでみたかった。あと、鈴子ちゃんは、どうやって春子の目を盗んで椿荘の2階に行けたのか? それから、亀井さんが鬼木さんのことを「鬼っこ」って呼ぶのも好き。

・Number 27 104 田中家のこれから
田中家編前編。急に『田中家』が終わりを告げることに。契約の終了を告げられた陽恋ちゃんだが、後日連絡が取れなくなってしまう。考えてみれば、疑似家族作りに一番情熱を注いでいたのは、陽恋ちゃんだったんだな(ここでNumber 21の占いが効いてくるのか)。田中さん(良く考えたら、これも偽名かもしれないな)が作った料理に対する、鈴子ちゃんの「疑似家族が作った疑似料理って感じで食品サンプル食べてるみたいで気持ち悪い」という感想が印象的。

・Number 28 104 田中家のそれから
田中家編後編。大人に振り回されたままでは次に進めないと考えた陽恋ちゃんは、自分が脚本を書き、椿荘住人を巻き込んで自分なりの終わりの物語を撮ることに。EDEN公開時に作者はツイッター上で「2度と使えない力業」みたいなことを書いていたけど、完成した映画を見る背景ベタの見開きは、この巻のハイライトかな。椿荘住人たちも、後頭部のシルエットだけで誰か分かるのが面白い。あと、170P下段のコマは、単行本2巻の表紙と同じデザインになっているんだな(そこから陽恋ちゃんだけが消えている)。

・Number 29 物部不動産 臨時休業
いつのまにか、物部不動産でバイトを始めていた春子。そこで、外の物件の貼り紙を見ていたタカシさんとガラス越しの再会をする。しかも、横には新恋人の姿が……。3日も部屋にこもり、これまでにないくらいに激しく落ち込んでしまう。ミキちゃんの荒業によって部屋から出された春子に、磯谷さんはエビフライとナポリタンの2皿を出す。そこからの、選択に関する話やアドバイスが良かった。ここはNumber 22のガールズトークとは違い、磯谷さん、加納さん、権ちゃんと、年長者が担当しているんだな。

・Number 30 さよなら101号室
最終回。物件を探しに来たタカシさんと新恋人に対し、春子は流暢に部屋の説明をする(事前練習済み)。しかし、椿荘のことをバカにされたことから、春子の感情が爆発する。いちど、春子が椿荘を出て行ったと思わせてからのラストは、映画のようで良かった。ただ、タカシさんの新恋人は、田中家夫のように顔を見せない存在だと思っていいただけに、普通に登場したのにビックリした。

・番外編 たちばなし四姉妹 <其の二>
春子とタカシさんが(正式に)別れたということが、姉妹たちに伝言ゲーム的に伝わっていく。紙媒体のEDENが継続していれば、もっとこの番外編も描かれていたんだろうな。



影の薄い臼井さんだけど、この巻ではついにセリフなし(登場はしている)。あと帯で気づいたけど、磯谷さんって椿荘の管理人だったのね。






テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/07/18(土) 08:41:12|
  2. ウラモトユウコ
  3. | コメント:0

かばんとりどり の感想


かばんとりどり (ゼノンコミックス)かばんとりどり (ゼノンコミックス)
(2014/05/20)
ウラモトユウコ

商品詳細を見る





女子のカバンの中には不思議がつまっている。『かばんとりどり』の感想です。
Webコミックぜにょん に13年6月から今月にかけて配信されたものが収録されています。『椿荘101号室』に続いて、今月2冊目の単行本発売となります。


・第1話 お泊りセットの話
入社面接の段階から目をつけていた後輩クンにお持ち帰りされるために、しっかりとした『お泊りセット』をカバンに忍ばせていた先輩OL。短いページの中で2人の関係性がコロコロと変わる展開がイイ。

・第2話 リモコンの話
フデバコとまちがえて『DVDのリモコン』を持ってきてしまった遅刻少女。しかし、何気なく押したボタンが現実にも作用することが明らかに。SFと中学生の淡い恋心が上手くミックスされていた。それから『●録画』のところだけ赤く色づけされているのは、グッド。

・第3話 赤ずきんちゃんの話
バスケットに『ワイン』を入れて、赤いフードを被っている美人をナンパした男。彼が目を覚ました場所は……? 赤ずきんちゃんをベースにしながらもダーク?な方向にストーリーが転がっていくのが良かった。

・第4話 カメラの話
エピソード・オブ・ザ・イヤー級の高内容。おばあちゃんの形見である小さなトランクの中に入っていた『使い捨てカメラ』。そこに写された2枚の写真によって、ひとりの女性の平凡だけど素晴らしい半生が浮かび上がってくる。最後のページの語りはグッとくるものがある。

