晴耕雨マンガ

4月は、六道の悪女たち、スピーシーズドメイン、ヴィンランド・サガ

ダンジョン飯 第4巻の感想




ついに炎竜にたどり着いたッ! ダンジョン飯4巻の感想です。


・第22話 地上にて
現在ライオスたちが潜っている迷宮『黄金城』が、かつてエルフとドワーフが戦争した『島』(とだけ呼ばれる、名も無い島)にあるということが、明らかにされる。そして、地上に戻ってきたタンスさんと島主の男との会話から、ダンジョンの成り立ちや現在の問題点も解説される。やはり、迷宮全体に施された不死の術を解き明かすことが、この物語最大の目標になってくるのか? あと、カカかキキ(タンスさんに雇われている戦士)は、ナマリの「今 何時だ?」という質問に「朝」とだけ答えているのが気になる。普通のトールマンというわけではないのかな?

・第23話 炎竜 1
ライオスたちは、ついに地下5階に到達。かつて城下町だったそこかしこに、炎竜の痕跡を見つける。さて『どうやって倒すか?』という話になるが、前回対戦時より戦闘員2人と魔術師1人が減り、代わりに戦闘員が1人が増えたという状況。まともにぶつかっては勝ち目がない。そこでライオスが、狭い地形を利用した作戦を提案する。この回は、前回と同じ轍を踏まないように、そして縁起を担いで大ガエルの肉を使ったカツを食べる。48ページの仲間たちにかけるライオスの言葉が良かった。といういい雰囲気のところに、炎竜が姿を現す。決戦開始ッ!
感慨深いマルシル
感慨深いマルシルかわいい。

・第24話 炎竜 2
いよいよ、炎竜戦がスタート。しかし、アダマントで出来たセンシの鍋では炎の息を防げず(アツアツになって持てない)、建物を頭上に落としても下敷きにすることはできなかった。しかも、土壇場にきてケン助が戦意喪失。センシの斧も折れてしまう……。残されたのは、センシが一日も欠かすことなく手入れしてきたミスリル製の包丁のみ。竜鱗を貫通することはできるが、いかんせんダメージを与えることはできない。竜が火を噴く仕組みとか、ケン助のことを知ったチルチャックがハーフフット語でライオスを罵ったり、ファンタジーに具体的な設定をあたえるのが上手い。
異変に気づいたマルシル
異変に気づくマルシルかわいい。

・第25話 炎竜 3
vsレッドドラゴン、クライマックス。センシの勇気とチルチャックの献身性、そしてマルシルの魔法にサポートを受けたライオスが、捨て身の一撃を逆鱗に刺し見事に勝利するッ! 自分の足を犠牲にする前にファリンのことを思い出し、覚悟を決めるシーンに胸がジンとする。それから、前科のあるケン助が逃げ出さないように、手に縛り付けているのも見逃せないポイント。確かに炎竜は一度全滅した相手で、強敵なのは間違いないけど、これほどまでに大きなダメージを負うことになるとは。
ひっくり返るマルシル
ひっくり返るマルシルかわいい。

・第26話 炎竜 4
ミスリル包丁で炎竜を解体しつつ、ファリンを探すライオスたち。しかし、胃も腸も空っぽだった。すでに消化されてしまったかと思われたが……。炎竜が火を吐くために燃料をため込んでおく器官に、人の骨を発見する。こんなところでも、竜の生態を生かしてくるとは。前半部分で、苦手な回復魔法を使ったことに対する後遺症的な痛みを、マルシルが全部「回復痛」で済ませようとしているのが面白い。あと、ライオスの回想に登場する子供のころのファリンが、ベッドの上で足をバタバタさせているのがカワイイ。
早さに自信のあるマルシル
早さに自信のあるマルシルちょっと怖い。

・第27話 炎竜 5
損傷の激しい遺体を動かせば、魂とのリンクが切れて生き返る可能性が低くなってしまう。そこで、この場での蘇生を実行することに。マルシルの専門は爆破魔法ではなく、禁忌とされる古代魔術 = 黒魔法の研究だった。まずは、ファリンの骨を組み立てることに。区別するために魔狼の骨を組み立てるライオスとの2人のやり取りが、パズルを遊ぶ子供のようで楽しそう(そんな状況じゃないけど)。しかし、なんだって手首の部分はあんなに小さな骨が集まっているんだ? そして、蘇生魔術が成功し見事にファリンが復活を果たすッ! 
禁忌の術を使おうとするマルシル
禁忌の術を使おうとするマルシル。

