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晴耕雨マンガ

天国大魔境の小ネタ募集中/6月は、天国大魔境、ヴィンランド・サガ。

世界八番目の不思議 第3巻の感想




完結となる『世界八番目の不思議』第3巻の感想です。恒例のオマケ要素。今回はカバー下が第17話の『幽霊求人情報誌』の誌面。帯裏は、第16話の要素をゲーム攻略本風にまとめています。





・第15話 Part A 文明開化七夕伝説
織姫と彦星の現代版。年に一度の七夕の日に大雨が降り、彦星と会えずに傷心の織姫(織物会社勤務)。新人社員の夕鳥若子さんがうっかり口を滑らせてしまったため、スマホの存在を知りドップリとハマってしまう。普通に彦星とやり取りしているのかと思いきや、ラブポエムブログを開設していたり、存分にスマホライフを満喫している様子が楽しい。いちおう姫なのに、2回も叩かれているのも面白い。

・第15話 Part B ああ天の川の流れのように
スマホを持ったことにより、かえって会いたい気持ちが募りすぎて、ラブポエムがスランプになってしまった織姫。夕鳥さんの勧めでのぞいてみた出会い系サイトに彦星を見つけてしまったことにより、逆に詩情があふれ出す。そこから、七夕の短冊の由来につなげるオチの強引さが素晴らしい。基本的に恋に一直線の織姫が、常に地味な作業着姿なのが面白い。

・第16話 Part A vs.サキュバス
風俗で出会ったサキュバスにつきまとわれて困っている勇者(Lv.3)。そこで、東洋に伝わるホーイチ的な術で身を守ろうとするが、仲間の僧侶(Lv.2)は気が進まない。イヤイヤながら身体に呪文を書いたものの、肝心の局部に手をつける前にメンヘラサキュバスが乗り込んでくる。ピンチを切り抜けた勇者のハンドサインを、的確に読み取れるヤツはひとりもいないと思う。しかし、サキュバス1体でレベルが7も上がるモノなのかな?

・第16話 Part B 酒とサキュバスと男と女
魔王討伐前夜。様々なところ(具体的には胸部)が成長した僧侶(Lv.87)は勇者(Lv.97)に告白しようとするものの、勇気が出ない。酒場で再会したサキュバスにアドバイスを仰ぐ。教わった『男を褒めるさしすせそ』が、続けざまに空振りする様が見事だった。っていうか、パートAから10年間、この2人だけで戦い続けてきたっていうのが地味にスゴイ。他の人とパーティー組まなかったのか。

・EXTRA WONDER 1 夏実
最終巻ということで、作者の連載前の読み切り作品も掲載。これはFellows!Qに掲載されたデビュー作。女子高生官能小説家の娘が、ミンミンゼミの父親を油で揚げて食べるという話。4ページと短く、セミの大きさが一定じゃなかったり、荒さの残る内容。

・第17話 Part A 就活霊
就活中に不慮の死をとげた三鴨さんが、霊ならではの仕事を探すことに。ゴーストライターを本当の幽霊がやっていたり、死亡と志望、自己と事故といった言葉遊びが面白かった。あと、面接のときに履歴書代わりに提出した火葬許可書では、住所が和歌山県となっていたけど、この作品全体が和歌山の話だったのかな?

・第17話 Part B 永久就活霊
妹の結婚が決まったことにより、三鴨さんの婚活欲がいまさら高まってしまう。独身霊同士のマッチングなどを提案するものの、女住職さんに却下される。しかし、この三鴨妹が、第1話の人型USBカードリーダーのモデルになった人だったとは。つまり名前は、旧姓・三鴨みどりさんというワケか。

・EXTRA WONDER 2 とこなめ慕情
巨大な招き猫(常滑市のとこにゃん)の近くの横断歩道を、好きな先輩が手を上げて渡っている → 左手を上げているということは『人を招いている』ということだ → 俺を読んでいる。告白だ!という話。特典小冊子『猫猫フェローズ』に収録されたものなのだが、猫テーマでこういう話を描くというセンスがすごい。

・第18話 Part A 手袋離合集散物語 前編
なぜか道端に落ちていることがよくある手袋。それが同じ場所にいくつも集まる様子を、交通量調査中の女性が目撃する。パートナーの老人男性に教えるために、一度道路を渡って写真を撮る → そのときに自分の手袋も落としてしまうという「あちゃー」な、脱力系のオチが良い。

