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晴耕雨マンガ

天国大魔境の小ネタ募集中/6月は、天国大魔境、ヴィンランド・サガ。

おばけ道 THE END の感想




シリーズ完結となる『おばけ道 THE END』の感想です。



・表紙
ソレミテのときは巨大帯が特徴的でしたが、今回はゴシップ誌のように表紙全体を埋め尽くす、見出しの数々が印象的。っていうか、タイトルや作者名が小さすぎやしませんかね?

・第1道 おばけ道 南へ!
前巻ラストの占いで言われた通り、南にある心霊スポット『六郷土手&首吊り坂』に行く。デラさんがインターネットで集めたという方法を試してみるが、結果は空振り。宮原るり先生、宮下祐樹先生のアドバイスを無視するとばっちりを受けた、宮尾岳先生がいちばんカワイソウ。っていうか、南って言われたからって大田区というのは、ちょっと近すぎたのでは?

・第2道 心霊メイクで八王子
心霊体験があり、占いにも詳しい漫画家の成見香穂先生からアドバイスをいただいたあと、一気に心霊スポットを3つ回る。1番目、2番目の場所はスッカスカに空振ったが、3番目の『八王子霊園前の電話ボックス』で、奇妙な現象に遭遇する。作中でも触れられているけど、石黒Pはこういうアクシデントタイプという分類なんだろうな。惜しむらくは、コレをハッキリと『霊体験』とは言い切れないところ。

・第3道 夢廃村
現実で心霊体験できないなら、夢で見ればいいじゃない。ということで、行った後に全員が同じ夢を見るという情報のある廃村に、今村陽子先生を道連れに向かう。結果、全員がバラバラの夢を見て実験は失敗に終わったが、デラさんの見たのがいちばんソレっぽかったかな。石黒Pはせっかく廃村に行ったのに、枝と枯草で遊んでいて良かったのかどうか。

・第4道 大島パワースポットツアー 前編
伊豆大島のパワースポットを巡り、そこでナンバーズを予想。当選していたら第6感がアップしたということ → 霊を見ることができるのでは? というちょっとややこしい方程式のもと、大型ロケを慣行。水上悟志先生と宮原るり先生をゲストに迎えた豪華布陣で挑む。しかし、この時点で石黒Pと水上先生は連載が終了しているとはいえ、漫画家4人を1泊2日(+α)の旅行に連れだせるものなんだな。

・第5道 大島パワースポットツアー 後編
伊豆大島後編。この話では、残るパワースポットの三原山と裏砂漠へ。山登り&冬の寒風のコンボで、意欲がそがれていく。火口に身投げする人の話など、心霊エピソードも豊富だったが『砂を食べる3人の漫画家』の絵面が、いちばんの恐怖。石黒Pと水上先生は分からないでもないけど、宮原先生も食べたのか。この経験が、河合荘や恋愛ラボに生かせたのか?

・第6道 アワーズ百物語
おばけに会いに行っても会えないなら、こっちに来てもらえばいいじゃない。ということで、画報社の新年会からの流れで、漫画家10人が集まり二十物語(百物語だと長すぎるので)を開くことに。片山愁先生のエピソードは『師匠シリーズ』の作画を担当されているだけに、さすがという感じ。しかし、MVPを受賞したり、その後のホテルのエピソードなど、やはり宮原先生はもっているな。

・第7道 台湾心霊スポット
初の海外ロケ慣行! 準レギュラーの宮原先生を伴い、台湾に上陸する。訪れた心霊スポットでの空振り具合は置いておいて、台湾の人々の信心深さのエピソードが印象的だった。お墓を指さすことすらタブーだとはね。あと、石黒Pが表紙で持っている銭剣は、やっぱり燃えざるを得ない。それで、ツイッターによると、これは帰国の時にスーツケースに入らなくて困ったわけか。

・第8道 台湾気功体験
台湾に来た本来の目的は、有名な気功師・萬信先生を取材すること。腰の痛みを和らげてもらったり、重い机が持ち上げられるようになったり、様々な気功パフォーマンスを目の当たりにする。感心する一行だが、石黒Pが疑問を呈する。まぁ、ここで素直に信じられないのが霊を見ることのできない一因の気もするけど『思念が人体に与える影響が心霊現象』という仮説は、なるほどと思う。

