

ゴールデンカムイ、大団円の第31巻の感想です。表紙は“不死身の”杉元佐一さんです。
・第303話 暴走列車運転士も死亡し、もはや止まることもできない列車内での死闘。牛山vs月島、土方vs鯉戸、そして鶴見vs尾形というマッチアップ。しかし、あらためてみると、杉元の顔のダメージはけっこう大きそう。耳やホホのダメージは、思いのほか大きなものになりそう。
・第304話 歴史鶴見中尉との会話で、尾形の狙いが『自分が第七師団長となり、様々な価値観をぶっ壊すこと』だと明らかに。尾形は、鯉登少尉のような熱烈な鶴見中尉のシンパというわけではないと思っていたけど、実際はイチバンこじらせていたわけか。そして、ほか2つのマッチアップでは、どちらも第七師団側が苦戦。相手が不敗の怪物と最後のサムライだからな。
・第305話 迷い土方の言葉で、心の底にあった迷いを振り払った鯉登少尉。さらに月島も正面から挑んでは勝てない相手に、なりふり構わず手投げ弾を使う。まだまだ列車内の激戦が終わりそうもないというこのタイミングで、作中最強生物が乱入してくる。「ゴールデンカムイの最終決戦、俺がいなきゃ始まらないだろ!」とばかりに脈絡もなく乱入してくるヒグマが最高。
・第306話 特攻前門の杉元、後門のヒグマ状態の第七師団一般兵もかわいそうだが、本筋は、月島&鯉戸の関係性。鯉戸少尉が1対1で土方に勝利したのは予想外だった。刀が折れたのが功を奏す形になるとは。そして、牛山に対して特攻を仕掛ける月島。ここは、それぞれの優しさが招いた皮肉な結果という形か。
・第307話 ちんぽ先生身を挺して爆発から守った牛山。左腕を失う大きなダメージを負いながらも、アシ
リパさんを気づかう姿に涙を禁じ得ない。実質的な人間最強キャラなので、こういう形での退場となってしまったか。この混乱に乗じて権利書の入った矢筒を奪った月島は鶴見中尉へ渡す。そのまま後を追おうとするが、これを鯉戸少尉が止める。ここのやりとり、人間関係が複雑に絡み合っていて、こっちの感情も締めつけられる感じ。そして、頭部を負傷した土方は、記憶が新選組時代に戻ってしまう。
・第308話 似た者同士クマを追い返した土方は、ここで力尽きる。若き日の自分を重ね合わせた杉元に自分の刀を託す。敵対したこともあったけど、最後の局面にきて、この2人のあいだには師弟関係のようなものが生まれていたのかな。そして、最期を看取った永倉の辛さも心中察するにあまりがある。2度も置いて行かれることになろうとは。そして、ヒグマに対して言った尾形の言葉をそのままの形でお返しする杉元の一撃がキマりすぎている。
・第309話 血濡れ事杉元vs尾形の殺し合い。そこにヒグマの横やりが入り杉元が劣勢になるなか、アシ
リパさんが放った毒矢が尾形の腹を……。このときにアシ
リパさんの目から輝きが消えているので、なんとも言えない苦しい気持ちになる。「杉元佐一と一緒に地獄に落ちる覚悟だ」と決意の言葉を添えられても……。身体の輪郭が液状になるのは、悲しみの表現で使われていたけど、ここでは別の意味だよな……。
・第310話 祝福毒で錯乱しているのか、様々な時系列の尾形百之助が語りかけてくる。それを受けて、尾形自身が最後に取った行動は……。このタイミングで勇作殿の顔がオープンになるのも意外だったし、義眼となったことで左右の顔つきが違うのを、こういう形で使ってくるとは。そして、杉元たちは機関室にいる鶴見中尉と対峙する。これがラストバトルとなるのか?