・第18話 Part B 手袋離合集散物語 後編
今度は、手袋の持ち主たちが続々と集まってきて、そこで男女の恋愛ドラマ?がくり広げられることに。前編と同じくその全てを目撃していたバイト女性が、やっぱりパートナー老人に上手く事態を伝えられないという天丼オチなのが面白い。あと、ツイッターの情報拡散力ってすごいね。

・EXTRA WONDER 3 煙巻き巻き時代
男の子といっしょにゲームをしている女の子が語る、男子だけに訪れる恐怖の時の話。見事ゲームに勝つことはできたが、これでタイトルの通り『煙に巻いた』と言えるのか? 坊主頭の男子は中学になっても信じていたようなので、問題ないのか。

・第19話 Part A メモリー・オブ・イサナ 前編
この連載が始まる前、ハルタの帯の裏にて連載されていた巨大少女が主人公。日本の港町に住む身長6メートルの女子高生 いさな と、彼氏の真田夕(通常の身長)とのやり取り。帯裏連載時は『巨大少女×建築物』というイラスト形式だったので、いさなの日常生活が垣間見れたのが良かった。ただ、部屋?が倉庫のようなところだったり、ハッキリとは描かれていない苦労もたくさんあるんだろうな。

・第19話 Part B メモリー・オブ・イサナ 後編
夕は東京の大学に進学することとなり、町に残るいさなとのあいだに距離が生まれてしまう。住むところが離れても、身長差が4メートル以上あっても、ふたりの心の距離は変わらないということか。パートAの最初とパートBの最後に出てきたクジラの別名が勇魚(いさな)というあたりが、ちょっとオシャレ。この話は、コメディテイストが抑えられた、すごく真っ当なラブストーリー。

・最終話 メモリー・オブ・イサナ 情景集 
最終話は、いつもの2本立て形式ではなく、いさなと夕の恋模様を描いた1本構成。夕がいさなの前髪を切ったり、いっしょに映画を観たり、甘酸っぱさ満点のエピローグといった感じ。






早期終了は残念ですけど、作者はこれが初連載作なので次回作に期待したいです。






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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2017/03/18(土) 13:27:21|
  2. ハルタ系単行本
  3. | コメント:2

THE TOWN~復讐者~ 第2巻の感想




刺し違えてでも この男を殺す!『THE TOWN~復讐者~』第2巻の感想です。



・第4話 追跡
“復讐者”雨木は“ターゲット”北裏の家宅に侵入。徹底的に証拠を探し出そうとする。そこで出会ったのは、北浦に恨みを持つトンボの集合体の化物。異能力者同士の戦いなのに、ガスコンロの火をキッカケに決着するというご家庭感が素晴らしい(ちゃんと消火器で火の始末もする)。

・第5話 HEAT 前編
雨木は、一匹だけ残ったトンボのサポートを得て、北裏の隠れ家を見つける。そこに、第3話で拉致られた冴島志鶴が捕らえれていたことから、屋外での直接対決を決意する。今回は目の描き方とかが、他の話と違ってよりマンガ的になっていた印象。「確信は行動に推進力を生み出すしな」というセリフが印象に残った。

・第6話 HEAT 後編
頭にダメージを受け、自分の命が残り少ないことを悟った雨木は、最後の力を振り絞って戦いを続ける。追い込まれた北裏(やっぱり、1話のキタロウだった)の、自己正当化しようとベラベラしゃべる様子が、小物っぽくて良かった。ラストの「これが青葉の痛みだぁぁー!!」ラッシュの前の一撃が、けたぐりというのもこの作品らしい。

・最終話 町の中へ
左腕をフッ飛ばされた北浦は、格子状エネルギーが暴走。身体が崩壊してしまう。雨木は最後の力を振り絞り、妹の墓前に復讐を果たした報告に向かう。雨木の最期の言葉は、復讐に捕らわれた自分へ向けてのものだったのか? それとも、キッチリ墓前にたどり着く前に諦めようとしたことに対するものなのか?