・第9道 心霊写真を撮ろう!
おばけを直接見られないなら、写真に撮っちゃえばいいじゃない。ということで、情報のある新宿御苑に行く。しかし、花見シーズンにぶつかったのは編集ホッシーの失策という気もしないでもない。季節的に伊豆大島と順番が逆だったら良かったのに。もう1ヵ所めぐって写真を撮りまくったものの、一枚も心霊写真はナシ。それっぽく見えなくもない物を比較するために『バケー』という新単位を導入している場合ではない。

・第10道 突撃! 隣の事故物件
師匠シリーズ原作のウニ先生の新居の隣の部屋が、事故物件であることが発覚。夜な夜な聞こえるお経の真偽を確かめるべく、おばけハイエナが襲来する。 ほかに近隣の心霊スポットにも行ってみるが、結果的には、ソレミテ含めても史上最大の空振りかも。ほとんどVRゲームの話しているし。デラさん作成の風車と鈴を組み合わせた霊センサーも、無反応でむなしく見える。

・第11道 霊の声を撮ろう!
視ることも撮ることもできなくても、録ることはできるかもしれない。霊の名前を呼べば返事をするという噂を信じ、千葉県の『おせんころがし』という場所に行く。しかし石黒Pは、地名の由来となった事件の被害者であるお仙ちゃんに肩入れしすぎな気も。それから、駐車場わきにあったゴミ捨て禁止の看板に描かれた少女のイラストが、インパクトが強くてこの巻でいちばん怖かった。

・第12道 科学vsおばけ五番勝負
これまでに録音された不思議な音・声を科学的に解明してもらうことに。分析できない=心霊現象と意気込む2人だったが、前半は科学の力に打ちのめされることに。日本音響研究所所長の鈴木さんの解説が、実に的確。『生暖かい夜に水辺で幽霊が現れる』理由については、納得させられる。しかし、そんな鈴木所長ですら判別できないデータが2つも……。さすがは恐山というべきか。

・第13道 催眠術でおばけを視よう!
『幽霊を視ることができないのではないか?』と、無意識に脳にブロックがかかっているのでは?と考え、前巻にも登場した あおくま堂はり灸整骨院の垂水先生と上野先生に催眠術をかけてもらう。ゲストの水上先生ともども、2人には上手くかからず、久々に登場した安達さんには面白いように効果が現れる。デラさんや石黒Pの守護霊を視れるようになるが……。しかし安達さんはデスクワークとは思えないようなドレッシーな服を着ているな。

・第14道 魔都京都 前編
さすがに古くからの歴史が連綿と紡がれる場所なら、心霊写真の1枚も撮れるだろう。ということで、京都に来たデラさん&石黒P。前半は宮原先生&安達さん、後半は佐藤両々先生をゲストに迎え、この話だけで7つものスポットを巡る。デラさんが語る、おばけ道のルールが良かった。おばけを視るためだからって、なにをしてもいいワケじゃないもんな。

・第15道 魔都京都 後編
この話でも、京都の心霊スポットを8つも回るが、撮れたのはビミョーなレベルの心霊写真(仮)だけ。最後の場所で録音した謎の音も解析してみると……。京都という絶好のロケーション。2泊3日のスケジュール。豪華なゲストと万全の体制で挑んだのに、この結果とは……。実質的にこの巻のメインイベントであり、ソレミテからの集大成ともいえる一大イベントだったはずなのに……。

・第16道 守護霊占い3番勝負
第13道で安達さんが視た守護霊は本物なのでは?という疑念が消えないデラさん&石黒P。そこで、占い師3人に守護霊鑑定をしてもらうことで、真偽を確かめようとする。まぁ、これは守護霊自体が不確かなものなので、占いの結果が違ったとしても何とも言えないよな……。そして、別件で占いを受けていたホッシーに衝撃の事実が発覚。なんだよ『生まれた時から憑いていて、人じゃないすごいもの』って。

・最終道 廃校かくれんぼ
ホッシーの謎の悪霊が排除された今こそが最大のチャンス。ということで、某県の廃校で泊まり込みの取材を行う。様々ないわくつきのある場所だったが、3人は何故かかくれんぼに夢中になってしまう……。土偶のフィギアをプレゼントしたり、夜の学校にまったくビビる様子のないところが、幽霊を視ることのできない原因であり、このマンガの面白さでもあり。というところか。

・おまけ道
石黒Pが描く、タッツンがデラさんとの出会いのキッカケだったという話。タッツンは、メガネのフレームを省略しないのが素晴らしいと思うのです。




ソレミテ連載開始から、5年7ヵ月。デラさん、石黒P、お疲れさまでした。





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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2018/03/02(金) 18:40:55|
  2. ソレミテ/おばけ道
  3. | コメント:0