・第311話 アシリパの選択アシ
リパさんは、ひとりで鶴見中尉と決着をつけようとするが、杉元が出した答えは……。「ひとりで行かせるかよ!! 相棒だろ」は最高のセリフ。映画だったら、ここで主題歌がかかること間違いなし。そして機関車での戦闘。もう、このレベルだと普通に銃弾をかわせている。しかし、その前には暴走状態の機関車を止めないといけない。白石に渡した乾燥ハンペンだったり、ギャグ要素もこの巻では貴重。
・第312話 分け前杉元vs鶴見中尉の一騎打ち。隙をついて隠した銃に手を伸ばす鶴見中尉だが、杉元も奥の手を隠していた。犬童戦のときの土方と同じような“分け前”の使い方も見事だった。そして、白石と谷垣が機関車を追う一方、永倉は土方の死体を抱え列車を降りようとする。歴史的に名前が残っているキャラの処遇は、他のキャラと同じというわけにはいかないか。
・第313話 終着杉元の一太刀を浴びた鶴見中尉。なんとか矢筒を確保しようとするが、目線は『指の骨』のほうへ……。仮面がはがれた表情が何とも言えない。そして、アシ
リパさんをかばった杉元が胸を貫かれてしまう。いつもの決め台詞を言うものの、そのまま汽車は車庫を突き抜け海へと落下してしまう。その流れでの、釣見中尉と杉元の攻防は、熾烈の一言。究極まで来ると、もう本能的な攻撃になるんだな。
・第314話 大団円舞台は六か月後の東京へ。花屋を営む梅ちゃんのところに現れたのは……。241ページの「故郷に帰ろう」という杉元の言葉と、アシ
リパさんの笑顔にいろいろと救われる。各キャラのその後がどうなったかがダイジェストで描かれるのも、最終回らしくてとても良かった。そして白石はどうしたかというと……。実に“らしい”オチという感じ。さらに描き下ろしで壮大な計画も描かれいるし「やってくれたなぁ白石ッ!」という感じ。
ゴールデンカムイ完結。見事なフィナーレでした。
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- 2022/07/21(木) 19:37:25|
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ゴールデンカムイ第30巻の感想です。表紙は“権謀術数の体現者”鶴見篤四郎中尉です。裏表紙にいる月島軍曹は、どちらの表情を見ているのか……。
・第291話 骨董品激戦のなか、自ら先頭に立って五稜郭に突入していく鶴見中尉。こういったところも、人を惹きつける理由のひとつなんだろうな。鯉戸少尉だけ降り注ぐ臓物にビビっているのは、ここまでの激戦は初経験だからか。しかし、艦砲射撃の雨が突然止む。それを成し遂げたのは……。マンスールの腕がいいのはもちろんだけど、観測気球に当たったのは門倉の幸運ということかな。ラストで土方が若いころの姿に戻るのも良い。
・第292話 函館湾海戦目標を函館山に変える鯉戸少将。しかし、乗っている艦も被弾してしまい……。最期のシーンとなる、身体が波にのまれる姿が印象的。その砲弾を当てた?のがキラウ
シというのも良い。権利書を見つけたとき、その場にいたアイヌはアシ
リパさんだけじゃなかったんだよな。そして、身を隠したまま機会をうかがう尾形とヴァシリ。いつ動きを見せるのか?
・第293話 侵入者五稜郭内に第七師団が突入。白兵戦がはじまる。ラストでは、土方をかばい都丹庵士が……。ここからは、主要キャラでも油断できない修羅場が始まったということか。そう考えると別行動で負傷したキラウ
シと門倉(とマンスール)は、生き残る可能性が高くラッキーなほうなのかもしれない。
・第294話 静寂五稜郭内の戦いがさらに激化。砲弾や銃声の音をうるさがっていた都丹だったが……。サブタイトルのとおり、静寂に包まれた姿が印象的。どんどん名前のあるキャラが退場していく。そして、杉元のところに二階堂が登場。あいさつ代わりのドロップキック&仕込み銃を炸裂させる!