・第28話 炎竜 6
ファリンを救出するという、当初の目標を達成。そして、いよいよ炎竜を食べることに。念願の炎竜を料理できると、いそいそと準備をするセンシだが炎竜のそばで火を起こそうとしたことで、ドラゴンの体に燃え移ってしまう。しょうがないので炎竜の体をカマド代わりにして、ピザ、スープ、ローストドラゴンを作ることに。マルシルとキャッキャウフフしているシーンも良かったが、ファリンは炎竜の体を使って復活したので、魔力がアップしたのだろうか? そして、ドラゴン討伐現場に謎のダークエルフの姿が……。
ファリン超かわいい
魔物食に興味を示すファリン超かわいい。


・モンスターよもやま話 ‐4‐
地下4階から地下5階にかけて登場したモンスターをまとめて解説。炎竜のパートで自分の知識の低さを嘆くライオスが、なんだかすごくオタクっぽい。



なんとかファリンを救出し、炎竜を食べたライオス一行だったが、物語はこれで終わりではなかった。次巻、急展開!







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  1. 2017/02/17(金) 11:26:15|
  2. 九井諒子
  3. | コメント:0

ダンジョン飯 第3巻の感想



このマンガがすごい!、このマンガを読め!、コミックナタリー大賞、俺マン、全国書店員が選んだおすすめコミック と、2015年のマンガ賞を総ナメにした『ダンジョン飯』第3巻の発売です。前巻から1年ぶりの発売となります。


・第15話 雑炊
第10話で宝虫にやられた新人パーティーが、今度は地下4階で人魚(魚要素が強いタイプ)に殺され全滅してしまう。ライオスとチルチャックが水から引き上げるのだが、そのとき人間ではなくコボルトの顔だけ覚えていたり、チルチャックが女魔術師の髪を引っ張って運んでいるのが(チルチャックが持っていたのは、腕の部分でした。ミナミさんのコメントで訂正)。今回は、彼らが持っていて水面に散らばってしまった麦からライオスが雑炊を作っただけなので、今までで一番ショボイ料理という印象。しかし、マルシルはまだ石鹸を作っているし、センシもケルピーの解体に忙しそう。旅の目的を忘れていないよな?
マルシル おいしい
何も知らずに食べるマルシルかわいい。

・第16話 蒲焼き
水上で『刃魚』の群れに襲われるライオスたち。一難去ったと思ったところで巨大クラーケンの襲撃を受ける。この話は、料理よりも前半の戦闘シーンの激しさが印象的だった。本来は移動のための魔法の『水上歩行』の頭脳的な使い方も良かった。あらためて、深層まで潜った経験のあるベテラン冒険者なんだと再認識。クラーケンの体内にいた巨大寄生虫をウナギのように蒲焼きにして食べるのだが、さらにその体内にいた寄生虫にライオスがあたってしまい激痛に見舞われる。これで、少しは魔物食に懲りるといいけど。睡眠中におざなりに回復魔法をかけるマルシルが、かわいい。
マルシル 水上歩行
バトルでも貢献するマルシルかっこいい。

・第17話 木苺
ダンジョン内におけるモンスターのバランスが、計算されつくしていることに気づいたマルシルは、魔法学校時代にファリンと出会った時のことを回想する。優等生でドンくさい(外見は若いけどエルフ的に年齢を重ねているんだから、他の生徒より優秀なのは当たり前なんじゃ?)マルシルと、劣等生で野性児なファリンが仲良くなる展開がイイ。マルシルがファリン救出にこだわるのは、この頃からのつき合いの長さがあるからなんだな。今回食べるのは、ファリンが摘んだ木苺だけ。そこから、マルシルが生態系のバランスの難しさと自分の未熟さを感じる流れが良かった。あと、今も使っている魔法の杖は、学生時代からちょっとずつ編み込んでいる物だったのか。
ファリン 野生児
自然大好きなファリン、ワイルド。

・第18話 焼き肉
体を拭いた後のお湯を捨てたられたことに“水の精霊”ウンディーネが、怒り狂う。圧倒的な水レーザーの破壊力に、マルシルは苦戦を強いられ深手を負ってしまう。まさか、このマンガでここまで命の危機を心配することになろうとは。そして、マルシルの体力回復のためにケルピーの焼き肉をすることに。鉄分補給のために、レバーしか食べさせてもらえないマルシルの、前半とのテンションの落差が良かった。そして、この匂いを嗅ぎつけた一団が……。第3話でバジリスクをローストした時と同様、ケガ人でも出ないと肉を焼かないのかな。
マルシル キレる
レバー以外の肉も食べたいマルシルこわい。