おばけ道 の感想




あの『安全宣言』から、はや2年。あの男たちが帰ってきたッ!『おばけ道』の感想です。

・第1道 滝行ESP
「価値観をひっくり返すようなものを視たい」という願望を持つ、石黒Pとデラさん(withホッシー)が再集結。ソレミテ時代に霊を視ることができなかったのは『霊感がなかったから』ではないか?という推測から、滝行修業をし第6感をレベルアップしようと試みる。しかし、季節は夏。そこまで過酷ではなかった……。でも、修業後に石黒PがESPカード透視テストで驚異の的中率を見せる。この時点ですでに成績優秀な石黒Pとなんの成果もだせないデラさんという構図が確立してしまうことに。

・第2道 アワーズESP
引き続きESPカードを使ったテストをする。なにが効果をもたらすのか検証した結果、『塩』ではないかとの結論に至る。以降ESPカードは扱われなくなるが、この路線のままいっていたら、塩の産地を吟味することになっていたかもしれない。そして、画報社のパーティーで各漫画家先生たちにも透視テストをしてもらうことに。宮尾&水上先生のオチよりも、七竈アンノ先生が2人組ということのインパクトが強かった。

・第3道 会えるかな?
2人のテレパシー能力を鍛える。東京駅のバラバラの位置からスタートし、テレパシーのみを頼りに出会えるか?という実験をする。でも、面積15万平方メートル以上、1日40万人以上が利用する場所というのは、難易度が高すぎたと思う。まずは画報社周辺で小手調べするとかでも良かったのでは? あと、ギャグ漫画とかでときどきある、ページ上下分割演出(地上の石黒Pが上半分、地下のデラさんが下半分)を見てみたかった。3話目にして、いきなりの足踏み。

・第4道 かかるかな?
江東区にある『あおくま堂はり灸整骨院』では、催眠術を使った治療を行っているという。「脳の使われていない部分を催眠術で刺激すれば霊を視ることができるのでは?」と考え、体験してみることに。ここでも、優等生・石黒P、劣等生・デラさんの構図が展開されてしまう。ソレミテ時代からデラさんは、物の仕組みとかトリックとかのほうに考えが行き過ぎているんだよな。でも、ランドルト環とメガネがデザインされたシャツは素敵でしたよ。

・第5道 幽霊の出る家
編集・大野さんの友人Aさんの家に『出る』という情報をキャッチ。さっそくお邪魔して、事情聴取や霊探索をする。ただ、Aさんは終始明るく話しているし、何の痕跡も確認できなかったことから『安全宣言』を出すという、断腸の決断をすることに。ただ、Aさんが言った「もうひとつの相談」が、ガチで怖すぎる。結局いちばん怖いのは人間ってことだよな。あと、16歳年下の中国人と結婚しているという、道義的な部分を問うていきたい。

・第6道 UFOと少年
宇宙LOVEアーティスト・プリミ恥部さんが登場。ラブの波動に満ちた宇宙マッサージを2人に施す。実際に効果はあるようで、デラさんはオカルトに純粋だった幼少期のことを回想するのだが、この話は、なんといってもプリミ恥部さんのキャラが濃すぎる。全身ハート模様のパジャマ、舌を出しながらのマッサージとか、常人ではないオーラをビンビンに感じ取ることができる。あと、ここまで読んできて気づいたけど、デラさんのセリフは全てモノローグ形式なんだな。その場にいる人に話しかけていても吹き出しは使わない。

・第7道 ペンデュラム・ダウジング実験
上級者は幽霊探知もできるというペンデュラムの特訓を、みっちり2ヵ月間積んできた石黒Pとデラさん。その実力を確かめるために、対決する。ハイライトとなる『ロシアンまんじゅう対決』で、一回当たりを選び出しておきながら、それ以外を画報社社員に食べてもらうというのは、逆にスゴイと思う。デラさん、もってるじゃん。そして、石黒Pの書いたペンデュラムシートが、中2病全開すぎて逆にカッコイイ。

・第8道 L字ロッド・ダウジング実験
ペンデュラムがダメでも、L字ロッドがある。ということで、ホッシーが公園に埋めた缶コーヒーを、L字ロッドを使って探しだす実験をする。デラさんのカスタマイズ・ロッドもなかなかのモノだと思うが、石黒Pの『ダウジング能力増幅ヘッドギア』には敵わない。1万円もかけて、なんの理論的な裏付けのない物を作るとは、普通はできることではない。この2話で製作したアイテムは、いくつか読者プレゼントしてもよかったと思う。