・エピローグ 町の中から
ザ・タウンの秘密が記録されたデータを持ち出した森田を、友人の刑事・神海が追う。物語は側溝の蓋から始まり、側溝の蓋に終わるというワケか。この話でも「ソルジャーは従う」「友情はこの世で一番美しい」「蛹から! 蝶へええええええ――――!!」など、セリフがキレッキレ。

・チェスターの冒険
『こどもフェローズ』に収録された読み切り作品。チェスター少年が父親と一緒にロンドンの市場へ行き、商売を手伝うことに。ほぼ全編にわたって、大人の目が白く光ったように描かれる異様な描写から、ラストで父親の笑顔が描かれるのが良かった。


第1巻もページの外側は黒く処理されているんですけど、この巻では断ち切りのコマが無いので完全に黒く囲われていて、インクの匂いが鼻に残った。


THE TOWN~復讐者~ 第1巻の感想






テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2016/08/14(日) 17:44:45|
  2. ハルタ系単行本
  3. | コメント:0

世界八番目の不思議 第2巻の感想



すべてのものには裏がある。『世界八番目の不思議』第2巻の感想です。カバー下が第14話に登場するアイドルユニットAMD48のグッズ紹介だったり、帯の裏がAMD48と第12話に登場する『狸谷わくわく動物園』のチケットになっていたり、小ネタが効いています。



・第8話 Part A ワラシベロンダリング
『プリカツ』というアイドルのゲームにハマっている みかちゃんだが、いかんせん子供なので注ぎ込める資金には限界があった。そこで『わらしべ長者作戦』を実行するが、なぜか姉・ひみこのパンツを売り一万円を手にすることに。そこから、あこがれのキャラクター・みるきの言葉に従い汚い金には手をつけまいとする、みかちゃんのプライドの高さが良かった。

・第8話 Part B ワンダーオブアンダー
姉・ひみこの彼氏もまた、プリカツ信者だった。しかも、いかなる媒体においても描かれることのない、みるきちゃんのパンツを見たいと願うパンツ求道者だった。ゲーセンでの、みかちゃんに対する不審者行動から再会してのパンツ問答も良かったが、ひみこは全てのことをパンツで解決しようとし過ぎだと思う。あと、この話の勝者は、結局パンツを買ったタケシ君なのではないだろうか?

・第9話 Part A 帆立女房
衝撃作。波打ち際で、ヒトデに襲われているホタテブラの女性を助けたら、本当のホタテで、お礼として貝柱を味わったらお前が生まれた。ということを父親から聞かされる和帆さん。23ページの3つの貝柱を味わうシーンとか、26ページの味噌汁調理シーンとか、それなりのエロ描写があるものの、それほど気にならないのは絵柄のせいか。愛の形は様々だと思うし、マンガはまだまだ奥深いなと思う。

・第9話 Part B 帆立祖母
時が流れ、和帆に娘が生まれる(ホタテの孫)。しかし、その真子ちゃんは、自分の祖母がホタテだということを信じられない。なので、お盆で帰省した真子の枕元にホタテさん(という呼び名でいいのかどうか?)が立つ。その後、和帆 → 旦那 → 父親と連続して、ホタテさんと再会するところのテンポが良い。

・第10話 Part A 棒井春男、職に就く
満月の日に自殺者が増える。といった風評被害を是正することを目的とした『満月地位向上委員会』(略して満向会)のかぐやさんは、金も仕事もない中年男性・棒井春男さんはが自殺しようとするのを言葉巧みに?阻止する。オチの「生きてれば そのうちツキも回ってきますよ」というセリフが、月とかかっているのも、地味に上手い。

・第10話 Part B 棒井春男、月を見る
かぐやさんがお店(バニーガールのバー)を辞めて、地元に戻ることに。連絡先を交換しようとした棒井さんは、そこで再び満向会の実態を垣間見ることに。オチのつけ耳うんぬんの設定、満向会のことをカルト宗教と勘違いしたときの注釈、クリーンを必ず『クリィーン』と言うなど、小ネタが印象に残ったエピソード。

・第11話 Part A ユニットバスの花子さん
ユニットバスのトイレに地縛霊 = 現代版花子さんが出現。部屋の持ち主の女子大生に、世界のトイレ事情などを聞かせる。半径1キロ以内のトイレにワープできるという設定や、次の話で旅行していることから、いろいろと話が広がりそうなので、シリーズ化してほしいところ。

