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晴耕雨マンガ

天国大魔境の小ネタ募集中/1月は、六道の悪女たち。

一端の子 の感想




一端の子 の感想です。作者の深山はな先生は、これが初連載初単行本。帯には『持ち込み即、連載決定!!』『現役大学生の新鋭が放つ』という景気のいい言葉が並びますが、それに負けない高レベルのオムニバス作品集になっています。




・第1話 えがお
クールビューティーの月子は、フワフワ系の友人えなの恋愛を応援することに。月子の本当の狙いが分かる26~27ページの見開きは、背筋がゾクッとする。他の話の登場人物たちが自分の置かれた境遇に悩んでいたり、自分の気持ちに正直に向き合っているのに対し、月子は欲望を満たすために動いていて、作中で最も“悪”の側の人間なのかもしれないと思った。

・第2話 CUT(E)
母親が美容師の美琴は、幼なじみの ゆず の髪を切ってあげていた。そこに、友達以上の並々ならぬ執着心を込めて……。ゆずに対しアプローチをかけてくる馬淵を上手くけん制できていたと思われたが、2人がつき合うことになってしまい、美琴の気持ちが暴走する。教室での別れのシーンと、時間が経過して美容室での再会のシーンのギャップが良かった。

・第3話 無題
大学のサークルの飲み会から抜け出した、おばぎ先輩についていこうとした代田。しかし、行き先がレズビアンバーと知り躊躇してしまう。仕切り直しでの代田からの相談と、それに対するおはぎ先輩の答え(85ページあたりから)は、この作品全体のテーマに対する答えのひとつかもしれない。それから、過去に告白してきた友人と、その恋人と飲むシーンで、卵焼きが2個残っているのが気になる。代田は、自分の分を食べなかった?

・第4話 と或る女たち
まずトビラが、ミステリ漫画のよう。『この中に犯人がっ!』みたいな。そこで紹介されたJK4人が「セフレがほしい」という話題で盛り上がる。ここまでの3話は1対1だったのに対し、4人でとりとめもなく話している様子が楽しいし、なにかオチがつく前にコロコロと話題が移り変わっていくのも見ていて面白い。が、その空気感がラスト4ページでひっくり返される構成も見事。

・第5話 午後八時の生熟れ
初芽あきは、ふとしたことからクラスでイジメられている南と、夜の公園で語り合う時間を作るようになる。初芽自身は、友人の真柴に対する気持ちをまだ割り切れてはおらず、南のことも正面から受け止められたわけではないので、ラストでセリフがほぼ無くなり表情も沈んでしまうのが、なんとも切ない。そういうことに至った経緯が不明なだけに、モヤモヤが残る。

・第6話 あろえなあなた
第3話に登場した、おはぎ先輩こと萩元さんが高校生の時の話。美術部でゆる~く活動していたが、半強制定期に大会に参加することに。そのことを要求してきた阿炉江先輩のことをよく思っていなかったが、大会当日に意外な一面を垣間見ることになる。今回のことを踏まえて第3話で語っていることを読み直すと、いろいろと違う一面が見えてくる。

・第7話 防弾ガラス張り
彼女と上手くいかなくなっていた陽輔は、新しくバイトの同僚になった蓮水さん(第4話で名前だけ出ている)に猛アプローチをかける。ついに食事に誘うことに成功したが、その場所に彼女の姿も……。218ページの蓮水さんの「こんな間に合わせの戯言は鵜呑みにするのに わざわざ言葉にした事実は なんで伝わらないんだろうね」という言葉が、作品全体でいちばん印象に残っている。

・最終話 某日
第5話の初芽&真柴が再登場。高校受験を前にした不安を語る。2人で『楽しいこと』を言い合う流れが青春ドラマのようで素晴らしかっただけに、その後に初芽がした『発言』が、どんなものだったのか非常に気になるところ。それから、ファストフード店の隣の席に梨元&楓(第4話に登場)がいたり、各話の登場人物たちがカメオ出演していて、ラストにふさわしい賑やかさ。



・おまけマンガ
第6話で、阿炉江先輩の相手として登場した みちる が顔出しをする。こういう演出だと『次回作の主人公ですよ』みたいな感じだけど、どうなんだろう?