・第19話 テンタクルス
ライオスたちが、かつての仲間・ナマリ(ドワーフの女戦士)と再会。彼女の現在の雇い主・タンス夫妻(ノームの学者)の調査を手伝う代わりに、マルシルを治療してもらうことに。この回では、ダンジョン内では魂が肉体から解放されず、蘇生できるということが明らかに。RPG的なお約束に設定を与えた格好だが、これは狂乱の魔術師が作った結界(不老不死を願った)の影響なのか? このあたりはモンスター生態系の緻密さともども、今後への伏線という感じ。食べるのは、テンタクルスという毒を持ったツタ植物。よく分からないまま食べさせられるマルシルの感想が面白い。
マルシル 何?
何食べさせられるか分からないマルシルかわいい。

・第20話 シチュー
魔力切れを起こしてしまったマルシルを、タンスさん一行と一緒に地上に戻そうとするライオスだが、激しく抵抗される。なんとしてもファリンを助けたいマルシルは、ウンディーネを食べれば魔力回復できるのでは?と提案する。センシの鍋がアダマントという高級金属だったこと、ナマリとの力業でのウンディーネ捕獲方法、それから必要に迫られていたからとはいえ、マルシルが積極的に魔物(精霊)を食べようとし、調理を手伝っていたのが印象的だった。ウンディーネをベースに、ケルピーの肉とテンタクルスを使ったシチューを作る。地下4階の総まとめ的な料理。
マルシル 意地汚い
地面の水をすすろうとするマルシル意地汚い。

・第21話 大ガエル
地下5階への階段には、無数のテンタクルスが生い茂っていた。しかも、狭い場所で大ガエルの攻撃を受け、ライオスとマルシルの武器が奪われてしまう。このピンチをチルチャックの機転で切り抜ける。テンタクルスにカブレないために、カエルスーツを4人が装着するコマは、ここまでで屈指の笑いの破壊力がある。なぜ、いちばんの功労者であろうチルチャックは、ズタ袋のようなデザインなのか? さらに、テンタクルスの群生地をニョッキを食べながら歩くコマは、ここまでで一番サイコ度が高いと思う。そして一行は、ついに地下5階に到達。ドラゴンは目の前だ! 
マルシル 髪形変える
また髪形を変えたマルシルかわいい。


・モンスターよもやま話 ‐3‐
今回はクラーケンにスポットを当てる。しかし、とことん頭足類との相性が悪いんだな、ライオスは。



次巻では、いよいよ炎竜と激突! ファリンを救出することはできるのか? そして、ドラゴンステーキを作ることはできるのか!?




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  1. 2016/08/14(日) 16:43:55|
  2. 九井諒子
  3. | コメント:2

ダンジョン飯 第2巻の感想



ダンジョン飯2巻の感想です。
表紙で、オタマから魔法を発動させようとしているマルシルかわいい。

・第8話 キャベツ煮
地下3階まで下りてきた一行。ライオスたちと合流するまでは、このあたりを根城にしていたセンシが『畑』として利用しているゴーレムの手入れをする。料理の手際はもちろん、1人で3体のゴーレムを起動停止に追い込むスコップさばきが見事だった。いつもの斧より、絶対にこっちのほうが扱い慣れているだろ。センシが、いつのまにか兜の上から麦わら帽子をかぶっていたりするのには笑ったが、基本的にはどんな考えやポリシーを持って生活しているのか? という内容。
マルシルは髪形を変えた?
マルシル 髪形変えた
髪形を変えたマルシルかわいい。

・第9話 オーク
ゴーレムから収穫した野菜があまりにも大量なので、迷宮内の酒場で物々交換しようとしたライオスたちだが、そこでオークたちの襲撃を受けてしまう。もともとは、もっと下の階層に住んでいてセンシの取引相手だった彼らだが、集落の近くに『赤い竜』が現れたので、ここまで上がってきたらしい。センシの独断により、オークの野営地でパンを焼くことになるが……。オーク兵がマルシルをブサイクと言ったり、エルフとオークの価値観の違いは、ファンタジーの基本みたいな感じで面白かった。
マルシル 辛い
オークの味付けが辛いマルシルかわいい。

・第10話 おやつ
今回は、金貨や宝飾品に擬態している『宝虫』を食べる。作者の短編集『竜の学校は山の上』に収録されている『金食い虫くん』という短編と、同じような着想なのかな。しかし、ネックレス、コイン、指輪、ティアラとタイプの違う宝虫の解説を、1ページでさっと済ましてしまうのがスゴイけどもったいないと思う。あと、マルシルがネックレスを食べるのを嫌がったけど、虫・モンスターを口にするのにあまり抵抗を見せなかったのが意外だった。それから、前半部分を担当した新人パーティーの中で、三つ編みでガッチリした体格のキャラだけ種族が分からない。宝虫(擬態)に反応していたし、女なのかな?
マルシル 取り乱す
宝虫に取り乱すマルシルかわいい。

