

阿部共実作品の登場人物たちを学校別に分けてまとめてみました。
:の後の数字は『空が灰色だから』の登場話数。
『死に日々』は死○という形で登場話数を書きます。
BG6 は『ブラックギャラクシー6』
ち は『ちーちゃんはちょっと足りない』
虫 は短編集『大好きが虫はタダシくんの』収録作品の登場人物です。
ネタバレっぽいところもありますので、ご注意を。
〇一高
・3年阿久津乙香:40 アスカ:40 牛島:40
・2年星村珠姫:8、20 華村奈々美:8、20 鬼ケ原樹里子:8、20 水沢亘理:19 三波:20 犬神愛智:24 村沢愛奈里:42 吉良:42 ゴリ山:42 ガネっち:42
・2年A組蒔田瑞穂:13
・1年大鬼怒豊心:57 筒:57 まーちゃん:57
・1年(制服違い)真城:死6 木沢:死6
〇二高
・卒業生宇佐美文:1 男鹿:死4 女良:死4
・3年栄花:30 寺尾:30
・3年6組咲村:55 秋奈:55 優美:55 委員長:55
・2年寛太:25 風馬:25 茶々:25 小谷:25、41 円良子:32 中浦:32、39 今崎:32、39 越後:37 駒林:37 斉藤:37 平口:39 後村:41 志村:41 沼井:41 春恵:虫 梓:虫 南山志恵:ち
・2年4組影村黒絵:55
・1年慶太:6 あおい:6 前村:43 萩原:43 網田:43 知香:51 満:51 風吹:56 岡田:死6
・1年6組鳴田あおい:6
・学年不明悲しみの2人:死10(スカーフがちょっと違う)
〇三高
・卒業生大村いちご:4 亀村:52
・3年久我良:5
・2年加美馨:5 栗山幹:10 本田貴斗:28 加藤幸枝:28 針本月花(ハリセン):50、BG6
・1年大垣内三四五:29 色部:虫 武田美緒:50 和田璃湖奈:50 四井翔:50 ギドラ:50、BG6 枯木流那(カレルナ):50、BG6 渋谷千代乃(チョロ助):50、BG6 座間欽一(ザッキン):50、BG6 城杉大輔(シロ):50、BG6 高嶋:死14 エリナ:死14 椎名:死14
〇北西高校
・3年生明:2(スカーフが違う) 森永:2(スカーフが違う)
・2年若葉:18 柏木涼:18 千絵:18
・2年3組輪田美咲:11 松井:11
・1年紺田:54 城川原:54
・1年2組来生:36 佐野:36
○?高校(女子はリボン)
・3年雫:死12 副島:死12 山田:死12
・学年不明佐久田:死9 田所:死9 津吹花凛:死9 湊:死13 桜ちゃん:死13
○?高校(女子はネクタイ)
・3年高柳:死2 なー子:死2 伊井青羽:死5
○西高校・学年不明ストーカー:10
○川崎中高校・2年水野燕:虫
・1年朝倉たつみ:虫
○県立原高校・1年結城凛:虫 安田寅:虫
〇東中学
・卒業生水沢亘理:19 栄花:30 前村:43 枯木流那(カレルナ):BG6 座間欽一(ザッキン):BG6 城杉大輔(シロ):BG6
・3年本村拓也:13 武田美緒:15、38 和田璃湖奈:15、38 四井翔:15、38 若林哲人:23 雨宮京:23 別府:33 橋野:33 木崎藍夏:33 桑島:34 波岡梨花:34 前村雄大:43 部長:48 俊哉:48 古積:58 黒木:58 鈴木:死17 女子3人組:死17
・3年1組右澤秋:9 肥田:9 霜神冬花:9、17 中田:9、17 前園:17
・3年6組菜野:49 甲賀:49
・2年宮本怜:46
・2年1組城田瑶:21 不破詩音:21 雨宮京:21
・2年6組南山千恵:ち 小林ナツ:ち 旭:ち 奥島:ち 如月:ち 藤岡:ち 宮沢:ち 野村:ち
・1年流々香:48 安野来海:51 智子:51
・1年(?)けんちゃん:死18 関谷:死19 マリカ:死19
〇西学園中学
・卒業生鳴田あおい:6 慶太:6 あおい:6
・1年1組川本蘭:16
〇北中学
卒業生中浦:39 今崎:39
・3年アネゴ:45
・2年有須久美子:47 神門:47 林田:47
○平中学校・3年3組滝沢:虫 吉尾鈴子:虫
〇関東の中学・3年A組木崎藍夏:35
○名門私立中学(男子校)・1年松田:死18
〇学校不明・高3直樹:56
・高1志織:虫 奈緒:虫
・高校生野田:死15