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テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2019/12/20(金) 17:35:16|
  2. そのほかの漫画
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最近買ったマンガの感想 2019冬

『このマンガがすごい!』で上げられたなかでチェック漏れだったものを、年末年始&インフルエンザにかかってヒマだった時期に多く読んだので、まとめて感想を書いてみたいと思います。


・アンドロイドタイプワン/YASHIMA/双葉社
人型アンドロイドが普及して、家事をしたり子供の遊び相手になったりするのが珍しくないという世界観。様々なIOTとリンクしていたり、不法投棄が問題になったりといった地に足の着いた良質のSF。メイン2人の関係性をもう少し読んでみたかったが、話は謎のアンドロイド『ノイエ』をめぐる方向にシフトしていく様子。


・異世界おじさん/殆ど死んでいる/KADOKAWA
17歳で事故に遭ったおじさんが、17年ぶりに目を覚ます。その間おじさんは、異世界で大冒険をくり広げていた。作者は同人界隈で名のある人らしく、さすがに面白い。ツンデレエルフなど、異世界での波乱万丈の体験談も面白いのだが、おじさんの人生ともいえるS●GA関連ネタもキレッキレ。近代サブカルチャー解説書的な側面もある。


・乙女文藝ハッカソン/山田しいた/講談社
IT業界などで行われる『ハッカソン』を小説でやってみようという異色作。まだ本番は先のことなので、現状は各キャラの紹介と小説創作ウンチクといったところ。構成の練り方とかアイデアの出し方とか、いろいろとタメになる。文科系チームバトルというジャンルは唯一とも言っていいので、今後は、それをどうやって見せていくのか。


・恋する寄生虫/三秋縋・ホタテユウキ/KADOKAWA
コンピューターウイルスを作った潔癖症の男と、寄生虫に詳しい視線恐怖症の女の子の恋愛モノ。仲を深めた2人に、1巻のラストで衝撃の事実が告げられる。デートで行った寄生虫館での、ヒロインの話がとても興味深かった。そのあたりの空気感が良かっただけに、次巻以降は違うテイストになりそうなのが、ちょっと心配。


・セイキマツブルー/ヒロタシンタロウ/ワニブックス
恐怖の大王と、強大な昆虫。異形の存在を間に置いた、少女2人の友情モノ2編をおさめた短編集。心の距離感の描き方は上手いし、クリーチャー描写なんかは新人離れしている。初単行本でこの内容なら、十分に及第点だと思う。


・パンダ探偵社/澤江ポンプ/リイド社
遺伝子の病気により、人間が完全に動物に生まれ変わってしまうことがあるという世界観。主人公の半田は、ジャイアントパンダになりかけの状態で、同じ変身病を患った人たちの問題に関わっていく。とても優しく、そして寂しいトーンの話なのだが、吹き出しの外の書き文字がいい味を出していると思う。こういうのは『動物のお医者さん』からの伝統か。


・ライドンキング/馬場康誌/講談社
プーチン似の大統領がテロリストに襲われたことをキッカケに異世界へ。かねてより持っていた『騎乗欲』を満たすため、持ち前の格闘技術を駆使してモンスターと戦っていく。出オチになりやすいテーマだけに、どうやってストーリーを展開させていくか。プロレス関係の小ネタも豊富。


・ロジカとラッカセイ/紀ノ目/新潮社
ゆるいキャラクターたちが織りなす、ちょっとブラックなストーリー。1話完結スタイルで、それぞれの話のバリエーションや、オチのつけ方が上手い。ところどころで描かれるブラックな要素もいいアクセントになっている。個人的には、ミセス・グレイスに大仕掛けがあるような気がする。













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  1. 2019/01/18(金) 17:54:55|
  2. そのほかの漫画
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うなじ保険 の感想




平方イコルスン『うなじ保険』の感想です。前の作品集『駄目な石』からは、約3年半ぶりの発売となります。



・装丁
『成程』からはじまり『スペシャル』でも白基調の表紙デザインだったので、緑がベースに使われているのは新鮮な印象。あと『駄目な石』にくらべて吹き出し内の文字が大きくなって読みやすくなっています。

・内容など
楽園本誌に掲載された15本、およびweb増刊に掲載された12本の計27本のショートストーリーが収録されています。『成程』『駄目な石』では、楽園連載陣などのゲスト寄稿がありましたが、今回はナシ。他の楽園系の単行本を買っていないので分からないですが、方針の変更があったのかも。

・カップル尾行
いつか来る自分が交際するときに万全の備えを期すため、他のカップルを尾行調査することを日々の生業としている、阿和&鳴見コンビをメインとした話が9本掲載されており(全体の1/3)、これが縦軸の役割を果たして単行本全体をまとめている印象。相対的な恋愛強者の姫カットの子や、様々なスキルを持つ堀江が加わることによって、ちょっとした日常モノみたいな雰囲気にもなっています。おそらく、次の作品集にも登場してくるはず。

