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晴耕雨マンガ

天国大魔境の小ネタ募集中/9月は、木根さんの1人でキネマ。

Fellows!(Q)Quiet の感想

Fellows!(Q) 2011 AUTUMN Fellows!(Q) 2011 AUTUMN
(2011/11/15)
不明

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フェローズの増刊『Fellows!(Q)Quiet』が発売されました。

・表紙
本誌とちがってフェローズQのほうは、持ち回りで表紙を担当。今回は高橋那津子。新スタートらしく女の子たちが円陣を組んだ様子が描かれています。一見野球っぽいけど、短パンだしソフトボール部なんだろうか。

・勿忘草/夏本満
読み切り。フェローズ16D号に載ったときと同じような、ちょっと周りと馴染めない女子高生の話。これからも似た感じのストーリーを続けていくのか、ほかの路線のモノも描いていくのか気になる。あと、女の子の関西弁はいいなと思った。

・ノアズアイランド/吉田覚
読み切り。南の海の空に浮かぶ混沌とした文化の島の話。1ページ1コマ目のインパクトと巨乳娘4人が並んでご飯を食べているところは良かったが、全体的に以前持っていた個性というか独特の雰囲気が薄れてしまっているような気がする。それが良いか悪いかは、判断しかねるけど。

・今日子におはよう/若槻久美子
読み切り。部活で帰りが遅く寝坊で朝も遅い娘が家族と一緒に朝ご飯を食べられるようにと、料理の腕をふるうお母さんの話。あまりに美味しそうなので近所の人が集まってきたり今日子の夢の中のイバラのモチーフとかちょっとファンタジー要素もある。ただ、最初の豆腐は手に乗せて切るものなんじゃないの?

・わたしのかみさま/九井諒子
読み切り。前回が竜の話で、今回はつくも神が見える女の子の雪枝が主人公なのでファンタジー色が強いのだが、雪枝が中学受験でナイーブになっている様子の描写が上手かった。特に「頑張ってもだめだったら ぜんぶ無駄になっちゃうの?」「もし全部だめだったとしても 私はちゃんと私になれる?」のあたり。

・足下の歩き方/樫木祐人
読み切り2本立て。16D号にも掲載された、ハクメイとミコチの2人の妖精(?)のエピソード。夕焼けトンビの背中に乗った前回よりも、彼らの生活の日常的な部分が描かれていて良かった。これは、定期的に掲載してほしいと思う。

・夏実/宇島葉
読み切りショートストーリー。デビュー作。小説家の娘が、夏が終わるのでセミの父親を揚げて食べるだけという内容。なんとなく個性があるのは分かるが、それを判断するにはページ数が足りなすぎる。

・愛人サイトシーイング/新居美智代
読み切り。ボーイ・ミーツ・外国人の大人の女性。2人が回る日本的な街並みは、おそらく作者の趣味なのだろうが、そこにナイスバディな外国人女性が入ることで、不思議な雰囲気を作り出すことに成功していると思う。今後は、こっちをホームグラウンドにしていくのだろうか。

・此岸郷愁/碧風羽
読み切り。ジャングルの中で負傷した兵士と、それを助けた全裸のターザンガールがメインの話なのだが、極力説明的な要素を排除しているので、感情移入しづらかった。

・棚の上のなにか/百名哲
読み切り。電車の網棚の上にいる謎の生物をきっかけに、乗り合わせた乗客たちが仲良くなっていくという話。絵柄はいつもと変わらないのだが、主人公をサラリーマンにすると、一気にビッグコミック系に載っていそうな雰囲気になった。

・蜂矢乙女の魔球/福島聡
5話目。フェローズからの移籍連載。今回は、乙女が敬愛する熊田先輩の彼氏(独立リーグでプレー)に野球への未練を断ち切らせるため勝負することに。前回のフェローズ掲載分も短かったし、エンジンがかかるのはこれからか。

・竜の国の花嫁/鳴海圭
読み切り。いわゆる剣と魔法のファンタジー物。フェローズ18号に掲載されたハンマー女のやつもそうだが、フェローズっぽくないテーマだが、戦争大好きなお姫様ニーナのキャラとか、とても面白いと思う。フェローズQの方針として、新人は読み切り中心なのだろうが、この人は連載したほうがいいんじゃないだろうか。