・第11話 Part B 花子放浪記 屋久島編
女子大生が背負うリュックの中の携帯トイレに入った花子さんは、屋久島へ。雄大な自然と縄文杉を堪能する。一回成仏しかかったり、温泉に入って「生き返るっ」と言ったり、幽霊ジョークもキレている。外国のトイレ霊も登場したし、このメンバーで世界各地の遺跡や名所を旅しても面白いかも。

・第12話 Part A 狸谷わくわく動物園
すべての動物を、狸が変身してまかなっている動物園の話。業績回復のために、ゾウ導入を提案するマネージャーの吉津さん(この人だけキツネ)だったが、5.7メートルの体をタヌキ1匹で再現するのには無理があった。営業成績が悪化しているということを「はい右肩下がり」のひと言で済ませるコマが素晴らしい。

・第12話 Part B ニャンダルシア町田店
動物園は園長(人間)がトンズラしたので閉園。そこで働いていた1匹は、ネコカフェのネコに転職する。天職かと思われたその場所に、吉津さんがお客としてやって来る。 Part Aのときのクールなビジネスウーマン姿とは180度ちがう、デレデレ具合が最高だった。でも、ネコのふぐりをイジッでいたら、お店から止められるんじゃないの?

・第13話 Part A うちのかみさん 前編
哲二は、家の神棚に手を合わせてみる。すると、産土神(うぶすながみの すなちゃん)が顕現。縁結びに縁があり惚れっぽいすなちゃんに告白する = 徳を積むことで、哲二は見事宝くじに当選。3億円をゲットする。すなちゃんのおかげで、哲二に小さなラッキーが連続するところが面白い。

・第13話 Part B うちのかみさん 後編
高額当選した哲二は、連日遊びまわってドンチャン騒ぎ。放置状態のすなちゃんは、実家に帰ってしまう。仲直りから即結婚の流れもイイのだが、哲二が第1話の主人公と分かったり、神事部(人事部)や神族(親族)といった神ギャグみたいな細かい部分も良かった。

・第14話 Part A 仏アイドル
あみたそ(阿弥陀如来)、のん(観音菩薩)、せっちゃん(勢至菩薩)の3人による仏アイドルユニット・AMD48のライブの様子が、ほぼ全編に渡って描かれる。第1巻では脱衣婆が音楽シーンでトップに上り詰めたし、阿弥陀如来も第7話に登場している。作者の得意な要素を上手くあわせた感じ。あと、ほとんどすべての作詞・作曲を勢至菩薩が担当しているけど、別に音楽に関係した仏というワケではないんだな。

・第14話 Part B 地獄アイドル
閻魔大王(♀)も、アイドルを夢見ていた(身長が10メートルあるので挫折)。経営するスナックに来た脱衣婆ちゃんが『歌ってみた動画』をあげていることを知ったので、自分も挑戦してみるが思いっきりディスられてしまう。しかし、通常業務中にファンの男性がやって来て……。アイドルは無理があるとしても、それこそデスメタルバンドのボーカルとかやればいいんじゃないだろうか?


『教えて!ハル太郎 ハルタってどんなん?』という、二宮香乃先生が描くハルタ紹介マンガペーパーが、挟み込まれていました。これ、ハルタ系のマンガには全部入っているのかな? そしてvol.2につづくということで、来月以降の単行本にも付いてくるということか。


世界八番目の不思議 第1巻の感想






テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2016/07/18(月) 07:57:31|
  2. ハルタ系単行本
  3. | コメント:0

Awesome Fellos! Perfect の感想



『オーサム・フェローズ・パーフェクト』の感想です。フェローズ13号から、ハルタ26号までに付属した小冊子に収録された短編作品を一冊にまとめたモノになっています。同コンセプトの『Awesome Fellows!』から、5年ぶりの発売ということになります。
掲載順ではなく、各テーマごとにまとめて感想を書きたいと思います。


○カラーイラスト
入江亜季、宇島葉、紗久楽さわ、樫木祐人、木村みなみ、松本結樹、畑田知里、設楽清人の作品が収録。『ハルタ・ア・ラ・モード』とカブっているものが結構ある印象。