・第11話 ソルベ
ライオスが落とした食べ物を拾おうとしてせいで、幽霊に襲われてしまう一行。センシが作った即席聖水でのパワフル除霊から、まさかのアイスクリームができる流れが素晴らしい。今回は、食材よりも調理法自体がメインという感じ。そしてファリン健在時の力量の高さが明らかになっただけに、96Pの1コマ目のインパクトがデカいし、最後のライオスの発言で、場の雰囲気がぶち壊しになる流れも酷くて最高。あと、マルシルは爆破魔法が得意なのか。エルフっぽくないな。
マルシル 霊を見る
幽霊を見たマルシルかわいい。

・第12話 宮廷料理
かつて食堂だったと思われる部屋で『生ける絵画』に襲われてしまう。軽食(宝虫とゴーストアイス)しか食べていなく、空腹のライオスは絵の中の世界に飛び込み、そこで宮廷料理にありつこうとするが……。今回は、モンスター料理うんぬんよりも、ライオスが絵の中で体感した出来事の方が重要か。あのダークエルフが、黄金城をダンジョンに変えた黒幕 = 狂乱の魔術師ということになるのかな? あと、絵の中からライオスを引き戻すときに、2回目でチルチャックが抜けて、3回目でマルシルがサボっているので、もう1回絵の中に入ったら、ライオスは戻って来れなかったな。

・第13話 塩茹で
新人時代から、ミミックに何度も痛い目に合っているチルチャックは、宿営地の近くに不審な宝箱を見つけるもののスルーする(報告すると食べたがる人がいるので)。しかし夜中の水汲みの帰りに、うっかりミミックのいる部屋に足を踏み入れてしまう。トラップ部屋からの脱出はRPG的な謎解きがあって面白かった。そして、捕まえたミミックを塩茹でにして食べる。チルチャックのピッキングツールで、身をほじくり出すライオスが最高(テーレッテレー♪というBGMが鳴りそう)。そして、チルチャックの年齢が29と判明。ライオス(とファリン)が年下で、マルシルとセンシは年上か。
マルシル 寝坊助
寝ぼけているマルシルかわいい。

・第14話 水棲馬
ライオスたちは、地下4階に到達。地下水で出来た湖をマルシルの魔法で渡ろうとするものの、ヒゲにモンスターの血や汚れが染みついているセンシは、魔法を受け付けず沈んでしまう。そこで、以前より懐いている水棲馬(ケルピー)に乗って渡ろうとするが……。魔法に対する考えをめぐって対立していたセンシとマルシルの和解が印象的だが、それを上回るほどケルピーから作られた石鹸でヒゲを洗われたセンシの2段階変化のインパクトが強すぎる。あと、回想でファリンがモーニングスターを武器にしているのも面白い。
マルシル 馬に乗りたい
馬に乗って冒険することにときめくマルシルかわいい。

・モンスターよもやま話 ‐2‐
今巻もオマケページは、登場したモンスターの生態補足ネタ。幼いころのミミックは、瓶や食器に潜んでいるという話から、兜に入って謎生物と化してしまったミミックに火炎放射する流れが良かった。


オークの情報によると、炎竜は地下5階にいる様子。仮にファリンを早めに奪還できたとしても、その後もダンジョン探訪を続けてほしいところ。











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  1. 2015/08/14(金) 10:31:13|
  2. 九井諒子
  3. | コメント:0

ダンジョン飯 第1巻の感想


ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)
(2015/01/15)
九井 諒子

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待ってろドラゴン! ステーキにして食ってやる! 

1月発売にして、今年最大の注目作『ダンジョン飯』の第1巻が発売されました。
ほぼ月刊誌『ハルタ』に14年2月から連載開始。作者の九井諒子作品としては『ひきだしにテラリウム』以来、約2年ぶりの単行本発売となります。

それは小さな村からはじまった
ある日 小さな地鳴りと共に地下墓地の底が抜け
奥からひとりの男があらわれた
男は1千年前に滅びた黄金の国の王を名乗る
かつて栄華を誇ったその国は狂乱の魔術師によって
地下深く今なお捕らわれ続けているという
「魔術師を倒した者には我が国のすべてを与えよう」
そう言い残すと男は塵となって消えた