・第9道 ありがた山墓石群
ここまで第6感を鍛えてきたので、ついに実地検証することに。約4000体の無縁仏が集まった『ありがた山』に行く。チャーリーゲームというメキシコ版こっくりさんをやってみたりするものの、結果はソレミテ時代から進歩せず。ハイライトが、急な坂道を転げ落ちるホッシーというのが……。でも、無数のオーブが写った写真が、この巻最大の収穫物かな。



・第10道 バンジー金毘羅橋
前回、坂道を転がるホッシーの姿がスローモーションで見えた石黒P。つまり、人は危機的な状況になれば感覚が“開く”のではないか?と仮説を立てる。それに従い、バンジージャンプをやってから心霊スポットに行くという強行軍を決行する。バンジージャンプって、飛び降りた後はワイヤーを巻き上げて回収するのね(場所によって違うんだろうけど)。そして、神流湖にかかる金毘羅橋では、同行したデザイザーの萩原さんが心霊体験をするものの、肝心の2人は空ぶり。かと思われたが、石黒Pに異変が……。

・第11道 占い三番勝負
自分たちで選んだ場所で霊が見れないなら、占ってもらえばいいじゃない。ということで、占い師をハシゴしてアドバイスを聞くことに。ただ、占いの結果よりは、待ち時間のデラさんの非モテ妄想が面白かった。そして、占い屋からの帰り道、再び石黒Pが怪現象に遭遇する。つまり「自分は幽霊を視れない原因ではない」と、一抜けを宣言する。となると、問題があるのは……。

・おまけ道
石黒Pによる、オマケ描き下ろし漫画。あるタクシーに乗ったときに遭遇した、背すじが凍る話を紹介する。結局いちばん怖いのは人間ってことだよな。あと、ファストフードにそこまで文句つけるなよ。



単行本の背表紙には巻数表記なし。画報社のツイッターでは『上巻』と紹介されているけど、下巻で完結するの?









テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2017/02/18(土) 15:36:50|
  2. ソレミテ/おばけ道
  3. | コメント:0

ソレミテ それでも霊が見てみたい 第3巻の感想


ソレミテ それでも霊が見てみたい 3巻 (ヤングキングコミックス)ソレミテ それでも霊が見てみたい 3巻 (ヤングキングコミックス)
(2015/02/28)
小野寺浩二、総合プロデューサー・石黒正数 他

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旅情ホラーエッセイ『ソレミテ それでも霊が見てみたい』最終第3巻の感想です。『霊を見たら連載終了』という条件で始まった、このマンガ。最終巻ということは……。

・帯
恒例の巨大帯。今回は、第26夜のロケに参加した、オカルト誌『ムー』のロゴがデカデカと。一気にいかがわしさが増しますね。

・第20夜 こっくりさん
新年会からの流れで、画報社ビルで『こっくりさん』をやることに。たしかに、こういうアプローチは考えつかなかった。参加者は、ウニさん(師匠シリーズ)、鈴木小波先生(読み切りシリーズ)、水上悟志先生(スピリットサークル)。万全の体制が整ったかに思われたが、まさかの不発という結果に。そもそも、外壁を塗り直したら窓が開かなくなったって、会社としてどうなんだよ!? そして、オチでは“うっかり天使”宮原先生が、まさかの降臨。

・第21夜 戸山公園
新宿区の戸山公園を探訪。旧陸軍学校跡地であり、百体以上の人骨が発見されたといういわくつきの場所ながら、見つけたのがカエルやウ●コというのは……。『ソレミテ卒業宣言』をした安達さんの「なんでおめーらの心霊童貞卒業のために私がビチャビチャにならなきゃならないんじゃ――!!」という、魂の叫びが最高。ラストでは、自分が新たな怪談の発祥になってしまう悲しみの結末に……。

・第22夜 観音埼灯台
横須賀にある、日本初の洋式灯台・観音埼灯台周辺をめぐる。アワーズで横須賀戸言えば『蒼き鋼のアルペジオ』ということで、ゲスト参戦のヤングコミック編集・深澤さんにヨタロウのぬいぐるみを持たせたり、ホッシーがパーカーを着たりと勝手にコラボする。心霊スポット探訪からの、デートスポットを発見し、釣りスポットでもあった。という、話の構成が素晴らしいと思う。霊は出なかったけど。