・第295話 ふたり杉元vs二階堂。至近距離での命のやりとり。激しい攻防の中で、しっかりと『お箸』も活躍しているのが良かった。そして、股間に仕込んだ手投げ弾で相討ち覚悟の二階堂だったが……。爆発で身体が真っ二つ → 浩平と洋平が再会 → 爆発バックの杉元という後半の展開の畳み込み方がすごくてテンションが爆上がりする! いっぽう登場当初は鶴見中尉に心酔していた鯉戸少尉だが、ここにきて“ズレ”は決定的なものとなってしまった様子。さて、月島軍曹はどちらにつくのか……。
・第296話 武士道土方とウイルクの回想エピソード。このときに『小蝶辺明日子』のことを聞いていたのか。現在に戻り、戦闘まっただ中の土方。相変わらず、剣と銃を華麗に操って戦う姿がカッコよすぎる。窮地を助けに来た杉元と背中を預け合って戦う姿も、また良し。そして、連合軍が劣勢と見た白石は、アシ
リパさんに五稜郭からの撤退を進言するが……。
・第297話 五稜郭脱出
第七師団に変装し、脱出をはかる白石。しかし、あっさりと鯉戸少尉に見破られてしまう。そこに救援に駆けつけたのは永倉新八。ここで剣豪2人の対決となるか。そして、別の場所で待機中だったアシ
リパさんが、鶴見中尉に見つかってしまう。全力疾走するときの鶴見中尉のフォームはキレイだけど、すごく怖い。
・第298話 ウイルクの娘
まず、鯉戸vs永倉。いちおう建前的には権利書を守るためだけど、実際は鯉戸の気合負けという感じ。アシ
リパさんは杉元が保護。白石と合流し、ソフィアの守る北口から脱出しようとするが、そこにも鶴見中尉の魔の手が……。ソフィアが部下たちの名前を呼び、最後にウイルクとユルバルスと叫ぶシーンが切なすぎる。そして、橋から落ちそうになったアシ
リパさんを、あのセクシーマタギが救援に現れる!
・第299話 許し谷垣が五稜郭に現れるまでの流れ。それにしても、インカラマッが抱いている赤ちゃんの毛根が強すぎる。毛が逆立っているじゃないか。そして、ソフィアが死んで涙を流すアシ
リパさんと、ソフィアを殺して脳汁を垂れ流す鶴見中尉の対比の見開きがすごすぎる。聖と邪のコントラストが強い。いっぽう尾形は、五稜郭から脱出した杉元たちに狙いをつける。もう金塊うんぬんは、個人的には関係なくなっているのかもしれない。
・第300話 再延長戦尾形vsヴァシリ、最後の狙撃戦。尾形は勝利を確信しているけど死体が描かれていないし、再々延長戦があるのかも。そして、杉元たちは馬(サラブレッドじゃなくて道産子なのが良い)から汽車に乗り移って逃げようと考えるが、先客として乗っていたのは……。こういう息つく暇のない怒涛の展開、いかにもゴールデンカムイって感じ。
・第301話 第二陣汽車に乗っていた第七師団の援軍を、ちぎっては投げちぎっては投げの大立ち回りを見せる牛山。ただ、もうこの段階まで来ると最後の見せ場 → 死亡の方程式がチラついてきて……。そして汽車に追いついた鶴見中尉は谷垣を撃ち落とし、乗り込もうとする。額当てを使ってガラスを割ったり、もはやダークヒーローを通り越してヴィラン化が進行している。
・第302話 車内暴力杉元と土方の会話もカッコよいのだが、やっぱり牛山の大暴れが印象に残る回。列車内で筋肉ムキムキ男が大勢相手に戦うというのは『新感染 ファイナル・エクスプレス』のマ・ドンソクを連想してしまう。そして、汽車に第七師団だけでなく尾形も乗り込んでくる。まさに、地獄生きの暴走列車の様相をていすることに……。
北の大地の金塊争奪戦も、いよいよクライマックス。次巻で完結となります。
テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2022/06/20(月) 18:21:17|
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ゴールデンカムイ第29巻の感想です。表紙は“勇毅の若武者”鯉登音之進です。