○人外フェローズ
・水鬼様/紗久楽さわ
タイトルは『わだおにさま』と読みます。飲み物の神様である水鬼様は、土地開発のためにお社を失っており、その代わりに自動販売機に住み着くことが多いという。投入したコインがお賽銭代わりというのが面白い。でも、人外からはこの1本のみなのがさみしい。

○Costume Fellows!
・ぬれすけうぉーず!/高橋那津子
チビっ子3人組が、女子高生3人を“謎の鋼鉄マン”として水鉄砲で襲撃する。その本当の目的とは!? 濡れ透け描写はもっとタップリ欲しかったが、ページ数的にしかたないのか。

・清隆の一夏/犬童千絵
彼女のひと言により、寺の息子である清隆は修行に入ることを決意。はじめは座禅中に居眠りをしてしまうほどだったが、典座を経験することで考え方が変わっていくのだが……。『制服』よりも『まんぷく』に近い内容かな。

・素晴らしき哉、制服!/なかま亜咲
女性と映画泥棒(風の男)がしりとりをすることになるが、出てくる言葉は下ネタばかりという内容。『制服』は、あまりテーマを生かせていないモノが多いが、特にこれは全く関係ない。

・私と彼のポケット/紗久楽さわ
ちょっと抜けた幼なじみの佐藤君のために、色んな物を常備している みやこちゃん。ポケットがパンパンになるほど物を入れているなかで、ひとつだけ自分の物があるというのがイイ。

・アタシをフッた腹いせに死んでやるッそんでアレよッ化けて呪ってやるからなッ/福島聡
彼氏にフラれた女子高生が、飛び降り自殺を決意。それを天使が助ける。ラストが半裸の女性と、全裸の中年というヒドイ絵面なのに「天使ハ裸ガ制服デス」というセリフが、全てを持って行った印象。

・回転監獄/二宮香乃
ハムスターのように、一日中滑車の中を走る刑に服している囚人たち。彼らは、何のために走り続けているのか? 電気ムチがあるなら、その電力を使えよ。

・ローマ教皇とスイス衛兵/久慈光久
バチカン市国が、スイス人を衛兵として雇い続けている理由が描かれる。『狼の口』とも通じるグロバトル描写と、腰砕け系のオチのつけ方が良かった。

・弓道ガールズ/嵐田佐和子
着付け方法に始まり、弓道部における『袴あるある』が4コマ形式で描かれる。いちばん『制服』というテーマに忠実な内容。

・旅の王子/入江亜季
幼いころからやんちゃで暴れまわっていた王子が王宮を抜け出し、世界中を働きながら放浪する。これは『制服』テーマなんだけど、様々な職を転々とする王子の制服が変わるということなのか、追跡する侍従たちの制服のことなのか?

○ギジンカフェローズ
・がんばれ葛飾ちゃん/緒方波子
東京23区を擬人化。学力最下位の葛飾区が、足立区や墨田区なんかに毒を吐く。港区は『アメリカ人』と明記されているけど、問題ないのか?

・春が来た/福島聡
パンティーを擬人化。下着ドロボーに盗まれ、体育館に並べられた壮絶な過去を振り返る。その話を聞いていたのは、パンストが擬人化した男だったのだが、彼の持ち主が意外すぎる。イケメンで、自分のブランドにもプライドを持っていたのに。

・ピロートーク/菊池まりこ
枕が擬人化。持ち主(♀)が結婚することに納得いかない枕(♂)。せめて結婚相手の枕に対して、鬱憤を晴らそうとするが……。でも、問題は旦那のほうもクマ?の抱き枕(ダンディー)を持っていたことだと思う。

○猫猫フェローズ
・にゃんにゃんfellows!/猫猫fellows!/九井諒子
ネコのポーズ集と、それを人間に置き換えた2ページ。作者の短編を期待すると、肩透かしを食らいます。

・とこなめ慕情/宇島葉
好きな先輩が手を上げて横断歩道を渡っている → 左手なので、それは招き猫的には人を招いているということ → 告白だ! という話。画像検索すると、ちゃんと作中の場面と思わしき場所がヒットする。

・ちくわの墓参り/佐々大河
祖父の遺言に従い、愛猫ちくわを連れて墓参りに来た家族。そこで、ちくわがお供えするモノとは……? さすがに口元の血は描きすぎだと思うが、こういうときに褒めてあげないとネコって狩りしなくなるから、孫の対応は正しい。