・第23夜 秩父湖の吊り橋
秩父湖の吊り橋へ行くソレミテ一行。霊感の強いデザイナーの萩原さんが、2回目の参加をする。しかし、吊り橋を渡る順番待ちをするハメになったり、やっぱり空振りか……と思いきや、デラさんは異変を感じていた? 『3』にまつわるミステリーもあったというのに、石黒Pは派手なデザインのジャージを着て「妖怪ぴゅーい」とか言っている場合ではない。

・第24夜 等々力渓谷・鈴ヶ森刑場跡
第20夜の、こっくりさんのリベンジを心に誓う水上先生と編集の須見さんが参戦し、等々力渓谷&鈴ヶ森刑場跡に行く。が、水上先生が持ってきたダウジングロッドは歩く振動でグリングリンしてしまい、ハイライトが利き酒師なみのスキルが要求される酒の飲みくらべ(刑場跡に1日置いておいたものと新品)なので、空振り感が強かった。肝心の石黒Pは、酒が飲めないし。

・第25夜 ひとりかくれんぼ
霊を見に行っても見れないなら、呼び出せばいいじゃない。というわけで、降霊術の一種である『ひとりかくれんぼ』をやってみる。が、結果はいつも通り、いや、いつも以上の空振り。まさか、物音ひとつしないとは。ネットにあれだけある体験談は、いったいなんだというのか? 本当は、引きずってでも当日いたという宮原先生を参加させるべきだったんだな。あと使用した人形のテツオは言わずもがなだが、ハワードは餓狼伝説のなのかな?

・第26夜 ムーpresents 心霊ツアー
帯も飾っているオカルト誌『ムー』とのコラボ企画。実際にあったバラバラ殺人事件に関する現場をめぐります。さすがに“本職”の人が選んだスポットだけにオバめき度が高かったが、注目は、やはり代々木公園。ロケが行われたのは、代々木公園にいる蚊が『デング熱』を媒介しているというニュースで持ちきりだったころ。結果誰も病気にはならなくて何よりなのだが、1人くらい蚊に刺されていた方が、作品の売上アップにはなったんだろうなと思う。

・第27夜 八甲田山
初の東北遠征に赴くソレミテ一行。霧に包まれた後藤伍長の銅像がハイライトで、その後に迷い込んだ一般墓地程度では、もはや恐怖心を感じることがなくなってしまったデラさんと石黒P。2人は、次の場所に全てを賭けるッ! あと、地味に筆谷編集長(ドリフターズのアロハ着用)が車を離れて現場まで同行しているというのが、レアだと思う。

・第28夜 恐山
青森編第2夜。日本三大霊場のひとつ・恐山に向かう。深夜に回る風車 → 立ち込める硫黄のにおい → 地面に横たわる石黒Pと流れは完璧。結界的に謎の音声の収録にも成功するが、オチは石黒Pが撮った『心霊写真ぽいもの』。ただ、幽霊がうごめく場所ではなく巨大な無の空間というのは、なんとなく分かる気がする。あと、あとがきで石黒Pが描いたデラさんは、本編よりも老けて見える。

・第29夜 青木ヶ原樹海
恐山に続き今回は青木ヶ原樹海と、メジャーなスポットを攻める。しかし、いちばんコワイ目にあったのは、愛車を守るために残った編集長だったとは……。樹海探索も、最初の“木の老人”の写真は怖かったけど、その後は心霊的というよりも『樹海の危なさ』という方向に。あと、今回はPとデラさんが来ているのは、ギャングキングのパーカーか。

・最終夜 少年画報社ビル再び
最終回。メジャーな心霊スポットでも霊に出会えなかったデラさんと石黒Pは、初心に帰って画報社ビルを探訪することに。ホッシーすら排除して、2人だけで「出る」と言われている場所を探るが……。マンガ探偵・石黒Pによるオチのつけ方は、強引ながらも納得させられた。これまでに行った場所にはいないというだけで、他の場所にはいるかもしれない。いつか、シーズン2が始まるのを期待したいです。

・番外編 石黒P v.s. 生霊
石黒Pのツイッター上で話題になった生霊騒動。その真相が、ココに今明らかに! なんか、ソレミテよりそれ町の方のネタっぽい。
生霊騒動の詳しい流れはコチラに。

・エピローグ
『安全宣言』は、負け惜しみだとクダを巻くデラさん。そこに、石黒Pからある音声データが送られてくる……。いつか、続編があることを期待したいです。





テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2015/03/02(月) 14:01:40|
  2. ソレミテ/おばけ道
  3. | コメント:0

ソレミテ それでも霊が見てみたい 第2巻の感想


ソレミテ 2巻―それでも霊が見てみたい (ヤングキングコミックス)ソレミテ 2巻―それでも霊が見てみたい (ヤングキングコミックス)
(2014/03/26)
小野寺 浩二