・素晴らしき哉、告白!/なかま亜咲
4ページ、一発ネタのショートギャグ。これを堂々と発表できる精神力がスゴイ。

・奴が来る!/高橋那津子
読み切り。魔女の館(?)に侵入した謎の男を、トラップや魔法なんかを駆使して撃退しようとする話。こんな設定のゲームがあったなというのと、なぜか、フェローズ19号に載った長野香子『パーティーセット!!』とイメージがダブってしまった。なんか、いまひとつ殻を破りきれない印象。

・プッペな僕ら/尾崎友美
読み切り。コピーロボットが一般的な世界での恋愛ストーリー。もう少し人間とコピーの分かりやすい見分け方があったほうが、ラストは良かったかも。トビラには3作目と書いてあるが、前2作を読んだ記憶がない。

・雷が鳴ると/松本結樹
読み切り。デビュー作。ゲームの『太鼓の達人』マスターの男性が成り行きで、雷神になりたい子鬼に太鼓の技術を仕込むという話。鬼のほうはともかく、人間のキャラの頭が大きすぎると思うが、それもあまり気にならないほどよくできていると思う。チャンピオンに掲載された さぶの『鬼ロック』を思い出した。

・柴立くんと志堅原さん/睦月のぞみ
読み切りショートストーリー3本立て。背中に羽の生えている志堅原さんと、彼女に振り回される柴立くんの話。登場人物のぶっ飛び具合と、展開がポンポンと飛んでいくのが面白い。『兎の角』よりも、こっちのほうが好み。

・三ツ星まじっくレストラン/宮田紘次
読み切り。魔女が料理を作りモンスターが食べにくるレストランの話。とてもテンポが良くて面白い。これも『ヨメコレ』みたいにシリーズ化しないものか。

・マザコン先生/澤江啓太
読み切り。考えが幼稚でマザコン(母親が校長先生)な松田先生が受け持つクラスに転校してきた真田君の苦労を描く。前半の展開は良かったけど、そこから着地点が見つからなかったという感じ。

・茸の子の里/牧田真希
読み切り。キノコを食べて大きくなってしまった、マリオな女の子の話。どんどん大きくなっていくのは想像できたが、そこからの展開は意外だった。

・おとめ座ヴィーナス/菊池るち
読み切り。ウサギ、ワニときて、今回は宇宙人。耳が大きいので宇宙人とからかわれている少年と地球を調査している宇宙人の話。あまり宇宙人の荒唐無稽さが出ていなかったように思う。もっと、突き抜けた描写があってもよかったんじゃないだろうか。

・乙嫁語り/森薫
番外編。カルルクの義理の兄ユスフが長男のトルカンに馬を買ってやるという内容。こういうなんでもない日常を描いているほうが面白い。こうやって、エイホン家の話も描いていってほしい。

・紳士はマグ様がお好き?/冨明仁
宇宙を舞台にした泥棒少女マグ様と、自称『紳士』のロボット クラウスの話。キスのヤツとトレードしてフェローズで連載してもいいと思うほど面白い。クラウスが言葉のところどころに「シンシ」を挟んでくるのもイイ。

・乱と灰色の世界/入江亜季
番外編の2本立て。1本目の別珍先生はギャグ色が強かったが、2本目では未だに凰太郎の体に骸虫の影響があることが明らかに。これが本編にどういう影響を与えていくのか?

・第Q地区/高田健一
公式サイトで連載中の『アフィーマ』の出張版。この作者は、絵は上手いし姫とろみ先生はカワイイのに、なんというか変な後味を残すのが気になる。

・野罌粟/犬童千絵
読み切り。金持ちの息子だった宗則が悪い友達とつきあうようになり、むかし好きだった家政婦の女性を救うために罪を犯すという、なにもフェローズでこんな話を描かなくてもというヘビーな内容。前回のフェローズで描いたのも暗い話だったし、今後はこういう路線に進んでいくのだろうか?

・青野さんの貸出記録/緒方波子
読み切り。図書館で様々なジャンルの本を大量に借りていく青野さんと、その本のジャンルから想像を膨らませる受付の男性の話。この人は段々面白くなっていると思う。巻末のシメのポジションにもふさわしいと思う。あと、ブック君の解説が良かった。

森、入江、福島と3本柱が載っていたのもあるかもしれないが、フェローズを読んでいるのと変わらない満腹感があった。個人的には、看板にあげられている5人よりも、鳴海圭と九井諒子あたりに期待したいと思う。次号の発売は3月で、サブタイトルは『Queen』。本誌からの移籍も何本かあるようです。


テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2011/11/17(木) 19:54:04|
  2. Fellows! Q/ハルタオルタ/テラン
  3. | コメント:2
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