・第1話 水炊き
というのが、この物語の基本設定。主人公・ライオス(人間の戦士)率いるパーティーもダンジョン探索に挑み、深い階層で炎竜(レッドドラゴン)と対峙していた。しかし、空腹が原因で全滅寸前のピンチに。ここは妹のファリンの魔法によって難を逃れたものの、当のファリンは炎竜に喰われていたので、取り残される形に。救出を決意するライオスと仲間のマルシル(エルフの魔法使い)とチルチャック(ハーフフットの鍵師)は、装備の質を落とさず迅速に迷宮を進むために『倒した魔物を食べる』ことを決意する。というわけで、まずは大サソリと歩きキノコを、迷宮内に住み着き魔物食を研究しているセンシ(ドワーフの戦士)の助けを借りて鍋にすることに。細かな調理方法はもちろん、大サソリの捕獲方法やスライムの構造解説など、ファンタジー世界に現実的な説得力を持たせるのは、作者の得意とするところ。全体的にも面白いのだが『妹を食べたドラゴンを自分たちが食べるというのは、問題ではないのか?』と疑問を持たせるオチも素晴らしい。
マルシル 拒否
ブレイクダンス風に嫌がるマルシルかわいい。

・第2話 タルト
サクサクと地下2階に到達。地下深くにある黄金城の尖塔を降りる形で、ダンジョンを進んでいく。マルシルの希望に沿い、人食い植物(人間を食べるわけではない)のタルトを作ることに。一概に『人食い植物』と言っても、養土型、依存型、捕獲型など、様々なタイプがいるというのが面白かったし、魔物に殺された冒険者を生き返らせて謝礼をもらう『死体回収屋』とか、木の洞の中が冒険者が使いやすいように整えられていたりするという世界観の細かさがイイ。
マルシル 受け身
受け身が取れないマルシルかわいい。

・第3話 ローストバジリスク
栄養バランスのいい食事を摂れていないことを嘆くセンシの発案で、バジリスク(鶏+蛇)を狩ることに。「どれも栄養価は豊富な食材だが足りていないものがわかるか」とセンシに聞かれて「常識」と答えるマルシル。バジリスクの肉をローストするのに、唯一の武器である長柄の斧を利用するセンシ。毒が体に回っているのに、しっかりと料理の感想を言う新米冒険者(その相方のエルフの魔法使いがカワイイ)と、面白い個所が満載のコメディ色が強いエピソード。しかしライオスとセンシは、出会って2日目でもうコンビネーションを使えるようになっているのか。
マルシル 卵さがし
バジリスクの卵を探すマルシルかわいい。

・第4話 オムレツ
今後、魔物が少ないルートを通るので、食材としてマンドラゴラを確保しておくことに。ここまで足を引っ張っている形になっているマルシルが、ライオスたちを見返してやろうと大蝙蝠を使った独自の方法を試みる。マンドラゴラの叫び声を聞いて、意識が混乱したマルシルにかけるライオスとチルチャックの言葉が良かった。料理は、前回ゲットしたバジリスクの卵と合せてオムレツを作ります。あと、バジリスクの本体が蛇の方だと解明したドラーフ博士とは何者なんだ!?
マルシル 泣き顔
泣き顔のマルシルかわいい。

・第5話 かき揚げ
チルチャックが主人公のエピソード。自分の指示に従わずトラップを作動させまくるセンシと対立しながらも、最終的にはそれぞれの『領分』を学ぶという形で和解する。作ったのは、かき揚げ。大蝙蝠、マンドラゴラ、バジリスクの卵と、これまでにゲットした食材を有効活用しているのが良かった。それから、チルチャックは第1話では弓を持っているけど、ダンジョン再突入以降は武器らしいものを持っていない。もし、ガチ戦闘になったらどうするんだろう?

・第6話 動く鎧 ‐1‐
この話では、料理をしません。ライオスが初めて殺された因縁の相手・動く鎧の群れに遭遇。走り抜けてやり過ごそうとするものの、行方を遮られてしまう。彼らを操っている何者かが隠れているであろう奥の部屋にライオスが単身突入するが、そこにも別タイプの動く鎧が。しかし、その行動の違和感から実は『生物』であったことを見抜く。ただ、いくら人数が減っているとはいえもっと下層まで行ったのなら、動く鎧くらい簡単に倒せても良さそうなのに。特にマルシルは魔法を使わずに杖で殴りかかっているじゃないか。
マルシル 戦闘態勢
戦闘態勢のマルシルかわいい。