○まんぷくフェローズ
・午後5時の決闘/大窪昌与
ケンカした旦那との仲直りのために、好物の豚の生姜焼きを作ろうと考える妻。しかし、残り一個の豚肉パックをご近所の奥さんと奪い合うことに。結局仲直りできてなにより。

・トルコのおいしい日/犬童千絵
作者(と思わしき女性)が、トルコ在住の友人を訪問。その日は、イスラム教の断食月・ラマダンの最終日だったため、日没と同時に盛大な祭りがおこなわれることに。たくさんの食材や料理が登場して、いちばん『まんぷく』というテーマに相応しい内容。

・恋のはじまり/佐々大河
大学の料理サークルにおいて指を火傷してしまった後輩を、セクシー先輩がキャベツを使って応急処置する。何も食べないけど、恋の病で胸がいっぱいということなのかな?

・砂漠の田崎くん/入江亜季
砂漠のど真ん中に住むことになった田崎くん。郵便物の中に紛れ込んでいた種が芽を出したことをキッカケに、家の周りがオアシスになっていく。ラストの『初めての実』は、子供ってことでいいのかな?

○筋肉フェローズ
・見つめないで/犬童千絵
デッサン講座で、はじめてヌードモデルをすることになったマッチョの男性。生徒の女性たちは、男性の下半身を変化させようとアレコレする。個人的な感想としては、犬童先生ってこういう軽いテイストの作品のほうが向いている気がする。

・鋼の少年、鉄の掟/西公平
ハルタ18号にも続編が掲載された1作。子供ながら、身体がバッキバキの田中マモルくんが、病室でおかしな行動をくり返す。寝るとき、頭に何を装着しているというのか?

・わたしの可愛い人/冨明仁
美人のお嬢様をめぐって、激しい戦いをくり広げる2人の男。『筋肉』というテーマには忠実だし、アクションも流石という感じ。

・花と鎧/長蔵ヒロコ
結婚間近の姫は、夜の相手に筋骨隆々の奴隷を選んでいた。どちらかといえば姫の方に目が向くものの「鎧の中は空ですよ」というセリフは、印象的。

○美少年フェローズ
・子だぬきの拾いもの/紗久楽さわ
美丈夫の落ち武者の首を、化け狸の子供が拾ってくる。十二支の力を借りて復活させるが、ささいなミスから全ては水泡に帰すことに。独特な和風タッチやラストの切ない雰囲気を含め、今巻のなかでベストと言える内容。

・薫と博士の四畳半/徳永智子
美少年ロボット・薫を開発したものの、溺愛するあまり企業に売り込みに行くことも量産化することもできない博士。しかし、四畳半の部屋とノーパソ一台で、よくロボットが造れたな。

○趣味フェローズ
・平日ナイトフィーバー/進美知子
通勤や仕事で、毎日ヘトヘトのOLさん。彼女が、帰宅する夜道で行なっている秘密の趣味とは? でも、近所の人には割と目撃されていそう。

・犬ソムリエ/二宮香乃
豊富な犬の知識を持つ営業マンが、公園で出会った主婦に愛犬の飼育方法についてアドバイスをする。作者は『ロメ夫』のときもそうだったけど、ブサイクなチワワが好きなのかな?

・俺と松屋/設楽清人
ビンボー漫画家のクマが、松屋の『朝定食』を満喫する様子が描かれる。美味しすぎて記憶がなくなるというのも、オチにつながっていて良かった。

・八十八良のおいしいアンパンの作り方☆/松本結樹
『不死の猟犬』連載中の八十八良先生の、こだわりのアンコトーストの作り方を、松本結樹先生がリポート。これが『まんぷく』じゃなくて『趣味』カテゴリーっていうのが、ちょっと怖い。

○FANTASY Fellows!
・一命/木村みなみ
ブタが文化的な生活を営みジャポニ(と呼ばれる人間)を家畜として飼い、その肉を食べているという内容。ただ、屠殺の場面とかでも人間と豚の立場を入れかえただけだし、もっと何かひとひねりほしかったところ。

・はしっこのはなし/大槻一翔
RPG世界で、清掃担当として生きるNPCの話。自分の思い通りに動くことは許されず、勇者パーティーの行動に左右される苦悩が描かれる。個人的には木の上が定位置のミーネと男の、ストーリー上の役割が気になる。