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心霊スポット探訪レポートマンガ『ソレミテ それでも霊が見てみたい』第2巻の感想です。


・帯
1巻の紺先輩に続き、表紙の2/3を覆う巨大帯を飾るのは、4月からアニメがスタートする『僕らはみんな河合荘』のヒロインである河合律さん。見事なフラグを立てています。

・第10夜 腹切やぐら
第1巻での9連敗を受けて、尾てい骨骨折(折れるの?)から復帰した安達さんや筆谷編集長ふくめ、フルメンバーで鎌倉の最凶心霊スポット『腹切やぐら』へ向かうことに。北条家870名余りが自害したという曰くつきの場所だが、結果はいつもの通り。ただ、俳優の高倉健さんが北条家の子孫だということが勉強になった。

・第11夜 小坪トンネル
鎌倉のもうひとつの最凶スポット『小坪トンネル』に行く。火葬場の下にあるという絶好の立地条件にも関わらず、発見したのはシカに似た木と、サンダルやタオルと傘とコンドームと鳥谷クンの落書きだけ。さすがのガッカリ具合に、筆谷編集長も『フェーズ2』への移行を示唆します。あと、28P5コマ目の安達っちゃんの絶妙なバランス感覚がイイと思います。

・第12夜 霊視体験
この話では、いままでのように心霊スポットに行くのではなく、人のオーラを見ることのできるお笑い芸人・パシンペロンの はやぶさゆか さんに石黒Pとデラさんを霊視してもらうことに。これまでとは違う切り口で面白かったし、こうやって心霊経験値を貯めていけばいつか…という気もする。石黒Pの『黄色い花』のエピソードは良かったのに、デラさんは背後霊までメガネっ娘とは、業の深いお人やで。

・第13夜 喝破道場
石黒Pの休暇&取材旅行に強引に同行する形で、初の地方ロケ敢行! かつて集団自殺があったという香川県の廃墟を訪ねますが、おじいちゃんのタクシー運転手が汗だくで道を探してくれた時点で、出る気配はゼロ。石黒Pの「…じゃあ 帰りますか」には、涙を禁じ得ない。しかし、その運転手さんが体験した心霊スポットに急遽向かうことに。車の座席の下から出てこない犬とか、デラさんの恐怖絵のレベルが上がっている。

・第14夜 中村トンネル
途中から手掘りのトンネル → シミみたいな足跡 → ゴーストレーダーの異変 → パラパラと何かが振り落ちる音 → 走って戻ってくる石黒Pと、過去最高のホラー度だったが、そこからはいつもの感じに。でも、第12夜登場の霊能タレント・はやぶささんに、いちおうの心霊写真認定してもらったんだから、読者プレゼントすればよかったのに。

・第15夜 東尋坊&雄島
石黒Pの故郷である福井県に来たソレミテ一行。地元の情報誌『月刊ウララ』編集部の堀さんとともに旧大内トンネル → 東尋坊 → 雄島というコースをめぐります。いきなり土砂崩れに遭遇したり、自販機ドロボウ?とニアミスしたり、アドベンチャー的な怖さが盛りだくさん。だけど、いちばんの見どころは筆谷編集長に手刀で真っ二つにされるホッシーじゃないだろうか?

・第16夜 金山ダム
この巻の最怖スポット、千葉県の金山ダムに行った時の様子を、ドライバー兼ゲストとして参加した萩原さん(単行本のデザイン担当)の視点で振り返る。第15夜の堀さん同様、感じ取れる人は見るなり聞くなりしているようなので、問題は場所じゃなくて行く人ということか。石黒Pとデラさんの霊感をアップさせることを優先した方がいい気がする。

・第17夜 前世療法
前世があれば生まれ変わりがある。生まれ変わりがあれば魂がある。魂があれば霊もいるという考えのもと、前世催眠療法を体験することに。石黒Pの前世ビジョンに編集の須見さん(似の人)が出てきたり、なんとなく同じアワーズ誌上で掲載されている『スピリットサークル』を連想させる内容だった。山奥で静かに暮らしていたデラさんと、砂漠で波乱万丈な人生を送った石黒Pの対比も良かった。

・第18夜 Hトンネル
『出ると噂のホテル』に宿泊する。場所は隠されているものの、ゲストが宮原るり先生という時点で岐阜とバレバレ。宮原先生は、前座として行ったHトンネルでも安達嬢なみのリアクションを見せてくれます。しかし石黒Pのガチャガチャした柄のジャージ(アディダスとデザイナーのジェレミー・スコットのコラボ)、あれ4万もするのか。スゲェな。