・第7話 動く鎧 ‐2‐
動く鎧の正体が、貝のような軟体生物の集合体(それぞれが筋肉の役割を担っている)であるということを、ライオスが突き止める。鎧を解体して中身を確かめるところとか、それをマルシルらに説明するところとかは、とても主人公には思えないサイコパスっぷり。センシが部位ごとに、炒めもの、蒸し焼き、スープ、焼きものと4種類の料理を作るが、チルチャックが「アイツ魔物の話になると早口になるの気持ち悪いよな……」と言ったり、マルシルが杖の先をライオスの頭に引っかけたり、一口目を食べたライオスを見て「死んだか」とリアクションしたり、小ネタ部分も面白い。そしてライオスは、動く鎧の幼体を隠しペットとしてゲットする。
マルシル 死んだか
ライオスが死んだと思うマルシルかわいい。

・モンスターよもやま話 ‐1‐
今回食べたモンスターたちの、細かい追加解説といった内容。主に、ライオスのモンスターマニアっぷりが暴走しています。個人的には、パーティーメンバーのレベルとか装備品、ステータスなんかを紹介してほしいところなんだけど、今回が『1』とついているということは、次巻以降もこのコーナーはあるということか。


先行掲載された予告編は無理にしても、モーゲンハルタで描かれた『デパ地下探訪編』は、どうにか収録されないものか。







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  1. 2015/01/16(金) 13:52:19|
  2. 九井諒子
  3. | コメント:4

ひきだしにテラリウム の感想


ひきだしにテラリウムひきだしにテラリウム
(2013/03/16)
九井諒子

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九井諒子の最新刊『ひきだしにテラリウム』が発売されました。
アマゾン内のWEB文芸誌『マトグロッソ』に連載されていた30本と、個人誌や雑誌に掲載されていた3本、描き下ろしの1本を加えた全33本のショートストーリ-が収められています。どの話も3~10P程度ながら、SFだったりファンタジーだったり寓話的だったりバラエティ豊かで内容の濃いエピソードばかりです。
感想を書いていきますがネタバレありのなで、ご注意を。




・表紙
各話の登場人物たちが、大集合しています。学生や兵隊、宇宙人や未来人、ネコやロボットが混在しているのに、不思議とひとつの世界におさまっています。どのキャラがどこにいるのか、気づいたものを書いていきたいと思います。

・すれ違わない
まず少女漫画風の絵柄に驚くし、続けて鼻に変な機会を突っ込んで相手の考えを理解するという展開に面食らってしまう。とても便利な機械のように描かれているけど、アレを使わない=やましいことがある。っていうことで、余計なトラブルも増えそう。
→ 編集者の山田が裏表紙ロボットの足元に。

・湖底の春
ヨーロッパのおとぎ話に本当にありそうな内容。語り口やラストの教訓もいかにもという感じ。絵柄は全体を通して、いちばん繊細。
→ 表紙折り返し部分で湖をのぞいている。表紙側折り返しで春の精がヒッチハイクしている。(初音ミクオさん情報)

・恋人カタログ
作中で登場キャラが言っているように、ドラえもんの『ガールフレンドカタログ』がモチーフに。社長令嬢だが地味で面白味のない女性と交際中の男が、友人の科学者の協力を得て未来の自分から“恋人候補”のアルバムを送ってもらう。彼女がイメチェンしてからの4ページで、しっかりラブストーリーしているのが素晴らしい。
→表紙左上で車に乗っている。

・恋
気づけば目で追っていて、寝ても覚めても頭から離れないのに『恋』ではない理由とは? 2ページということもあるかもしれないが、星新一作品のようだと思った。
→エマとアンドリューが表紙のタイトルに隠れる部分を歩いていて、博士が裏表紙で様子をうかがっている。

・かわいそうな動物園
なぜトラやライオンを狭い檻で飼っているのか? 生まれたばかりのアルビノの象を殺さなければならないのか? その疑問がラストの一言で一気に解決するのが爽快感がある。
→象の親子が裏表紙右下に。飼育員たちはバスの上でハトを捕まえようとしている。

・パラドックス殺人事件
役にのめりこみすぎた俳優が、その作品世界の神=脚本家を殺してしまう。しかし、神が死ぬと世界が存在しないことになり…という哲学的な矛盾を抱えた事件。それをたった一言で否定し、いっしょにいる男が「あちゃぁ」みたいな顔をしているのが面白かった。
→ 表紙右下にテレビを見ていた2人と田中が。

・未来面接
中学生が、ある会社の面接を受ける。中3ではなく中2が面接を受けていたり、2ページなのに伏線が効いていると思う。
→ 小山君は裏表紙でロボットを操縦。面接官は、変わった髪の色の3人組の面接をしている。