・中3真子:31 水戸歩:58 唐井桂:58 川江:58 鈴田:58
○南小学校・6年生慎:52 吉永:52
・4年2組川野進:27
・学年不明おはようの子:14、27 竜二(バファローズの帽子):14、32
〇小学生・6年生脇野和気和気子:22
・5年生三本(三元、三下)憐:12 愛:12 心:12
・4年生黒川穂:3 響平:31 鈴鹿光生:45
・1年生座間弥和:BG6
〇大学生大村いちご(19):4 木下実(18):7 峰:死2 市川:死3 男鹿:死4 女楽:死4 坂本(20):死8、死16 岡本:死11
○社会人主任:死3 福別府:死15
〇アルバイト宇佐美文(19):1 真角緑(23):14 横丸(18):14 亀村紀子(23):52 加賀(26):死5 理子:死7 佐々木光(27):死8、死16 橘(20):死20
〇主婦黒川楓(32):3
〇教師竹尾きらら(23):27 田無以蔵:BG6
○科学者博士:虫
〇無職横井杏奈(23?):26 無職女:虫 五木郁美(26):44 久本:死11 千夏(21):死20
○職業不明修太郎の兄(28):死1
〇幽霊女の子(享年6歳):7 磯辺藤(享年14歳):46 修太郎(享年18歳):死1 友花子:死7
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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2015/12/10(木) 15:34:19|
- 阿部共実
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| コメント:12


死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々。略して『死に日々』第2巻の感想です。1巻から1年ぶりの発売になります。
・第12話 なくした僕の心はどこにあるのかヤングマガジンに掲載された読み切り。ギャルっぽい雫が、高3なのに中2的な発言をする山田のことをからかう。そこからの立場逆転的なオチと、雫の友人の副島の終始淡々としたツッコミが良かった。あと、山田が反応できなかった下品な言葉は、ヤンマガ掲載時はなんなのか分かるようになっていたけど、今巻ではセリフが黒塗りになっていたり、その後のセリフも変えられていたりしていた。このへんは出版社ごとの規制の違いなのかな?
・第13話 僕の夢の中のあの子は僕の夢の中のあの子の夢の中ですらどうせ僕を夢見ない夢を僕は見る異常に長いサブタイトル。もし、この話を気に入って他人に薦めようと思っても、タイトルからサブタイトルで84文字も話さなければならないじゃないか。本編は、ファミレスで幽霊の話をしている女子高生が反らした話の中の女子高生が思い出した話の中の女子高生が作った話の中の女子高生は割り勘をしない。みたいな話。
・第14話 友達なんかじゃないドンくさくて要領を得ない高嶋さんに対し、キツイ態度や言葉を浴びせるエリナ。学級委員の椎名らは、エリナのことを無視しようと高嶋に提案するが……。阿部共実作品らしい、スッキリとは割り切れない独特の読後感。高嶋がエリナにくっついているんじゃなくて、自分のことを分かってくれる高嶋にエリナが依存しているというオチのつけ方が良かった。
・第15話 ススーーパパーー加加藤藤ささんんスーパー店員の福別府さんが、バイトの高校生・野田くんと一緒に帰る。野田君の口からは『加藤さん』の名前が頻繁に出てくる。最初は、クラスのアイドル的な存在なのかと思っていたら……。忍法つばめ返しを出した後の野田君のクレイジーっぷりと、終盤に『デタジル人間カラメ』みたいになるところがヤバかった。
・第16話 アルティメット佐々木272第9話に登場した、女やもめ佐々木27歳が登場。先週の週チャンと今週のタップにも掲載され、最早作品のアイコン的な存在に。本編は、後輩の坂本君にモテない悩みを相談し、なぜかそこからパンツの色をクイズミリオネア風に当てることに。たとえ母親相手でも、一人称を「佐々木」で通す佐々木さんがカワイイ。あと「染まっている」って言っているから、正解は黒でいいんじゃないかな?