・第281話 函館のひと房太郎によると、もともとの金塊の隠し場所は五稜郭近くのロシア領事館。ここで、鯉登少年の誘拐事件もチラッと関わってくるとは。そして、ウイルクたちも普通に金塊を発見したのではない様子。いったい何があったのか? そして、時間のアドバンテージがあると考えていた白石だが、すぐ背後には……。
・第282話 一刻第七師団がいたが、杉元らが瞬殺する。しかし、すでに鶴見中尉らが動き出したことを知ってしまう。いまだ金塊の正確な隠し場所は分からず、見つけても第七師団の到着前に全てを運び出すのは不可能……。そこで杉元は五稜郭に籠城することを決意する。ソフィアも援軍に呼んだし、ラストのセリフといい、土方が頼もしすぎる。
・第283話 神の刺青五稜郭が、なぜ星形をしているのかの説明。ただ、第七師団がある程度近代的な兵器を持ち込んだら、あまり意味をなさないような。そして戦闘の準備と並行して金塊探しも行われる。自分に彫られた刺青の『神』の部分に賭ける土方がカッコイイ。ソフィアたちが乗ってきた列車には尾形の姿もあったし、鶴見中尉が手配した汽車にはヴァシリも忍び込む。役者がそろいつつある。
・第284話 私たちのカムイアシ
リパさんが、謎の箱を掘り起こす。その中に入っていたのは……。函館戦争もからんだ国際的な取引からのまさかの結末。見開きで語られるアシ
リパさんの答えは間違っていないのだが、杉元らのガッカリ具合も納得できる。しかし、冊子をよく読んでみると……。鶴見中尉が悪い意味で使った『ゴールデンカムイ』を、アシ
リパさんがいい意味に変えるのが良かった。
・第285話 最終決戦第七師団は駆逐艦で函館に来ていた。気球から観測し、艦砲射撃で五稜郭を狙う。その最中、永倉がひとりで堀を渡り、鶴見中尉に接触をはかる。金塊はなかったと言い、土方を説得して降伏すると言うが……。ここまで、あまり目立った活躍がなかった永倉だが、老いてなお侍の心は消えていないということか。ラストの顔が怖すぎる。
・第286話 タイムリミット永倉、大立ち回り。ひとりで第七師団を相手にするのには限界があるだろうが、どこまで戦うことができるのか? そして門倉は、キラウ
シ、夏太郎と艦砲射撃を止めに向かう模様。いったん土方に報告に戻ったときに、一枚の刺青人皮が五稜郭図の上にヒラリと舞い降りたけど、これにはどういう意味があるのか?
・第287話 門倉の馬門倉らは五稜郭を脱出し、永倉と合流。そのとき狙撃されまくっているのに、まったく弾が当たらない様子が面白すぎる。最終的に、生き残ったのは門倉だけでした。みたいな可能性も十分にあるわけか。そして土方は、門倉の刺青人皮をヒントに、馬用の井戸を掘り返す。その底にあったのは……。ロープ伝いに降りたアシ
リパさんと杉元。そして興奮のあまり落下してきた白石が、金の雨を浴びるシーンが素晴らしかった。ついに目的を達成したのだという喜びがある。でも最後のページ、笑顔の杉元に対し、アシ
リパさんの表情が……。
・第288話 爽やかな男ウイルクらが榎本武揚と土地購入に関する話し合いをしているとき、馬の世話をしていたキム
シプが、若かりしころの土方と知り合う。五稜郭が政府軍の攻撃を受け、土方も負傷してしまうがキム
シプが助けようとする。再会したときの「爽やかニシパ」という印象は、ちょっとクセになるような響きがある。このときの印象がウイルクにも残っていて……ということか。
・第289話 五稜郭攻囲戦艦砲射撃が再開されたので金塊のある井戸をもう一度隠し、本格的に籠城戦が始まる。第七師団は正確に堡塁を攻撃し、突撃を開始する。土方もそれを見越した作戦を展開する。もうここからは、いつ誰が死んでもおかしくない白兵戦に突入したという感じ。兵士たちへの演説のあと、ケシ畑の上を飛ぶ鶴見中尉の見開きが面白すぎる。