・第19夜 某ホテル
そして、ついに本番のホテルに宿泊。設置していたビデオやレコーダーには異音が収録されているものの、幽霊との遭遇はナシ。心霊ポイント的には、となりの部屋で誰も使っていないトイレから水の流れる音を聞いた宮原先生の方に軍配が。そして、駅で切符を忘れたりパソコンの電源コードを忘れたり、宮原先生には『うっかり天使』の称号が授けらえることに。

・~宮原るり氏 恐怖の一夜を語る~
描き下ろし6ページで、第18~19夜の出来事を振り返っています。安達さんが、スゲーかわいく描かれている。

・ソレミテin大阪 ~石黒Pの不気味な夜~
こちらも描き下ろし。大阪の旅館を経営する親戚が留守中に、弟のトン吉と探訪します。いつかツイッターにあげていた画像は、この時のモノか。

・第十五夜外伝 ソルトガンを持つ男
負けじとデラさんも描き下ろし。第15夜で東尋坊に行ったときに石黒Pが持参したものの、作中では登場の機会がなかった海外の『害虫駆除用塩噴射銃』の活躍っぷりを描いています。

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というワケで、この巻でも霊を見ることはできず。第3巻の帯は、谷川史子先生か、北崎拓先生だと予想してみる。






テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2014/03/28(金) 15:23:34|
  2. ソレミテ/おばけ道
  3. | コメント:0

ソレミテ それでも霊が見てみたい 第1巻の感想


ソレミテ 1巻―それでも霊が見てみたい (ヤングキングコミックス)ソレミテ 1巻―それでも霊が見てみたい (ヤングキングコミックス)
(2013/06/29)
小野寺 浩二、石黒正数(総合プロデューサー) 他

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心霊スポット探訪ガチレポートマンガ漫画『ソレミテ それでも霊が見てみたい』の第1巻が発売されました。
このマンガは、心霊現象は信じているものの幽霊を見たことのない2人の漫画家、石黒正数(総合プロデューサー 石黒P)と小野寺浩二(作画 デラさん)が実際に心霊スポットに行って怖い体験をしてみよう!という作品です。『実際に霊を観たら連載終了』という条件なのですが、無事(?)単行本が発売されたということは…。

・帯
まず本編の感想の前にツッコまないといけないのは、表紙の3/4を覆う巨大な帯。『それ町』の紺先輩の推薦コメントが描かれているのですが、本来の作品タイトルがかすむほどの存在感。ちょっとした表紙サギですね。

・第1夜 少年画報社ビル
まず企画主旨をざっくりと説明して、最初に探訪する場所は、このコミックの発行元である『少年画報社ビル』。他の話がロケなのに対し、この話だけはビル内を探索するという肝試し的な内容。いきなり『誰もいないのに重たいドアが勝手に開く』という怪現象が起きたのに、肝心の漫画家2人が見逃しているというのが、このマンガの行く先を暗示していたのかもしれません。ちなみに、画報社ビルの様子と編集・星野さん、販売部・安達さんのお姿は、アニメ『それ町』のDVD3巻の特典映像で見ることができます。

・第2夜 千駄ヶ谷トンネル・青山霊園
この話から、本格的に心霊スポット探訪がスタート。用心棒役に行動力の塊の編集・大野さんも参加して万全の態勢で挑んだものの、交通量が多い、明るい、おじさんが住んでいるという、壮絶なコケッぷり。急遽、青山霊園に行ってみるものの、出てきたのはカエルだけ。このときから『霊は出ないが小動物は出る』というソレミテ方程式が完成します。でも、この回はスケジュールが失敗の原因かなという印象。せめて深夜に行かないと。

・第3夜 八王子城跡
アワーズの筆谷編集長が、運転手役として参戦。夜の山道を歩くという、いかにもな心霊スポット探訪をして到着した御主殿の滝で遭遇した、多数のパキパキ音(ラップ音?)。でも、これだけではソレミテ的には有効扱いにはならず。あと、今回からデラさんがインスタントカメラを導入しますが、やっぱりデジカメだと心霊写真は撮りにくいんだなと思った。テレビの心霊特集もほとんど見かけなくなったし。