・第17話 おなじクラスの鈴木くんのねこの人形『ブラックギャラクシー6』と『ちーちゃんはちょっと足りない』が同時発売されたときに、週チャンに掲載された読み切り。小さな猫のぬいぐるみを大事にしている鈴木君を、女子3人がからかう。しかし、思っていたのとはちがう不幸な結末を迎えることに。メインの女子の友人2人が、終始後ろを向きっぱなし(コピー使用)なのが、なんとなく不気味。
・第18話 8304帯にも使われた、この巻のハイライト的な作品。中学進学以来の再会をした、松田とけんちゃん。色の例えが豊富で詩的なモノローグが全編に渡って使われていて、相手が自分と違うということに深く苦悩する、ややBLの雰囲気漂う内容。ブロック状のモチーフが使われた見開き、ラストの自転車に2人乗りしている見開き×2が、素晴らしい。この話と第20話に使われている、数字4ケタのサブタイトルには、どんな意味があるんだろう?
・第19話 日々クラスで浮きがちな地味系の関谷と、同じく浮いているヤンキー系のマリカの友情エピソード。安全ピンをピアス代わりにしたり、肌に『神』と掘ったりするマリカに対し、いちいち「かっこいい」とリアクションする関谷。なにかダークなオチがあるような気がしたが、そんなことはなかった。第14話の高嶋&エリナと似たような感じだけど、こっちの関係は長続きしなさそう。
・第20話 7759同棲しているものの恋人未満の先輩・千夏(♀)と後輩の橘(♂)。誕生パーティーの準備をする千夏だが、橘が帰ってきたときには床で動かなくなっていた……。2人が出会ったころと現在の時系列が激しく前後する構成で、ちょっと分かりにくい部分もあったが、最近の作品によく見られる色の比喩をふんだんに盛り込んだセリフとか、雫の描写など作者の描きたいことを全部盛り込んだような内容。
この巻でも『高校生帯』と『なわに情人こもどゲロ畑牧場』の2本が収録されませんでした。これは、お蔵入りと考えていいのかな?
テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2015/12/10(木) 14:45:12|
- 阿部共実
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阿部共実先生の最新作『死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々』略して『死に日々』の第1巻が発売されました。
秋田書店のWeb漫画誌『タップ!』にて昨年7月から不定期に発表してきた短編8本と作者が自身のHPで発表した2本に、描き下しの1本を加えた構成になってします。
・表紙デザインなど表紙は『空が灰色だから』を踏襲する水玉模様。43文字という長いタイトルを、どうやって配置するかに苦心したのが見て取れます。特に背表紙。
・第1話 お前がどんな姿、形をしてようともタップ開設と同時に公開され、サーバーをダウンさせた1作。自殺してしまった歳の離れた弟を、ネットで知った怪しげな降霊術で甦らせようとする兄。そこに『ズリズリ』と何かが這うような音が近づいてくる…。バケモノ → 幼女の2段オチになっているけど、やっぱりふたつめのほうが、阿部共実作品らしいと思う。主人公がアラサーの男というあたりが『空灰』との違いか。
・第2話 一旦だけ一旦だけでも表紙の子・高柳が登場する話。仲が良いんだか悪いんだかわからない なー子 との下校途中に、東京の大学に進学した峰先輩と再会する。しかし先輩は、なにごともまずタオルで拭かないと気が済まない『一旦拭きたい症候群』になってしまっていた。淡い恋心がはじけ飛ぶラストといい、全編に渡って空中を漂っている水滴といい、漫才風味の序盤からは想像できない切ない内容に。
・第3話 ネコネコココネコネコネネコ描き下ろし作品。大量のネコグッズを購入するものの、ネコを飼っていない市川くん。そのネコ目当てで部屋に来てしまったバイト先の主任さん(♀)の不満が爆発するが、それを受け流す市川くんのマイペースっぷり。しかし、飼う気もないのにネコグッズを収集する理由は何なんだろうな?という疑問は、48Pの主任の「やりますけどぉ!」で、だいたい相殺される。