・第290話 観音像土方ら連合軍vs第七師団。五稜郭に突入するか防ぐかの、ギリギリの攻防が展開される。ソフィアの部下たちは、使い捨てのコマにされてちょっとかわいそう。そして、五稜郭の外に出た永倉らは、函館山に隠された『秘密兵器』を発見する。これがちゃんと作動すれば、艦砲射撃を無効化できるということか。
いよいよ物語も佳境に。最後に黄金を手にするのは誰なのか⁉
テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2022/04/21(木) 19:15:47|
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アニメ第4期も決定! ゴールデンカムイ第28巻の感想です。表紙は“全身兵器のリベンジャー”二階堂浩平さんです。
・第272話 イポプテ有古が教会内に入ったことで、一気に状況が動く。混乱に乗じて脱出したアシ
リパさんを杉元が救出(人の皮を被って暴れるソフィアは、まるでレザーフェイスのよう)。しかし、有古は月島軍曹に至近距離から撃たれてしまう……。その瞬間を目撃した菊田特務曹長とすれ違うときの無表情さというか、特に何も感じていないという顔が、なんとも言えず怖ろしさすらある。菊田、明治政府とのつながりもあるし、一気に第七師団を裏切る可能性もなくはないか。
・第273話 鶴見劇場ショックを受けていたアシ
リパさんだが、杉元に抱えられ覚悟を決める。そして、有古は一命をとりとめていた。マキリに関するエピソードの入れ方がニクイぐらい上手い。さらに鶴見中尉は暗号の解読に取り掛かる様子。鯉登少尉は、ビールまみれになった自分たちのが匂いに鶴見中尉が気づいていたのではないか? さっきまで語っていた内容にウソではないのか? と疑心暗鬼になってしまうが……。この疑念が、今後にどういう影響を及ぼすのか?
・第274話 こだわり江戸貝くんの“こだわり”に気づいたアシ
リパさんが、判別方法を実践。杉元&土方一派も全員合流し、房太郎から聞いた『最初に金塊が隠された場所』へ向かいながら、暗号解読を始める。刺青人皮の漢字にも線にも、キチンと役割がったんだな。そんなとき、杉元はウトウトしはじめ過去のことを思い出す。菊田特務曹長だけでなく、勇作殿とも何かつながりがあったのか。
・第275話 東京愛物語田舎から東京に出てきた杉元。『雨に唄えば』のパロディをしていた次のページで、さっそく陸軍士官学校の生徒たちと大乱闘を起こしてしまう(そこから、さらに『スピナマラダ』のセルフパロにつなげたのも良かった)。仲裁に入った菊田軍曹は、杉元を花沢勇作の見合いの替え玉にしたいという話を始める。いきなり白飯で手なづけられたり、軍隊にはいったら飯が食えるのかと聞いたり、このころの杉元の行動原理は食べることだったんだな。そして、特訓の末にいよいよお見合い当日。しかしテーブルに出されたのは、エビフライだった! フォーク二刀流で挑もうとする杉元が面白すぎる。
・第276話 エビフライ小粋なジョークで、なんとかピンチを切り抜けた杉元。これまでの自分の境遇と、現在の状況のかけ離れ具合を感じる1ページが切ない。さらに、勇作殿は本当は聯隊旗手を望んでいないのでは?と考え、本人に直接会って問い詰める。最初は尾形の回想に登場したためか勇作殿は顔を描かれないキャラになったけど、こうやって出番が増えるのならキチンと設定をしておけばよかったのにと思う。それから、寅次と梅ちゃんの話を聞いて、そこまで?ってぐらいにキレる菊田軍曹が面白い。
・第277話 花沢勇作童貞防衛作戦2回目のお見合い。相手の花枝子さんの巧妙な策略にあい、はだかのまま浴室に通される杉元。絶対絶命かと思われたタイミングで、鶴見中尉らが到着する。そこで杉元も浴室を飛び出すけど、このときの尾形は「あぁこれが勇作殿か」と思っているわけか。後々の展開を考えると、いろいろと切なくなるな。ビーフスチウ。