・オカルト
今回はオカルト関連というか幽霊が登場する話も多く、もうひとつの軸を形成している印象。なかでも『断然』は、校内でお祓い用の棒を持ち歩いている星村さんの正体についてアレコレ言う部分に大半が割かれ、真相が判明するのにわずか1/3ページしか使っていないという構成の妙も味わえます。

・強引
そして、ベストエピソードを選ぶとするなら『強引』となるでしょうか。ある女性がスマホらしき道具に施された呪い?の力を使って、恨みのある男性を爆死させるという内容。イコルスン作品らしく、女性の動機や殺害方法など多くは語られないので想像で補完しなければならない部分が多く、余計に不気味な雰囲気を増長させている印象。仲介業者らしき女も、目の感じや歯を見せて笑うところなど、他の作品の登場人物とは一線を画すオーラを醸し出している。再登場を期待したいところ。


個人的な好みは『設置』の目やにを取ってもらおうとする子。





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  1. 2018/10/01(月) 14:24:02|
  2. 平方イコルスン
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少年ラケット 第13巻の感想



少年たちの卓球物語。完結となる『少年ラケット』第13巻の感想です。表紙は、切なさと力強さが同居したイチロー。



・SPIN.105 地上に輝く
久々湊の過去編。見た目などからサイコキャラかと思われたが、実はおばあちゃん思いの優しい性格だと明らかに。青一色の外見にこだわっていた理由も判明する。試合では、シゲがヒジを痛めたのかと気になってしまい、ペースをつかめない。最後もアンラッキーな形で敗戦してしまう。もう少し、じっくりプレー内容を見てみたいキャラだった。そして、次はイチローの出番。

・SPIN.106 美しい男
いよいよ、勝負をかけたシングル4がスタート。序盤は、和久津がレベルの高いプレーを見せ優位に立つ。ここでイチローは左腕を解禁。逆転で、1ゲーム目を先取する。しかし、2ゲーム目開始時にイチローは、左腕に違和感を感じる。プレー途中、33Pの和久津はなんだか不気味さがあって、美形キャラの面影がなくなってしまっている。

・SPIN.107 もう1つのラッキーナンバー
橙山中戦から使い始めた左腕は、急激な負荷に耐えられず。痛みが走った状態でプレーすることを避け、封印することになったイチロー。しかし、ここまで地味に鍛えていた右手首を解放する。第7巻の特訓編は、いろんな伏線が仕込まれていたんだな。でも、いくら必要とはいえ15086回も混ぜたら、納豆の粒が破壊されていそう。そして、プレー中にモノにした右でのチキータを武器に、第2ゲームも取る。でも、和久津的には想定内の様子。

・SPIN.108 水底眩く渦を巻く
和久津が、持ち前の読みの鋭さや打球バリエーションの豊富さを生かして、2ゲームを取り返す。和久津の勝負への執着心に触発され、イチローも必死に食らいついていく。この回は内容的に、激しい読み合いが行なわれていたはずなので、そのところをもうちょっと細かく描いてほしかったが、残り話数的に仕方なかったのか。そして、マッチポイントというタイミングで、イチローは温存してきた左手を再解禁する。

・SPIN.109 運命のふたり
土壇場で解禁した左手の一打で、和久津を振り切りイチローが勝利。森原中が準決勝進出を決める。そして、ヨルゲン&べるべると会ったイチローに過去の記憶が蘇る。イチローの母・小霧も卓球選手であり、べるべる母、ヨルゲン母と一緒にプレーしていたことなどが判明していく。和久津は紫王館ランク戦編から登場していたり、かなりの強キャラ感だったが、これといった見せ場なく敗れてしまったのが残念。

・SPIN.110 輝きのその先へ
イチローの記憶は完全に戻ったとのこと。恵美おばさんや桃西のメンバーに送り出され、いよいよ紫王館との準決勝が始まる。S1は、もちろんイチローvsヨルゲン。ついに、約束を果たすとき。2人の対戦が始まる……。ロッキーvs最上も面白そうな対戦だし、S3にエントリーしている小尾がどんな選手だったかも気になる。

・SPIN.111 約束は再び
最終回。大会が終わり、墓参りに来たイチローとヨルゲン。と、お母さんたち。ジョーとロッキーがダブルスを組むことになっていたり、ヨルゲン母のアレコレとか、描くことができなかった設定をできるだけ描いたという印象。でも、それでもキレイにまとまっていると思う。マンガとしてはここで完結でも、イチローたちの物語はこれからも続いていくということを感じさせられるエンディング。

・少年ラケット 読み切り版
週刊少年チャンピオン13年51号に掲載された、パイロット版。微妙な設定の変更はあるものの、基本的には1話から4話あたりと同じような内容。このころからロッキーやジョーが、しっかりと描かれているのに感心する。あと、わっこがヒロインみたいな立ち位置にいるのがちょっと面白い。



最終巻の背表紙担当キャラが、ねこーぴおんで良かったのかどうか?