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  1. 2016/03/18(金) 09:25:51|
  2. ハルタ系単行本
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小学生ゾンビ・ロメ夫 の感想




ついに、ゾンビは学校に通い出した……!『小学生ゾンビ・ロメ夫』の感想です。作者の二宮香乃さんは、これが初単行本になります。

・第1話 転入ゾンビ・ロメ夫
転校してきた穣治ロメ夫は、リアルに体が腐っているゾンビだった。席が隣になった猿渡は、自分よりもノロマで頭が悪いヤツが来たと喜ぶが、ロメ夫は頭が良く芸術センスもあり周囲への気配りも完璧だった。この話が掲載されたフェローズ16D号は、2011年の5月発売。約4年半に渡るシリーズだったんだな。

・第2話 友達ゾンビ・ロメ夫
前話でロメ夫の苦手な給食を猿渡が食べてあげたことから、友情が生まれた2人。猿渡が投げたボールでロメ夫の首がちぎれ飛ぼうとも、猿渡が教えたザリガニ釣りのせいでロメ夫の両腕が切断されようとも、2人の友情は変わらない。この話から、Sっ気のある蟹江さんがヒロイン的なポジションに就くんだけど、逆に第1話でクラスのマドンナ的に描かれた、小鹿さんはモブ的なポジションを抜け出せなかった。

・第3話 お祭りゾンビ・ロメ夫
モノホンのゾンビという所に目を付けられて、縁日のお化け屋敷で脅かし役をやることになったロメ夫。はじめは怖い雰囲気にビビッていたものの、後半は腸を出したり上半身と下半身が真っ二つになったりの大活躍。あと、墓石に映画のタイトルが書かれているけど(CHINMOKU NO YOUSAIとか)、これは作者の趣味なのかな?

・第4話 秀才ゾンビ・ロメ夫
これまではクラス一の秀才(&ネクラ)の座をほしいままにしてきた闇谷君だが、ロメ夫の登場によってアイデンティティーを脅かされることに。決着をつけるために、猿渡主催でクイズ対決で決着をつけることになる。ロメ夫の頭の中の計算方法も面白かったが、猿渡が漁夫の利を得ようとする(失敗するが)構成も良かった。

・第5話 世話人ゾンビ・ロメ夫
ロメ夫がケガをした犬を拾う。お手をさせようとすれば腕をかじられ、頭をなでれば首筋を噛みちぎられたりしながらも、一生懸命に世話しようとする姿が痛々しすぎる。その分、はじめてロメ夫の手からおやつを食べたときの感動演出(4つの角度からお届け)が笑えるんだけど。しかし、犬の又三郎をもっとカワイク描けなかったものか? ブサイクすぎるだろ。

・第6話 絶叫ゾンビ・ロメ夫
雨の日に善意で傘を貸したことから、学校一のヤンキー・宇賀神さんに付け狙われることになったロメ夫。宇賀神さんの実際の言動とイメージ上のギャップの大きさが良かった。基本的にゾンビなので感情表現が乏しいロメ夫が、おびえたり威嚇したりしようとするのが見どころ。あとは、ロメ夫の見た走馬灯の過半数が、前回拾った又三郎だったこと。

・第7話 月光ゾンビ・ロメ夫
ピアノ教室に通っているロメ夫。しかし、その演奏に体がついていくことができず、肉が崩れ落ちてしまう。講師の菊吉さんはロメ夫のために、筋トレメニューを考案するものの、ゾンビに筋肉がつくわけもなく……。コンクール本番でボロボロの演奏をするものの、ステージマナーの項目だけに○がつけられるのが良かった。

・第8話 健やかゾンビ・ロメ夫
猿渡に風邪をうつされたロメ夫の体の中で、ゾンビウイルスと風邪ウイルスが死闘をくり広げる。自らの株を上げるため率先して世話係をする猿渡だが、痛恨のミスを犯してしまう。ロメ夫の身体が爆散するシーンは、この巻最高のグロさなのだが、その後のみんなで手慣れた感じで掃除をするのを見て、ロメ夫もクラスになじんだんだなとシミジミする。




テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/12/17(木) 11:11:19|
  2. ハルタ系単行本
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