・第4話 がんばれメガネ高校時代に同じグループだった男鹿さんから呼び出された女楽さん。男鹿さんの痛々しい大学デビューっぷりや、過去の金銭のやり取りに対する執念深い細かさ、それに対する女楽さんの怒涛の脳内ツッコミ。阿部共実作品特有の言葉の洪水を堪能できる内容。せめて、もう一人友達がいればちがった展開もあっただろうに。
・第5話 え雪で止まった列車の中での、26歳フリーターの加賀と「え」でしか会話しない18歳女子高生の伊井青羽の漫才トーク。前半は「えっ?」「ええ~」「A」と同じ音でも意味が違うテクニカルな会話が続いていたが、後半の人文字を駆使した力業な展開も個人的には嫌いじゃないです。
・第6話 それがだよ高校の友だちとは緊張してマトモに話ができない真城、彼女のくされ幼なじみで専属通訳の岡田、真城のクラスメイトでイケメンの木沢のちょっと変わった三角関係?の話。真城と木沢がイイ感じ → 岡田が邪魔者ということを自覚し真城に自立をうながして立ち去る……からの、大逆転劇が見事だった。
・第7話 10時間バイトばかりの貧乏生活に嫌気がさしている理子が、中学生?の姉とケンカしたりする。「ガルチェ&ドッバーナ(スリーパーホールド)」とか「ネコトマトは偶数縛りで買え」とか、キレのいいギャグはあるものの、全体的には閉塞感のある切ない内容。夢の世界を借りることで、作者の言いたいことを言ったという感じかな。あと、94P5コマ目と96P1コマ目の理子が、大変好みです。
・第8話 アルティメット佐々木2727歳コンビニバイトの佐々木が、後輩の坂本君に恋愛相談する。常に主語が『佐々木』な佐々木の会話のテンポが良かった。今回の単行本発売記念で続編がタップに発表されたし、佐々木は今回の人気ナンバー1ということか。あと、サービスショットの吹き出しが邪魔。
・第9話 おねがいだから死んでくれクラスで孤立している田所君が、秘かにネット上にマンガ投稿している佐久田君と友達になろうとするが……。他者とコミットすることのできない田所君を、一見おとなしそうな佐久田君がクソミソに論破する場面だけでも十分重いのに、時間をさかのぼって希望を持っていた田所君の描写をラストに持ってくるという非情な構成がキツイ。あと、人の描き方というか表情の演出みたいなところに、新しい描写を取り入れている印象。
・第10話 深い悲しみ作者のHPで発表されていた一作。ある女子高生が抱えることになった『悲しみ』とは。4ページながら、だんだんとその正体がわかっていく構成が上手い。絵柄的に空灰前のころの作品かな。
・第11話 1/4黒ニーソメガネ児童液岡本さんは、中学校の同級生で現在ニートの久本くんをファミレスに呼び出す。現在の悲惨な状況を聞こうとするが、久本くんの口からは意外なことが語られる……。何度も繰り返されるセリフ。同じような構図のコマが連続することで妙なテンポと疾走感を生み出している。ただ、サブタイトルのブツは、このご時世にはギリギリの代物だな。
今回、単行本に収録された作品がタップで読めなくなっているのは理解できるんですけど、なぜ『高校生帯』と『なわに情人こもどゲロ畑牧場』も読めなくなっているんですかね。順番で行けば、3話と4話なのに。
テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2014/12/13(土) 08:45:53|
- 阿部共実
-
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『ブラックギャラクシー6』の感想です。
別冊少年チャンピオン創刊の2012年6月から、翌年の7月まで連載されていました。単行本の発売は、最終回と同時に告知されたものの『死に日々』や『ちーちゃんはちょっと足りない』の連載が始まったこともあり、ここまでズレこむことになりました。
・第1話 友達ギャラクシー序盤は、1話6ページの構成。作者の前作『空は灰色だから』にも登場した県立第三高等学校が舞台。1年生のギドラ(主人公)は黴臭い中学時代をくり返さないために、友だちの枯木流那(カレルナ)と新たな部活を立ち上げることに。