・龍の逆鱗
九井作品おなじみの龍が登場。その解体方法や料理の仕方、味の感想に妙なリアリティがある。
→ 表紙右上で龍料理を食べている。

・TARABAGANI
個人誌で発表されていた作品。タラバガニはカニじゃなくてヤドカリの仲間。だったら、この場合は?という話。たぶん、メガネの彼は間違っていない。
→ 表紙右上でタラバガニを食べていて、佐々木君は表紙下部分で机に向かっている。

・遺恨を残す
他星からの宗教を厳しく制限している星と、そこから持ち帰ってしまった繁殖力の強い植物の種を通じて、消えつつある神さまに思いをよせる。スコシフシギ系の絵柄だったので教訓的なオチに意表をつかれた。
→ 主任と部下が裏表紙のロボットの足のあいだに。地球の職員が裏表紙の左下。ペロペロ星人が表紙側の折り返しに。ホッペケ教の手提げ袋がいたる所に。

・代理裁判
職場の子に無視された!? 彼氏の最近の行動がアヤシイ!? ということを、頭の中で自分が裁判官・検事・弁護士の1人3役になって裁判をする。1件目はともかく2件目は有罪に十分な証拠がそろっているのに、なぁなぁで無罪にしてしまうのが良かった。
→ 表紙側の折り返しで裁判をしている。近くの会社員3人組も?(初音ミクオさん情報)

・ノベルダイブ
帯に内容が引用されたエピソード。眠る前に読んでいた作品の世界観と現実の問題がゴチャゴチャになってしまう。夢の中ではいろいろと問題が片付いたが、現実では皿を洗っただけという…。
→ 表紙折り返しで姫の格好でコピーを取っている。近くには、馬とボサボサの歯ブラシ。そばの会社員3人組も?(初音ミクオさん情報)

・記号を食べる
文字通り、○ △ □ を料理して食べるだけの内容。個人的には、もちっとしている □ が美味しそうだと思った。
→ 表紙右上のテーブルの上に記号が乗っている。

・えぐちみ代このスットコ訪問記 トーワ国編
作者の別作品『狼は嘘をつかない』と同じように、エッセイ漫画と現実がミックスされたスタイル。トーワ国に取材に行った漫画家と現地青年の価値観の違いを描いている。現地青年視点のえぐちみ代こ地味カワイさが良かった。
→ 裏表紙のバスの中にえぐちみ代こ(漫画版)が。

・旅行に行きたい
旅行の行き先を決めようとダーツを投げても、なぜか同じ場所に刺さってしまう。2ページ目が諸星大二郎っぽいと思った。
→ 裏表紙のバス。

・ユイカ!ユイユイカ!
外界から攻めてくる魔物と戦う兵士。でも、実はそれは…という話。オマケページの『やめろ』というツッコミが良かった。
→ 表紙左上に兵士たち。裏表紙の木の上にイェーカー。

・ピグマリオンに片思い
変わった性癖を持った男とばかりつき合ってしまう女性の悩みとは? オマケページにあるように『性癖 種類』で検索したら、頭がクラクラした。あと相談を受けている女の方が、九井作品には珍しいツリ目なのが好みです。
→ 相談する女性が、ロボットの足の影に。

・すごいお金持ち
リゾート地から見える島に豪邸を築き、そこで1人で暮らしている“すごいお金持ち”。そのエピソードを聞きながら的確なツッコミをいれていく観光客が面白かった。でも、それもオチへの伏線になっているとは。
→ お金持ちが表紙右側に。表紙側折り返しの地図のマーク。同じくペロペロ星人の下の切れ目は、すごいお金持ちの布団。観光客は裏表紙でバスに乗っている。裏表紙側の折り返しに、夢に合わせるオーケストラ。(初音ミクオさん情報)

・語り草
植物にも心があるので、大事に世話をすれば伝わるはず。だったら、不要な部分を剪定されたり接ぎ木されたときの植物の気持ちは? 2人の内のおっとりしている方が、意外とサバサバした解決をしているのが面白かった。あと、植物に詳しくない方の顔に終盤ドロが付きっぱなしなのも。
→ 裏表紙右上に。

・春陽
『人間』というペットを飼うことになり、その成長の様子を描いていく。考えてみれば自分の親の若いころは知らないし、自分の子供の老後を見ることはできない。ひとりの人間の一生を見守ることっていうのは貴重なことなんだと思った。
→ 裏表紙左側で人間の女の子とクマのぬいぐるみが、機械に乗っている。(tomtanakaさん情報)

・秋月
すべてを機械(アイスのコーンのような形)に管理されている女性。そこの生活に満足している彼女は、外部からの助けの手も簡単に断ってしまう。いったい何が幸せなので、何が自由なのか? 気になるのは、主人公の女性は作中では美女なのに、オマケページや表紙では子どもに描かれているところ。
→ 機械が裏表紙左側に。