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  1. 2017/11/11(土) 16:26:49|
  2. 少年ラケット
  3. | コメント:0

少年ラケット 第12巻の感想




表紙が強豪・藍天大付属がメインで、ほぼ青一色の『少年ラケット』第12巻の感想です。



・SPIN.96 瞬に轟け
ジョーの敗戦を受け、怒りを燃やすロッキー。対戦相手は三ツ木透。第1ゲームは、ロッキーが新サーブ『ノーモーション・レーザービーム』でモノにする。なんとなく、後出しでコースを変えられるという部分は、サッカーのPKを連想してしまった。しかし、第2ゲームでは三ツ木が全く同じサーブを見せる。相手の技をコピーする能力者か。

・SPIN.97 鏡の中の未来
三ツ木はイメージ通りの身体を動かすのが上手いために、相手の真似ができるということを紫王館メンバーが解説する。そして、第2ゲームを三ツ木が取る。しかし、ロッキーの心は折れず。相手の反応速度よりも速く動くことで、現状を打破しようとする。ところで、三ツ木はモノローグで一切漢字を使っていないけど……。

・SPIN.98 透明な感情
ロッキーは、限界を超えた反応で三ツ木のサーブに対抗する。でも今回は、天海監督の三ツ木へのアドバイスが主な内容。選手が納得するためなら、1ゲーム落としてしまっても構わないという考え方か。モノマネをやめ、自分が培ってきた技術でプレーを始めた三ツ木。モノローグで漢字が使われたということは、こっちが本来の性格なんだな。

・SPIN.99 高みへ!
三ツ木は、モノマネを越えたオリジナル技を使いはじめるが、ロッキーはそれにすら高速反応を見せる。この話は、天海監督やセイさんなど外野陣がロッキーのポテンシャルの高さを認めるという内容。作中でも触れられているように、日本にも60年代にも隻腕の選手がいたんだな。現在もポーランドに女子選手がいるようだし、その辺のハンデが少ないスポーツなんだな。

・SPIN.100 ふたりとふたり
記念すべき100話目。S2はロッキーが勝利。試合後の三ツ木との爽やかなやり取りが良かった。が、ここでフィーチャーされるのは藍天大のダブルスのひとり、桐木平麗のイケメンっぷりと女子人気の高さ。対する埋金&鳥飼は、作中屈指の地味コンビ。これまでほとんど注目されなかった2人だけど、ここではじめてスポットがあたることに。

・SPIN.101 日陰に咲く星
どこかで自分たちの限界を把握し、強くなることを諦めていた埋金&鳥飼コンビ。しかし、セイさんの特訓に誘われなかった悔しさや、共通の趣味のアニメ映画を観たことをキッカケに、心境にわずかながら変化が現れる。作中の世界では『卓球アイドルアニメ』みたいなものが流行っているのか。

・SPIN.102 Wの刺激
この話は、タイムアウト中のベンチからの指示が主な内容。特にヒロが「自分とジョーのドライブ相手に打ち合えていた」ことを伝えるシーンがカッコイイ。こういう過去の何気ないシーンを生かすのが、作者は上手いと思う。しかし、2ゲーム目も桐木平&小助川ペアが奪う。後が無くなった状態で、埋金&鳥飼に逆転の秘策はあるのか?

・SPIN.103 Doubles
埋金&鳥飼ペアは、互いを支え合う心の強さを武器に必死に抵抗するものの、ストレート負けを喫してしまう。明暗分かれる160~161ページの見開きが良かった。これで森原中は負けられない状況に追い込まれてしまう。藍天大・桐木平&小助川ペアの強さは、幼稚園時代から積み重ねた過ごした時の長さだと回想されるが、それだと紫王館の笛吹兄弟には勝てないような。

・SPIN.104 青き者たち
S3に出場する“藍天大の青マニア”久々湊は、異様に高い弾道の球を打ったり複雑な回転をかけたりといった、不規則なプレーをするタイプだった。しかし、堅実さが持ち味のシゲは的確にプレーし、2ゲームを連取する。話の本筋としては、疎遠になりかけていたヒロと、再び卓球を通して絆を紡いできたシゲの想い。それを終わらせるわけにはいかないが、台にヒジをぶつけてしまうアクシデントが……!





最終巻となる13巻で、イチローとヨルゲンは、どんな結末を迎えるのか?






テーマ:漫画の感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2017/10/08(日) 18:36:14|
  2. 少年ラケット
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