・第2話 部員勧誘するっすシックスということで、部員勧誘するギドラとカレルナ。小動物系の渋谷千代乃(チョロ助)、カレルナのことが好きな座間欽一(ザッキン)、その友人の城杉大輔(シロ)の参加がサクッと決定する。
・第3話 豪放磊落と思うブラックファミレスでの話し合いで、活動内容が『オカルト生命文芸部』に(実際はマンガを読んでいるだけ)、サークル名も『ブラックギャラクシー』と決定する。この時点でギドラ→ボケ、ザッキン→ツッコミ、チョロ助→ビクビクみたいな役割分担が、出来上がっている。
・第4話 部活動を公認してくれないと嫌だしギャラクシー部室と部費をゲットしなければならないが、部長のギドラは「メガネと見せかけて実はまあまあのアホ」(声に出したい日本語)なので、シロが動くことに。新人教師の田無以蔵とチョロ助を間に挟んで、力づくの交渉をすることに。こういう、文科系の部活なのに身体能力が高いキャラっていうのは、お約束だけど超便利。
・第5話 新入部員に屈するシックスザッキンは、空き部屋だったブラックギャラクシーの部室を昼寝場所にしていた、2年生の針本月花(ハリセン)と遭遇。興奮して話したていたかと思えば、急にブレーカーが飛んだようになってしまうテンションの乱高下に翻弄され、遅れてきたカレルナたちにも誤解されてしまう。
・第6話 そんな風に思われているなんて不覚ブラックハリセンの参加も決まり『ブラックギャラクシー6』の6の部分が意味を持つことに。しかし、そのダジャレ趣味をハリセンに「オヤジくさい」と言われ、ザッキンの妹の座間弥和にダメを押されたことで、カレルナがショックを受ける。ちなみに今さらですが、空灰のようにダーク方面に落ちることはありません。気楽に読めます。
・第7話 ちょっと前の話ギャラクシーここからの4話は週刊少年チャンピオンに出張掲載されたもので、1話4ページの構成。ブラックギャラクシー正式活動前の、ギドラとカレルナの会話。自称お笑い好きのギドラが自分でお題をふって自分で答えたり、このあたりからウザいキャラが顔を出してくる。
・第8話 夜に暗く蠢くブラックチョロ助を怖がらせようとするカレルナと、明るい方向にフォローしようとするシロ。それぞれのキャラが上手くかみ合っていて、全体を通しても屈指の高内容。特に45ページの「ゲームオーバー」は、ツイッターのヘッダー画像にでも使いたいところ。
・第9話 女子高生の卑屈シックスチョロ助がパシッてきたパンで、自分だけが高カロリー(800Kcal)だったことからギドラがキレるが、結果的にはザッキンが墓穴を掘ることに。「このメガネはよく食うメガネ」「こんなデブメガネ タイマンやったらいつでもしばける」というセリフは、妙に頭に残る。
・第10話 日本語は難しいギャラクシー阿部共実作品特有の『言葉の誤用ネタ』。カレルナ、ハリセンあたりは、そういうのに詳しそうだけど、チョロ助もちゃんと『爆笑』の意味を知っているのが意外だった。あと、1コマ目のギドラから、なんかハブられている感がプンプンする。
・第11話 今を次世代に託すシックス高校に傘を届けに来た弥和が、ギドラと初遭遇。メガネに驚く。「これがりあるだ」。しかしギドラが1ページ使って雨を詩的に表現したのに、それを「え?」で流すザッキンがヒドイ。
・第12話 恐怖の奈落にギャラクシーハリセンの心霊動画に怖がる、ギドラ&チョロ助&弥和。ただ1人平気なカレルナが、唯一顔をゆがめた動画は……? この話ぐらいから弥和が普通にブラックギャラクシーの部室にいるようになるけど、どんだけセキュリティーが甘い学校なんだよ。
・第13話 わたくし軽く詩書いたしギャラクシーギドラが書いていた詩を読んで、リアクションに困るカレルナたち。でも、ハリセンだけが素直な感想を遠慮なくぶつける。いちおう『オカルト文芸生命部』なんだから、ギドラのやっていることは間違いっていないはずなのに、ちょっとかわいそう。