・第4夜 道了堂跡
第2夜でスケジュール管理を責められた星野さんが本気を出し、一晩で2つ目の心霊スポット『道了堂跡』に行くことに。これは、作中の表現やオマケコーナー『旅の思ひ出』で安達さんが語っているように、この巻の最恐スポットだった様子。そして、こんな場所でも『地元に似ているから』という理由で怖がらなかった石黒Pに『霊的不干渉疑惑』が。ここから、幽霊を見るという目的以外に、石黒Pの『恐怖心』を取り戻すという、新たな目標も加わることに。この場所は、リベンジで再訪問してもいいのかもしれない。

・第5夜 東京タワー・放送博物館・将門の首塚
東京タワー → ビアガーデン開催中。 増上寺 → 盆踊り。 放送博物館 → 東京タワーがまぶしい。と、かなりグダグダな回。オチも『女性陣にドッキリを仕掛けてはしゃぐ石黒Pの顔芸』と、本来のコンセプトとはかけ離れてしまっている。このあたりが、ガチでホラーリポートを期待している人と、ギャグ込みでソレミテメンバーのやり取りを楽しみたいという人との分岐点かもしれない。あと、オーブが写ったんなら、素直に喜べばいいのに。

・第6夜 虹の大橋
神奈川県のダム湖にかけられた虹の大橋に行く。自殺予防の高いフェンスや有刺鉄線があったり出だしは良かったが、ビビりの安達さんが怖がらないほどのガッカリポイントだった。急遽、近くの不動尻キャンプ場に向かうものの、そこで遭遇したのは…鹿。この回も、割と幽霊と関係ない内容。でも、行き帰りの車中はプチカラオケ大会になっているというし、とにかくロケが楽しいというのは伝わってくる。ラストで石黒Pが軍手を拾うが、ここからフルットの軍手の話を考えたのかもしれない。

・第7夜 船橋県民の森・達磨神社
アワーズで『スピリットサークル』を連載中の水上悟志先生と担当の須見さんがゲスト参戦。しかし、石黒Pが風邪で欠席という異常事態なので、いきなりピンチヒッターに格上げ。県民の森は不発だったものの、達磨神社の方は謎の小屋や小さな社殿があったり、諸星大二郎作品だったら別世界への扉が開くこと間違いなしの雰囲気。しかし、この場所で行われたのが『安達さんの誕生日をサプライズでお祝い』というのが…。いちおう霊を挑発するっていう名目はあるものの、今回ばかりはロケの主旨が変わってしまっていると思う。

・第8夜 サンシャイン60地下駐車場・雑司ヶ谷霊園
今度は、デラさんがインフルエンザにかかりロケが延期に。そのおかげで、アワーズで『並木橋通りアオバ自転車店』連載中の宮尾岳先生がゲスト参戦することに。この回では石黒Pが秘密兵器『ドクロ杖』を満を持して投入するものの、それがソレミテ史上最大の悲劇を引き起こすことに…。雑司ヶ谷霊園の中に一ヵ所だけヒンヤリとした場所が(石黒Pが『コールドスポット』と命名) → デラさんのボイスレコーダーが謎の誤作動 → ポラロイド写真に光った顔が写る!? という流れがかなり盛り上がっただけに、その反動が大きかった。あと、オマケで宮尾先生が描いた心霊スポット探訪用自転車『呪われNight号』は、サドルがピラミッドなので座れないと思う。

・第9夜 八坂神社
石黒Pの風邪、デラさんのインフルエンザに続き、安達さんが尾てい骨骨折(折れるの?)、大野さんが唇に帯状疱疹、筆谷編集長が ねんざと、地味に霊的?ダメージを受けているソレミテメンバー。今回は大野さんの地元の八坂神社を訪れるものの、やっぱり空振り。頼みの綱の小動物も登場せずピンチに陥るものの、そこで石黒Pがとった、まさかの決断とは…!? しかし、このドクロ杖は、マジに欲しいな。自分でお金は出したくないけど。

・番外編
この話は番外編ということで、石黒Pが去年ニューヨークで開催されたコミックコンベンションに招待されたときに『セントマーク教会イン・ザ・バワリー』というNY最凶心霊スポットを訪れた様子をレポートしています(作画も石黒P)。でも、国は違ってもソレミテはソレミテ、という感じ。時間は示されていないけど、朝食を食べた流れで行っているから確実に日中だよな。あと、石黒P的にはSBRのゴールだったトリニティ教会にも行ってみたかったんじゃないかと、勝手に予想してみる。



さて、幽霊を見るのが先か単行本2巻が発売されるのが先か。デラさんと石黒Pにとって、幸せなのはどちらなのか…。


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  1. 2013/07/02(火) 04:56:39|
  2. ソレミテ/おばけ道
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