・第5話 手りゅう弾の話
バイトの休憩中に、砂浜に埋まっている『手りゅう弾』を見つけた女子高生。スイミングバッグに入れて警察に届けようとするが「手りゅう弾を届けると10万円もらえる」という子供の話が気になってしまい……。でも、コレ海が近いとはいえ、スク水女子が街をうろついているというのも、なかなか危険だと思う。

・第6話 アレの話
トイレで『生理用品』の話をする友達の輪に、少し入りづらそうな主人公の少女。彼女のウソに気づいたメガネっ娘のアドバイスが良かった。それからアレを投げ渡すときのコントロールがイイのは、当たり前なの? 舞台は、第2話と同じ中学校。リモコンを持ってきた遅刻少女も登場します。

・第7話 カレーの話
ひどく大人な話。スーパーで『カレーの材料』を買う女性。ふつうに彼氏のためかと思いきや……。小さい方のバターを選ぶ66Pからは、特にアダルトな雰囲気。オマケの1コマでカレーの美味しさにダメを押しているのもイイし、チェックのストールが印象的だった。

・第8話 クレヨンの話
クラスメイトの『クレヨン』をランドセルに入れて持ち帰ろうとした少女。「わたしの肌色は、こんな色じゃない」「水の色は透明じゃないの?」という素朴な疑問の答えに男性教師が悩む。この話のハイライトである80Pだけカラーになっているのも、とてもいい演出になっていた。

・第9話 おみくじの話
初詣に行くため着物に着替えている女性のところ(っていうか茶の間で着替えているの?)に、ドンドン家族が集まって来てドタバタするコメディテイストの強い内容。小さなポーチの中から『去年のおみくじ』や『宝くじの入ったポチ袋』が出てきて、それについての掛け合いのテンポが良かった。

・第10話 非常持出袋の話
万全の非常持出袋を用意した女子大生。でも野宿をするのは危険なので、近所の同級生のところで試すことに。『手回し充電ラジオ』『ブランケット』などは役に立たなかったものの、他人の部屋で簡易トイレに用を足す(大)度胸があればサバイバルもできる思う。あと、波多野君は、高畑さんなみにいい男やで。

・第11話 おみやげの話 [前編]
彼氏と北海道旅行に行った女性店長が『お土産』を持ってくる。しかし、実際には旅行には行っておらず……。意を決してから、部屋の中で北海道を満喫する流れが良かった。

・第12話 おみやげの話 [後編]
身内の不幸で北海道に帰っていた小野田さんが、バイト先に『お土産』を持っていく。が、そこは第11話と同じ書店。店長の恋人と偶然会って真相を知ってしまった小野田さんのとった行動は……? ニットキャップとチョコのギャップがイイ。

・第13話 受験の話
美大の受験に来た女子。しかし、転んだ拍子にデッサン用の『鉛筆』を折ってしまう。同じホテルに泊まっている予備校の先輩とともに鉛筆を削りながらの会話が良かっただけに、その時の約束を破る形になるオマケの1コマが何とも言えない。

・第14話 クリーニングの話
閉店間際のクリーニング店からまとめて服を引き取った女性だが、そのなかに他人の『セーラー服』がまぎれこんでいた。興味本位から着てみたことで、大きな悲劇を招くことに。137~138Pは、まるでコントのような展開で面白いのだが、その直前の「そもそもわたし友達いないんだった…」のコマが切なすぎる。

・第15話 女子力の話
第2話、第6話で登場した中学生たちがファミレスで試験勉強をする。その中の1人のカバンには『シャーペンの芯』『折り畳み傘』『充電器』『裁縫セット』『ばんそうこう』となんでも入っていた。もしかして、死んだネコも……と思わせる147P1コマ目の雰囲気が最高。

・第16話 妹の話
第17話とセットになっていて、前編のような内容。実家から送られてきた食材を、不摂生な生活をしている姉のために調理する妹の話。ひとりで淡々と料理するだけの内容だが、そこに幼い頃の思い出も重なってくる。あと『出来上がった料理』がズラリと並んだ光景に「運動会の朝みたい」という感想を持つところが良かった。

・第17話 姉の話
第16話から続く、後編のような内容。妹が作ってきた料理を持ってピクニックに行くことに。そこで、漫画家をやっている姉はある不満を打ち明ける。『バドミントンのラケット』を入れたカバンの中に、リモコンが入っていたことからアイディアを思いつくという、ちょっとメタ的な展開は好み。

・オマケ
ここまでの主人公は全員女ということで、作者のまわりにいる男性のカバンの中身を調べてみるという企画。個人的には、作者の父親のモノが一番興味深かった。趣味に生きている感じがしてカッコイイ。






テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/05/23(金) 11:55:47|
  2. ウラモトユウコ
  3. | コメント:0
次のページ

FC2Ad