・第14話 髪が長く髪が短く髪がブラックハリセンが、ギドラとカレルナの髪が長いことに触れ、特に腰よりも長いカレルナの毛先は幼稚園のころに生まれたもの = ロリルナだと提案する。オマケのザッキンは黙っていただけなのに女性陣からの評価が暴落して不憫すぎる。この話は空灰終了後、ちーちゃんスタート前なので、絵がスゴイ丁寧。
・第15話 大好きなソファでリラックスシックスもはや、ただのマンガ読みサークルとなったブラックギャラクシー。尻とソファの革が擦れて鳴った大きな音を、自分のオナラじゃないと証明するためにカレルナが奮闘する。でもザッキンは、ここで男を見せておくべきだったと思う。
・第16話 わかってたしギャラクシーここから、1話8ページの構成に。ブラギャラメンバーの漫画の持ち合いのために、紙袋いっぱいの通な名作を持ってきたギドラ。でも、体力のなさから挫折しかける。そこを颯爽と助けてくれたシロに惚れかける。なんとなく顔が安定しない印象のあるシロだけど、89ページ5コマ目は、さすがにイケメン。
・第17話 えらく個性がなくあがくブラック急に「幼女の生血が吸いたい」とか「タナトフォビア(死恐怖症)」とか、キャラを作ってきたギドラだが、あっさりとハリセンに看破されてしまう。自称不思議ちゃんに、103ページのハリセンの言葉を聞かせてやりたい。
・第18話 きみたちおいくつシックスこの話から、雑誌掲載時からサブタイトルが変更されている。部室に弥和が友だちを連れてきて「わーわー」「きゃあきゃあ」「ぷにぷに」する。ただ、その様子を描きたかっただけだと思う。あと、1コマ目のギドラの「いい加減コレもんをドーンよ!」って何をしたんだ?
・第19話 クビになるほど堕落しギャラクシーハリセンが、バイトを3日でクビになったグチをカレルナに話す、漫才風味の内容。ハリセンの悪意のあるモノマネも面白いし、それに対するカレルナの丁寧なツッコミをいい味を出している。オマケでハリセンがブラックギャラクシーを楽しんでいることも分かったし、ベストエピソードだと思います。
・第20話 女子高生難攻不落ブラック女子が多いサークルに参加していることを、クラスメイトにうらやましがられるザッキン。しかし、実際は男としてのプライドを打ち砕かれるばかり。シロと話し合い、想い人のカレルナとの距離を近づけようとするものの、やっぱり玉砕してしまう。あと、中学時代のカレルナの髪の毛がちょっと短く描かれているのが、細かい。
・第21話 どうしようもなき群がりクズシックス自他ともに認める面倒くさがりのカレルナだが、ブラックギャラクシー内では常識人の部類に入ってしまう。弥和、ハリセン、ギドラに対する怒涛の注意が良かった。主にキャラクター中心に話を展開させている印象が強いBG6だが、この話は構成が上手かったと思う。
・第22話 子供は妙に勘が働くしギャラクシー弥和が、兄の「ザッキン」というあだ名に疑問を持つ。ザッキン = 雑菌なわけだが、そのまま教えるわけにもいかず、どう答えるべきか悩むブラギャラメンバー。ラスト2話は雑誌掲載時からの描き直しが多く、かなり印象が変わっている。
・最終話 何もなく暮らすブラック国語の補習を受けるギドラと、それにつき合うカレルナ。セミの鳴き声に染み込んでいくような静かなラストだった。第1話時点ですでに夏服なので、約ひと月半の物語だったということか。
『ちーちゃんはちょっと足りない』を読んでから、こっちを読んだ方が心理的に楽だと思います。
テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2014/05/10(土) 20:17:25|
- 阿部共実
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阿部共実初の長編作品『ちーちゃんはちょっと足りない』の感想です。
秋田書店の季刊誌『もっと!』で第2号(2013年3月発売)から第6号(2014年3月発売)まで連載されていました。
・第1話南山千恵(ちーちゃん)は中学生だけど、身長だったり財布の中身だったり頭の良さだったり蜂への警戒心だったり、いろいろなモノがちょっとずつ足りない。それでも同じ団地に住んでいるナツや、ちょっと口の悪い旭など良い友人に恵まれていた。という、日常系のエピソード。一度読み終わってからだと、22ページのナツの「オールキンタマ!」とかは、ポップすぎて救いになるほど。