・第278話 花枝子お嬢様と ふりちんノラ坊全裸のまま第七師団相手に奮戦する杉元。このときから、月島軍曹や宇佐美とやりあっていたわけか。そのフリチンファイトの様子も面白いけど、事態が収束し街中で花枝子さん相手に事情を話している最中も、杉元の下半身が裸のままで軍帽で股間を隠しているだけというのが笑えてくる。最後では菊田軍曹から返してほしいと言われてしまうし。それこそ、警官が来てもおかしくない格好だろ。
・第279話 俺の手柄杉元は軍帽を返さず、陸軍に入ることを決意する。下半身丸出しのまま、どうやって士官学校?まで行ったのだろう? そして時間が現在に戻ってくる。アシ
リパさんが暗号の解読を試みる。と同時に、鶴見中尉は暗号の解読に成功した勢いのまま、菊田特務曹長に銃弾をお見舞いする流れが衝撃的すぎる。もう最終局面なんだろうし、部下を切り捨てるのにも躊躇がない。
・第280話 決意の号砲中央とつながっている菊田特務曹長を始末することを、中央と袂を分かつという決意の号砲とした鶴見中尉。第七師団全体に号令をかける。そして、アシ
リパさんも暗号の解読に成功。刺青人皮が示したその場所は……。見開き2連発で五稜郭が描かれる演出が素晴らしい。特に、元新選組の2人にとってはいろいろと思うところがありそう。ここが最終決戦の舞台となるわけか。
次巻から舞台は函館へ。いよいよ、最終局面ッ!
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- 2021/12/20(月) 18:30:12|
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ゴールデンカムイ第27巻の感想です。表紙は“脱獄王”白石由竹さんです。
・第261話 消防組杉元vs房太郎は、房太郎があっさり降参する。ただ、杉元の右ストレートの迫力がすごかった。房太郎は再度手を組み、手持ちの刺青人皮だけでの暗号解読を提案するが、杉元はあくまでもアシ
リパさん救出を優先させる考え。しかし第七師団は、火事に駆けつけた消防組の装備を奪って逃走をはかっていた。頭巾ちゃんと尾形の考えの読みあいも面白いのだが、因縁的に頭巾ちゃんの負けが濃厚なのがちょっと切ない。
・第262話 札幌麦酒宣伝車追跡劇ビールの宣伝車に乗って、第七師団を追う。民家を突っ切ったり、杉元&白石が思いっきり体を傾けてカーブを曲がったり、かなりのアクションを見せる。こち亀というかトムとジェリーというか、往年のギャグアクション風味が強かったと思う。そして蒸気車に追いつくが、鶴見中尉と菊田特務曹長の銃弾が房太郎を……。直前の「あーあ……」というモノローグも印象的だが、最後の最後で白石をかばったシーンも良かった。この2人、なんか他の刺青囚人たちとはちょっと違う友情の深さがあったと思う。
・第263話 海賊房太郎こと大沢房太郎房太郎は事切れる前に、白石に金塊にかかわる重要なメッセージを残す。刺青人皮も託されたし、これで白石のジョーカー度がさらに高まった印象。そして怒りモード全開で蒸気車に乗り移った杉元だが、菊田特務曹長とは顔見知りだった模様。「菊田さん」のときの表情は、アシ
リパさんに向けられるのとは別の純朴さがあった。そして、鯉登少尉と月島軍曹のところに現れたのは……。
・第264話 小樽の病院で見た女ソフィア! アシ
リパさんを奪い返そうと月島軍曹と激闘をくり広げるが、頭部を負傷しけっきょくは捕まってしまうことに。一時身を隠すことになった教会で、ソフィアが持っていた写真(ウイルク、キロランケと撮ったもの)を見た、鶴見中尉のリアクションが印象的。自分でも、もう一度目にすることになるとは思っていなかったものだろうし。あと、白石が運転する蒸気車が猫に抜かされるのが、地味に面白い。