・かわいくなりたい
4ページまるまる使って、ネコのメイクの様子を紹介している。毛先をカットして小顔にしたり、鼻の境界線を目立ちにくくしたりといった“ありえないリアリティ”が素晴らしい。個人的には、それまで見えなかったヒゲにラメをつけて目立たせるところが好き。
→ 表紙中央部分に。彼氏ネコはタイトルに隠れる部分でバスを待っている。

・パーフェクト・コミュニケーション
音ゲーが得意な主人公が、楽しく会話するという難易度の高い『コミュニケーションゲーム』に苦戦する。上手く話ができずに矢印が下に溜まってしまっているコマが良かった。あと主人公が読んでいる本は『水滸伝』か。
→ 主人公が裏表紙のロボットの足元に。

・ショートショートの主人公
人はみな、何かの主人公。ということで『ショートショートの主人公』に生まれた娘が、意外なオチで死んでしまわないように、家族があれこれ考える。たぶんラストの一言が、作者の本音なんだろうな。
→ 兄の退魔師が表紙左下にいて、主人公が表紙中央部分を歩いる。その先にある死体跡は、ショートショートのオチ?(初音ミクオさん情報)

・遠き理想郷
小学生向けに『いじめ』をテーマに紙芝居を作ることになったが、なぜうさぎ人がねずみ人をいじめることになったのか?ということを考えはじめたことから、壮大なストーリーが紡がれていく。無駄にスケール感が大きくて、個人的にはベストエピソード。
→ 表紙下側にねずみ人とうさぎ人。もぐら人は、バスの前に穴を掘っている。

・神のみぞ知る
村で流行った奇病をしずめるために、社に住む猫の神様に村人の手が伸びる。最初は神殺しの話かと思ったが、まさかの展開に。毒も、ソッチ側のなのね。神さまが生まれ変わった168Pが素晴らしい。
→ 表紙側の折り返しに神様と村人。

・すごい飯
知育菓子のような肉や、すっぱいソースをかけた金魚などを食べたことを美味しそうに語る男。最高の調味料は、想像力ということか。
→ 表紙右上に男が食べたもの(のイメージ)が。

・生き残るため
前半4ページは生物の進化の過程を描いていたのに、後半3ページで意外な展開に。しかもラストにはエンドロールって、全体が映画だったのか何だったのか、よく分からない。
→ ゾンビが裏表紙でロボットに踏まれている。寄生生物は表紙折り返しでポチに追われている。

・スペースお尺度
様々な悩みはあるが宇宙規模で考えると些細なこと。と思っていたが、実際の問題との距離はずっと近かったという話。『恋人カタログ』とならぶ恋愛ストーリー。あと、遠くに転がっていく太陽系の模型に、ずっと説明がついているのが面白かった。
→ 主人公が裏表紙側の折り返し部分を走っていて、裏表紙右上に『こども科学博物館』のマスコット。

・ひきだし
描き下ろし。廃屋の中にある、精巧な箱庭を収めた無数の引き出し。男は、そのひとつを盗み出してしまうが…。いちおう表題作ということになると思うが、それにしては3ページしかないし、ちょっと物足りなかった。
→ カバー全体がひきだしの中のイメージ?

・こんな山奥に
女性2人組が山の中で見つけた食堂に入る。しかし、そこの客は油揚げにこだわったり出雲に顔が効くことを自慢したりと、ちょっと変わっていた。ラストの一言でキレイにオチていて、気持ちがイイ。個人的にお気に入り。
→ 表紙右上できつねうどんを食べている。店員もそう。表紙側折り返し部分に婚約したカップル。(聖ズベリゴさん情報)

・夢のある話
サンタクロース派遣会社の日本支社で働く、頑固者のカナダ人のダニエルさん。仕事の才能と愛情が比例しないというのが、リアルな仕事でも言えることというのが、微妙に切ない。あと、トナカイのセリフが面白かった。
→ 表紙側の折り返しにサンタが。近くの会社員3人組も?(初音ミクオさん情報)

・未来人
突如部屋に現れた未来人。その行動がどこか不審で…。この話だけでは意味が分からず『すれ違わない』とセットで、はじめて成立するというのがスゴイ。
→ 編集者の山田が裏表紙ロボットの足元に。


表紙のキャラ大集合の中で、ダイイングメッセージ付きの死体跡が、どの話の登場人物なのか分からない。




テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2013/03/18(月) 15:06:09|
  2. 九井諒子
  3. | コメント:10
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