・第2話委員長の奥島君と副委員長の如月さんに勉強を教えてもらったちーちゃんと、それにつき合ったナツは、帰り道で旭がサッカー部の先輩と会っていたのを目撃したことから、恋愛ごとに興味を抱く。33ページ7コマや45ページ4コマなどのちーちゃんの顔芸や、ナツと2人でいるところの笑顔を見るとホッコリする。
・第3話姉の志恵(高2)と、デパートに靴を買いに来たちーちゃん。でも、22cmの靴でも大きすぎて結果的には子供用を買うことに。明言はされていないけど、いろいろと体の成長に問題があるんだな。志恵も、ちーちゃんのことを叱りながらも実は心配していることがセリフの端々から感じられるし、受験で親に負担をかけないように考えたりファッション雑誌を友達からもらっていたり、家計を考えながら生活しているのが、なんか切ない。
・第4話旭は成績が良く、家族でグアムに旅行に行っていた。いっぽう、同じクラスの藤岡からは万引きを持ちかけられる(冗談)。どちらにもなることのできないナツは、自分の存在の希薄さを感じてしまう。この話から、主人公がちーちゃんからナツに移り変わったようで、それと同時に作品内に漂う空気も一気にダークになっていきます。96~97ページの見開きが、カバー下にも使われているし最後の救いのシーンかな。
・第5話女子バスケ部員(宮沢と野村)が、顧問のために集めていたお金が紛失する事案が発生。その疑いがちーちゃんにかかる。それを怒りの形相で否定する旭が良かった。でも犯人は、そのちーちゃんだったことが判明する。「ナツいい奴だから いつも やる!」と言われてからのナツの体がグニャリと歪み、本当に1000円もらっちゃう流れにド肝を抜かれた。ちーちゃんは、倫理観も足りなかった。ラストのひと言が、4話と対比になっているのもイイ。
・第6話ちーちゃんからお金をもらった罪悪感から、ナツは学校をズル休み。病院に行くふりをして、かねてより欲しかったリボンを買う。翌日には、そのリボンをつけて登校するものの、誰からもふれてもらえない。そして、藤岡たちがお金を盗んだ犯人を本格的に探し始めたことから、ナツは保健室に逃げる。「私たちはなんでこんなに足りないの? 余った物でいいからちょうだいよ何か」というモノローグが切ない。そして、旭から聞かれたちーちゃんは、あっさりお金を取ったことをことを白状てしまう…。
・第7話ちーちゃんの告白を受けて、潔く宮沢と野村に謝る旭。少々強引ながらも、ちーちゃんにいけないことをやったと分からせた藤岡。その藤岡の家庭の事情を説明した宮沢や奥島らもふくめ、すべて丸く収まった感があっただけに、その後のナツの空気の読めなさが際立っていた。178~179ページの白黒反転見開き4段の帰り道は切なく、180ページで藤岡姉妹を見た「はいはい どうせ私だけがクズですよ」というモノローグは、後戻りできないところまで落ちてしまったんだなと思う。
・最終話ひとりで朝から出かけたきり、連絡の取れないちーちゃんを探しに街に出たナツ。そこで藤岡たちと遊ぶ旭を見かけたことから、一気に黒い感情が吹き出してしまう。207~212ページの怒涛のモノローグには胸を締め付けられる。特に「友達も少なくてバカでワガママで性格も悪い娘でごめんね」「私は何もしないただの静かなクズだ」「未来がせまいよ」は、切なすぎる。結果的にナツは、ちーちゃんを近くに留めておくことで心の安定をはかったけど、旭とは以前と同じようには話すことはできなそう。ハッピーエンドではないけど、バッドエンドと言い切ることもできない、なんだかモヤモヤした何とも言えない読後感が残ります。
ちーちゃんはちょっと足りない の感想
テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2014/05/10(土) 20:16:10|
- 阿部共実
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