・第265話 鍵穴はぐれた仲間の捜索に向かった月島軍曹と鯉登少尉だが、鶴見中尉とソフィアが何を話すのかが気になって教会に戻ってくる。第260話で気になっていたシーンは、鯉登少尉が鶴見中尉の前でも普通に話していたことを不審がっていたものだったのか。そして、話を盗み聞ぎした月島軍曹も、いろいろと思うところはある様子。これまで鶴見中尉を中心に固い結束力をほこっていた第七師団だけど、ここにきて綻びをみせはじめているのか。
・第266話 小骨の指鶴見中尉が、過激派アイヌが金塊を集めたものの、ロシア軍から横流しされるはずだった武器が届かなかった経緯を語る。そして、妻と娘の死に意味はあったのかとソフィアに問いかける。なんとなく、スパイをするために都合がいいから結婚していただけかと思っていたけど、本当に愛していたのか。そして、月島軍曹が考えたことが、鶴見中尉の本当のモチベーションということなのか? というシリアスな話のオチが、車から飛び出す杉元&白石というのがズル過ぎる。
・第267話 断絶死んだと思われていた過激派アイヌの生き残りが、登別で発見される。ウイルクらは彼との接触をはかろうとするが、そのメンバーの中にはキロランケの姿はなかった。あくまでもロシアや樺太を含めた少数民族の連邦国家を夢見るキロランケと、北海道だけを独立させるべきだと主張するウイルクの意見の食い違い。どちらの言い分にも正当性はあるし、ウイルクの心変わりの根底にはアシ
リパさんがあるのだと思うと、より切なさが増す。
・第268話 一本の毒矢ウイルクの仲間の一人、シロマク
ル(有古の父親)と接触した第七師団。金塊に関する情報を聞き、さらに人間関係を崩壊させる一言を残す。このあたりは情報将校の本領発揮といったところか。そして、金塊を探していた一団が殺し合いとなり……。こうやって“のっぺら坊”は誕生したわけか。おそろしすぎる。それから、最初に金塊を隠したアイヌのキム
シプがチカパシの祖父だというのが、うまい演出。
・第269話 ウイルクのやり方ウイルクがのっぺら坊となり、網走監獄に収監されるまでの流れ。犬童もこういう関わり方をしてくるか。そしてソフィアからは、キロランケの側の動向が語られる。信頼していた人が変わってしまったので、自分でケリをつけてあげた。というのは、ままあるシチュエーションであるけど、最後のページの焦点の合っていないような眼の描き方が印象的。自分だけが変わらず正しいままってことはないんだよ。
・第270話 全ての元凶杉元たちと合流した有古が教会内の様子を見に行くことに。第七師団であり、土方一味であり、菊田特務曹長とのつながりもある……。どの立場で行動するのか? そして鶴見中尉は、自分の妻と娘を殺した銃弾がウイルクの拳銃から放たれたものだと語る。その後の、ウイルクの顔の皮を被っているシーンは、そこいらのホラー作品よりも不気味。そして、アシ
リパさんには、和人とアイヌの未来を選択できる責任があるという……。
・第271話 まだら模様の金貨アイヌは、すべてのものにカムイが宿っていると考える。ならば、金塊にもカムイがいるのではないか? こんな殺し合いを引き起こしたカムイは、どんな凶暴なカムイなのだろうか?と語る鶴見中尉。ここでのタイトル回収シーンがアツすぎる。ここ何話かの展開では、基本的に教会内で座って話しているのがほとんどなのに、ストーリーをグイグイと動かしていく鶴見中尉のパワーが半端ない。
次巻、ついに刺青人皮の暗号が解明される!
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- 2021/09/21(火) 19:02:28|
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